中古車の問い合わせの車両特定をAIに任せるなら、在庫表に照合の列を足す
問い合わせの車を在庫表から目で探している中古車販売店で、店長・集客担当・在庫担当の分担を決めるときの材料になります。
在庫サイトの通知メールに書かれた掲載番号は、店が在庫表で振った在庫番号とは別の番号です。そのため在庫表を番号で検索しても見つからず、担当が車種と色で上から探しています。この照合をAIに任せる前に、在庫表と担当の分け方で決めることがいくつかあります。

先に結論
車両特定でAIが受け持つのは、問い合わせの原文から掲載番号と車台番号の下3桁を抜き出し、在庫表の照合の列と突き合わせて、候補の在庫番号と一致した項目を並べるところまでです。反響記録の在庫番号の欄は、候補が1台のときに集客担当が原文と見比べて入れます。
候補が2台以上なら在庫番号を空けたまま客へ聞き返し、0台なら在庫担当が掲載と在庫表の列を見比べます。1台でも、一致したのが車種と色だけなら入れずに客へ確かめます。
足す列はサイト別の掲載番号・車台番号の下3桁・掲載中のサイト・照合状態の4つで、照合状態のほかは在庫担当が掲載の作業と同じ日に埋めます。在庫が少なく、担当全員が車を覚えている店は、AIを入れずに列を足すだけで足ります。
掲載番号と車台番号の下3桁は、どちらも車1台を指す
掲載番号はそのサイトの中で1台を指し、車台番号の下3桁は価格を載せたどの掲載にも出ています。この2つが在庫表に無い店では、問い合わせメールの掲載番号で検索しても1行も見つからず、担当が車種と色で上から探して、同じ車種が2台並んだところで手が止まります。
図の要点:問い合わせ1件を在庫番号1つへ戻す5つの作業の流れ図。AIが原文から掲載番号と車台番号の下3桁を抜き、在庫表の照合の列と突き合わせて候補と一致した項目を並べる。候補が1台のときだけ集客担当が在庫番号を入れ、0台の問い合わせは在庫担当が掲載を確かめて列の抜けを書き戻す。
問い合わせ1件を在庫番号1つへ戻す5つの作業
-
原文から掲載番号と下3桁を抜く
無ければ車種・色・支払総額
AI
-
在庫表の照合の列と突き合わせる
販売中の行だけを見る
AI
-
候補の在庫番号と一致した項目を並べる
1台・2台以上・0台
AI
-
原文と候補の行を見比べて在庫番号を入れる
候補が1台のときだけ
集客担当
-
0台と出た掲載を確かめる
列の抜けを在庫表へ書き戻す
在庫担当
掲載番号の列を持たない在庫表でこの流れを回すと、AIが照合に使える項目は車種と色だけです。候補はほとんど2台以上で返り、集客担当が在庫番号を入れられる問い合わせはわずかになります。
照合に使う項目の確かさは、番号が1台を指すかと、その番号がどの経路の問い合わせに付いてくるかで比べます。先に照合する項目は、在庫サイトからの問い合わせなら掲載番号、それ以外の経路なら車台番号の下3桁です。
| 照合に使う項目 | 確かさ | 付いてくる経路 |
|---|---|---|
| サイトの掲載番号 | そのサイトの中で1台を指す | 在庫サイトの通知メール |
| 車台番号の下3桁 | 同じ車種でもまれに重なる | 掲載ページを見た客の連絡 |
| 車種・色・支払総額 | 同じ車種が並ぶと絞れない | 電話やLINEの車名だけの連絡 |
通知メールに掲載番号が入るかは、サイトと契約で違います。届いたメールの本文を1通開き、番号の入る位置を確かめてからAIに抜き出させます。
インターネットなどの広告に中古車の販売価格を載せるとき、販売業者は車台番号を表示しなければなりません(自動車公正競争規約 第11条第2項)。表示するのは車台番号の下3桁以上です(同施行規則 第16条)。価格を載せた掲載ならどのサイトにも下3桁が出ているので、サイトをまたいで同じ番号で在庫表と突き合わせられます。
車台番号は、打刻できる者が自動車の製作を業とする者などに限られた番号です(道路運送車両法 第29条)。売れた車の番号を次の車へ回せる在庫番号と違い、店の側で振り直す番号ではありません。
電話とLINEは車名だけのことが多く、照合に使える項目は車種・色・支払総額しかありません。候補が絞れない問い合わせを客に聞き返す手順は、車名だけの問い合わせを1台に絞る手順で扱っています。
掲載番号と在庫番号はどの場面でずれる?
照合の列を作っても、掲載の出し直しや番号の使い回しのたびに、在庫表の列は実際の掲載から遅れていきます。ずれが出るのは、次の3つの場面です。
1つ目は、同じ1台を2つの在庫サイトに載せる場面です。掲載番号はサイトごとに振られるので、1台に番号が2つ付き、どちらも店が在庫表で振った番号とは一致しません。在庫表に片方のサイトの列しか無ければ、もう片方からの問い合わせは車種と色で探すことになります。
2つ目は、店舗間の回送の後に掲載を出し直す場面です。仮に、本店の車を2号店へ回し、展示店舗を直すために掲載を出し直したとします。出し直しで番号が変わるサイトなら、在庫表の列が古い番号のままの間、新しい番号の問い合わせは候補0台と出ます。
3つ目は、売れた車の在庫番号を次に仕入れた車へ回す場面です。前の車の問い合わせが遅れて届くと、在庫番号だけで照合した候補が新しい車を指します。下3桁の列があれば、番号が同じでも別の車だと分かります。
どの場面から塞ぐかは、載せているサイトの数と店舗の数で分かれます。下の3行から自店に近い行を選びます。
在庫サイト1つ・1店舗
掲載番号の列を1本足す。在庫番号を使い回す店は下3桁の列も足す在庫サイト2つ以上
サイトの数だけ掲載番号の列を作り、1つ目の場面から塞ぐ回送のある複数店舗
出し直しの日に列を書き換える役を在庫担当に固定し、2つ目の場面を塞ぐ
在庫が少なく、担当全員が車を覚えている店は、AIの照合を入れない方がよい店です。列を足せば済みます。
照合候補はAIが出し、在庫番号は集客担当が決める
AIに任せるのは候補の在庫番号と一致した項目を並べるところまでで、反響記録の在庫番号の欄を埋めるのは集客担当です。AIが1台を選んで欄を埋めると、取り違えたまま担当決めと返信が進んでしまいます。
照合でAIが読むのは、届いた文面と在庫表の売約前の行で、列は在庫番号・照合の列・車種・年式・色・支払総額・展示店舗です。文面の氏名や電話番号は照合に使わないので、集客担当が文面を貼るときに消します。AIは候補ごとに、在庫番号・一致した項目・原文と食い違う語を1行で返します。
【説明用の架空の記入例】候補1: 在庫番号 A-0123/一致した項目: 車台番号の下3桁/原文と食い違う語: なし。候補2: 在庫番号 B-0456/一致した項目: 車種と色だけ/原文と食い違う語: 年式。候補が2台なので、集客担当は在庫番号を空けたまま客へ聞き返します。
候補の台数と一致した項目で、在庫番号を入れるかが分かれる
-
1台で、掲載番号か下3桁が一致した
集客担当が原文と見比べて入れる
-
1台だが、当たったのは車種と色だけ
入れずに客へ確かめる
-
2台以上
在庫番号を空けたまま、候補を並べて客へ聞き返す
-
0台
在庫担当が掲載と在庫表の列を見比べる
掲載番号で候補が1台に絞れたのに、原文に書かれた色が候補の行と違う問い合わせもあります。客が別の掲載と見間違えた可能性があるため、この場合は2台以上と同じ扱いにして聞き返します。
集客担当は、候補の行の番号と原文の番号を目で一致させてから在庫番号を入れ、照合状態を「確定」にします。後から別の車だったと分かった行は、照合状態を「要確認」へ戻し、取り違えの元になった項目を備考に残します。番号の写し違いか下3桁の重なりかが同じ種類で続くなら、直す先は在庫表の列の入れ方です。
在庫番号が決まった問い合わせは、展示店舗と担当への振り分けを経て、在庫表の現況を入れた初回返信へ進みます。
問い合わせを受けた後の追客や経路ごとの集計は集客・反響のハブに、査定や整備まで含めた工程は自動車販売・整備の業務別の記事に並べています。
氏名を消した後の文面も、反響記録の行と結べばどの客の問い合わせかが分かるので、個人データとして扱います。外部のAIサービスへ渡すなら、運営会社は文面を取り扱わないという契約上の定めと、アクセスの制御がどちらもあるかを先に確かめます。
片方でも欠ければ、委託として読める契約か、本人の同意を得る第三者提供かを見分け、運営会社が国外なら第28条も加わります。見分け方は名寄せの前に規約を読む節に寄せています。
在庫表に足す照合の列4つと入れる担当
足す列は、サイト別の掲載番号・車台番号の下3桁・掲載中のサイト・照合状態の4つです。照合状態のほかは、在庫担当が掲載の作業と同じ日に埋めます。
| 足す列 | 入れる人 | 入れる時点 |
|---|---|---|
| サイト別の掲載番号 | 在庫担当 | 掲載を出した日と出し直した日 |
| 車台番号の下3桁 | 在庫担当 | 仕入れて在庫表に載せた日 |
| 掲載中のサイト | 在庫担当 | 掲載を始めた日と止めた日 |
| 照合状態 | 集客担当 | 在庫番号を入れた時と空けた時 |
入れる時点を掲載の作業の日にそろえておけば、0台と出た問い合わせを見たときに、どの日の作業で列が抜けたかを在庫担当がさかのぼれます。掲載番号の列はサイトの数だけ作り、1つの欄に番号を2つ並べません。
掲載に下3桁より多くの桁を出している店は、出している桁数で列を作ります。掲載の桁数と在庫表の桁数が違うと、AIは同じ車を別の車と読みます。
販売管理システムから複数の在庫サイトへまとめて掲載している店は、システムの側に掲載番号が残っていないかを先に確かめます。残っていて書き出せるなら、在庫表へ手で写すより、その書き出しを照合に使う方が写し違いが出ません。
在庫番号を使い回すかどうかは店長が決めます。使い回しを続けるなら、下3桁の列は外せません。
列を先に作るのは、問い合わせの多い在庫サイトの分からです。照合が切れたままの経路ほど、担当が在庫表を手で探す回数が増えます。
掲載と在庫表のずれは毎朝AIに突き合わせさせる
問い合わせが来てから列の抜けに気づくより、開店前に各サイトの掲載一覧と在庫表を突き合わせ、つながっていない車を先に見つけます。列の抜けを、客を待たせる前に片づけるためです。
材料は、各サイトの管理画面から書き出した掲載一覧と、在庫表の照合の列です。書き出しの無いサイトは、画面の一覧を写した表で代えます。AIには次の3つの一覧を返させます。
- 掲載にあるのに、在庫表の掲載番号の列に無い番号
- 在庫表で販売中なのに、掲載中のサイトの欄と実際の掲載が合わない車
- 在庫表で売約済みなのに、掲載が残っている車
1つ目と2つ目は、在庫担当が開店前に列を書き換えて片づけます。1つ目が毎朝同じ数だけ出るなら、出し直しの日に列を書き換える手順がどこかで抜けています。
3つ目の一覧は、在庫表の状態欄が売約済みに直っていなければ出てきません。AIが見つけられるのは表に書かれた売約だけなので、契約を受けた担当営業がその場で状態欄を直すことが、この突き合わせの前提です。
規約第15条第1号が禁じるのは、実際には取引に応じることができない中古車の表示です。3つ目の一覧に出た車は、在庫担当が当日のうちに掲載を止めます。在庫の状態がどの時点で古くなり、返信の前にいつ確かめるかは、在庫の状態を確かめる3つの時点の範囲です。
列が古くなったことに最初に気づけるのは、通知メールの番号で在庫表を検索して1行も見つからなかった集客担当です。その番号をその場で在庫担当へ回す決まりがあれば、出し直しの抜けは翌朝の突き合わせを待たずに埋まります。
掲載一覧の書き出しをつなぐ作業に、外の開発を入れる目安
外の開発を入れるかは、週の終わりに数える件数で見極めます。在庫担当が最初のサイトの列を埋め終えた週から、集客担当は照合状態が「要確認」のまま翌朝まで残った問い合わせを、経路ごとに数えます。
在庫サイトの分が減らず、0台の行が多い週は、在庫担当が出し直しの日に列を書き換えているかを先に確かめ直します。書き換えが回っているのに減らない状態が続く店(たとえば2週続けて)は、サイトごとの管理画面から掲載一覧を書き出し、在庫表とつなぐ手間が人の手に余っています。そこを仕組みに置き換えるときに、AIエージェント開発を外へ頼むかを比べます。
車名だけの電話とLINEの分は、列を足しても仕組みを作っても減りません。この分は、客への聞き返しの文面と、受けた人がその場で反響記録に書く決まりを店の中で詰めます。
明日から始める3ステップ
担当 在庫担当
先月の問い合わせが最も多かった在庫サイトについて、販売中の全車の掲載番号と車台番号の下3桁を在庫表の列に入れる
次へ進む目安販売中の車で、その2つの列のどちらかが空いた行が0行
担当 集客担当
前日の問い合わせの原文から氏名と連絡先を外してAIに渡し、候補の在庫番号と一致した項目を反響記録の横に並べさせる
次へ進む目安たとえば5営業日続けて(期間は店長が決める)、候補1台のときに入れた在庫番号の取り違えが0件
担当 店長
開店前に掲載一覧と在庫表の突き合わせで出た3つの一覧を読み、売約済みなのに残っている掲載をその日のうちに止めさせる
次へ進む目安売約済みで掲載が残る車が、たとえば10営業日続けて0台
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出典
- 自動車公正取引協議会「自動車公正競争規約集」(2025年4月)中古自動車の表示に関する公正競争規約 第11条第2項・中古自動車の表示に関する公正競争規約施行規則 第16条・自動車業における表示に関する公正競争規約 第15条(おとり広告の禁止) 一般社団法人自動車公正取引協議会 確認日 2026.10.06
- 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第29条第1項(車台番号等の打刻) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.10.06
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(第25条・第27条第1項・第28条第1項 外国にある第三者への提供の制限) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29
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