人材紹介の推薦スピードが競合に遅れる原因と当日中の求人票確認
生成AIは下書きと未確定の欄の一覧まで、労働条件の確定と確認依頼の送付はRAが持つ
変更の範囲や固定残業代の内訳は商談中にRAが確定し、生成AIは未確定の欄の一覧まで受け持つ。当日中に送る確認依頼の中身と、測る3つの時間が決まる。

30秒でわかること
何が問題か
商談の翌日に下書きし、全文を送って返答を待つ流れでは、条件が決まるまで推薦を始められない。
何を見れば判断できるか
要件シートの欄を商談中・当日中に企業へ聞く・RAが持ち帰るの3つに分けると、確認依頼に載せる欄が絞れる。
誰が何をすれば解決するか
RAが明示事項を商談で確定し、生成AIが未確定の欄を一覧にして、RAが当日中に確認依頼を送る。
対象は、RAが商談で聞いた要件を求人票にし、企業の確認を経て推薦に入る流れです。商談と候補者面談を同じ担当が持つ両面型の会社にも当てはまります。
他社の推薦が早いのは確認待ちが短いから
推薦の開始を左右するのは、求人票を書く速さより、企業の確認が返るまでに日をいくつまたぐかです。翌日に全文を送って待つ形では返答が翌々日にずれ、商談中に明示事項を埋めて当日中に未確定の欄だけを聞く形なら、待つのは1往復分で済みます。
図の要点:商談から推薦開始までの5つの時点。商談中にRAが業務と就業場所の変更の範囲、更新上限、固定残業代の内訳を企業から聞き切る。商談の直後に生成AIが商談メモから下書きと未確定の欄の一覧を作る。当日の終業前にRAが未確定の欄と返答期限だけの確認依頼を人事担当へ送る。翌日に返答を求人票へ入れて確定し、確定の日に求人管理システムへ登録して推薦を始める。
日をまたぐのを、企業の返答を待つ1回だけにする
-
商談中
RAが変更の範囲・更新上限・固定残業代の内訳を企業から聞き切る -
商談の直後
生成AIが商談メモから下書きと未確定の欄の一覧を作る。空欄は空欄のまま -
当日の終業前
RAが一覧を商談メモと照合し、未確定の欄と返答期限だけを人事担当へ送る -
翌日
RAが返答を求人票に入れて確定する。答えが無い欄は電話で聞き直す -
確定の日
求人管理システムに登録し、推薦する候補者に条件を伝え始める
直近の自社の求人を図の時点に当てはめ、商談の日と確認依頼を送った日が別の日付なら、縮める区間は商談の直後から終業前までです。送った日は同じでも返答に2日以上かかっていれば、詰まっているのは企業側の確認者です。
仮の場面で言えば、夕方に商談を終えたRAの翌日の午前が候補者面談で埋まっていると、下書きは昼過ぎ、全文の送付は夕方、人事担当の返答は翌々日になります。この2日のあいだに、取引先は他社から届いた推薦書類を読み始めています。
確認が日をまたぐのは要件シートの空欄から
2024年4月1日から、職業紹介事業者への求人の申込みで明示する労働条件に、業務と就業の場所の変更の範囲と、更新上限を含む更新の基準が加わりました。この3つは、商談中に企業から聞く欄として要件シートに入れておく必要があります。それより前に作った要件シートの様式には、この3つを書き込む欄が用意されていない場合があります。
欄が無いまま商談を終えると、下書きの段になって空欄に気づき、企業への質問が1往復増えます。厚生労働省の職業紹介事業者向けのリーフレットも、これらの情報が求人企業から適切に伝えられているかの確認を紹介会社に求めています。推測で埋めてよい欄ではないので、聞き漏らせばそのまま待ち日数になります。
日をまたぐ原因は、次の3つに分けて探します。
- 明示事項の欄が空のまま商談から持ち帰る
- 確認依頼に求人票の全文を付け、人事担当が全部を読み直す
- 賃金や配置の変更の範囲を決める部門長が商談にいない
どの原因から手を付けるかは、会社の分け方で変わります。
RAと求人担当が分かれる会社
商談メモの受け渡しで半日ずれるので、下書きを生成AIに回す時点から変える両面型の会社
商談の翌日が面談で埋まりやすいので、商談の直後に下書きと一覧を作る確認者が人事担当でない企業
次の商談に部門長の同席を頼み、変更の範囲をその場で聞く
商談中に埋める欄と持ち帰ってよい欄
業務内容と就業場所、その2つが将来どこまで変わり得るか、契約期間と更新上限、賃金と固定残業代の内訳、就業時間、休日は商談中に企業の口から確定させます。訴求の書き方と媒体ごとの整形は、RAが持ち帰っても企業の確認を待たずに済む欄です。
| 要件シートの欄 | 決める時点 | 決める人 |
|---|---|---|
| 業務内容と変更の範囲 | 商談中 | 企業(RAが聞く) |
| 就業場所と変更の範囲 | 商談中 | 企業(RAが聞く) |
| 契約期間・更新上限 | 商談中 | 企業(RAが聞く) |
| 賃金・固定残業代の内訳 | 商談中 | 企業(RAが聞く) |
| 就業時間・休日 | 商談中 | 企業(RAが聞く) |
| 選考の回数・面接官 | 当日中に企業へ聞く | 人事担当 |
| 書類の合否連絡の目安 | 当日中に企業へ聞く | 人事担当 |
| 仕事の魅力・言い回し | 持ち帰る | RA |
| 媒体ごとの文字数の整形 | 持ち帰る | RA・求人担当 |
自社の要件シートの様式に、商談中の5行のうち欄の無いものがあれば、次の商談の前に足しておきます。商談中に決まらない欄を当日中の行へ移すのは構いませんが、持ち帰りの行には移しません。
固定残業代は、基本給と手当を分け、何時間分の時間外手当として幾らを払うか、超えた分を追加で払うことまで書く決まりです。商談メモに「固定残業代あり」とだけ残ると、賃金の欄は確定できません。
商談で聞く順番は、確定に時間のかかる欄を前に置きます。
- 就業場所と業務の変更の範囲(部門長の判断が要るかもその場で聞く)
- 契約期間と更新上限
- 賃金と、固定残業代に含む時間と金額
- 就業時間と休日
- 選考の回数と面接官(決まっていなければ当日中の行へ)
当日中の確認依頼は未確定の欄だけを聞く
当日中に送る確認依頼は、求人票の全文ではなく、未確定の欄と「この内容で確定として扱う欄」の2つと返答期限だけにします。手順は次の3段で、生成AIが受け持つのは1段目だけです。
生成AIが一覧を作る
商談メモ(手書きの写真を起こした文でも録音の文字起こしでも可)、要件シート、求人票テンプレートを渡し、下書きと未確定の欄の一覧を出させるRAが一覧を確かめる
一覧の値を商談メモと1欄ずつ照合し、確定扱いにする欄に聞いていない値が無いかを見るRAが送る
未確定の欄を質問の形で並べ、確定扱いの欄を添え、返答期限を書いて終業前に人事担当へ送る
生成AIへの指示には、商談メモにある語だけで欄を埋めること、メモに無い欄は空欄で返し未確定の一覧に入れることを書きます。空欄で返すよう書いておかないと、変更の範囲に「業務内容に準ずる」のような、誰も言っていない語が入って戻ることがあります。そうした下書きは使わず、指示を直してから作り直します。
確定扱いの欄を企業が直してきたら、その欄は次の商談から「商談中」の行で聞き方を変えます。全文の求人票は、返答が来て確定した後に求人票として確認してもらえば足ります。
求人票の作成そのものが担当の人数で追いつかない場合は、求人原稿を生成AIで内製するか外注するかの比べ方から見直します。
要件の聞き取りから掲載の停止までの他の工程は求人獲得・整理の業務一覧から、人材・派遣のほかの業務は人材・派遣のAI活用の入口から辿れます。商談メモには公開前の採用計画が入るので、渡す生成AIのサービスが入力を学習に使うかどうかは、契約と設定の両方で事前に確かめておきます。
企業の確認前に推薦の準備はどこまで進めるか?
企業の確認が返る前でも、確定した条件の範囲で社内の候補者データベースから洗い出し、優先順位を付けるところまでは進めて構いません。ただし、未確定の欄の条件は候補者に伝えません。
候補者に連絡するのは、求人票が確定してからにします。厚生労働省の求人企業向けリーフレットは、労働条件の一部を後から明示する場合も、原則として面接など求職者と最初に接触する時点までに全てを明示するとしています。未確定の条件のまま打診すると、後から変わった条件を候補者ごとに伝え直すことになります。
企業の返答で条件が変わったら、洗い出した候補者のリストも同じ日に見直します。職業紹介事業者向けのリーフレットも、載せた求人の情報を、掲載時点を示すなどして最新で誤りの無い状態に保つよう求めています。媒体や自社サイトに載せた後の表示の点検と掲載の止め方は、求人情報の表示チェックと停止の記事で扱っています。
求人管理システムに登録するまで候補者の検索を始めない運用の会社なら、確定前は「仮登録」の印を付けて検索だけを許す形にすると、洗い出しを前に倒せます。
商談から推薦開始までの3つの時間を測る
効いたかどうかは、商談終了から確認依頼まで、確認依頼から返答まで、商談から最初の推薦までの3つの時間で確かめます。求人管理システムかExcelに、商談終了の時刻、確認依頼を送った時刻、企業が返答した時刻、最初の推薦日の4つを求人ごとに残します。
| 測る時間 | 単位 | 縮まらないときの戻し先 |
|---|---|---|
| 商談終了→確認依頼 | 時間 | 生成AIに渡す時点 |
| 確認依頼→企業の返答 | 日 | 確認者の商談への同席 |
| 商談→最初の推薦 | 日 | 確定前の洗い出しの範囲 |
並べるのは、変える前の2週間と変えた後の2週間です。求人ごとの差が大きいときは企業別に分けて見ます。
確認依頼から返答までが縮まらない企業が出たら、RA責任者がその企業の担当RAと相談し、次の商談に部門長の同席を頼むかを決めます。同じ企業の確定扱いの欄が繰り返し直されるなら、聞き方を変えるのは「商談中」の行です。
最初に着手するのは、RA責任者による要件シートの様式の見直しで、商談中の5行がそろっているかを確かめるところです。そのうえで、ここから2週間は求人ごとの4つの時刻を記録し、商談終了から確認依頼までを時間の単位で毎週見比べます。
明日から始める3ステップ
次の新規求人の商談の前に、要件シートの各欄へ「商談中」「当日中に聞く」「持ち帰る」の印を付ける
- 担当
- RA責任者
- 次へ進む目安
- 業務と就業場所の変更の範囲・更新上限・固定残業代の内訳に、すべて「商談中」の印が付いた様式が1枚できた
商談を終えたら商談メモと要件シートを生成AIに渡し、出てきた未確定の欄の一覧から確認依頼を組んで人事担当へ送る
- 担当
- 商談を受け持ったRA(法人営業担当)
- 次へ進む目安
- 確認依頼の送信時刻が、商談と同じ日付で求人管理システムに残った
商談終了・確認依頼の送信・企業の返答・最初の推薦の4つの時刻を2週間分ためて、変える前の2週間と並べる
- 担当
- RA責任者
- 次へ進む目安
- 3つの時間を前後で並べた表ができ、返答に2日以上かかった企業へ確認者の同席を頼むかどうかを決めた
この記事の見方を、自社に当てはめる
- 得られるもの
- 推薦文の下書き・面談記録の整理・スカウト文面など6つの候補から、答えに合う1工程が最初にAIへ任せる先として結果に出る
- 所要時間
- 約1分(6問)
- 登録
- 結果を見るまで登録は要りません
- 押した後
- 答えるとその場で、最初にAIへ任せる1工程と、人が確かめる所、2週間の試し方が出ます。資料として受け取るときだけ、会社名・お名前・メール・役職を入力します。
出典・参考資料3件
- 厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」厚生労働省 確認日 2026.10.02
- 厚生労働省リーフレット「職業紹介事業者の皆さま 求職者への労働条件明示のルールなどが変わります!」1.追加される明示事項・最低限明示しなければならない労働条件(賃金)・1.追加される明示事項(注記)厚生労働省 確認日 2026.10.02
- 厚生労働省リーフレット「求人企業の皆さま 募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!」(【参考】明示するタイミング等について)厚生労働省 確認日 2026.10.02
編集・監修体制BoostX編集部
BoostX編集部(株式会社BoostX)が、官公庁・業界団体などの一次情報を原典で確かめて書いています。下書きにはAIを使い、編集担当者が内容と出典を確認してから公開しています。
更新履歴
最終更新
新しく公開しました。商談から推薦開始までの時点の図、要件シートの欄を決める時点で分けた表、確認が返る前に進めてよい推薦の準備の範囲を載せています。