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社労士の社会保険手続きにAIを足す費用は?申請ソフト3プランと個人番号

顧問先が増え、申請ソフトのプランとAIサービスの契約をあわせて見直している社労士事務所の所長・手続き担当の方へ。

入社の連絡が遅い顧問先の資格取得届は、5日の期限の直前に重なりがちです。そこへAIを足すと、申請ソフト・届書作成プログラム・AIサービスのどこにいくら払うことになるのか、届書のどの欄をAIに渡してよいのかを、公式の料金と社労士法・番号法の条文に沿って順に見ていきます。

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社労士の社会保険手続きをAIで軽くする範囲と費用の考え方

先に結論

費用は、申請ソフトのプランとAIサービスのアカウントと届書作成プログラムの3つの払い先に出ます。いちばん大きいのは申請ソフトのプランで、顧問先の数でほぼ決まります。AIサービスのアカウントは、年額課金で3人分までならライトプランの月額を下回ります。

AIには入社連絡からの抜き出し、報酬月額の内訳案、決定通知書の書き写しを下書きさせます。資格取得日を雇用契約書の入社日で確定し、報酬月額を決めて個人番号を入れるのは手続き担当、e-Gov で出すのは社労士です。

個人番号の欄はAIに渡すデータから外し、提出の直前に所内の環境で入れます。欄を外しても、氏名や報酬月額は個人データのまま入力可否表に従います。

外に払えるのは道具と仕組みまでで、届書を作って出すのは社労士

社労士法第2条は申請書等の作成と提出の手続の代行を社労士の業務に挙げ、第27条は、社労士でない者がこれを報酬を得て業とすることを認めていません。このため外部の業者に頼めるのは、申請ソフトやAIサービスのアカウントの提供と、届書を作る仕組みの設計・設定までです。届書を作って出す作業は、有資格者である社労士のもとに置きます。

すべての届書を電子申請で出すなら、窓口は e-Gov です。社労士が事業主との提出代行関係を証明する書類を添付すれば、事業主の電子署名は要りません。顧問先ごとに電子署名の準備を頼まずに済むぶん、顧問先が多い事務所ほど申請ソフトで回す値打ちが出てきます。費用の中心が申請ソフトのプランに寄り、AIサービスのアカウントが下書きの道具にとどまるのは、この2つの事情からです。

AIの作業は下書きで終わり、届書の確定は手続き担当が持つ

資格取得届1件は顧問先の総務から社労士まで4者の手を通り、届書の中身を決める工程にはAIが入りません。資格取得届の5日は、顧問先から連絡が来た日ではなく、雇用契約書にある入社日から数えます。

図の要点:資格取得届1件の流れ。顧問先の総務が氏名・入社日・扶養・給与の内訳を送り、AIが案件管理システムの行を下書きする。手続き担当が資格取得日を雇用契約書の入社日で確定し、AIが追加依頼文と報酬月額の内訳案を下書きする。手続き担当が報酬月額を確定し、AIが届書と元資料の食い違いに印を付ける。手続き担当が印の無い欄も照合して個人番号を入れ、社労士が提出代行証明書を添えて e-Gov で出す。AIが決定通知書の標準報酬月額と取得日を台帳へ写し、手続き担当が照合して控えを送る。

5日の期限は入社日から数え、個人番号は提出の直前に所内で入れる

顧問先の総務

AI

手続き担当

社労士

  1. 顧問先の総務

    氏名・入社日・扶養・給与の内訳を送る

  2. AI

    入社連絡から案件管理システムの行を下書き

  3. 手続き担当

    資格取得日を雇用契約書の入社日で確定

    戻す連絡日で入れた行は入社日に直す

  4. AI

    追加依頼文と報酬月額の内訳案を下書き

  5. 手続き担当

    通勤手当と残業代の扱いを見て報酬月額を確定

    戻す契約書と合わなければ総務へ問う

  6. AI

    届書と元資料の食い違いに印を付ける

  7. 手続き担当

    印の無い欄も元資料と照合し、個人番号を入れる

  8. 社労士

    提出代行証明書を添えて e-Gov で出す

    受付通知を保管する

  9. AI

    決定通知書の標準報酬月額と取得日を台帳へ写す

  10. 手続き担当

    写した値を決定通知書と照合し、控えを送る

連絡日の行を入社日に直し忘れると、5日の期限の表示がずれます。この直しだけは、届書が重なる日も省きません。印の無い欄も、手続き担当が雇用契約書と届書を並べて読みます。

社会保険手続きのAI費用は3つの払い先に出る

いちばん大きいのは申請ソフトです。AIサービスのアカウントは、年額課金で3人分までにとどめれば、合計がライトプランの月額を下回ります。

払い先 公式の額と税の表示 額が変わる条件
届書作成プログラム(日本年金機構) コストをかけない電子申請の手段と案内 主要な届書に限る
オフィスステーション Pro ライトプラン 月11,000円、登録料110,000円(税込) 利用者ID 1・顧問先登録枠20
同 スタンダードプラン 月16,500円、登録料220,000円(同) 利用者ID 2・顧問先登録枠100
同 プレミアムプラン 月27,500円、登録料1,650,000円(同) 利用者ID 5・顧問先登録枠200
ChatGPT Business(標準シート) 1人月3,050円(年額課金) アカウントの数

オフィスステーション Pro の登録料は、どのプランも初回だけ掛かります。ChatGPT の Business プランを月額課金で契約すると1人3,850円です。税込か税別かは、公式ページに書かれていません。

申請ソフトのプランは、顧問先の数でほぼ見当が付きます。ライトプランの20社を超えるとスタンダードへ移り、101社以上なら50社ごとに月5,500円の枠を足すか、プレミアムを選びます。同時に使う利用者IDが3つ以上要るときは、1IDにつき月2,200円の追加です。

【説明用の架空の記入例】顧問先35社、特定法人の顧問先なし、手続き担当2人の事務所で計算します。

  • 申請ソフト

    20社を超えるのでスタンダードプラン。月16,500円(利用者ID 2つを含む)、初回だけ登録料220,000円
  • AIサービス

    ChatGPT Business を年額課金で2人分。月3,050円×2人=月6,100円
  • 合計

    月16,500円+月6,100円=月22,600円。ChatGPT の額は税込か税別かが公式ページに無いため、目安として扱う

顧問先の給与計算も同じソフトで受けるオプションは、登録料110,000円に月3,300円(1社まで)からです。給与の元データが所内にある顧問先ほど、報酬月額の内訳をAIに下書きさせる材料がそろいます。

特定法人の顧問先がいれば、算定基礎届の前にプランを決める

健康保険法施行規則第25条は、7月1日現在の被保険者の算定基礎届を同月10日までに出すと定めています。同じ条の第3項では、資本金等が1億円を超える特定法人の事業主は、これを電子情報処理組織で行う決まりです。月額変更届も第26条第3項で同じ扱いで、電気通信回線の故障や災害などの例外は条文にあります。

特定法人の顧問先を持つ事務所では、7月の算定基礎届で全員分の報酬月額を電子で出すことが前提です。申請ソフトのプランと、AIに下書きさせる欄の設計を6月の前に決め終えておけば、7月10日の前に作業が詰まりません。特定法人の顧問先が無く、資格取得届と喪失届が月に数件の事務所なら、今の申請の手段のままAIサービスのアカウントを1つ足せば足ります。

資格取得届で誤りが集まるのは、期限の登録と報酬月額

資格取得届と喪失届は、健康保険法施行規則と厚生年金保険法施行規則で、事実があった日から5日以内に出すと定められています。資格取得日を連絡を受けた日で入れると、連絡の遅い顧問先ほど期限の表示が後ろへずれ、5日の法定期限を過ぎていても期限一覧の上では間に合って見えます。

報酬月額は、通勤手当や見込みの残業代を入れるかどうかで額が動き、標準報酬月額の等級に響きます。誤れば訂正の届出が要るため、AIの内訳案は手続き担当が雇用契約書と見比べてから確定します。

入社の連絡が電話で届き、文面が残らない顧問先ばかりの事務所もあるでしょう。その場合はAIが抜き出す材料が無いので、AIサービスのアカウントを契約する前に入社連絡票の様式を顧問先とそろえるほうが先です。

個人番号の欄はAIに渡してよいか?

渡さない組み方のほうが扱いやすくなります。資格取得届の個人番号の欄はAIに渡すデータから外し、提出の直前に手続き担当が所内の環境で入れます。欄を外しておけば、個人番号は今の保管場所から動きません。

番号法第10条は、個人番号関係事務の委託を受けた者が再委託するには、委託をした者の許諾が要ると定めています。社労士事務所は顧問先から事務を受けている側なので、外部のAIサービスに個人番号を通す形が再委託に当たれば、顧問先の許諾が要ります。

再委託に当たるかは、その事業者が個人番号を含む電子データを取り扱うかどうかで判断されます。個人情報保護委員会のQ&Aは、契約で取り扱わない旨が定められ、適切にアクセス制御を行っている場合等を、取り扱わない例に挙げています。

個人番号の欄を外しても、氏名・生年月日・報酬月額の欄は顧問先の従業員を指す個人データのままです。これらを外部のAIに入れてよいかは、運営会社の契約と国外の会社かどうかを士業向けの生成AIツールの選び方の比べ方で確かめ、入力可否表に載せてから決めます。

個人番号の欄を通す設計は、外部との分担を先に決める

入社連絡からの抜き出しと決定通知書の書き写しは、どちらも個人番号の欄を外したデータのままで回せます。この2工程をアカウント1つで試す段階なら、入社連絡票の様式を顧問先とそろえ、手続き担当が入社日を雇用契約書で確かめる工程を置けば、所内だけで足ります。

個人番号の欄まで仕組みに通す形を選ぶと、設計費が膨らみます。契約の確認、顧問先ごとの許諾の管理、アクセスの制御が一度に要るので、その設計はAIエージェント開発を担う外部の会社と比べて決めます。申請ソフトのプランとアカウントの数、入力可否表の決め方から整理したいなら、AI顧問と組む形もあります。

申請ソフトのプランを選び直す合図は、顧問先の数がライトプランの20社に近づいたことです。それより手前で届書が期限の前日に積み上がるなら、原因はプランの大きさより、資格取得日を入社日で確かめる工程の置き場所にあります。

明日から始める3ステップ

  1. 担当 所長

    案件管理システムで顧問先の数を数え、資本金等が1億円を超える特定法人の顧問先がいるかを確かめる

    次へ進む目安申請ソフトのプランと、算定基礎届の段取りを6月の前に決める必要があるかが決まっている

  2. 担当 手続き担当

    個人番号の欄を外したデータで、入社連絡からの抜き出しと決定通知書の書き写しの2工程をAIに下書きさせる

    次へ進む目安下書きの行の資格取得日が、どれも雇用契約書の入社日に直してある

  3. 担当 所長

    月末の締めで、期限の前日に未提出で残った届書を数え、手続き担当と共有する

    次へ進む目安期限の前日に未提出だった届書の件数が月ごとに残り、その件数を見てアカウントを足すかを所長が決めている

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出典

  1. 健康保険法施行規則(大正十五年内務省令第三十六号)(第二十四条・第二十九条・第二十五条・第二十六条) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  2. 厚生年金保険法施行規則(昭和二十九年厚生省令第三十七号)第十五条・第二十二条e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  3. 社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二条・第二十七条e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  4. 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第十条e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  5. 個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」に関するQ&A A3-12個人情報保護委員会 確認日 2026.09.28
  6. 日本年金機構「電子申請・電子送付(事業主の方)」日本年金機構 確認日 2026.09.28
  7. e-Gov電子申請「よくあるご質問 提出代行に関する証明書」デジタル庁(e-Gov) 確認日 2026.09.28
  8. オフィスステーション Pro「料金」(ライトプラン・スタンダードプラン・プレミアムプラン・ID追加・顧問先登録枠追加・給与計算オプション・ライトプランの利用条件・スタンダードプランの利用条件・プレミアムプランの利用条件・顧問先登録枠追加の条件・ID追加の条件・税の表示) 株式会社エフアンドエム 確認日 2026.09.28
  9. OpenAI「ChatGPT 料金」(Business プランの標準シート) OpenAI 確認日 2026.09.27
  10. 個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第二十五条・第二十七条第一項・第二十八条第一項(外国にある第三者への提供の制限) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  11. 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用)・Q12-1(外国にある第三者への委託) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29

編集BoostX編集部(株式会社BoostX)編集と監修の決まり

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