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対応履歴のデータ移行で注文番号が外れる理由と付け直す段取り

問い合わせ管理のツールの乗り換えで、過去の対応履歴の移し替えを受け持つことになった小売のCS責任者・CS担当・店長が読み手です。

旧ツールの書き出しファイルを開くと、件名・本文・受信日時の欄はあるのに、注文番号の欄が見当たらないことがあります。番号を探し直す作業がどこまで要るかで、移し替えの手間も切り替え日も変わります。ここでは、番号を付け直すときに人が受注画面で照合する件の見分け方と、旧ツールを止めてよい件数の合い方を扱います。

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対応履歴のデータ移行で注文番号が外れる理由と付け直す段取り

先に結論

注文番号の候補は件名と本文から書式ごとにAIか表計算で出し、候補が0件・複数件・番号に似た数字の件と、引用の中にしか番号が無い件だけをCS担当が受注画面で照合します。旧ツールを止めるのは、旧ツールにあった件数が、新しいツールに入れた件数と保管場所に置いた件数の合計と一致してからです。

番号が件名の決まった位置にしか書かれていない会社なら、AIを使わずに表計算の切り出しで足ります。別々のメールアドレスを同じお客様にまとめるかと、番号が空の件を残したまま切り替えるかはCS責任者が決め、迷うお客様は分けたまま移します。

注文番号が本文の文字にしか無いと、人の照合が要る

注文番号が件名や本文の文字の一部としてしか残っていない旧ツールでは、どの書き出し方を選んでも番号は1つの列になりません。番号を探す作業は機械で速く進められても、似た数字や引用の中の別の注文を取り違えるおそれがあるので、受注画面と照合する人の手が残ります。

抜き出した番号の候補は、注文一覧と照合するまで欄に入れない

CS担当

AI

CS責任者

  1. CS担当

    旧ツールから見本をたとえば10件書き出し、欄を見る

    注文番号の欄があれば抜き出しは不要

  2. AI

    件名・本文から注文番号の候補を書式ごとに出す

    見つけた場所と候補の数を添える

  3. CS担当

    候補が0件・複数件の件を受注画面で照合

    戻す抜き出せない書式が出たら抜き出しへ

  4. CS責任者

    別のアドレスを同じお客様にまとめるか決める

    迷う件は分けたまま移す

  5. CS責任者

    旧の件数と、新+保管の件数を突き合わせる

    戻す合わなければ書き出しの条件へ

  6. CS責任者

    新に入った番号空欄の件を、照合の残りとして数える

    残りが多ければ切り替えを延ばす

  7. CS責任者

    移さない履歴を読み取り専用で置き、消す時期を決める

図から決めるのは、受注画面で照合する件を受け持つCS担当と、旧ツールを止めてよいかを判断するCS責任者の名前です。二人が同じ人なら、照合の日と件数を数える日を分けておきます。

対応履歴のデータ移行とは、旧ツールの問い合わせのやり取りを、注文番号とお客様との結び付きを保ったまま新しいツールへ移す作業です。書き出した表に番号の列が最初からあれば、図の抜き出しと照合の工程は外れ、件数の突き合わせと保管から始められます。

どの件を新しいツールへ入れるかは、窓口をまとめる段階で決めておく事柄です。対応が終わっていない件と、返品・保証の期間内の件を入れる考え方は、店舗とECの問い合わせ窓口を一つにまとめる記事にあります。この記事で扱うのは、入れると決めた件に注文番号を付け直す作業と、入れない件の置き場所です。

番号の候補を出すのは、AIでも表計算の検索でも構いません。番号の書式が自社ECの1種類だけなら、表計算で足ります。モールの番号も混ざり、全角と半角、ハイフンの有無が揃っていないなら、書式の揺れごとAIに候補を出させるほうが、探し漏れに気づきやすくなります。

書き出した見本で、番号が件名の決まった位置(「ご注文番号:」の後ろなど)にだけ書かれていたなら、AIを挟む工程は要りません。表計算で件名のその位置を切り出せば足り、本文や引用を探す必要がないからです。返品・交換を含む問い合わせの仕事の全体像は、顧客対応・返品の一覧で見渡せます。

注文番号を書式ごとに抜き出し、0件と複数件を照合する

候補が1件だけ出た件は受注の注文一覧と突き合わせて欄へ入れ、0件と複数件、番号に似た数字が混ざった件だけを、受注画面を開いてCS担当が1件ずつ確かめます。AIに頼むのは候補を出すところまでです。

書き出した見本で、番号が埋もれた場所を見る

仮の例を挙げると、書き出したCSVを開いたとき、注文番号がお客様の返信に引用された当店の文の奥にしか無い、という状態です。この形のままだと、1件ずつ受注画面を開いて番号を貼り直すことになります。番号が埋もれる場所は、次の5か所に分かれます。

  • 件名の途中(「ご注文の件」の後ろなど)
  • お客様が書いた本文
  • 返信に引用された当店の文
  • 当店の署名の下に添えた注文の控え
  • 添付した納品書や画像(書き出しではファイル名だけ残る)

本文の形も崩れて出てきます。メールがHTMLのまま書き出されると、文字の間に書式の記号が混ざります。返信のたびに前の文が引用されるので、同じ注文番号が1件のやり取りの中に何度も現れ、1件のやり取りが受信したメールごとに複数の行へ割れて出るツールもあります。

そこで見本では、欄の有無のほかに、本文の文字化け、1件が1行か複数行か、受信日時の形式、添付がどう残るかを見ます。日時が年月日と時刻の欄に分かれているか、1つの欄にまとまっているかで、新しいツールへ入れるときの並べ替えの手間が変わります。

見本はまとめて選ばず、自社ECのメール・モールから転送した件・電話の記録を手で入れた件が混ざるように選びます。経路によって注文番号の書き方が違うため、1つの経路だけを見ると、後で抜き出せない書式が出てきます。

候補の番号と見つけた場所をAIに返してもらう

AIへ渡すのは、件名と本文の列と、探す書式の説明です。自社ECの注文番号の桁数と頭の文字、モールごとの番号の並び(日付やハイフンを含むか)、除く数字の種類を書き添えます。返してもらうのは、候補の番号、見つけた場所(件名・本文・引用・署名の下)、候補の数の3つです。

【説明用の架空の記入例】

  • 件名

    ご注文の件について
  • 候補の番号

    A-10234
  • 見つけた場所

    返信に引用された当店の文
  • 候補の数

    1件
  • 次の扱い

    件名とお客様の本文に番号が無いので、候補が1件でも受注画面での照合に回す
抜き出しの結果 起きていること 人がする確認
候補が1件 番号を書いて問い合わせた件 受注の注文一覧に実在するかを全件突き合わせる
候補が0件 「先日の注文」とだけ書いた件 メールアドレスと受信日の前後で受注画面を検索
候補が複数 同梱・交換で注文が2つある件 用件に合う注文を欄へ、もう一方は本文に残す
番号に似た数字 電話番号・郵便番号・送り状番号 注文一覧に無い番号を候補から外す

表の2列目を見て、自社の書き出しに多い形がどれかを見本で確かめ、照合の人手をどの行に割くかを決めます。候補が1件の件も、見ずに欄へ入れるわけではありません。受注管理システムから注文一覧を書き出し、候補の番号が一覧にあるかを全件で突き合わせます。一覧に無い番号は、打ち間違いか、別の数字を候補にした件なので、照合の側へ回します。

見つけた場所も判断の材料になります。番号が引用の中にしか無い件は、前の問い合わせで話した別の注文の番号かもしれません。件名とお客様の本文に番号が無く、引用だけにある件は、候補が1件でも照合に回すと決めておくと取り違えを防げます。

照合の途中で、どの書式にも当たらない番号が見つかったら、その書式をAIへ渡す説明に足して抜き出しをやり直します。旧いモールの番号や、店舗の取り置き票の番号が混ざっていることがあるからです。

本文をそのまま外部のAIサービスへ送ると、お客様の氏名・住所・電話番号も一緒に渡ります。提供元が中身を取り扱わない旨が契約で定められ、アクセスも適切に制限されていれば、個人データの提供に当たらないと考えられます。

中身を取り扱う契約なら、それが委託と言えるかを条項から確かめ、言えなければ第三者への提供として本人の同意が要ります。提供元が国外なら、委託でも第28条により本人の同意が要る場合があります。確かめる順はモールの問い合わせ返信の記事で詳しく扱っています。

お客様との紐づけは会員IDと電話番号でも保つ

お客様との紐づけは、メールアドレスだけに頼らず、自社ECの会員IDと電話番号も軸にします。別々に見えるお客様を同じ人にまとめるかは、CS責任者が確定します。

メールアドレスだけを軸にすると、崩れ方は2通りあります。お客様がアドレスを変えた場合は、同じ人の履歴が別のお客様として移ります。家族で1つのアドレスを使っていると、別の人の注文が1人にまとまります。

お客様の状態 紐づけの軸にするもの まとめる判断
アドレスを変えた会員 自社ECの会員ID 会員IDが同じなら同じ人
家族で共用のアドレス 注文ごとの届け先の氏名 アドレスだけでまとめない
電話だけのお客様 電話番号と氏名 両方が合う件だけまとめる
会員登録の無い購入 注文番号 注文ごとに分けて持つ

表の3列目がそのまま、CS責任者がまとめてよい条件になります。どれにも当たらず迷う件は、分けたまま移すと決めておきます。

AIに頼めるのは、氏名と電話番号が合うお客様の組を候補として挙げるところまでです。同姓同名の別人を1人にまとめると、次の問い合わせで別の方の購入履歴や住所を見ながら返信することになります。

誤ってまとめた件を後から戻せるように、移した各行に旧ツールでのお客様の番号を残しておきます。まとめた日とまとめた理由も一覧に書いておけば、誤りに気づいたときに元の2人へ分け直せます。

モール経由のやり取りは、出店先ごとの画面の中に残っていて、旧ツールには入っていない場合があります。出店先の画面を見る時刻と担当者が決まっていれば、その分を移す対象から外しても、後から探す場所に迷いません。

移さない対応履歴の保管と消す時期

移さない履歴は捨てずに読み取り専用の場所へ置き、注文番号とメールアドレスで引けるようにして、消す時期もその日に決めます。新しいツールに入れないことと、手元から消すことは別の判断です。

置き方は、旧ツールから書き出したファイルに、抜き出した注文番号の列を足した形が扱いやすくなります。注文番号の列があれば、店舗や電話で昔の注文を聞かれたときに、ファイルの検索で当時のやり取りまで辿れます。

閲覧できる人は、照合をしたCS担当と、判断をするCS責任者に絞ります。書き換えられる権限は誰にも付けず、ファイルを置いた日と、元にした書き出しの条件(期間・状態)をファイル名か同じ場所のメモに残します。

個人情報保護法第22条は、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去するよう努めることを求めています。消す期限までは条文に書かれていないので、返品・保証の期間など、履歴を使う理由が続く期間から自社で決めます。保管場所を作る日に消す日も書いておけば、置いたまま忘れられる履歴が残りません。

移行後の件数突き合わせと問い合わせ管理の切り替え日

旧ツールを止めるのは、旧ツールにあった件数が、新しいツールに入れた件数と保管場所に置いた件数の合計と一致してからです。突き合わせるのはこの2つの数で、差が出たら、どちらにも入らず落ちた件があります。

番号が空欄のまま新しいツールに入った件は、その件数の内数で、突き合わせの相手ではありません。照合しても番号が決まらなかった残りとして別に数え、空のまま切り替えてよいかをCS責任者が判断します。空の件が照合の担当者の手元に偏っていれば、その人の照合が追いついていないだけかもしれません。

移した履歴には、移行したと分かる印を付けます。印が無ければ、応答時間や件数の集計に過去の件が混ざるでしょう。Zendeskの開発者向け文書も、取り込んだチケットに取り込みを示すタグを付け、レポートから外すことを勧めています。

元の受信日時を保てるかも、新しいツールで確かめる条件です。Zendeskの取り込みでは、作成日時・更新日時・解決日時に移行元の日時を設定できます。日時が移行した日に揃ってしまうツールなら、元の日時を本文の先頭に書き残します。

作業を続けてよいかは、CS責任者が作業日ごとに数える2つの件数で見ます。受注画面での照合に回った件数と、照合しても注文番号が空のまま残った件数です。

照合に回る件数が何作業日も減らない(たとえば3作業日。日数はCS責任者が決める)なら、AIへ渡した書式の説明が足りていないので、抜き出せなかった番号の書式を足して抜き出しからやり直します。旧ツールと、新しいツール+保管場所の件数が合わないときは、書き出しの条件(期間・状態・削除済みの扱い)へ戻って確かめます。

切り替え日から、新しい問い合わせは新しいツールで受け、旧ツールは読み取りだけの期間に入れます。日付は、大型セールの出荷と問い合わせが落ち着いた週から選ぶと、照合の担当者を移行に割けるはずです。

新しいツールでは、受け付けた時点で注文番号を専用の項目に入れる運用にし、次の乗り換えで同じ付け直しが起きないようにします。在庫や出荷など、問い合わせの元になる業務の記事は小売・ECの媒体トップに並んでいます。

照合と移行作業のうち、外部に任せられる範囲

照合に回る件数が減らないまま、CS担当を日々の問い合わせから離せない時期が続くなら、候補出しと件数の突き合わせを、新しいツールの提供元や移行の業者に頼む場面です。旧ツールの書き出しの条件が画面から読み取れず、件数の差の原因が掴めないときも、旧ツールの提供元に聞くほうが早く片づきます。

履歴の中身を外部に扱ってもらうなら、その契約が委託と言えるかを、作業を頼む前に契約の条項で見ます。委託と言えれば第25条により委託先を監督する義務があり、作業後に書き出しファイルを消してもらうこと、作業する人の範囲、再委託の有無を契約で確かめます。委託と言えなければ第三者への提供として、本人の同意が要るかを確かめることになります。

旧ツールの契約が切り替え日より先に終わる場合は、照合が残っていても、全件の書き出しを保管場所へ置くことを先に済ませます。照合は保管したファイルの上でも続けられますが、契約が終わった旧ツールからは書き出し直せなくなることがあるからです。

明日から始める3ステップ

  1. 担当 CS担当

    旧ツールの書き出し画面から、自社ECのメール・モールから転送した件・電話の記録を手で入れた件が混ざるように直近の問い合わせをたとえば10件書き出し、注文番号の欄・文字化け・1件が1行か・受信日時の形式・添付の残り方を見る

    次へ進む目安注文番号の欄があるかと、番号が埋もれていた場所(件名・本文・引用・署名の下・添付)の一覧が書けた

  2. 担当 CS担当

    件名と本文から出した候補の番号を受注の注文一覧と全件突き合わせ、候補が0件・複数件・一覧に無い番号・引用の中にしか番号が無い件を受注画面で照合する

    次へ進む目安移す全件に、照合した注文番号か「照合しても決まらない」の印が付いた

  3. 担当 CS責任者

    旧ツールの件数と、新しいツールに入れた件数+保管場所に置いた件数を突き合わせ、番号が空の件を数えて、切り替え日と保管した履歴を消す日を決める

    次へ進む目安件数が一致し、切り替え日と消す日が保管場所のメモに書かれた

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出典

  1. 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.30
  2. 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(e-Gov法令検索)第27条第1項・第28条第1項(外国にある第三者への提供の制限)・第22条(データ内容の正確性の確保等)・第25条(委託先の監督) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.30
  3. Zendesk Developer Docs「Ticket Import」Ticket Import(Key restrictions) Zendesk 確認日 2026.09.30

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