AI導入が失敗する「推進担当者不在」問題|必要な3条件と理想の座組
📑 目次
「生成AIを導入したいけど、誰が推進すればいいかわからない」「担当者を決めたはずなのに、いつの間にか立ち消えになっていた」——中小企業のAI導入において、こうした悩みは非常に多く聞かれます。
実は、AI導入が失敗する原因の多くは、技術的な問題ではありません。推進担当者が不在、あるいは「名ばかり担当者」になっていることが根本的な原因です。
本記事では、生成AI顧問として多くの中小企業を支援してきた経験から、推進担当者不在がなぜ致命的なのか、そして担当者に必要な3つの条件と理想の座組について解説します。
AI導入で「推進担当者不在」が致命的な理由
【結論】AI導入は「導入して終わり」ではなく、現場への定着まで継続的な推進が必要。担当者不在では、誰も旗を振らず自然消滅する。
AI導入は「導入」がゴールではない
多くの企業がAI導入を検討する際、「ChatGPTを契約すればAI導入は完了」と考えがちです。しかし、これは大きな誤解です。
生成AIは導入後に現場でどんどん実装して成果を残していくことが重要です。契約しただけでは何も変わりません。現場の業務フローにAIを組み込み、実際に使い続け、成果を出して初めて「導入成功」と言えます。
この継続的なプロセスを推進する人がいなければ、AI導入は必ず頓挫します。
推進担当者不在で起こる典型的な失敗パターン
「ある会社の部長から聞いた話ですが、社内にAI研究会を作ったものの『現場に降りてこないから本当に意味がない』と嘆いていました。上で議論しているだけでは、現場の業務は何も変わらないのです。」
— 生成AI顧問の視点
「名ばかり担当者」でも失敗する本当の原因
【結論】担当者がいても「ゴール設定」がなければ失敗する。トップが明確な目的を決め、要素分解してから担当者を配置すべき。
「なんとなく担当者」が生まれる構造
推進担当者がいるのに失敗するケースで最も多いのは、ゴール設定がないまま担当者を決めているパターンです。
「AIに詳しそうだから」「若いから」「IT担当だから」——こうした理由でなんとなく担当者を決めても、本人は何をすればいいかわかりません。結果として、担当者は名ばかりになり、AI導入は進みません。
トップがやるべきこと
AI導入を成功させるには、トップ(経営者)が以下のステップを踏む必要があります。
ゴール設定
「何のためにAIを導入するのか」を明確にする。売上向上?業務効率化?人手不足解消?
要素分解
ゴール達成に必要なタスクを洗い出し、優先順位をつける
担当者配置
必要なスキルに合う担当者をメンバーから募る
フロー作成・実行
推進フローを作り、一つ一つクリアしていく
💡 ポイント
担当者を決める前に「ゴール」と「やるべきこと」を明確にする。順番が逆だと、担当者は何をしていいかわからず迷走します。
推進担当者に必要な3つの条件
【結論】推進担当者には「権限」「時間」「スキル」の3つが必要。どれか一つでも欠けると機能しない。
条件①:部門横断の調整権限
AI導入は一つの部署で完結しません。営業、製造、管理など複数部門にまたがる業務を改善することが多いため、部門横断で調整できる権限が必要です。
具体的には、各部門のメンバーから業務の実態をヒアリングし、協力を取り付けられる立場であることが求められます。「あの人に頼まれたら協力する」と思われる信頼関係も重要です。
条件②:月2回以上のミーティング時間
AI導入の推進には、最低でも月2回のミーティングを確保する必要があります。進捗確認、課題の洗い出し、次のアクション決定——これらを定期的に行わないと、プロジェクトは停滞します。
「忙しくてミーティングの時間が取れない」という状況は、そもそも担当者として機能できていないことを意味します。
条件③:3つのスキルセット
推進担当者には、以下の3つのスキルが求められます。どれか一つだけではAI導入は成功しません。
特に重要なのは業務プロセス理解です。AI知識だけあっても、現場のワークフローを理解していなければ、AIをどこに適用すべきか判断できません。IT担当に任せても技術論ばかりで業務改善に繋がらないのは、このスキルが欠けているからです。
生成AI顧問がどのような支援を行うのか、詳しくは生成AI顧問サービスとはをご覧ください。
専任vs兼任:現場に降りてくるのはどちらか
【結論】中小企業のAI導入では「兼任」がベスト。専任AI部署は現場から乖離しやすく、実際の業務改善に繋がりにくい。
専任AI部署の落とし穴
「AI専門部署を作れば万全」と考える企業もありますが、中小企業においてこれはリスクが高い選択です。
専任のAI部署は、現場の業務から離れた場所でAIを研究・検討しがちです。理想的には「上で作ったものを下に下ろして、POCを実施して全社展開」という流れですが、現実には現場に降りてこないケースが多発します。
⚠️ 注意
AI部署だけが盛り上がり、現場は「自分たちには関係ない」と冷めてしまう状況は、最も避けるべきパターンです。
兼任担当者のメリット
一方、現場業務と兼任の担当者には大きなメリットがあります。
兼任担当者は現場の業務を知っているため、「この作業はAIで効率化できる」「この業務はAIに向かない」という判断が的確にできます。現場目線でAIを組み合わせる人材こそ、中小企業のAI導入には必要なのです。
株式会社BoostXが多くの中小企業に選ばれる理由については、選ばれる理由をご確認ください。
推進担当者を置く余裕がない場合の解決策
【結論】外部の顧問・コンサルと一緒にリーダーを育成する「伴走型」がベスト。顧問だけでも、社内だけでも成功しない。
「余裕がない」は思考停止
「推進担当者を置く余裕がない」という相談は非常に多いです。しかし、これは「AI導入を成功させる気がない」と言っているのと同じです。
AI導入は誰かがやらなければ進みません。社長自らが担当するのも現実的ではありません。この課題を解決するのが、外部顧問との伴走型アプローチです。
顧問×社内担当者の理想の座組
顧問だけ入れてもAI導入は成功しません。なぜなら、実際にAIを使うのは社内の人間だからです。逆に、社内だけで進めようとしても、ノウハウ不足で迷走します。
理想的な座組は以下の役割分担です。
「顧問だけ入れても無理だし、コンサル入れてもやるのは社内の人間。だからこそ、一緒に伴走することが大事なのです。顧問が戦略を立て、社内担当者が実行する。この両輪がないとAI導入は成功しません。」
— 生成AI顧問の視点
よくある質問
まとめ
AI導入を検討しているが「誰が推進すればいいかわからない」という方は、まず無料相談の流れをご確認ください。貴社の状況に合わせた推進体制の作り方をアドバイスいたします。
📝 この記事のまとめ
- AI導入で推進担当者が不在だと、誰も旗を振らず自然消滅する
- 「名ばかり担当者」の原因は、トップがゴール設定をせずに担当者を決めていること
- 推進担当者には「権限」「時間(月2回以上のミーティング)」「3つのスキル」が必要
- 中小企業では「専任」より「兼任」が現場に密着できて効果的
- 余裕がない場合は、外部顧問と社内担当者の「伴走型」で推進体制を構築する
執筆者
吉元大輝(よしもとひろき)
株式会社BoostX 代表取締役社長
中小企業の生成AI導入を支援する「生成AI伴走顧問」サービスを提供。業務可視化から定着支援まで、一気通貫で企業のAI活用を推進している。
※本記事の情報は2026年1月時点のものです。
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