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AI活用の基礎・選び方

運送会社の生成AIツール選定で人が決める線|注文取り込みで2週間試して標準を決める

生成AIツールの選定は、料金とデータ取扱いの写し取り、業務一覧との適合の下書き、試行記録の集計をAIに渡せます。

編集 BoostX編集部2026.09.2211分で読めます

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この記事の要点

  • 生成AIツールの選定は、料金とデータ取扱いの写し取り、業務一覧との適合の下書き、試行記録の集計をAIに渡せます。
  • 標準にするツール、有料IDの範囲、入力してよい情報の線引きは経営者と運行管理者が決めます。
  • 本メディアでは、注文がFAXと電話のまま届く会社は、配車の提案より先に注文の取り込みで試すべきだと判断します。

ツールの選定は社内のどこで、いつ起きる業務か?

生成AIツールの選定は、経営者が導入を検討すると決めた時点で始まります。担当は経営者と情報システム担当で、運送会社では総務や経理、配車の責任者が兼ねている会社が少なくありません。入力は候補ツールの一覧、利用部門の業務一覧、情報管理規程に沿ったセキュリティ要件の三つです。出力は選定比較表と利用ルール案で、標準にするツールと有料IDの範囲を決めて終わります。

この記事では、個別のサービス名を挙げて優劣を決めません。料金とデータの取扱いは改定が続くため、各社の公式の料金ページと利用規約を確認日付きで比べる前提で書きます。読む人は経営者、運行管理者、配車責任者、倉庫責任者です。試行で実際に手を動かすのは配車担当と事務で、この人たちが使えない案は選定の結論になりません。

選定を長引かせない理由は、時間の使われ方にあります。国土交通省の報道発表(令和8年7月10日)によると、トラックドライバーの1運行当たりの平均拘束時間は10時間13分で、うち荷待ち・荷役等時間は2時間2分です。前回調査と比べて荷待ち・荷役等時間は1時間16分減っています。荷待ちは着荷主の都合で決まる部分が大きく、運送会社の側で先に動かせるのは、注文を受けてから請求を出すまでの事務の工程です。

選定の前に、その事務の工程を一枚の表にします。次の表は、選定の対象になる業務を並べた棚卸しの例です。

業務 起点・頻度 担当 入力 出力 判断の有無 失敗したときの損失 使うシステム・帳票
生成AIツールを自社の業務で選ぶ 導入検討の開始 経営者・情報システム担当 候補ツール一覧、業務一覧、セキュリティ要件 選定比較表、利用ルール案 あり(標準ツールと有料範囲) 現場が使わない月額が残る 情報管理規程、選定比較表
FAX・メールの注文を取り込む 注文の着信・毎日 配車担当・事務 注文書、メール本文、電話のメモ 注文台帳の1行 少ない(読み取りの確認のみ) 納品先と指定時間の誤りが積み直しになる 配車システムまたはExcelの注文台帳
配車表を作る 翌日分・毎日 配車担当 注文台帳、車両、ドライバーの拘束時間 配車表、運行指示 多い(乗務可否と割り当て) 拘束時間の超過と遅延 配車システム、デジタコの集計
請求明細を作る 月次締め 事務・経理 配車表、運転日報、荷待ちと付帯作業の記録 請求明細 あり(請求範囲の確定) 待機と荷役の請求漏れ 請求ソフト、運転日報

この表の右から二列目と三列目が、選定の判断材料になります。判断が多い業務と、失敗の損失が大きい業務は、最初の試行には向きません。

入力は候補ツールの一覧、利用部門の業務一覧、情報管理規程に沿ったセキュリティ要件の三つです

選定を着手から決定まで8工程に割ると、どこで止まるか?

選定という一語を、実際に手が動く順番で割ります。工程ごとに担当、使う帳票とシステム、量、詰まる点、AIが解決すること、人が決めること、失敗したときの損失を並べます。

着手から完了までの流れ。色の付いた工程はAIが担える部分があり、「人」はその工程で人が決めることが残る工程です。
  1. 1候補ツールを一覧にする
  2. 2料金とデータの取扱いを写すAIと人
  3. 3利用部門の業務一覧と突き合わせるAIと人
  4. 4入力してよい情報を線引きするAIと人
  5. 5最初に試す1工程を選ぶAIと人
  6. 6注文の取り込みで2週間試すAIと人
  7. 7標準ツールと有料IDの範囲を決めるAIと人
  8. 8利用ルールと記録の残し方を整えるAIと人

AIが担える人が決める

  1. 1

    候補ツールを一覧にする

    担当: 経営者・情報システム担当 / 使うもの: 同業者や展示会で聞いた情報、メモ / 量・時間: 導入検討につき1回

    AIが解決すること
    この工程にAIは入れない(候補は人の見聞から出す)
    人が決めること
    どのツールを候補に残すか
    詰まるところ
    落とす基準が無く候補が増え続ける
    失敗したときの損失
    検討が始まらないまま年度が変わる
  2. 2

    料金とデータの取扱いを写す

    担当: 情報システム担当 / 使うもの: 各社の公式料金ページ、利用規約、選定比較表 / 量・時間: 候補ごとに1回、改定のたびに引き直し

    AIが解決すること
    料金、保存期間、学習利用の有無、管理者機能を項目別に抜き出し、比較表の下書きにする
    人が決めること
    写した内容を公式ページと突き合わせて確定する
    詰まるところ
    入力データが学習に使われない設定がどのプランにあるか読み違える
    失敗したときの損失
    学習利用の設定のまま荷主名簿を送る
  3. 3

    利用部門の業務一覧と突き合わせる

    担当: 経営者・配車責任者・倉庫責任者 / 使うもの: 業務一覧、配車表、運転日報、点呼記録簿、請求明細 / 量・時間: 会議1回

    AIが解決すること
    業務ごとに作業か判断か、元データが電子か紙かを仕分けし、候補業務の一次評価を出す
    人が決めること
    どの業務を候補に残し、どれを外すか
    詰まるところ
    比較表が機能の一覧で埋まり、配車や請求の工程と結びつかない
    失敗したときの損失
    現場が使わないツールに月額を払い続ける
  4. 4

    入力してよい情報を線引きする

    担当: 経営者・管理部門 / 使うもの: 情報管理規程、荷主名簿、受取人の住所氏名、点呼記録簿、ドライブレコーダー映像 / 量・時間: 会議1回と規程の改訂1回

    AIが解決すること
    業務ごとの入力可否表を下書きし、既存規程との食い違いを指摘する
    人が決めること
    入力禁止の範囲と、例外を認める承認者
    詰まるところ
    規程が生成AIを想定しておらず、判断が個人任せになる
    失敗したときの損失
    個人情報の外部送信が起き、荷主との取引条件に響く
  5. 5

    最初に試す1工程を選ぶ

    担当: 経営者・情報システム担当・配車責任者 / 使うもの: 候補業務の一次評価、導入前の作業時間の記録 / 量・時間: 会議1回

    AIが解決すること
    候補業務を判断の有無、電子データの有無、失敗の損失の三つで並べ替える
    人が決めること
    最初に着手する工程と、着手しない工程
    詰まるところ
    配車の提案のような判断の多い工程から始めてしまう
    失敗したときの損失
    元データが無いまま始め、2週間が感想で終わる
  6. 6

    注文の取り込みで2週間試す

    担当: 配車担当・事務 / 使うもの: FAX注文とメール注文の実物、注文台帳 / 量・時間: 2週間、毎日の注文件数ぶん

    AIが解決すること
    注文書から荷主名、集荷先、納品先、指定時間、数量、車種を抜き出し、注文台帳の並びに整える
    人が決めること
    読み取り結果の確認と、台帳への登録の確定
    詰まるところ
    読み取りの誤りが特定の荷主に偏り、確認の時間が戻らない
    失敗したときの損失
    誤った納品先と時間で配車が組まれ、積み直しと再配送が出る
  7. 7

    標準ツールと有料IDの範囲を決める

    担当: 経営者 / 使うもの: 試行記録、選定比較表 / 量・時間: 会議1回

    AIが解決すること
    試行記録の時間と件数を集計し、導入前の作業時間との差を要約する
    人が決めること
    標準にするツールと、有料IDを持たせる人数
    詰まるところ
    試用の感想だけで決め、部署ごとに別のツールが残る
    失敗したときの損失
    ツールが乱立し、入力可否の管理ができなくなる
  8. 8

    利用ルールと記録の残し方を整える

    担当: 管理部門・運行管理者 / 使うもの: AI利用ガイドライン、入力可否表、点呼記録簿、運転者台帳 / 量・時間: 初回1回と月次1回

    AIが解決すること
    利用ルール案とチェックリストを下書きし、月次の利用状況を要約する
    人が決めること
    例外時の承認者と、違反があったときの対応
    詰まるところ
    ルールを配っただけで、誰が何を送ったか分からない
    失敗したときの損失
    監査や荷主の監査で説明できる記録が残らない

分解の結果を3行にすると、次のようになります。

  • 消える工程:2の写し取り。公式ページを1件ずつ読んで表に打ち込む手作業は無くなり、確認だけが残ります。
  • 短くなる工程:3の突き合わせ、6の注文の取り込み、7の集計。人の手は残りますが、下書きから始められます。
  • 増える確認工程:2で写した内容を公式ページと照合する工程と、6の読み取り結果を配車担当が確認する工程の二つです。

色枠がAIに渡せる工程、灰色が人が確定する工程、右上の三角は失敗が起きやすい工程です。

業務フロー分解図。候補ツールを一覧にする→料金と規約を写す→業務一覧と突き合わせる→入力可否の線引き→試す1工程を選ぶ→注文取り込みで試す→標準ツールと有料範囲の決定→利用ルールと記録の整備。AI担当は料金と規約を写す・業務一覧と突き合わせる・試す1工程を選ぶ・注文取り込みで試す・利用ルールと記録の整備、人が確定するのは候補ツールを一覧にする・業務一覧と突き合わせる・入力可否の線引き・試す1工程を選ぶ・注文取り込みで試す・標準ツールと有料範囲の決定・利用ルールと記録の整備候補ツールを一覧にする料金と規約を写す業務一覧と突き合わせる入力可否の線引き試す1工程を選ぶ注文取り込みで試標準ツールと有料範囲の決定利用ルールと記録の整備AIが担う人が確定する両方失敗が起きやすい工程
生成AIツール選定の8工程と、詰まりやすい工程

止まりやすいのは4と5です。4を飛ばすと、点呼記録簿の健康状態や受取人の住所氏名が、線引きの無いまま送られます。5を飛ばすと、配車の提案から始めて、注文が紙のまま残っていることに2週間目で気づきます。

AIに渡す仕事と、運行管理者に戻す地点はどこか?

選定と試行を通して見ると、AIが担うのは写す、抜き出す、並べる、集計するの四つです。人が持つのは決める、確認する、確定するの三つに絞られます。

図の見方は、左の色枠がAIに渡す仕事、右の灰色が人が確定する仕事です。

AIと人の境界図。AIが担うのは料金と規約を項目別に写す・業務一覧との適合の下書き・注文書から項目を抜き出す・利用ルール案の下書き・試行記録の時間と件数を集計。人が確定するのは標準ツールを経営者が決める・有料IDの範囲を決める・入力してよい情報の線引き・読み取り結果を配車担当が確認・乗務可否は運行管理者が確定。止めどころは確定は経営者と運行管理者。AI担当は料金と規約を項目別に写す・業務一覧との適合の下書き・注文書から項目を抜き出す・利用ルール案の下書き・試行記録の時間と件数を集計、人が確定するのは標準ツールを経営者が決める・有料IDの範囲を決める・入力してよい情報の線引き・読み取り結果を配車担当が確認・乗務可否は運行管理者が確定AIが担う(写す・比べる・下書き)人が確定する料金と規約を項目別に写す業務一覧との適合の下書き注文書から項目を抜き出す利用ルール案の下書き試行記録の時間と件数を集計標準ツールを経営者が決める有料IDの範囲を決める入力してよい情報の線引き読み取り結果を配車担当が確認乗務可否は運行管理者が確定確定止めどころ確定は経営者と運行管理者
ツール選定と試行で、AIに渡す仕事と人が確定する仕事

止めどころを名指しで書きます。読み取り結果の確認は配車担当が注文書の実物と突き合わせて行い、台帳への登録を確定します。乗務の可否と配車の確定は運行管理者が行い、点呼の記録と併せて確認します。運行管理者は、貨物自動車運送事業法に基づいて事業者が選任し、点呼と乗務等の記録を担う責任者です。AIが出した一覧は材料であり、法令上の責任は事業者と運行管理者に残ります。

本メディアでは、拘束時間の超過判定をAIの警告だけに置き換えることは勧めません。理由は、集計の設定誤りや位置情報の欠損が全員に一度に波及するためです。前提として、デジタコの記録が全車両でそろっている会社を想定しています。記録が一部の車両にしか無い会社では、そもそも警告の一覧が成り立ちません。

最初に試す1工程はどう選ぶか?

三つの問いで決めます。判断か作業か、元データが電子で残っているか、失敗したときの損失がどこに出るか、の三つです。

第一に、判断の多い工程は最初に選びません。配車の割り当ては、荷主の癖、ドライバーの得意な現場、車両の制約が絡み、案を出すところまでがAIの範囲です。第二に、元データが紙とFAXのまま残る工程は、AIが読める記録そのものが存在しません。第三に、誤りが積み直しや再配送という形で当日中に見つかる工程なら、試行の期間内に精度を測れます。

この三つに当てはまるのが、FAX・メールの注文を取り込む工程です。本メディアでは、注文がFAXと電話で届く会社は、配車の提案より先にここから着手すべきだと判断します。理由は、注文台帳が配車表、運転日報、請求明細のすべての起点になるためです。前提は、荷主ごとの注文様式が棚卸しできていることです。この判断が外れるのは、受注が既に荷主のシステムから電子データで入っている会社で、その場合は請求明細の突き合わせが先の候補になります。

分岐を並べます。配車システムが注文台帳を書き出せないなら、試行は台帳の並びに整えるところまでにとどめ、取り込みの自動化は提供元への確認が先です。荷待ちと付帯作業が便単位で運転日報に残っていないなら、請求の自動化は候補から外します。運行管理者が1人で点呼も配車も兼ねているなら、確認工程を増やす設計は避け、AIの出力は一覧の形にして確認の回数を1日1回にまとめます。荷主ごとに注文様式が違い、誤りが特定の荷主に偏るなら、その様式だけ人の確認を必須にするか、様式の変更を荷主と協議します。

有料IDの範囲にも分岐があります。全日本トラック協会「経営分析報告書(概要版)令和4年度決算版」では、有効回答2,532者の営業損益率は0.0%で、営業黒字は42%の事業者にとどまり、車両10台以下の事業者では64%が営業赤字です。車両10台以下で営業赤字が続いているなら、有料IDは試行に関わる配車担当と事務の人数だけにとどめ、全社への配布は7の工程まで待ちます。

2週間の試行は何を測って終えるか?

進め方を工程の順に書きます。

  1. 導入前の数字を取ります。注文1件当たりの登録時間と、読み取り誤りにあたる修正の件数を、ひと月分さかのぼって記録します。
  2. 荷主別に注文様式を棚卸しします。FAXの手書き、メール本文、荷主の帳票の三つに分け、件数の多い順に並べます。
  3. 注文台帳の項目をそろえます。荷主名、集荷先、納品先、指定時間、数量、車種の並びを一つに決めます。
  4. 確認の担当と手順を決めます。読み取り結果を誰が、どの画面で、何と突き合わせて確定するかを1行で書きます。
  5. 入力してよい情報を決めます。受取人の住所氏名を送るかどうかを、この時点で経営者が決めます。
  6. 2週間回します。毎日の注文を実物で通し、直した箇所を担当が1行ずつ残します。
  7. 集計して判定します。合否の基準は開始前に決めておき、期間の終わりに経営者が継続か中止かを決めます。

測る指標は三つです。注文1件当たりの登録時間、読み取り誤りの件数と荷主別の内訳、配車担当が配車と荷主対応に使えた時間です。この記事では候補を四つ、試行を2週間として書いていますが、これは出典のある数字ではなく前提として置いた回数です。自社の体制が違えば日程はずれます。

本メディアでは、四つのツールを全社に同時に配って比べさせるやり方は勧めません。理由は、入力可否表が無い状態で配ると、どこに何が送られたかを後から追えないためです。前提は、情報システム担当が兼務で1人という体制です。専任の担当がいて入力可否表と管理者機能の設定が既にある会社では、同時配布でも管理が成り立ちます。

本番にするときに決める承認・記録・例外

本番化で決めるのは三つです。承認、記録、例外の経路です。

承認は、読み取り結果を確定する人と、利用ルールの例外を認める人を分けて書きます。前者は配車担当、後者は経営者か管理部門の責任者です。記録は、AIに送った内容、出てきた案、人が直した差分、確認した人の四つを残します。荷主の監査や行政の監査で説明を求められたとき、材料になるのはこの記録です。例外は、荷主からの緊急の変更、事故と苦情、個人情報を含む問い合わせの三つを即時に人へ回す経路として書きます。

利用ルールには、入力してよい情報の範囲を業務ごとに書きます。荷主名簿、受取人の住所氏名、点呼記録簿に残るドライバーの健康状態は、個人情報の保護に関する法律の対象になる情報を含みます。外部のサービスへ送る範囲と学習利用の有無は、契約と設定の両方で確認します。

拡張の順番は、同じ記録を使う隣の工程から選びます。注文の取り込みが安定したら、次は運転日報の記録、その次が請求明細の突き合わせです。国土交通省「物流改正法の施行について」では、令和10年度までに荷待ち・荷役等時間を1人当たり年間125時間削減し、全体の車両で積載効率44%とする目標が示されています。荷待ちの時間を便単位で記録に残しておくと、荷主との協議の材料と、この目標に向けた自社の実績の両方に使えます。

よくある失敗と、ツールを配らない方がよい条件は何か?

三つの失敗が繰り返されます。

一つ目は、配車の提案から着手して注文の電子化が追いつかない失敗です。配車案を出す仕組みを入れても、注文がFAXと電話のまま残り、担当者が手で入力してから提案を待つ状態になります。防ぎ方は、注文の取り込みと運転日報の電子化を先に終え、配車の提案は走行と拘束時間の記録がたまってから検証する順番にすることです。

二つ目は、荷待ちと付帯作業の記録が残らず、請求の自動化が空回りする失敗です。請求明細を配車表から自動で作っても、待機の時間と荷役が明細に載らず、請求漏れが減りません。防ぎ方は、デジタコと音声入力で運転日報に荷待ちと付帯作業の時間を残す運用を先に定着させ、請求への反映漏れをAIが指摘する順序にすることです。

三つ目は、ドライブレコーダーの映像とデジタコの自動判定を、そのまま指導や処分の根拠にする失敗です。急ブレーキや速度超過の検知件数が評価に使われると、ドライバーからの報告が減ります。防ぎ方は、AIの抽出を要因整理の材料に限定し、指導と処分は安全担当と運行管理者が映像と聞き取りで判断すると明文化することです。

入れない方がよい条件も書きます。入力可否表と例外の承認者が決まっていない会社は、ツールを配らない方がよいと判断します。規程が無い状態では、受取人の住所氏名や健康状態を送ってよいかの判断が個人任せになり、事故が起きたときに誰が確認したかをたどれません。この場合に先に着手するのは、業務ごとの入力可否表を1枚作ることです。

出典

  1. 国土交通省 報道発表「トラックドライバーの1運行当たりの平均拘束時間に関する調査結果の公表」(令和8年7月10日)
  2. 国土交通省 物流・自動車局「物流改正法の施行について」(令和7年3月10日)
  3. 全日本トラック協会「経営分析報告書(概要版)令和4年度決算版」(令和6年3月)
  4. 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)e-Gov法令検索
  5. 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)e-Gov法令検索

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記事に書いた業務の分け方と工程ごとの線引きは、株式会社BoostXがAI導入支援で用いる、業務整理と実装設計の考え方です。読んで終わりにせず自社で動かしたい場合は、次の3つの進め方があります。物流・運送を含め、業種を問わずお受けしています。

  1. 毎月ひとつずつAI化する

    AI顧問

    今の業務を工程に分けて、任せられるところから毎月ひとつずつAIに置き換えていく進め方です。設計と実装、運用の見直しまでを月額で続けます。

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  2. 部署をまたいで一気に動かす

    FDE型AI伴走支援

    BoostXも当事者として社内に入り、複数の部署にまたがる業務を一緒に組み替えます。月2日の訪問を含む伴走型です。

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  3. 仕組みとして作り切る

    AIエージェント開発

    試して効果が出た工程を、人が起動しなくても動き続ける仕組みにします。小さく試す段階から本番運用まで。

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