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小売AIジャーナル 運営 株式会社BoostX

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顧客対応・返品

問い合わせと受注データの連携で同姓同名を取り違えない照合項目の選び方

問い合わせ管理ツールと受注管理システムをつなぐ役を任された、小売・ECのDX担当とEC・顧客対応の責任者、店長に宛てて書いています。

問い合わせが届くたびに、受注管理システムの検索欄へ氏名を打ち直して注文を探す作業が続いています。二つのシステムをつなぐ役を任されても、どの項目で照合すれば別の方の注文を開かずに済むのかは、連携の機能紹介だけでは決まりません。照合に使う項目の比べ方から、窓口ごとの受け取り方、候補が複数出たときに担当者が見る項目まで、決める順に並べました。

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先に結論

問い合わせから注文を探す項目は注文番号を第一にし、注文番号が無い問い合わせは、メールアドレスと電話番号の両方が合う注文だけを候補にします。候補が複数出たら、CS担当が受注画面で購入日・商品・届け先の氏名を見て、どの注文かを確定してから返信します。

連携やAIが受け持つのは、注文を呼び出して候補を並べるところまでです。二つの項目のうち一方しか合わない問い合わせは候補を使わず、注文の中身に触れずにお客様へ注文番号を尋ねます。電話番号の書き方をそろえる作業は、AIを使わず表計算の置き換えで足ります。

問い合わせと受注データを氏名でつなぐと取り違える

問い合わせと受注データの連携とは、問い合わせ管理ツールに届いた1件から、受注管理システムの該当する注文を呼び出せるようにすることです。呼び出しに使う項目が氏名のままなら、連携しても同じ読みの注文が画面に並ぶだけで、選ぶ作業は人に残ります。

図の要点:問い合わせ1件を3つの場合に分けた分岐の図。注文番号が書かれていれば連携が受注データから1件を呼び出し、CS担当が氏名と商品を見る。注文番号が無くメールアドレスと電話番号の両方が合う注文があれば、連携やAIが候補として並べ、CS担当が購入日・商品・届け先の氏名で確定する。合う項目が一つ以下なら候補を出さず、CS担当が注文の中身に触れずに注文番号を尋ねる。

連携とAIは注文を呼び出して候補を並べ、どの注文かはCS担当が確かめる

  • 注文番号が書かれている問い合わせ
    • 連携: 注文番号で受注データから1件を呼び出す
    • CS担当: 氏名と商品が問い合わせと合うかを見る
  • 注文番号なし・二つの項目が両方合う注文あり
    • 連携・AI: 両方が合う注文を候補として並べる
    • CS担当: 購入日・商品・届け先の氏名で確定する
  • 注文番号なし・合う項目が一つ以下
    • 連携・AI: 候補を出さない
    • CS担当: 注文の中身に触れず注文番号を尋ねる

図で決めるのは、照合に使う項目の順番と、CS担当が受注画面を見て確かめる位置です。注文番号がある問い合わせは連携だけで1件に決まり、無い問い合わせだけが二つの項目の照合に回ります。

氏名・メールアドレス・電話番号は人に付く項目で、注文1件ごとに付く項目ではありません。同じお客様が何度も注文していれば、人まで絞れても注文は複数残ります。

たとえば、メールに「先日の注文の件です」と氏名だけが書かれていた場合です。受注管理システムで氏名を打つと、読みが同じで漢字が違う方や、同姓同名の別の方の注文が並びます。開いた注文が別の方のものだと気づかないまま返信を書けば、届け先や商品が別の方へ伝わります。

そのため、連携の製品を比べるより前に、どの項目で照合するかを決めます。ここで扱うのは、小売・ECの業務のうち顧客対応・返品に含まれる、注文履歴を確認する工程の入口です。

注文を特定する項目は、注文番号を第一にする

注文番号は注文1件に1つだけ付くので、問い合わせから注文を探す項目の第一に置けます。氏名・メールアドレス・電話番号・会員IDは人に付く項目で、同じ人の別の注文や、同姓同名の別の方の注文と区別できません。

項目 一件に絞れるか 照合できなくなる場面
注文番号 絞れる(注文1件に1つ) お客様が番号を控えていない
メールアドレス 人か世帯まで 注文時と別のアドレスから届く
電話番号 人か世帯まで 家族が同じ番号で別々に注文
会員ID 人まで ゲスト購入やモールの注文には無い
氏名 絞れない 同姓同名、漢字とかなの違い

表の「照合できなくなる場面」に自社で心当たりがある項目は、単独では照合に使わないと決めます。氏名は探す項目から外し、候補を確かめるときに見る項目として残します。

注文番号を第一にする前に、DX担当は受注データの見本で販路ごとの書式を確かめます。自社ECとモールでは、桁数や頭の文字、ハイフンの入り方が違います。販路ごとの書式を一覧にしておくと、問い合わせの本文から番号を見分けるときの材料になります。

あわせて、受注管理システムの中で注文番号が独立した欄に入っているかを見ます。モールの注文番号が備考欄の文字の一部としてしか残っていないと、番号で検索しても注文が出てきません。書き出した注文一覧を開き、自社ECとモールの注文を数件ずつ見れば分かります。

注文番号が無い問い合わせは、二つの項目で照合する

注文番号が書かれていない問い合わせでは、メールアドレスと電話番号のように、二つの項目が両方合う注文だけを候補にします。一つしか合わないときは候補にせず、お客様に注文番号を尋ねます。

二つにするのは、項目ごとに照合できなくなる場面が違うためです。たとえば、家族が同じ電話番号で別々に注文していると、電話番号だけでは家族全員の注文が並びます。メールアドレスも合う注文に限れば、問い合わせた本人の注文に近づきます。会員登録のある自社ECなら、会員IDと購入日の組み合わせでも同じ考え方が使えます。

一つしか合わない場面の代表は、注文時とは別のメールアドレスから届いた問い合わせです。電話番号だけが合う注文は、家族の注文かもしれません。この場合は連携やAIの候補を使わず、注文の中身に触れない文面で注文番号を尋ねます。

照合の前に、書き方のゆれをそろえる

電話番号は、ハイフンの有無や全角・半角で書き方が割れます。メールアドレスも、大文字と小文字や前後の空白で一致しなくなります。受注データ側と問い合わせ側の両方を、半角・ハイフンなしにそろえてから比べます。この作業にAIは要らず、表計算の置き換えや問い合わせ管理ツールの設定で足ります。

本文から項目を読み取る作業をAIに渡す

問い合わせの本文は自由な文章なので、注文番号や電話番号が書かれる位置は毎回違います。AIに頼むのは、件名・本文・署名から注文番号、電話番号、購入日を読み取り、書式をそろえて返す作業です。渡すのは問い合わせの件名と本文、それに販路ごとの注文番号の書式一覧です。本文に無い項目は推測させず、「未確認」と返すように指示します。

本文にはお客様の氏名・住所・電話番号が含まれるので、外部のAIサービスへ渡す前に、DX担当が規約と契約を確かめます。契約の条項でAIサービスの提供元が中身を取り扱わないと定めてあり、アクセスの制限も適切であれば、個人データを提供したことにはならないと考えられます。

取り扱う契約なら、委託と言えるかを確かめます。委託と言えれば、店にはAIサービスの提供元を監督する義務があります。言えなければ第三者提供として本人の同意が要ります。

【説明用の架空の記入例】

  • 注文番号

    未確認(件名・本文・署名に記載なし)
  • 差出人のメールアドレス

    受注データに一致する注文が2件
  • 本文の電話番号

    ハイフンなしに直して照合し、2件のうち1件と一致
  • 両方が合う注文

    1件(購入日 10月3日、掃除機の替えフィルター)
  • 次の扱い

    候補として表示し、CS担当が購入日・商品・届け先の氏名を確かめる

返ってきた内容は、CS担当が問い合わせの本文と見比べます。AIが返した電話番号が本文の番号と同じか、郵便番号などの別の数字を読んでいないかを見てから、候補の注文を開きます。

問い合わせフォームと電話で、注文番号を受け取る

注文番号つきで届く問い合わせが増えるほど、二つの項目の照合に回る件は減ります。そのために、窓口ごとに番号を受け取る形を決めます。

  • 問い合わせフォーム

    注文番号の欄を独立して置き、分からないお客様のために空欄でも送れるようにする。欄の近くに、番号が載っている場所(注文確認メール・納品書)を書く
  • 注文確認メールへの返信

    注文確認メールの件名に注文番号を入れておく。お客様がそのまま返信すれば、番号つきで届く
  • 電話

    聞く順を決める。注文番号を尋ね、手元に無ければ電話番号と購入日を聞く
  • モール

    管理画面で問い合わせを1件開き、注文番号が付いて届くかを確かめる。出店先ごとに違うので、自店の画面で見る

電話の聞く順は、店舗で受けたネット注文の電話にも使えます。店舗では店長が、この順を電話のそばに置いておきます。店から本部へ回した件が途切れる場合は、ネット注文の折り返しが店で漏れる原因を切り分ける記事が参考になります。モールの画面を開く時刻と担当の決め方は、モールの問い合わせ返信の巡回を決める記事にあります。

問い合わせそのものに振る受付番号と受付台帳は、注文番号とは別の決めごとです。受付番号の書式は、問い合わせ窓口の一元化で先に決める受付番号と引き継ぎ票の記事で扱っています。すでに溜まっている対応履歴へ注文番号を付け直す作業は、対応履歴のデータ移行で注文番号を付け直す記事に分けてあります。

候補が複数出た注文は、返信の前に人が確かめる

候補が二つ以上並んだときに、どの注文の話かを決めるのはCS担当です。受注画面で購入日・商品・届け先の氏名を見て、問い合わせの内容と合う注文を確定してから返信を書きます。

照合の結果 連携・AIがすること CS担当が確かめること
注文番号で1件 その注文を画面に表示する 氏名と商品が問い合わせと合うか
二つの項目で1件 候補として表示する 購入日・商品・届け先の氏名
二つの項目で複数 候補を購入日の順に並べる 購入日・商品・届け先の氏名
0件、または一つだけ一致 候補を出さない 注文番号を尋ねる返信にする

表から決めるのは、照合の結果ごとにCS担当が受注画面で見る項目です。候補が1件の行にも確認を残してあるのは、家族が同じメールアドレスと電話番号を使っていれば、別の家族の注文でも二つとも合うためです。AIが候補を1件に絞っても、それはCS担当が見る順番を決める材料として扱います。

候補のどれとも決められないときは、商品名・届け先・金額といった注文の中身に触れない返信にします。注文番号を尋ねる文面を先に用意しておき、番号が届いてから回答します。

別の方の注文内容を返信した場合の扱い

別の方の注文内容を書いた返信を送ると、その方の氏名や届け先が外へ出ます。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、個人データを含むメールを第三者に誤送信した場合を、漏えいに当たる事例に挙げています。

個人情報保護法は、漏えいを防ぐために必要かつ適切な措置を講じることを事業者に求めています。照合の順と返信前の確認を手引きに書いておくのは、この求めに応える備えの一つです。

取り違えに気づいたCS担当は、送った返信、開いていた注文、照合に使った項目を記録し、すぐにCS責任者へ伝えます。個人情報保護委員会への報告と本人への通知が要るかは、規則で定める事態に当たるかで決まります。CS責任者は自分だけで判断せず、社内で個人情報を受け持つ担当へ伝えて対応を決めます。

照合の順は社内で決め、受注画面の呼び出しは外部も使う

外部の手が要るのは、問い合わせ管理ツールの画面から、注文番号で受注管理システムの注文を呼び出す仕組みを作る部分です。二つのシステムに連携の機能が備わっていれば、設定で済むこともあります。自店の契約と管理画面で、注文番号を独立した欄として渡せるか、その欄で受注画面を開けるかを確かめます。

照合の順、フォームの欄、電話で聞く順、候補を確かめる項目は、製品に関係なく社内で決められます。決めるのはCS責任者で、受注データの見本から書式の一覧を作るのはDX担当です。これらが1枚にまとまっていれば、外部へ頼むときに、作る範囲と人が確かめる位置を伝えられます。

本文から項目を読み取るAIの出番は、注文番号つきで届く問い合わせが増えるほど減ります。最初の作業は、DX担当が直近の問い合わせを窓口ごとに見て、注文番号つきで届いた件を数えることです。フォームと注文確認メールの件名を直した後にもう一度数えてから、読み取りの仕組みを外部と作るかを決めても遅くありません。

続けるか見直すかは、CS責任者が窓口ごとに記録した件数で決めます。記録するのは、注文番号つきで届いた件数、候補が複数出た件数、照合をやり直した件数で、たとえば2週間分を残します。やり直しが減らないときは、一つしか合わない注文を候補に入れていないかを、照合の順に戻って見直します。

明日から始める3ステップ

  1. 担当 DX担当

    直近の問い合わせを、フォーム・注文確認メールへの返信・電話の記録・モールの窓口ごとに見本として取り出し、注文番号が付いて届いた件と付いていない件に分けて数える

    次へ進む目安窓口ごとの注文番号つき・なしの件数が1枚の表になった

  2. 担当 DX担当

    受注管理システムから注文一覧を書き出し、注文番号が独立した欄にあるか、メールアドレスと電話番号の書き方がそろっているかを自社ECとモールの注文で見て、販路ごとの注文番号の書式を一覧にする

    次へ進む目安販路ごとの注文番号の書式一覧ができ、書き方をそろえる欄が決まった

  3. 担当 CS責任者

    照合の順、候補を確かめる項目、注文番号を尋ねる返信の文面を対応の手引きに書き、問い合わせフォームに注文番号の欄を足したうえで、候補が複数出た件数と照合をやり直した件数を2週間記録する

    次へ進む目安手引きとフォームの変更が済み、2週間分の件数が窓口ごとに記録された

AI活用診断問い合わせの返事、発注、モールごとの商品説明。最初にAIへ渡す1つを決める。6問でAI活用診断(約1分・登録不要)

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BoostXは、小売の問い合わせ対応・商品登録へのAI導入を支援しています

  1. 01無料相談

    問い合わせの返信・商品説明から、最初の1業務を決める

  2. 02進め方の提案

    規模に合う進め方を提案する

  3. 03作って試す

    一緒に作り、現場で試して直す

  4. 04定着まで伴走

    毎月1テーマずつ積み上げる

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出典

  1. 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(e-Gov法令検索)第23条(安全管理措置)・第26条第1項・第2項(漏えい等の報告等)・第25条(委託先の監督)・第27条第1項(第三者提供の制限) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.10.12
  2. 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(3-5-1-2「漏えい」の考え方) 個人情報保護委員会 確認日 2026.10.12
  3. 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用) 個人情報保護委員会 確認日 2026.10.12

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