営業日報をAIで3分作成|音声入力×プロンプト設計の実践法
「営業日報、また書かなきゃ…」
毎日の商談や移動で疲れた後、PCに向かって日報を書く時間。正直、面倒ではありませんか?
人手不足が深刻化する営業部門では、1日10分の日報作成でさえ大きな負担です。10人の営業チームなら、月に約33時間もの工数が日報作成に消えている計算になります。
しかも、苦労して書いた日報を誰も読んでいない——そんな「形骸化」した状態になっていませんか?
本記事では、AIと音声入力を組み合わせて、営業日報を3分で作成する具体的な方法を解説します。Windows・Macの無料機能だけで今日から始められる実践的な内容です。
目次
営業日報が「形骸化」する本当の理由
【結論】営業日報が形骸化する原因は「作成に時間がかかりすぎる」「書いても活用されない」の2点。この悪循環を断ち切るには、作成工数の削減と情報の再利用性向上が必要です。
多くの企業で営業日報が「形骸化」しています。その原因は大きく2つあります。
1つ目は、作成に時間がかかりすぎること。
営業担当者の多くは、日報作成に1日あたり10分程度を費やしています。「たった10分」と思うかもしれませんが、これが毎日続くと大きな負担になります。
10人の営業チームなら、年間400時間——つまり約50営業日分が日報作成に消えています。人件費に換算すると、数十万円から100万円以上の損失です。
2つ目は、書いても誰も読まない・活用されないこと。
時間をかけて書いた日報が、上司に「既読スルー」されている。そんな経験はありませんか?日報が活用されないと、書く側のモチベーションは下がり、内容はどんどん薄くなります。結果、「とりあえず提出するだけ」の形骸化した運用に陥ります。
この悪循環を断ち切るには、「作成工数を劇的に減らす」ことと「情報を蓄積・再利用できる仕組みを作る」ことの両方が必要です。
AIで営業日報を3分で作成する仕組みとは
【結論】音声入力で話した内容を、AIが自動的に日報フォーマットに整形する仕組みを作る。タイピング不要で、1〜3分で日報が完成します。
営業日報のAI化で最も重要なのは、「タイピングしなくても日報が作れる状態」を作ることです。
具体的には、以下の仕組みを構築します。
音声入力で話す
商談の内容や所感を、PCやスマホに向かって話すだけ。Windows/Macの標準機能で無料で使えます。
AIがフォーマットに整形
事前に設定したプロンプトに従い、ChatGPTやClaudeが会社の日報フォーマットに自動整形します。
日報完成・蓄積
整形された日報をスプレッドシートやNotebookLMに蓄積。後から「あの時何したっけ?」をいつでも引き出せます。
この仕組みのポイントは、「話すだけで終わる」という点です。
移動中や商談直後に、スマホに向かって30秒〜1分話すだけで、AIが整った日報を生成してくれます。タイピングによる「清書作業」が不要になるため、作成時間は10分から1〜3分に短縮されます。
「ツールを入れれば日報が楽になる」と思われがちですが、実際はそう単純ではありません。重要なのはプロンプトの設計です。会社で使っている日報フォーマットに合わせたプロンプトを事前に作り込んでおくことで、初めて「話すだけで日報が完成する」状態が実現します。
— 生成AI顧問の視点
【実践】音声入力で日報を作成する手順
【結論】Windows(Win+H)やMac(F5)の無料音声入力と、ChatGPT/Claude/Geminiのプロンプト設計を組み合わせれば、今日から日報のAI化を始められます。
音声入力の設定方法(Windows / Mac)
音声入力は、追加ソフトなしで今すぐ使えます。
まずは無料の標準機能で試してみてください。精度に不満があれば、AquaVoiceなどの有料ツールを検討すると良いでしょう。
ポイント
音声入力を起動した状態でChatGPTやClaudeの入力欄をクリックし、そのまま話せば、音声がテキストとして入力されます。特別な設定は不要です。
AIプロンプトの設計例
次に、AIに日報フォーマットを整形させるためのプロンプトを設計します。
以下はプロンプト例です。自社の日報フォーマットに合わせてカスタマイズしてください。
【プロンプト例】ChatGPT / Claude / Gemini 共通
あなたは営業日報の作成アシスタントです。 私が話す内容を、以下のフォーマットに整形してください。 【営業日報フォーマット】 ■ 日付:(今日の日付を自動入力) ■ 担当者名:(私の名前) ■ 訪問先・商談相手: ■ 商談内容: ■ 先方の反応・温度感: ■ 次回アクション: ■ 所感・気づき: 【ルール】 - 話した内容を上記フォーマットに当てはめてください - 情報が不足している項目は「(未入力)」としてください - 敬語で簡潔にまとめてください - 箇条書きを活用して読みやすくしてください それでは、私の話を聞いて日報を作成してください。
このプロンプトを、ChatGPTの「GPTs」、Claudeの「プロジェクト」、またはGeminiの「Gems」に保存しておきます。毎回プロンプトを入力する手間がなくなり、すぐに日報作成を開始できます。
ポイント
プロンプト設計は難しくありません。今使っている日報のフォーマット(項目)をそのままプロンプトに書き出すだけです。「訪問先」「商談内容」「次回アクション」など、自社で必須の項目を漏れなく記載しましょう。
日報作成の具体的な流れ
実際の日報作成は、以下の流れで行います。
日報用のAIチャットを開く
事前に設定したGPTs / Claudeプロジェクト / Gemsを開きます。
音声入力を起動して話す
Win+H(Mac: F5)で音声入力を起動し、商談内容を話します。30秒〜1分程度でOKです。
送信してAIに整形させる
音声入力が終わったらEnterで送信。AIがフォーマットに整形した日報を生成します。
確認・提出・蓄積
内容を確認し、必要に応じて修正。完成した日報を提出し、スプレッドシート等に蓄積します。
慣れてくれば、ステップ2〜3は1〜2分で完了します。これまで10分かかっていた日報作成が、最大80%の時間短縮になります。
営業部門全体で運用するための設計ポイント
【結論】個人でバラバラに運用せず、プロンプトを統一して全員に配布することが成功の鍵。蓄積先も統一し、組織としてデータを活用できる状態を作ります。
営業日報のAI化を「個人の工夫」で終わらせてはいけません。営業部門全体で効果を出すには、組織としての設計が必要です。
設計ポイント①:プロンプトを統一して配布する
各営業担当者が自分でプロンプトを作ると、フォーマットがバラバラになり、日報の比較や分析ができなくなります。
正しい方法は、管理者が作成したプロンプト(GPTs / Claudeプロジェクト / Gems)を全員に共有することです。全員が同じツール・同じフォーマットで日報を作成することで、情報の一貫性が保たれます。
設計ポイント②:蓄積先を統一する
AIで作成した日報は、スプレッドシートやNotebookLMなどに一元的に蓄積しましょう。
蓄積された日報データは、以下のように活用できます。
- 「あの顧客との商談履歴は?」をAIに質問して即座に引き出す
- 引き継ぎ時に過去の商談経緯を一括で確認
- 営業活動の傾向分析(訪問頻度、成約率など)
設計ポイント③:運用ルールを明確にする
ツールを導入しても、「いつ」「どこで」「どうやって」日報を作成するかが曖昧だと、運用は定着しません。
例えば、以下のようなルールを決めておくと良いでしょう。
- 日報は商談直後または移動中に音声入力で作成する
- 退勤前にスプレッドシートへの転記を完了させる
- 週1回、マネージャーがAIで日報を要約・分析してフィードバックする
「自社に合った運用設計が難しい」「プロンプトの作り方がわからない」という方は、専門家のサポートを受けることで、短期間で成果を出せます。
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日報をAI化しないことで失うもの
【結論】日報のAI化を先送りすると、年間400時間の工数損失、現場把握の困難、人事評価の精度低下といったリスクが蓄積し続けます。
「今のままでも回っているから」と日報のAI化を先送りにしていませんか?
しかし、その「現状維持」には、見えないコストが発生しています。
リスク①:年間数十万円〜100万円以上の工数損失
先述の通り、10人の営業チームが日報に費やす時間は年間約400時間。人件費に換算すれば、数十万円から100万円以上の損失です。
この時間を顧客対応や商談準備に充てられれば、売上向上に直結します。
リスク②:マネージャーが現場を把握できない
形骸化した日報は、情報量が少なく、現場の実態が見えません。「この案件、どうなっている?」と毎回確認する手間が発生し、マネジメントの効率が下がります。
リスク③:人事評価の精度が低下する
日報が活用されないと、営業担当者の活動実態が評価に反映されにくくなります。「成果だけで評価される」状態は、プロセスを重視する優秀な人材の離職リスクにもつながります。
注意
人手不足の営業部門ほど、「忙しいから後回し」にしがちですが、それでは状況は悪化する一方です。小さく始めて、まず1人が成功体験を作ることが、組織全体への展開の第一歩です。
「導入しても定着しないのでは…」という不安をお持ちの方へ。BoostXが選ばれる理由は、ツール導入だけでなく、定着までを伴走支援する点にあります。
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よくある質問
まとめ
この記事のまとめ
- 営業日報の形骸化は「作成に時間がかかりすぎる」「活用されない」の2点が原因
- 音声入力(Windows: Win+H / Mac: F5)とAIプロンプト設計で、日報作成を10分→1〜3分に短縮
- プロンプトを統一し、GPTs / Claudeプロジェクト / Gemsを全員に配布することで、組織として運用を標準化
- 蓄積した日報データは、引き継ぎや分析に再利用可能
- AI化を先送りすると、年間400時間の工数損失、現場把握困難、人事評価精度低下のリスクが蓄積
営業日報のAI化は、今日からでも始められます。まずはWindows/Macの音声入力を試し、本記事のプロンプト例を参考に、1人で小さく始めてみてください。
「自社に合った運用設計を相談したい」「チーム全体への展開をサポートしてほしい」という方は、専門家への相談をご検討ください。
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執筆者
吉元大輝(よしもとひろき)
株式会社BoostX 代表取締役社長
中小企業の生成AI導入を支援する「生成AI伴走顧問」サービスを提供。業務可視化から定着支援まで、一気通貫で企業のAI活用を推進している。
※本記事の情報は2025年1月時点のものです。
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