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配車表の作成の属人化にAI配車は効くか?荷主別の条件表8欄と乗務割の確認

配車表をベテランの配車担当しか組めず、AI配車の製品資料を取り寄せ始めた運送会社の配車責任者と運行管理者に。

ベテランの配車担当が休んだ朝、後任の手が止まるのは、荷主の指名や搬入口の制限のように配車表のセルに書かれていない事情が絡む便です。AI配車を入れればその穴が埋まるのかを、荷主ごとの条件のうちAIに下書きさせるものと人が聞き取るもの、製品を試す前にそろえるデータ、運行管理者が乗務割として確かめる所に分けて見ていきます。

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AI配車で配車表の割り当てはどこまで任せられるか

先に結論

AI配車が属人化に効くのは、ベテランの頭にある荷主ごとの条件を条件表に書き出した後です。車格と受入時間の下書きは、過去の配車表から生成AIに作らせます。

要る資格・指名されているドライバー・指名の理由・搬入口と待機場所の4欄は、配車責任者がベテランから聞き取って書きます。AIの案を乗務割として採るかは、運行管理者が前日の終業時刻と休息、月の拘束時間の累計を見て決めます。

注文の打ち直しに朝の時間を取られている会社は、聞き取りより先に注文の取り込みを整えます。固定便が中心で、同じ荷主を毎日同じ人が走る会社には、割り当てをAIの案に任せる形が向きません。

指名の理由と搬入口は、実績の表からは出てこない

過去の配車表から読み取れるのは車格と受入時間までで、指名の理由や搬入口の事情は、ベテランに聞かないと条件表の欄が埋まりません。ベテランが休んだ朝に後任が迷うのも、荷主の指名や、4t車までしか入れない搬入口のような、表に無い制限が絡む便です。

図の要点:荷主別の配車条件表の記入例8欄。上の3欄は過去の配車表から生成AIが下書きする欄で、荷主・納品先(食品卸A社・県央物流センター)、車格の上限(4t車まで)、受入時間(8時〜11時、12時台は受けない)。続く4欄は配車責任者がベテランから聞いて書く欄で、要る資格(フォークリフト)、指名されているドライバー(社員番号)、指名の理由(検品の立会いに慣れている)、搬入口と待機場所(2番口のみ、構内に待機場所なし)。最後の欄は、案を採らなかった便とその理由を週ごとに書く欄。

荷主別の配車条件表(説明用の架空の記入例)

荷主・納品先
食品卸A社・県央物流センターAI が下書き
車格の上限
4t車まで(搬入口の高さ制限)AI が下書き
受入時間
8時〜11時(12時台は受けない)AI が下書き
要る資格
フォークリフト(構内で荷下ろし)人が確定
指名されているドライバー
社員番号0123人が確定
指名の理由
検品の立会いに慣れている(品質の理由)人が確定
搬入口と待機場所
2番口のみ。構内に待機場所なし人が確定
案を採らなかった便
○月○日 2便。待機場所が無く時刻を後ろへ人が確定

後任が読める形で、便を割り当てた理由を配車表の外に置くのがこの表です。誰が走っても受け入れる荷主なら、記入例の指名の2欄は空けたままで構いません。欄が空いていることが、その荷主では指名を条件にしないという記録になります。

上の3欄は、過去の配車表と変更記録台帳を生成AIに渡し、荷主ごとに使った車格と着時刻の幅を書き出させると下書きになります。実績から抜き出した値で、荷主との取り決めとは限らないので、配車責任者が取り決めと見比べてから条件にします。

渡す列は、荷主・納品先・車格・着時刻に絞ります。氏名の列を社員番号に替えても、社内の台帳で本人に結び付くので個人データのままです。ドライバーの列と荷主の担当者名は、渡す表から外しておきます。

要る資格から搬入口までの4欄は、ベテランが荷主と話して積み上げた事情や構内の決まりなので、配車責任者がベテランから聞き取って書きます。最後の欄は、採らなかった便を週ごとに書く欄です。

指名をどこまで固い条件にするかは、指名の理由を見て決めます。安全や品質の理由なら、守らせる条件です。長年の慣れで続いているだけの指名を固い条件にすると、休息の枠を守れる組み方が見つからなくなります。

最後の欄の役目は、条件表の穴を見つけることです。同じ理由で案を採らなかった便が続けば、それは書き出せていなかった条件なので、上の欄に移します。搬入口と受入時間は、1台の中の配送順序でも使う欄で、配送ルートの作成AIの選び方で使う納品先マスタと同じ中身です。

配車表の作成は前後の7業務で崩れる

配車表は前日の注文の締めで作り始め、月末の請求明細まで参照され続けます。どこかの業務で記録が抜けると、その抜けは配車表を通って次の業務へ流れます。

業務と担当 帳票・システム 配車表に抜けると起きること
1 注文を受ける(配車担当) FAX・メール・荷主のシステム、注文台帳 誤った納品先のまま組まれる
2 翌日分の配車表を組む(配車担当) Excelか配車システム、車両一覧、点検予定表 休息を割り込む割り当てになる
3 配送順序と運行指示(配車担当・運行管理者) 納品先マスタ、運行指示書 時間指定に遅れる
4 乗務前の点呼(運行管理者) 点呼記録簿、アルコール検知器 前日の終業の遅れを見落とす
5 当日変更と再配車(配車担当・配車責任者) 電話、業務用チャット、変更記録台帳 中止手数料を取り損ねる
6 日報と荷待ちの記録(ドライバー・運行管理者) 運転日報、デジタコ 荷主と話す材料が残らない
7 請求明細(経理・配車担当) 配車表、運賃表、請求ソフト 附帯業務料を請求し損ねる

どこから整えるかは、「配車表に抜けると起きること」の列が自社で重い業務から選びます。注文台帳の納品先が誤っていれば、AIの案に残るのもその誤りです。前日の終業時刻が日報から届かなければ、休息は予定の時刻で数えられます。

注文がすでに台帳にそろっている会社なら、配車責任者は取り込みより先に、条件表の4欄の聞き取りへ時間を割けます。4欄はベテランの配車担当の記憶にしかなく、在籍しているうちしか聞き取れません。

注文の打ち直しに朝の時間を取られている会社では、入口が逆になります。注文がFAXで届くなら、読み取りの料金は様式の数と月の枚数で変わるため、AI-OCRでFAX注文を読むときの料金の数え方で数えてから進みます。

荷主がCSVで注文を送ってくる会社は、受注データを配車表の欄へ変換する方法が先です。日報が紙のままなら、運転日報と拘束時間の集計を先に整えると、AIの案を確かめるときに前日の終業時刻と休息を実際の記録で数えられます。点呼や車両管理まで含めた業務の順番は、運送会社の業務別のAI活用にあります。

AI配車システムを試すのは、4つのデータがそろってから

AI配車の製品が案を出すには、注文・納品先・車型・車両のデータがそろっている必要があります。ゼンリンデータコムの配車計画は、注文データを日々作り、訪問先(デポと顧客情報)・車型・車両をマスタで持つ形です。

同じ製品には30日間の無料トライアルがあり、申込み後のID発行には2〜4週間かかると公式ページにあります。試す日程は、その分を足して組みます。

料金をページに出していない製品もあります。いすゞ自動車のAIRは、利用方法とカスタマイズ開発の有無でプランが変わると答えています。見積を取る前に、車両台数・拠点の数・1日の便数を数えておくと話が早く進みます。

AIRのデモ機の貸し出しは短期2週間から長期3か月で、別途料金です。借りる期間は、月末の繁忙と平常の週が両方入る長さにすると、条件表に書き出せていない事情が絡む便が見えます。

配車表がExcelの会社なら、条件表を作ったうえで、汎用の生成AIに割り当ての案を2つ出させる形が試しやすい入口です。ただし固定便が中心の会社では、同じ荷主の便を同じ人が毎日走るので、割り当てをAIの案に任せる形は向きません。汎用の生成AIサービスの料金は、法人向け生成AIを5アカウント・1年分の額で比べた表で確かめられます。

国土交通省の判断基準は、配車システムの導入等による配車・運行計画の最適化を、積載効率を上げる取組の例に挙げています。努力義務の例示で、導入を求める書き方ではないため、入れるかどうかは条件表が埋まった後に判断して構いません。

乗務割の確定は運行管理者の業務

AIの案を採って運転者を便に就かせる部分は乗務割で、その作成は運行管理者の業務です。輸送安全規則の第3条第4項は、告示の基準に従って運転者の勤務時間と乗務時間を定めるよう事業者に求めています。

第20条は、その範囲内で乗務割を作り、これに従って運転者を乗務させることを運行管理者の業務に挙げています。このため、AIの案が配車担当の画面に出ても、乗務割として確かめる工程は運行管理者から外せません。

改善基準告示は、トラック運転者の拘束時間を1か月284時間・1年3,300時間までとし、労使協定で延長できる定めもあります。勤務の後の休息は、継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らないことが条件です。運行管理者が案を確かめるときは、この月の累計と前日からの休息の2つを見ます。

AIの案がこの枠を守れるかは、前日の終業時刻が正しく入っているか次第です。着荷主の構内の荷待ちで帰庫が遅れると、予定の終業で数えた休息は実際より長く出ます。荷待ちを日報に残す欄の作り方は、荷待ち時間を荷主別に集計する方法にあります。

配車担当が案を選び、運行管理者が乗務割として確かめる、と2人で分けている会社なら、案は配車担当の画面に置きます。1人が両方を兼ねる会社では、案を採る前に休息と月の累計を乗務記録で見直す手順を、社内規程に書いておきます。当日に差し替えが出たときの3本の連絡は、ChatGPTで当日変更の連絡を下書きする方法の指示文が下書きの型です。

傭車に出した便は実運送体制管理簿へ

真荷主から受けた荷を他の運送会社に運ばせた元請は、運送ごとに実運送体制管理簿を作ります。貨物自動車運送事業法第24条の5の定めで、対象は1.5トン以上の貨物です。実運送を担う会社の名称、貨物の内容と区間、請負の階層を書き、運送の完了から1年間、営業所に備え置きます。傭車に出す便がある元請なら、配車表の傭車の行がこの管理簿の材料になります。

配車表で傭車に出した行には、荷主・区間・貨物がすでに入っています。管理簿の欄のうち、実運送を担う会社の名称と貨物の内容・区間は、この行から生成AIが下書きできます。請負の階層は配車表に無い情報なので、協力会社から届く通知を見て配車責任者が書き入れます。

元請として真荷主の荷を受けていない便には、この管理簿は掛かりません。どの立場で受けた便かを配車表に1列足しておくと、管理簿の要る便が行ごとに見分けられます。

外部を比べるのは、条件表を毎日の配車案につなぐ工程から

要る資格から搬入口までの4欄を聞き取る作業は、外に出せません。指名の理由や構内の決まりを知っているのは社内のベテランで、聞き取って書くのは配車責任者だからです。

外部の支援を比べられるのは、書き上がった条件表を使って案を出す側です。Excelの配車表と汎用の生成AIサービスで試す段階は、社内だけで回ります。条件表を注文台帳や配車システムとつないで毎日の配車案にする段階ならAIエージェント開発が、配車室と運行管理の手順を一緒に書き換えながら進める段階ならFDE型AI伴走支援が、比べる相手になります。

どちらの形でも、案を乗務割として確かめるのは運行管理者です。外部に頼むかを決める前に、配車責任者はまず、ベテランが休んだ日に後任が迷った荷主の数を数えます。

トライアルやデモ機の期間に入ったら、運行管理者が乗務割として採れた案の件数を、最初の週と最後の週で比べます。採れる件数が増えないまま期間が終わるなら、契約へ進まず、採らなかった理由をベテランに聞き直して条件表へ戻ります。

明日から始める3ステップ

  1. 担当 配車責任者

    ベテランが休んだ日に後任が迷った荷主を1社選び、過去の配車表と変更記録台帳から生成AIに車格と着時刻の幅の下書きを作らせる

    次へ進む目安その荷主の車格の上限と受入時間が、荷主との取り決めと見比べ済みで条件表に入っている

  2. 担当 配車責任者とベテランの配車担当

    同じ荷主の要る資格・指名されているドライバー・指名の理由・搬入口と待機場所を、ベテランの配車担当から聞いて4欄に書く

    次へ進む目安要る資格から搬入口までの4欄に空欄が無く、ベテランが読み返して違う所が無いと言える

  3. 担当 配車責任者

    条件表を見て組んだ案のうち採らなかった便の件数と理由を、週ごとに最後の欄へ書く

    次へ進む目安最後の欄に書いた理由がどれも4欄のどこかへ移し終わり、条件表に無い理由が残っていない

AI活用診断FAXの注文、配車、月末の請求明細のうち、最初にAIへ任せる1工程。6問でAI活用診断(約1分・登録不要)

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出典

  1. 貨物自動車運送事業輸送安全規則(平成2年運輸省令第22号)第20条第1項第3号(乗務割の作成)・第3条第4項(勤務時間と乗務時間の設定) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  2. 厚生労働省「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)(第4条 拘束時間・第4条 休息期間) 厚生労働省 確認日 2026.09.28
  3. 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第24条の5(実運送体制管理簿) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  4. 貨物自動車運送事業法施行規則(平成2年運輸省令第21号)第13条の13(管理簿の対象の重量) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  5. 国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト 貨物自動車運送事業者等の判断基準等(積載効率の向上の取組例) 国土交通省 確認日 2026.09.28
  6. ゼンリンデータコム「ZENRIN ロジスティクスサービス 配車計画」(ID/PWの発行期間・無料トライアルと用意するデータ) ゼンリンデータコム 確認日 2026.09.28
  7. いすゞ自動車「AIR」(料金とデモ機の案内) いすゞ自動車 確認日 2026.09.28

編集BoostX編集部(株式会社BoostX)編集と監修の決まり

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