リフォーム会社のAIツールの選び方、4製品の月額と持ち出す書類
社員がそれぞれ申し込んだ生成AIを、経営者や事務責任者が全社で1つにそろえる場面の比較です。
生成AIを全社で1つにそろえるとき、4製品の月額を安い順に並べて決めたくなります。ところが料金ページの月額は、メールと文書の置き場を含むか、今のMicrosoft 365への追加か、税別か米ドル建てかで中身が違い、そのままでは比べられません。施主の打合せ記録や図面をどの製品に入れてよいかも、月額の表からは分かりません。

先に結論
製品は、汎用のAIへ持ち出す帳票と、事務所のメールを書いている場所の2つで1つに絞ります。アカウントは、施主の打合せ記録と図面を日常的に扱う営業・設計・見積担当に、まず月額課金で配ります。
AIに任せるのは、氏名を伏せた打合せ記録から施主への説明文と職人への連絡文を下書きするところまでです。見積書の数量と単価は見積担当が見積ソフトで確定し、施主の図面や記録を入れてよいかは経営者が契約の取扱いの条項を読んで判断します。
持ち出す材料がほとんど無い会社は、汎用のAIのアカウントを買わず、見積ソフトと工程管理アプリのAI機能から使います。ChatGPT BusinessとClaude Teamは2人からの契約なので、社長1人の店は個人向けのプランで、公開されている要綱やカタログを読ませるところから始めます。
なぜ月額より先に、AIへ持ち出す帳票を決めるのか
見積書を見積ソフトの中に残すと決めれば、汎用のAIに頼む仕事が打合せ記録の清書と連絡文の下書きに絞られ、要るアカウント(1人ごとの利用ライセンス)の数もそこで決まるからです。見積ソフトのAI機能と、営業が自分で申し込んだ生成AIが並んでいる会社では、全社のアカウントを足すと同じ仕事に2つの料金を払うことがあります。施主の氏名と単価が同じ画面に載る見積書は、ソフトの外へ出さないほうが管理も楽です。
図の要点:見積ソフトや工程管理アプリに残す帳票と、汎用のAIへ持ち出す材料の比較。残す側は見積書の数量と単価(見積担当が入力)、工程表と職人の手配(工務が確定)、ソフトにAI機能があれば明細の説明文。持ち出す側は氏名を伏せた営業の打合せ記録、表題欄を消した施主の図面、補助金の要綱とメーカーのカタログ。持ち出す材料が少ない会社ほど、有料のアカウントは少なくて済む。
持ち出す材料が少ない会社ほど、有料のアカウントは少なくて済む
見積ソフト・工程管理アプリに残す
- 見積書の数量と単価(見積担当が入力)
- 工程表と職人の手配(工務が確定)
- 明細の説明文(ソフトにAI機能があれば)
汎用のAIへ持ち出す
- 氏名を伏せた営業の打合せ記録
- 表題欄を消した施主の図面
- 補助金の要綱、メーカーのカタログ
「汎用のAIへ持ち出す」の列がほとんど埋まらない会社には、汎用のAIの全社導入は向きません。見積ソフトと工程管理アプリのAI機能を先に使い、足りない仕事が出てからアカウントを選べば足ります。打合せ記録を営業のノートとスマートフォンで持っている会社では、この列が埋まり、汎用のAIの出番が増えます。
見積ソフトにAI機能が無い会社で、持ち出した材料から汎用のAIが書くのは、施主への工事項目の説明文と職人への連絡文の下書きです。説明文は、見積担当が見積書の明細と読み合わせてから施主に添えます。部材や数量が明細と合わなければ、見積担当は下書きを営業に戻し、打合せ記録のどこから書いたかを確かめてもらいます。
【説明用の架空の記入例】営業の打合せ記録が「浴室 ユニットバス入れ替え 1616サイズ 手すり2本(奥様の背に合わせる)」なら、AIの下書きは「浴室はユニットバスを1616サイズで入れ替え、手すりを2本付けます。高さは奥様の使いやすい位置に合わせます。」となります。見積書の明細で手すりが1本しか載っていなければ、見積担当はこの下書きを営業に戻し、打合せ記録と明細のどちらが正しいかを確かめてもらいます。
4製品の月額を税と払い方でそろえると?
1年契約の1人あたり月額は、Workspaceが1,600円(年間プラン・請求は月ごと)、Copilotが年払いで2,698円相当で、どちらも税別です。ChatGPT Businessは3,050円、Claude Teamは20ドルで、税の扱いが製品ごとに違います。
| 製品とプラン | 1人あたりの月額 | 契約の条件 |
|---|---|---|
| ChatGPT Business | 年額課金 3,050円/月額課金 3,850円 | 2〜200名。税込か税別かの記載なし |
| Claude Team | 年払い 20ドル/月払い 25ドル | 2〜150名。米ドル建て・税抜き |
| Microsoft 365 Copilot Business | 年払い 2,698円相当(通常3,148円)/月払い 3,778円 | 税別。Microsoft 365の対象プランに追加 |
| Google Workspace Business Standard | 年間プラン 1,600円 | 税別。最大300ユーザー。メールと文書の機能込み |
表の月額は、そのまま安い順には比べられません。Workspaceは施主へのメールや見積書の添え状を書く場所ごと含む料金で、Geminiもその中に入ります。Copilot Businessは、今のMicrosoft 365に足す分の料金です。ChatGPTとClaudeは生成AIの利用料金だけなので、メールと文書の置き場は別に要ります。
稟議に載せる前に、税抜きか税込みか、年でまとめて払うか月ごとかをそろえます。Copilotの年払いの割引は2026年12月31日までのキャンペーンで、年間契約が要り、割引は初年度だけです。ドル建てのClaudeは、請求月の為替で円に直して比べます。
提案で使う完成イメージのパースは、画像を作る別の道具の仕事です。施主の家の写真を読ませて内装を描き替えるので、写真を学習に使うかを規約で確かめてから選びます。文書を書く全社の標準とは、稟議を分けたほうが比べやすくなります。
法人向けのアカウントは、施主の打合せ記録と図面を扱う人に配る
法人向けのアカウントを配るのは、施主の打合せ記録と図面を日常的に扱う営業・設計・見積担当です。施工管理と職人は、連絡文を整える程度なら工程管理アプリの側で足り、アカウントは要りません。現場で施主が口にした変更を台帳へ残す仕事まで広げるときに、施工管理のアカウントを足します。
ChatGPTとClaudeの法人向けプランは2人から、1人の店は個人向けのプラン
ChatGPT BusinessとClaude Teamは、どちらも法人向けのプランです。料金ページの表記はChatGPTが2〜200名向け、Claudeが2〜150名向けで、社長と事務の2人がいれば申し込めます。
社長1人の店がこの2つを使うなら、選べるのは個人向けのプランです。個人向けのプランでは、入力を学習に使わない設定になっているかを、契約した本人が設定画面で確かめます。そのうえで施主の氏名や住所が載った書類は入れず、公開されている補助金の要綱やメーカーのカタログを読ませるところから始めます。
個人で契約したアカウントが混ざる時期に確かめること
2人以上の会社では、法人向けのアカウントと、社員が自分で契約した個人のアカウントが混ざる時期が出てきます。営業が個人のアカウントに打合せの録音を入れていても、会社の管理画面からは見えません。法人向けのアカウントを決めた月に、経費精算の明細からAIサービスの支払いを探し、施主の情報がどこに残っているかを本人と確かめます。
施主の図面と打合せ記録を入れる前に読む契約
施主の情報を外部の生成AIに入れるときは、サービス側がその中身を取り扱うかどうかを、契約で確かめます。個人情報保護委員会のQ&Aは、クラウドに保存されていても提供に当たらない場合を示しています。契約で事業者が中身を取り扱わないと定め、アクセスも適切に絞っている場合です。
契約で中身を取り扱う形になっているなら、利用目的の範囲で扱いを任せる委託として整理できるかを見ます。委託なら、個人情報保護法第25条の委託先の監督が会社に求められる形です。取り扱わない契約でも委託でもない形なら第三者提供に当たり、第27条により施主本人の同意を得てから入れます。
「入力を学習に使わない」という既定の設定だけでは、中身を取り扱わない契約かどうかまでは分かりません。国外の事業者のサービスなら、委託であっても、第28条の外国にある第三者への提供として本人の同意が要るかも確かめます。規約とデータの取扱いの条項で読むのは、次の点です。
- 入力を学習に使うか、保存する場所と保存期間
- 解約したときに入力が消されるか
- 再委託先と、国外への移転の有無
- 社内で誰が見られるかの権限と、操作ログが残るか
- 漏えいが起きたとき、いつ誰に連絡が来るか
図面は、間取りだけなら誰の家かを特定しにくいものです。ところが施主から届く図面の表題欄には、氏名と工事の住所が入っていることがあります。数量を出す作業にAIを使うなら表題欄を消した画像を渡し、使わないなら図面は社内の置き場から出しません。
表題欄を消した図面も、氏名を伏せた打合せ記録も、社内の案件一覧と突き合わせれば誰の家のものかが分かります。個人データとして扱うことは変わらないので、消すのは相手に渡る項目を減らすためで、上の契約を読む手間は省けません。
現場写真には、表札、郵便受けの名前、隣家の外観、車のナンバーが写り込みます。現地調査の写真を提案書やパースの元に使うときは、写り込みを消してから入れます。施主宅の外観を描き替えるパースは、どのサービスで作るかより先に、施主から写真の使い道の了解をもらっておくと揉めません。
事務所のメールの置き場で最初の1製品を決める
候補を1つに絞る手がかりは、事務所のメールと見積書の添え状をどこで書いているかです。Microsoft 365の会社はCopilot Businessの追加から、Google Workspaceの会社はGeminiで足りるかから確かめます。どちらも持たず2人以上で打合せ記録を扱うなら、ChatGPT BusinessかClaude Teamです。
試す仕事を打合せ記録の清書1つにしておけば、説明文の書き直しの件数で、選んだ製品が自社の記録に合うかを比べられます。年払いは1年分のアカウント数を先に決める払い方なので、使う人が決まる前に移すと、使われないアカウントの分まで払い続けます。
ほかの業務へ広げる順番は、AI活用の基礎・選び方の記事一覧と住宅・リフォームのAI活用の全体像が手がかりです。反響への一次返信を工事種別の型で下書きさせる仕事のように施主の文面を貼る仕事へ広げるときも、持ち出す材料を比較図の2列に分けるところから始めます。
製品選びを社内で決め切る会社と、外部の顧問を入れる会社
分かれ目は、施主の情報をどこまで入れてよいかを、社長が契約の条項を読んで決めきれるかです。4製品とも料金ページと規約は公開されていて、試すのも月額課金のアカウントで足りるので、ここが決まれば製品選びは社内で終えられます。
試した後に見る書き直しの件数は、どこへ戻すかも教えてくれます。特定の営業に偏るなら、AIの設定より先に、営業責任者がその営業の打合せ記録の書き方を見直します。部位と数量を施主から聞いた順に残す形に直すと、説明文の元になる行がそろい、見積担当が明細と読み合わせる手間も減ります。全員の件数がたとえば2か月続けて減らなければ、製品より先に、試す仕事の選び方を見直す段階です。
外の目が要るのは、条項を読んでも、中身を取り扱わない契約か、委託か、第三者提供かを社内で決めきれないときです。施主の情報の取扱規程がまだ無い会社なら、入力してよい範囲と承認する人を決めるところから、外部の顧問(AI顧問)と詰める形が候補になります。
明日から始める3ステップ
担当 社長
事務所のメールと見積書の添え状を書いている場所を確かめ、候補の1製品の料金ページと、データの取扱いの条項を開く
次へ進む目安候補が1製品に絞れ、学習と保存、解約時の削除、再委託と国外への移転、社内の権限と操作ログ、漏えい時の連絡の5点を条項で読み終えた
担当 事務責任者
試す1か月は、打合せ記録を清書する営業と、明細と読み合わせる見積担当の分だけ月額課金のアカウントを用意し、伏せた打合せ記録から施主への説明文を清書する仕事を始める
次へ進む目安アカウントを渡した全員が1件ずつ、見積担当の読み合わせを通した説明文を施主に添えた
担当 見積担当
明細と合わず書き直した説明文の件数を営業ごとに数え、月末に営業責任者と見比べる
次へ進む目安書き直しが、たとえば月2件以下に収まった営業の分から、年払いへ移すアカウントの数を決める
無料相談(オンライン)
BoostXは、リフォーム会社の問い合わせ返信・現調・見積へのAI導入を支援しています
01無料相談
返信・現調の清書・見積から、最初の1業務を決める
02進め方の提案
規模に合う進め方を提案する
03作って試す
一緒に作り、現場で試して直す
04定着まで伴走
毎月1テーマずつ積み上げる
作って試す・定着までAIエージェント開発AI顧問生成AI研修
出典
- OpenAI「ChatGPT 料金」(Business 標準シート・Business の対象人数・Business のデータの扱い) OpenAI 確認日 2026.09.28
- Anthropic「プランと料金」(Team プランのスタンダードシート・Team プランの対象人数・Team プランのデータの扱いと税) Anthropic 確認日 2026.09.29
- Microsoft「Microsoft 365 Copilot Business」(年払い・月払い・購入の条件・割引の期間と条件) Microsoft 確認日 2026.09.28
- Google「Google Workspace 料金プラン」(Business Standard・利用者数の上限・Business Standard の機能) Google 確認日 2026.09.29
- 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用)・Q12-1(外国にある第三者への委託)・Q12-3(外国にあるサーバへの保存) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.28
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第25条(委託先の監督)・第27条第1項・第5項第1号(第三者提供の制限と委託に伴う提供)・第28条第1項(外国にある第三者への提供の制限) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
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