カスタマーサポートのAI化|人手不足を解消する3ステップ
「問い合わせが増えているのに、人が採れない」「ベテラン社員が辞めて、対応品質が落ちている」——カスタマーサポート部門でこうした悩みを抱えていませんか。
実は、生成AIを活用すれば、初期対応の多くを自動化できます。しかも、外注で数百万円かかるRAGチャットボットも、DifyやNotebookLMといったツールを使えば低コストで構築可能です。
本記事では、カスタマーサポートをAI化する具体的な3ステップと、失敗しないための設計ポイントを生成AI顧問の視点から解説します。
目次
カスタマーサポートのAI化とは?2つのアプローチ
【結論】CS部門のAI化には「社内向け回答支援AI」と「顧客向け自動応答AI」の2パターンがある。まずは社内向けから始めるのが成功の鉄則。
カスタマーサポートのAI化(CS AI化)とは、生成AIやチャットボットを活用して問い合わせ対応業務を効率化することです。大きく分けて2つのアプローチがあります。
社内向け「回答支援AI」で対応スピード向上
1つ目は、CSスタッフ自身が使う「回答支援AI」です。RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)技術を活用したチャットボットに、過去のトラブル対応履歴やFAQを学習させます。
スタッフが顧客からの質問内容を入力すると、AIが過去の類似事例を参照しながら回答案を即座に生成。ベテラン社員の知見がAIに蓄積されるため、新人でも一定品質の対応が可能になります。
顧客向け「自動応答AI」で問い合わせ削減
2つ目は、顧客が直接利用する自動応答チャットボットです。WebサイトやLINEに設置し、よくある質問には24時間自動で回答します。
ただし、顧客向けAIは精度が低いとクレームに直結します。後述する「失敗パターン」を避けるため、まずは社内向けAIで運用実績を積むことを強く推奨します。
なぜ今、CSのAI化が必要なのか
【結論】人手不足と問い合わせ増加の板挟みが深刻化。顧客が求めているのは「回答」ではなく「課題解決」であり、スピード重視ならAI活用が最適解。
人手不足×問い合わせ増加のダブルパンチ
中小企業のCS部門は今、かつてないほど厳しい状況に置かれています。採用難で人員は増やせない。一方で、EC化やサブスクモデルの普及により問い合わせ件数は増加の一途。
限られた人員で対応しようとすれば、対応品質が下がり、顧客満足度が低下。結果として解約率が上がり、売上に直結するという悪循環に陥ります。
顧客が求めているのは「回答」ではなく「課題解決」
「お客さんは質問したいわけではなく、課題を解決したいんです。課題解決さえできれば、人間でもチャットでもどっちでもいい。それなら、スピードを求めるお客さんにはチャットで即回答し、チャットで対応しきれない部分を人間が担当する。これが最高の生産性だと思います」
— 生成AI顧問の視点
この考え方が、CS AI化の本質です。AIに任せられる部分はAIに任せ、人間は「人間にしかできない対応」に集中する。これにより、少ない人員でも高い顧客満足度を維持できます。
CS部門のAI導入でよくある失敗パターン
【結論】「いきなり顧客向けに出す」「全体設計なしで始める」の2つが致命的な失敗パターン。設計なき導入は必ず失敗する。
失敗①:いきなり顧客向けチャットボットを出す
「AIで問い合わせを減らしたい」という気持ちが先走り、十分な検証なしに顧客向けチャットボットを公開してしまうケースです。
生成AIには「ハルシネーション」(もっともらしい嘘を生成する現象)のリスクがあります。社内向けなら人間が最終確認できますが、顧客向けは誤回答がそのまま顧客に届きます。「AIに嘘を教えられた」というクレームは、ブランド毀損に直結します。
⚠️ 注意
顧客向けAIは「精度99%」でも、100件に1件は誤回答が発生します。その1件がSNSで拡散されるリスクを考慮してください。
失敗②:全体設計なしで枝葉から始める
「全体の設計をしないで枝葉に物事を考えてしまうと、何事もうまくいきません。やっぱり設計が大事なんです」
— 生成AI顧問の視点
「とりあえずChatGPTを使ってみよう」「チャットボットを入れれば何とかなる」——こうした場当たり的な導入は、ほぼ確実に失敗します。
AI導入の前に、まず「どの業務に」「どのようにAIを組み込むか」「データはどこにあるか」を整理する必要があります。設計なき導入は、使われないツールを増やすだけです。
カスタマーサポートをAI化する3ステップ
【結論】①データ整理→②社内向けRAG構築→③顧客向け段階導入の順序が成功の鉄則。いきなり③から始めてはいけない。
CS部門のAI化を成功させるための具体的な3ステップを解説します。生成AI顧問がどのような支援を行うのか詳しく知りたい方は、生成AI顧問サービスとはをご覧ください。
データの所在を整理する
過去の対応履歴・FAQ・マニュアルがどこにあるかを洗い出す
社内向けRAGチャットボットを構築
CSスタッフが使う回答支援AIを構築し、運用実績を積む
顧客向け自動応答を段階的に導入
精度が安定したら、顧客向けチャットボットを限定公開→全面展開
Step1|データの所在を整理する
RAGチャットボットの精度は、学習させるデータの質と量で決まります。まず、以下のデータがどこに存在するかを洗い出してください。
- 過去の問い合わせ対応履歴(メール、チャットログ、CRMの記録)
- FAQ・ヘルプページの内容
- 製品マニュアル・仕様書
- 社内ナレッジ(ベテラン社員のノウハウ)
データが整理されていない場合は、「どのフォーマットで蓄積していくか」を先に設計します。データ作成の負担を最小化するため、AIを組み込む場所を最適化することが重要です。
Step2|社内向けRAGチャットボットを構築
整理したデータをもとに、CSスタッフが使う回答支援AIを構築します。スタッフが顧客からの質問内容とプロンプトを入力すると、AIが過去の類似事例を参照しながら回答案を生成。
この段階では、AIの回答を人間が確認してから顧客に送信します。誤回答があれば修正し、その修正内容をAIにフィードバックすることで精度が向上していきます。
ポイント
過去のトラブル対応履歴をRAGに蓄積することで、同じトラブルが再発した際に即座に解決策を提示できます。ベテラン社員の知見が「組織の資産」として残る点も大きなメリットです。
Step3|顧客向け自動応答を段階的に導入
社内向けAIで十分な精度が確認できたら、顧客向けチャットボットの導入を検討します。ただし、いきなり全面展開はリスクが高いため、段階的に進めます。
まずは「よくある質問」に限定して自動応答を開始し、AIが対応できない質問は人間にエスカレーション。運用しながら対応範囲を徐々に広げていくのが安全です。
低コストで始めるCS AI化|Dify・NotebookLM活用術
【結論】RAGチャットボットは外注すると数百万円かかるが、DifyやNotebookLMを活用すれば大幅にコスト削減可能。
外注なら数百万円→ツール活用で大幅削減
「RAGチャットボットを作りたい」とSIerやAI開発会社に依頼すると、初期構築だけで数百万円、運用保守で月額数十万円というケースも珍しくありません。
しかし、2024年以降、ノーコード・ローコードでRAGチャットボットを構築できるツールが急速に普及しています。代表的なものがDifyとNotebookLMです。
実装が難しければ顧問が伴走サポート
「ツールがあるのは分かったけど、自社で実装できる自信がない」という方も多いでしょう。そこで活用いただきたいのが、生成AI顧問による伴走サポートです。
データ整理からツール選定、実装、運用定着まで一気通貫で支援。外注開発に比べて大幅にコストを抑えながら、自社でAIを運用できる体制を構築できます。
株式会社BoostXが選ばれる理由や、生成AIコンサルティングの詳細もあわせてご確認ください。
よくある質問
まとめ
「人手不足だから仕方ない」と諦める前に、まずは無料相談の流れをご確認ください。現状の課題をヒアリングし、御社に最適なAI活用プランをご提案します。
この記事のまとめ
- CS AI化には「社内向け回答支援AI」と「顧客向け自動応答AI」の2パターンがある
- 顧客が求めているのは「回答」ではなく「課題解決」。スピード重視ならAI活用が最適
- 「いきなり顧客に出す」「設計なしで始める」は失敗の典型パターン
- 成功の順序は「データ整理→社内向けRAG構築→顧客向け段階導入」
- Dify・NotebookLMを活用すれば、外注(数百万円)に比べて大幅にコスト削減可能
執筆者
吉元大輝(よしもとひろき)
株式会社BoostX 代表取締役社長
中小企業の生成AI導入を支援する「生成AI伴走顧問」サービスを提供。業務可視化から定着支援まで、一気通貫で企業のAI活用を推進している。
※本記事の情報は2026年2月時点のものです。
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