荷待ち時間の荷主別集計は請求先でまとめず、施設と管理者の6列で分ける
荷主との待機料や運賃の協議を控えた運送会社の運行管理者と営業に。
協議の日が決まり、営業から「業務記録の荷待ちを荷主ごとに出してほしい」と頼まれたとします。請求書の宛先ごとに足し上げれば表はすぐできますが、着荷主のセンターで待った時間まで発荷主の数字に入ってしまいます。荷主ごとの集計をどの単位で作るか、記録の対象と早着の数え方、AIに任せる計算と人が決める振り分け、協議に持っていく施設の順番まで、運行管理者と営業の分担に沿って答えます。

先に結論
荷待ちは、請求先の名前ではなく、待った施設とその管理者ごとにまとめます。30分以上の停車の抜き出しと、指示時刻か受付からの荷待ち時間の計算はAIに任せます。
休憩や時間調整の停車を外すのは運行管理者で、付記の無い便は翌朝の点呼で聞き直します。施設の管理者の列は営業が埋め、協議には荷待ちと荷役等の合計が2時間を超えた受渡しの件数を出し、持っていく施設の順番は営業が決めます。
停車1件を、どの荷主との協議の数字にするかは施設で決まる
停車1件をどの荷主との協議に入れるかは、荷主の都合の待機だったかと、待った施設を誰が管理しているかの2つで振り分けます。業務記録の荷待ちの欄には待った集貨地点等は残っても、その施設を誰が管理しているかを書く欄が無いので、管理者は別に埋めることになります。
図の要点:停車1件の振り分けの図。AIが30分以上の停車と業務記録の荷待ち欄を抜き出し、休憩や時間調整の停車は運行管理者が外し、荷主都合の待機は指示時刻か受付からAIが時間を計算する。待った施設の管理者で行き先が分かれ、運送を頼んだ荷主の倉庫や寄託先なら第一種荷主、受け渡しだけの荷主の施設や寄託先なら第二種荷主との協議に入れる。管理者が分からない施設は営業が聞いてマスタへ戻し、荷役の確認が得られなかった便を入れるかは運行管理者が決める。
請求先ではなく、待った施設の管理者が協議の相手を決める
- AIが抜き出す: 30分以上の停車と業務記録の荷待ち欄
- 休憩・時間調整の停車 → 運行管理者が外す
- 荷主都合の待機 → 指示時刻か受付からAIが計算
- 待った施設の管理者(施設名はAIがマスタにそろえる)
- 運送を頼んだ荷主の倉庫・寄託先 → 第一種荷主へ
- 受け渡しだけの荷主の施設・寄託先 → 第二種荷主へ
- 管理者が分からない → 営業が聞き、マスタへ戻す
- 荷役の確認が得られなかった便 → 入れるかを運行管理者が決める
どちらとも読める停車を誰に聞き直すかで、振り分けの速さが変わります。休憩と荷待ちが同じ場所で続いた停車は、デジタコの記録だけでは分けられません。運転者の付記が無い便は、翌朝の点呼で運行管理者が聞き直してから集計に入れます。
運送会社向けの判断基準は、荷待ち・荷役等時間をデジタルタコグラフなどで効率よく把握するよう求めています。荷主が自分で把握しにくい場合に、協力して情報を出すことも同じ基準の中身です。業務記録の時刻は拘束時間の集計表と同じ欄から取るので、運行管理者の締めは1回で済みます。
荷待ちは全車両・30分以上で記録し、早着は指示時刻から
荷主の都合で30分以上待機したときの記録は、2025年4月1日から全車両が対象です。荷待ち時間は到着から荷役等を始めるまでで、指示された時刻より前に着いた便は、指示の時刻から数えます。
業務記録に残す事項は、輸送安全規則の第8条に並んでいます。集貨地点等と荷主から指定された到着の日時、到着した日時、積込みか取卸しの開始と終了、附帯業務の開始と終了、出発した日時で、記録は1年間保存します。
全車両に広がる前は、車両総重量8トン以上か最大積載量5トン以上の車両に限られていました。同じ条に8トン・5トンの条件が今も残るのは貨物の積載状況の欄で、荷待ちの欄には車両の大きさの条件がありません。小型車の便も、集計表から外さずに数えます。
30分の基準は、国土交通省が示しているものです。荷役作業や附帯業務は、荷主との契約書に作業が全部書かれていれば、1時間以上かかったときに記録します。契約書に書かれていない作業をした場合は時間の長さにかかわらず記録し、どちらの場合も、荷主の確認が得られたかどうかを残します。
到着してすぐ受付をする施設なら、受付の時刻から数えます。早く着いて待った分は荷待ちに入らず、荷役等時間は荷役等を始めてから終えるまでで、途中で荷役等に就いていない時間は除きます。荷待ちと荷役を1本の時間で書いた記録からは、どちらの時間も取り出せないので、運転者には開始の時刻を分けて書いてもらいます。
この数え方は、荷主と運送会社が荷待ちを把握するために国が示した算定方法です。業務記録の欄と並べると、指定された到着の日時、到着した日時、荷役の開始と終了がそのまま計算の材料になります。指示時刻の欄が空いたまま集計すると早着の分を外せず、合計が膨らみます。
集計表で業務記録に無いのは、施設の管理者の列だけ
集計表の6列のうち業務記録から取れないのは施設の管理者の列だけで、協議の相手を決めるのもこの列です。請求先の名前だけでまとめると、どの荷主の施設で待ったかの区別が消えます。
物流効率化法は、荷主を2つに分けています。運送会社と運送の契約を結ぶ第一種荷主と、運転者から貨物を受け取ったり引き渡したりする第二種荷主です。第一種荷主が短縮に努める荷待ちは、自社が管理する施設と、寄託契約を結んだ倉庫が管理する施設での時間です。第二種荷主も、自社と寄託先が管理する施設での時間が対象になります。
集計表には次の列を持たせ、運転者は氏名でなく社員番号の列で扱います。社員番号に替えても運転者台帳と照合すれば本人が分かるので、表を置く先は社内の共有先にとどめます。
| 集計表の列 | 業務記録のどの欄から | 協議での使い道 |
|---|---|---|
| 便と車両の番号 | 車両の番号・運転者(社員番号) | 同じ便の重複を外す |
| 待った施設 | 集貨地点等 | 施設ごとの合計を出す |
| 施設の管理者 | 業務記録に無い。配車表と納品先マスタから | 話す相手を決める |
| 指示された到着時刻 | 荷主から指定された到着の日時 | 早着の分を外す |
| 到着・荷役の開始と終了 | 到着した日時・荷役作業の開始と終了 | 荷待ちと荷役を分ける |
| 荷主の確認 | 荷役作業等の欄の確認の有無(荷待ちの欄には無い) | 数字の信用を支える |
表の3行目のほかは業務記録の欄から写せるので、営業が埋める手間はこの1列に集まります。待つ施設が1〜2か所の定期便だけの会社なら、この列が無くても協議の相手を取り違えません。
【説明用の架空の記入例】1便分の行
便と車両の番号
0412便・12号車(社員番号0345)待った施設と管理者
C物流センター(受け渡しだけの荷主D社が寄託した営業倉庫)指示された到着時刻
9時00分(到着は8時40分)荷役の開始と終了
10時15分〜11時05分(荷主の確認あり)
この便は、指示の9時から数えて荷待ち75分、荷役50分で、合計が2時間を超えた受渡しに数えます。早く着いた20分は荷待ちに入れません。
施設の管理者には、運送を頼んだ荷主の自社倉庫か、その荷主が寄託した営業倉庫か、受け渡しだけの荷主のセンターかを書きます。納品先マスタに一度書けば、翌月からは施設名で探せます。
協議に出すのは荷待ちと荷役等の合計の超過件数
施設ごとの合計時間より、荷待ちと荷役等の合計が1回1時間を超えた受渡しと、2時間を超えた受渡しの件数を出します。合計時間だけでは、どの受渡しが先方の目標の区切りを超えたかが伝わらないからです。
2時間ルールと呼ばれるものの出どころは、国の基本方針です。1運行の荷待ち時間等は、全国平均で合計2時間以内に減らすことが目標です。荷主等は1回の受渡しごとに原則1時間以内を目標とし、やむを得ない場合を除き2時間を超えないよう短縮するものとされています。ここでいう荷待ち時間等は、荷待ち時間と荷役等時間を合わせたものです。
荷主が目標に置く時間と同じ区切りで数えてあれば、先方は自社の数字と並べて読めます。荷待ちだけの件数は、内訳の列に置きます。
業務記録の荷待ちと荷役の時間は、待機時間料や積込料・取卸料を荷主から受け取る根拠にもなります。料金の話は施設ごとの件数を見せた後に出すと、先方も自社の記録と突き合わせやすくなります。当日の変更で頼まれた棚入れや検品は附帯業務として荷役とは別の時間で残し、当日変更の変更記録台帳にも1行足して月末に照合します。
相手が特定荷主なら、その施設から先に持っていく
2026年度から、一定規模以上の荷主と運送会社に義務が加わりました。荷主は取扱貨物の重量9万トン以上で特定荷主に、運送会社は保有車両150台以上で特定貨物自動車運送事業者等に指定されます。特定荷主は、措置の実施状況を毎年度報告します。
荷待ち時間を自分で把握できない荷主は、運送会社に確認を取ることも想定されています。相手が特定荷主なら、先方は毎年度の報告のために、施設ごとの荷待ちを知りたい側にいます。自社が150台以上を持つ会社は、指定される側でもあるので、自社の義務の中身をポータルで確かめ、同じ集計表を使えるかを見ます。
営業が最初の協議に持っていくのは、荷待ちと荷役等の合計が2時間を超えた受渡しの多い施設の数字です。件数が近い施設どうしなら、管理者が特定荷主の施設を先にします。「管理者が特定荷主か」の列はこの順番を決めるときにだけ使うので、6列の外に1列だけ足せば済みます。
管理者の欄が空いた施設は、協議の表より先に納品先マスタの行へ回します。営業が荷主に聞いて埋めれば、その施設は翌月の集計から協議の表に加わります。
施設別の集計を毎月続けられる体制が、外部を使うかの基準
停車の抜き出しから協議の表までを毎月回せるなら、運行管理者と営業だけで足ります。停車の抜き出しと計算は汎用の生成AIや日報アプリで受け持て、人に残る手間は休憩の振り分けと管理者の列の2つだからです。
続かなくなるのは、運行管理者の振り分けと営業の聞き取りが別々の締めで動き、月をまたいでも表が埋まらないときです。運行管理と営業の2つの部署の締めをそろえるところから一緒に進める形なら、FDE型AI伴走支援が候補になります。外部と話す前の着手点は、管理者の列が空いたまま月を越した施設の数です。
協議を終えた施設は、翌月からも2時間を超えた受渡しの件数を同じ区切りで並べます。たとえば2か月続けて減らない施設には、待機時間料の話を足して次の協議に持っていき、付記が無く聞き直す便が月ごとに減らないうちは、運行管理者の振り分けの作業へ先に戻ります。
明日から始める3ステップ
担当 営業
先月1か月分の業務記録で、集計表の待った施設と施設の管理者の列を埋め、管理者が分からない施設に印を付ける
次へ進む目安印の付いた施設をすべて荷主に問い合わせ、管理者が納品先マスタに書き込まれている
担当 運行管理者
AIが抜き出した30分以上の停車から休憩と時間調整を外し、運転者の付記が無い便は翌朝の点呼で聞き直す
次へ進む目安先月分の停車が、荷待ちとして数えるか外すかのどちらかに振り分け終わっている
担当 営業
施設ごとに荷待ちと荷役等の合計が2時間を超えた受渡しの件数を数え、6列の外に「管理者が特定荷主か」の1列だけを足して並べる
次へ進む目安1列を足した表に2か月分の件数が並び、件数の多い施設の管理者へ協議の日程を打診した
無料相談(オンライン)
BoostXは、運送会社の受注・配車・運行管理へのAI導入を支援しています
01無料相談
注文の打ち込み・配車表・日報の集計から、最初の1業務を決める
02進め方の提案
規模に合う進め方を提案する
03作って試す
一緒に作り、現場で試して直す
04定着まで伴走
毎月1テーマずつ積み上げる
作って試す・定着までAIエージェント開発AI顧問FDE型AI伴走支援
出典
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則(平成2年運輸省令第22号)第8条第1項・第8条第1項第7号(荷主都合の待機)・第8条第1項第8号(荷役作業等)・第8条第1項第6号(積載状況) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 国土交通省リーフレット「令和7年4月1日から、全車両が記載対象になります」(荷待時間の30分・記録の使い道) 国土交通省 確認日 2026.09.28
- 物資の流通の効率化に関する法律(平成17年法律第85号)第30条(第一種荷主・第二種荷主)・第42条第2項・第48条(定期の報告) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト(特定事業者の基準・施行の時期) 国土交通省 確認日 2026.09.28
- 国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト「荷待ち時間と荷役等時間の算定方法について」国土交通省 確認日 2026.09.28
- 国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト「貨物自動車運送事業者等の判断基準等」国土交通省 確認日 2026.09.28
- 国土交通省「貨物自動車運送事業者等の貨物自動車運送役務の持続可能な提供の確保に資する運転者の運送及び荷役等の効率化に関する判断の基準の解説書」(令和8年1月)(用語の定義「荷待ち時間等」) 国土交通省 確認日 2026.09.28
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