物流・運送の診断結果
いまの段階は Lv.1 スタート期
配車も事務も人の手で回していて、AIは使っていません。FAXの注文を台帳に写すような、毎日あって判断の少ない作業から始めると、配車担当の朝の時間がそのまま空きます。
いまの段階は Lv.2 属人活用期
事務の誰かがお知らせ文などを個人でAIに作らせている段階です。荷主の情報やドライバーの個人情報を入れてよいかを会社として決めてから、使う作業を広げます。
いまの段階は Lv.3 チーム活用期
経理や運行管理など、担当ごとに使う作業が決まっています。配車表・日報・請求を同じ便の番号でつなげておくと、次の自動化がぐっと楽になります。
いまの段階は Lv.4 仕組み化期
注文の取り込みや日報の整理が、毎日の流れの中でAIに任されています。動態管理やデジタコの記録とつなぎ、遅延の検知や拘束時間の集計まで自動で回す段階です。
いまの段階は Lv.5 自走期
注文から運行、請求までの記録が一本につながっています。荷待ちや採算のデータを荷主との条件の見直しに使うなど、稼ぐ力を上げる判断にAIの結果を回せます。
Lv.1 スタート期Lv.5 自走期
最初にAIに任せる1工程
業務 受注・配車
FAX・メールで届く注文の取り込み
注文の取り込みは判断をほとんど含まず、配車・請求・日報のすべての出発点です。荷主ごとに様式の違うFAXやPDFから、積地・卸地・日時・品名・数量を抜き出して注文台帳の形に並べれば、配車担当は照合して配車に移るだけになります。
- 人が確かめる所
- 読み取った日時と数量の確認、荷主への問い合わせが要る注文の見極め。手書きの注文は原本と照らします。
- 2週間で試すこと
- 注文の多い荷主2社の、先週分のFAXとメールで読み取り結果と台帳を突き合わせる
- 読み違いやすい欄(時間指定・車格など)を洗い出し、確認の順番を決める
- 朝の取り込みをこの形に切り替え、配車に着手できる時刻が何分早まったかを見る
業務 受注・配車
配車担当の判断の理由を記録として残す
配車が一人の頭の中にあると、その人が休む日や辞めた後に回らなくなります。確定した配車表と担当のメモから「なぜこの車とこの人にしたか」を記録に起こさせれば、組み方の決まりが少しずつ文字になり、次の担当が同じ判断をたどれます。
- 人が確かめる所
- 記録にした理由が正しいかの確認と、荷主ごとの条件の追記。配車そのものの決定は配車担当が行います。
- 2週間で試すこと
- 毎日の配車表の確定後に、担当が5分で話したメモから判断の理由を記録に起こさせる
- 記録を週末に配車責任者と読み、荷主や納品先ごとの決まりとして一覧にまとめる
- 2週目の終わりに、担当の休みの日に一覧だけで配車を組めたかを確かめる
業務 原価・請求
配車表と運転日報からの便ごとの請求明細
月末に配車表と日報を突き合わせて便ごとの明細を作る作業は、件数に比例して重くなります。両方の記録から便ごとの運賃・待機・付帯作業を並べさせれば、経理は運賃表との照合と差額の確認に集中できます。便ごとの採算を見る土台にもなります。
- 人が確かめる所
- 運賃表どおりかの確認と、記録にない付帯作業の扱い。請求額の確定は経理と配車担当が行います。
- 2週間で試すこと
- 先月分の配車表と日報で明細を作らせ、実際に出した請求と差を比べる
- 差が出た便の原因(記録の書き方・運賃表の例外)を一覧にする
- 今月の締めでこの明細から始め、締めにかかった時間を先月と比べる
業務 荷主・受取人対応
荷待ち・荷役の記録から荷主への月次報告をつくる
荷待ちや荷役の時間は、記録がないと運賃や待機料の話し合いの根拠になりません。運転日報やドライバーの報告から、荷主・納品先ごとの待ち時間を集計して報告の形にまとめさせれば、条件の見直しを数字で相談できます。
- 人が確かめる所
- 荷主に見せる数字の確認と、話し合いの進め方。集計のもとになる記録の付け方はドライバーと決めます。
- 2週間で試すこと
- 待ち時間の長い荷主を1社選び、先月の日報から納品先ごとの待ち時間を集計させる
- 日報に待ち時間が書かれていない便を洗い出し、書き方をドライバーと決める
- 2週間分の記録で荷主向けの報告の下書きを作り、営業と中身を確かめる
1運行当たりの荷待ち・荷役等の時間は2時間2分(出典: 国土交通省 報道発表(令和8年7月10日))
業務 荷主・受取人対応
遅れそうな納品先の抽出と連絡文の用意
遅延や再配達の問い合わせは、起きてから電話で受けるほど配車担当の手を止めます。動態の位置と時間指定から遅れそうな納品先を先に抜き出し、荷主や受取人への連絡文を用意させれば、問い合わせが来る前に知らせられます。
- 人が確かめる所
- 遅れの見込みの確認と、連絡する相手と内容の判断。事故や車両故障が絡むときは電話で伝えます。
- 2週間で試すこと
- 過去1か月の遅延の記録から、よく遅れる時間帯と納品先を一覧にさせる
- 連絡文のひな形を荷主ごとに作り、伝えてよい情報を決める
- 時間指定の多いルートで、遅れの見込みを先に知らせ、問い合わせの件数を数える
業務 ドライバー管理
デジタコと勤怠からの拘束時間・休息期間の集計
拘束時間の上限は、月末に集計してから超えていたと分かっても手遅れです。デジタコと勤怠の記録から、ドライバーごとの拘束時間と休息期間を日ごとに集計し、上限に近い人を知らせる形にすれば、配車の段階で調整できます。
- 人が確かめる所
- 改善基準告示に照らした判断と、配車の組み替え。集計の結果は運行管理者が確かめてから使います。
- 2週間で試すこと
- 先月分のデジタコと勤怠で集計させ、手で集計した結果と照らし合わせる
- 記録が欠けている日の原因を洗い出し、入力のしかたをそろえる
- 日ごとの集計を配車担当に朝一番で渡し、上限に近い人を配車に反映できたかを見る
トラックドライバーの1運行当たりの平均拘束時間は10時間13分(出典: 国土交通省 報道発表(令和8年7月10日))
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