たとえば、AI顧問を月額で頼むことになり、3社の料金ページを並べている推進担当がいるとします。書いてあるのは月額の数字と「定例ミーティング・チャット相談」の1行だけです。月11万円のプランで何かを作ってもらえるのか、月額のほかに何がかかるのかは、どのページを読んでも分かりません。来週の役員会では、どのプランにするかを聞かれます。
先に結論をお伝えします。AI顧問の月額は、相談と設計までか、毎月の構築まで含むかで段が変わります。BoostXのAI顧問は3プランで、Lightは月額11万円(判断・設計)、Standardは月額22万円(毎月1件の小規模なAI構築つき)、Growthは月額33万円(毎月2件)、いずれも税込の定額です。月11万円のLightに構築は含まれません。以下、月額に含まれるものと別にかかる費用、始めてから3か月の動き方、プランの選び方を順に整理します。
- 月額の段を分けるのは、相談と設計までで足りるか、毎月の構築まで要るかです。BoostXのAI顧問は税込でLight 月額11万円、Standard 月額22万円、Growth 月額33万円の3プランです
- Lightは判断と設計を支えるプランで、毎月の構築は付きません。構築が付くのはStandard(毎月1件)とGrowth(毎月2件)です
- ChatGPTやClaudeなどAIツールの利用料は月額に入らず、自社で直接払います。基幹システムとの連携など規模の大きい開発は別見積です。初期費用はなく、契約は最低3か月、以降は毎月自動更新です
目次
AI顧問ライト(月11万円)でできること
AI顧問のLightとは、AIを何に使うかの判断と、進める順番の設計までを月額11万円(税込)で支えるプランです。できることは3つに絞られていて、作る作業はここに入りません。
Lightに含まれるのは、相談と課題整理・優先順位とロードマップ・ツール選定と効果確認
月11万円に入っているのは、次の3つです。
- AI活用の相談と課題整理。定例ミーティングで現状を共有し、どの業務のどこで手が止まっているかを整理します。定例の間に出てきた疑問は、チャットで聞けます
- 優先順位とロードマップ。どの業務を、どの順番で進めるかの計画です。業務にかかっている時間と件数をもとに順番を付け、開始時に作って毎月の定例で見直します
- ツール選定と効果確認。すでに使っているツールや、社内で作った指示文を見直し、何をどう使うかを決めます。決めた進め方で効果が出ているかも確かめます
3つとも、決めるための支援です。決めた順番に沿って手を動かすのは、Lightでは自社の担当者になります。
構築が付くのはStandard(月22万円)から。3プランの違いを表で見る
月11万円のLightと月22万円のStandardの差は、毎月1件の小規模なAI構築が付くかどうかです。Growthは構築が毎月2件になり、運用ルールと社内マニュアルの整備、複数部署への展開支援が加わります。
| 比べる点 | Light | Standard(推奨) | Growth |
|---|---|---|---|
| 月額(税込) | 11万円 | 22万円 | 33万円 |
| 位置づけ | 判断・設計 | 毎月1業務をAI化 | 毎月2業務をAI化 |
| 相談と課題整理 | 含む | 含む | 含む |
| 優先順位とロードマップ | 含む | 含む | 含む |
| ツール選定・効果確認 | 含む | 含む | 含む |
| 毎月の小規模なAI構築 | なし | 毎月1件 | 毎月2件 |
| 現場導入・修正・定着支援 | なし | 含む | 含む |
| 構築前後の変化の確認 | なし | 含む | 含む |
| 運用ルール・社内マニュアルの整備 | なし | なし | 含む |
| 複数部署への展開支援 | なし | なし | 含む |
| 12か月の月額の合計 | 132万円 | 264万円 | 396万円 |
構築1件の大きさは、業務用の指示文、AIの作業手順、資料の下書きづくり、スプレッドシートやメール周りの軽い自動化といった小規模な実装です。作って渡して終わりにはなりません。現場で使ってみて出たずれや使いにくさを直すところまでが、1件に入ります。
Lightの1か月を、担当・入力・出力・人が決めることに分ける
月11万円で社内に何が起きるのかを7段階に分けると、おおよそ次の流れになります。順番は会社ごとに前後します。判断が入るのは7段階のうち5段階で、そのどれも顧問が代わりに決めるものではありません。
| 段階 | 担当 | 入力 | 出力 | 人が決めること |
|---|---|---|---|---|
| 1 候補を出す | 推進担当・各部署の責任者 | AIにしたい業務の名前、月の件数、1件にかかる時間 | 候補の一覧 | どの部署の業務から出すか |
| 2 定例で課題を整理する | 推進担当・AI顧問 | 候補の一覧、いま使っているAIツールと業務ツールの一覧 | 手が止まっている箇所の整理 | なし(整理の段階) |
| 3 順番を付ける | 決裁者・推進担当・AI顧問 | 候補ごとの件数と時間 | ロードマップ(どの業務を、どの順番で) | どれを先に進めるか |
| 4 ツールと使い方を見直す | 推進担当・AI顧問 | 契約中のツール、社内で作った指示文 | 何をどう使うかの整理 | 新しく契約するツール、AIに渡してよい情報の範囲 |
| 5 社内で試す | 対象業務の担当者 | ロードマップの1番目の業務、見直した指示文 | 試した結果と困りごとのメモ | 続けるか、やり方を変えるか |
| 6 定例の間に相談する | 対象業務の担当者・AI顧問 | 困りごとのメモ | チャットでの回答 | なし(相談の段階) |
| 7 効果を確かめ、順番を見直す | 決裁者・推進担当・AI顧問 | 始める前の値と、いまの値 | 見直したロードマップ | 次に進める業務、プランを変えるか |
各段階にかかる時間は会社ごとに違うので、最初の月に推進担当が自社で測ります。測るのは、段階1の候補出しに使った時間と、段階5で担当者が試した時間の2つで足ります。例外は、候補が1つも出てこない月です。その月は段階3に進めないため、定例を候補の洗い出しに充てます。
Standardでは段階5が変わります。設計と構築をBoostXが行い、現場の担当者には使い方を伝える形になるため、担当者の役目は「試す」から「使って確かめる」に移ります。
AIに渡す工程と人が確かめる工程は、対象の業務ごとに線を引く
IPAが国内企業を対象に2026年4月から6月に行った調査(回収1,799社)では、AIの使い道として「文書・音声の要約・翻訳・校正」が82.5%、「文書・レポートの作成」が80.5%、「情報検索・収集・分析・レポーティング」が77.0%で上位に並びました。候補に挙がりやすいのも、この3つに当たる業務です。
会議の議事録づくりなら、文字起こしから要点・決定事項・宿題を整理した下書きをAIが作り、決定事項と担当者・期限に誤りがないかを人が確かめます。提案書や報告書の下書きなら、社内の書式に沿った構成と本文の下書きまでがAIで、数字と固有名詞を確かめるのは人です。Lightではこの線を引くところまでを一緒に進めます。線に沿った仕組みを作るところまでが月額に入るのは、Standardからです。
月11万円の内訳 ―― 何に費用がかかっているのか
月11万円の内訳は、月額に含まれるもの、自社で直接払うもの、別見積になるものの3つに分けて読みます。初期費用はありません。契約は最低3か月で、以降は毎月自動更新です。
月額に含まれるものと、含まれないもの
請求書が何枚に分かれるかを先に見ておくと、稟議の行を後から足さずに済みます。
| 費用の種類 | 中身 | 払う先 |
|---|---|---|
| 月額に含まれる(Light) | 定例ミーティングとチャットでの相談、ロードマップ、ツール選定と既存の使い方の見直し | 月額11万円(税込・定額) |
| 月額に含まれる(Standard・Growth) | 上に加えて、毎月の小規模なAI構築、現場導入・修正・定着支援 | 月額22万円または月額33万円(税込・定額) |
| 自社で直接払う | ChatGPTやClaudeなど、AIツールの利用料 | 各ツールの提供元 |
| 別見積になる | 基幹システムとの連携、大規模な社内文書検索、本格的なAIエージェント | 着手前に切り分けて見積 |
| 別のサービスになる | 訪問をともなう支援、複数の部署を同時に進める支援 | FDE型AI伴走支援(月額55万円〜・月2日の訪問を含む) |
3つのプランとも、定例・構築の打ち合わせ・社員への説明までオンラインで完結します。訪問が要る場合は、月額の顧問ではなく別のサービスの対象です。
AIツールの利用料は、席の数×単価で別に見積もる
ChatGPTやClaudeなどAIツールの利用料は、月額に入りません。自社で提供元と直接契約し、直接払います。金額は使う人数で決まります。
たとえばClaudeのTeamプランは2人から150人のチーム向けで、2026年10月時点の公式の料金ページでは、スタンダードシート(標準の席)が年払いで1席あたり月20ドル、月払いで月25ドルと表示されています。5人が月払いで使うなら月125ドルです。ドル建てなので、円での額は為替で動きます。稟議には、AI顧問の月額とは別の行で「席の数×単価」を書いておきます。
別見積になるのは、基幹システム連携と規模の大きい開発
月額の構築1件に収まるのは、小規模な実装までです。基幹システムとの連携、大規模な社内文書検索、本格的なAIエージェントは、原則として別見積になります。どちらに当たるかは着手前に切り分けられます。
件数の多い業務を、既存システムと連携して本番運用の精度で自動化したい場合は、月額の顧問よりAIエージェント開発の対象です。月額の構築1件の大きさを超えるためです。
AI顧問の月額相場は、金額より「構築まで含むか」で読む
AI顧問の月額相場を示す公的な統計は、2026年10月に探した範囲では見当たりませんでした。検索で出てくる金額帯は、支援会社がそれぞれの見立てで整理したものです。同じ金額帯の中に、相談までのプランと、作るところまで含むプランが一緒に並んでいます。金額を横に並べても比べられないのは、そのためです。
比べるときは、月額を3つの段に置き直します。相談と設計まで。毎月の小規模な構築まで。複数の部署を訪問つきで進めるところまで。BoostXの公開価格をこの段に当てると、順に月額11万円、月額22万円と33万円、月額55万円〜です。他社の料金ページを読むときも、まずどの段の金額なのかを確かめます。複数の会社から見積を取って比べる段階なら、AI顧問の見積を7項目で並べ直す比べ方が使えます。
月額に見合うかは、件数×短縮時間×人件費で確かめる
月額に見合うかを確かめる式は1本です。月の件数に、1件あたりの短縮時間と、1時間あたりの人件費を掛け、12か月分にします。
仮の値で計算してみます。1つの業務が月200件、1件あたり15分の短縮、1時間あたりの人件費を3,000円と置くと、月50時間分、年180万円です。同じ規模の業務が3つ動けば年540万円で、Standardの12か月分264万円の約2倍になります。これは仮定の計算で、実績の数字ではありません。
自社の数字に置き換えるときは、月の件数と1件の時間を、対象業務の担当者が1週間だけ記録します。年間の支援費用に対して2倍ほどの効果を見込める業務が候補に無いなら、プランを上げる前に候補を出し直します。Lightは構築を含まないので、この式の短縮時間は、自社の担当者が手を動かした分だけ生まれます。
始めてから3か月で何が変わるか
始めてから3か月で変わるのは、どの業務にAIを使うかが決まり、効果を同じ物差しで比べられるようになることです。短くなる時間の幅は対象の業務で変わるため、あらかじめ約束できる数字はありません。

1か月目:対象を1つに決め、効果の測り方を先に決める
キックオフで業務の状況を共有し、対象の業務と効果の測り方を決めます。StandardとGrowthは、ここから構築に入ります。会社の側で用意するのは、対象の業務を実際に行っている人が、定例と確認に出る時間です。
始める前の値は、この月のうちに測ります。件数と、1件にかかる時間の2つです。後からは測れません。
2か月目:使われているかを確かめ、ずれを直す
1件目が現場で使われているかを確かめ、ずれを直したうえで効果を測ります。並行して、ロードマップに沿って2件目の業務に進みます。作ったのに使われていない、が見つかるのもこの月です。そのときは、使われない理由を担当者に聞いて直すことが先になります。
3か月目:同じ物差しで並べ、進める順番を見直す
取り組んだ業務の効果を同じ物差しで並べ、次に進める業務の順番を見直します。最低期間の区切りに当たる月なので、続けるか、プランを変えるかを決める材料がここでそろいます。
Lightの3か月は、構築の代わりに方針と優先順位が固まる
Lightでは、構築の代わりに、方針と優先順位の整理を同じ流れで進めます。3か月たった時点で手元にあるのは、順番の付いたロードマップと、見直したツールの使い方です。社内で試していれば、その結果も加わります。Lightで方針を固めてからStandardに上げる進め方もあります。
効果の物差しは、売上より先に件数と時間に置く
IPAの同じ調査で、AI導入による効果の内容は「業務が効率化したり迅速化した」が91.6%で最も多く、「残業時間の削減につながった」は29.2%、「売上や利益が向上した」は3.9%でした。この調査は効果の中身を尋ねたもので、どれだけ時間が短くなったかを測ったものではありません。
それでも、3か月の区切りで売上の変化を物差しにすると判断がつきにくいことは読み取れます。物差しは、件数、1件の時間、手戻りの回数のように、対象の業務の中で数えられるものに置きます。数える人も決めます。対象業務の担当者が週に1回記録し、推進担当が月に1回まとめる形なら続けやすくなります。
AI顧問は誰に向いているのか
AI顧問が向いているのは、AIを使いたい業務の候補はあるのに、どれから手を付けるかが社内で決まらない会社です。プランは予算ではなく、今月なにを進めたいかで選びます。
Lightで足りるのは、順番が決まっておらず、手を動かす人が社内にいる会社
条件は2つです。候補が複数あって、進める順番が決まっていないこと。決めた順番で試せる担当者が、社内にいること。AIツールを契約したのに一部の人しか使っておらず、業務の進め方が変わっていない会社も、ここに入ります。専任の担当を置く余裕がなくても、毎月少しずつ前に進めたいなら合います。
作るところまで任せたいなら、Standard以上が合う
社内に手を動かせる人がいないなら、月11万円のLightでは作るところが残ります。作るところまで含むプランか、別のサービスを選びます。
| いまの状況 | 合うプラン・サービス |
|---|---|
| AIを何から始めればいいかが決まっていない | Light(月額11万円) |
| 毎月1つずつ、業務をAI化していきたい | Standard(月額22万円) |
| 複数の業務を同時に進めて、社内に広げたい | Growth(月額33万円) |
| 複数の部署をまとめて進めたい。訪問も要る | FDE型AI伴走支援 |
| 全社でどの業務に、どの順番で、いくら投資するかを先に決めたい | AIコンサルティング |
| 件数の多い業務を、既存システムと連携して自動化したい | AIエージェント開発 |
複数の部署で同時に進めたく、社内の推進役だけでは手が回らない場合は、BoostXも当事者として進めるFDE型AI伴走支援の対象です。投資の順番そのものを先に決めたい場合は、プロジェクト単位のAIコンサルティングになります。
どのプランでも、人が決めることは4つ残る
顧問が出すのは、判断の材料までです。次の4つは、どのプランでも人が決めることとして会社に残ります。
- どの業務から進めるか。投資の順番に当たるため、決裁者が決めます
- AIに渡してよい情報の範囲。取引先との秘密保持と個人情報の扱いに関わるため、着手前に会社として決めます
- AIの出力を社外に出す前の確認。数字、固有名詞、お客様との約束事は送った会社の責任になるため、担当者が確かめます
- 続けるか、プランを変えるか。月額の支払いに関わるため、3か月目の区切りで決裁者が決めます
頼む前に決めておくことと、AIに任せきれないこと
対象の業務を実際に行っている人が、定例と確認に出る時間を取れない会社は、どのプランでも進みません。先に、誰が月に何時間出られるかを決めます。社内にAIに詳しい担当がいて、順番も決まり、手も動いているなら、月額の顧問は要りません。
AIの下書きには誤りが混ざります。数字と固有名詞の確認を外すと、誤った資料がそのまま社外に出ます。AIに渡した情報は外部のサービスで処理されるので、渡す範囲を決めないまま始めないでください。
LightかStandardか、決めきれないとき
どちらとも言える場面があります。候補は1つに絞れているものの、社内で作れるか自信がない場合です。Standardなら1か月目から構築に入れますが、順番の検討は浅くなります。Lightなら順番は固まりますが、手を動かすのは自社です。候補が1つで、件数と時間をすでに数えてあるならStandardから、まだ数えていないならLightからにするのが無難だと考えています。
ビフォーアフター:月額の数字で選んだ場合と、構築の境目で選んだ場合
月額の数字だけで選んだ場合
- いちばん安い月11万円のプランを契約し、何かを作ってもらえると思って1か月待つ
- AIツールの利用料が別だと契約の後に知り、稟議をもう1件通す
- 基幹システムとつなぐ話が途中で出て、月額の枠に収まらないと分かる
- 始める前の値を測っておらず、3か月目に続けるかどうかを比べる材料がない
構築が付く境目と、別にかかる費用を見てから選んだ場合
- 作るところまで任せたいのでStandardを選び、1か月目に対象の1件と効果の測り方が決まっている
- 稟議には月額22万円とは別の行で席の数×単価が入り、3か月目に件数と1件の時間を並べてプランを見直す
頼む相手も、使うAIも同じでしょう。違うのは、契約の前に3本の線を確かめたかどうかです。構築が付く境目、自社で直接払うもの、別見積になるもの。この3本が見えていれば、月11万円を選んでも月22万円を選んでも、1か月後に「思っていたのと違う」は起きにくくなります。どの段を選ぶかの判断は、どちらの場合も決裁者と推進担当に残ります。
この記事のまとめ
- 今週やるのは、AIにしたい業務の名前を紙に書き出し、それぞれの月の件数と1件の時間を横に書くことです。数字が入らない業務は、担当者に1週間だけ記録を頼みます
- 稟議書は、AI顧問の月額、AIツールの利用料、別見積の可能性の3行に分けて書きます。月額の行だけで出すと、後から行が増えます
- 3か月目の区切りの日を、契約した日にカレンダーへ入れます。その日に並べる数字を誰が持ってくるかも、同じ日に決めておきます
2026年10月
読んで終わりにしないために
「自社の場合は、どうすれば?」
その答えを、最大45分で持ち帰る。
記事で分かるのは、一般論まで。AI導入を専門に見ている担当が、貴社の業務に当てはめて“次の一手”だけを一緒に整理します。
この相談で持ち帰れるもの
- 01
自社業務に当てはめたAI活用マップ
- 02
投資対効果(ROI)のシミュレーション
- 03
いまの悩み・疑問への、その場の個別回答


