授業準備に毎日2時間…|生成AIでプリント&教材を30分で作る効率化のコツ
「プリント1枚に47分。明日の小テスト用に5教科分つくる日は、22時に塾を出てもまだ終わらない——深夜のコンビニで答えを刷り直してる」
そんな塾現場の授業プリント作成の負担を、生成AI(ChatGPT・Claude)で1日2時間から30分以内に短縮する具体手順を解説します。先生の役割は「ゼロから作る」から「内容を見極めて仕上げる」に変わります。
目次
授業プリント作成に毎日2時間——その時間、本当に必要ですか?
要点:プリント作成に時間がかかる原因は「ゼロから作る」こと自体にある。生成AIを下書き役にすれば、先生は仕上げに集中できる。
時間が消える3つの原因
プリント作成に時間がかかるのは、先生の能力の問題ではありません。構造的な問題です。
まず、問題の「ネタ探し」。教科書・参考書・過去問を何冊も開いて、ちょうどいい難易度の問題を探す作業だけで20分は消えます。
次に、問題文の「打ち込み」。選んだ問題をWordに手入力して、レイアウトを整える。これがまた30分。そして最後に「解答・解説の作成」。ここで15分。合計すると、1枚のプリントに1時間近くかかるのは当然なんです。
「こだわり」と「効率」は両立できる
市販の教材を使えばいいのでは?と言われることもあるでしょう。でも、塾の先生がオリジナルプリントを作る理由はちゃんとある。
生徒ひとりひとりの理解度に合わせた難易度調整。カリキュラムの進度に合わせた単元の並び替え。市販教材ではカバーしきれない部分を、先生の目で見て補う——これが個別指導塾や少人数制塾の強みです。特にカリキュラム設計そのものに時間がかかっている場合は、生成AIで指導計画を15分で作る方法を取り入れると、プリント作成の前段階から効率化できます。
だからこそ、「作ること自体」をやめるのではなく、「ゼロから作る工程」だけをAIに任せるのが正解。こだわりはそのまま、作業時間だけ削る。これが現実的な落とし所です。
生成AIで授業プリントを作るとは?|5分で下書きが完成する仕組み
要点:生成AIによるプリント作成とは、「単元名・学年・問題数・難易度」を入力するだけで下書きが出力される仕組み。先生は内容チェックとレイアウト調整に集中すればいい。
必要なのは4つの情報だけ
ChatGPTやClaudeに授業プリントを作らせるとき、入力する情報はたった4つです。
| 入力情報 | 具体例 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 単元名 | 「中2数学・連立方程式」 | 範囲を絞らないと的外れな問題が出る |
| 対象学年 | 「中学2年生」 | 語彙や難易度の基準になる |
| 問題数 | 「大問5つ・小問各3つ」 | プリント1枚の分量に合わせる |
| 難易度 | 「基礎〜標準」 | 生徒のレベルに合わせる |
この4つを含んだプロンプト(指示文)を入力すれば、30秒〜1分で問題の下書きが出てきます。あとは先生が中身を確認して、必要なら微調整するだけ。
「下書き生成→先生が仕上げる」が正しい使い方
ここで大事な話をします。ネット上では「AIで教材が全自動で作れる」という記事を見かけますが、現場の実態は違います。
生成AIは万能ではありません。特に数学の計算問題では、答えが間違っていることがあります。理科の数値データも不正確な場合がある。だから「AIが作った→そのまま印刷」は絶対にやってはいけない。
プロンプトの工夫で30分悩むより、AIの出力を5分で解いて確認するほうがずっと大事です。先生の専門知識が入って初めて教材になる。AIはあくまで下書き係。この順番を間違えると、かえって手間が増えます。
— 生成AI顧問の視点
生成AIの正しい使い方を体系的に押さえたい方は、生成AI顧問サービスとはで全体像を解説しています。
科目別プロンプト実例集|コピペで今日から使える
要点:英語・数学・国語・理科・社会の5科目について、コピペで使えるプロンプト例を掲載。学年と難易度を差し替えるだけで、すぐにプリント原稿が手に入る。
英語・数学のプロンプト例
英語(中2・不定詞)のプロンプト例:
あなたは中学校の英語教師です。以下の条件で授業プリントの問題を作ってください。 【条件】 ・単元:不定詞(to + 動詞の原形)の3用法 ・対象:中学2年生 ・問題数:大問4つ(各3問ずつ) ・難易度:基礎〜標準 ・形式:大問1=適語補充、大問2=並べ替え、大問3=和文英訳、大問4=英文読解(短文) ・解答も作成すること ・日本語の指示文は中学生にわかりやすい表現で
数学(中2・連立方程式)のプロンプト例:
あなたは中学校の数学教師です。以下の条件で演習プリントを作ってください。 【条件】 ・単元:連立方程式(加減法・代入法) ・対象:中学2年生 ・問題数:大問5つ(各2問ずつ) ・難易度:大問1〜3は基礎、大問4〜5は標準 ・大問1=加減法で解く、大問2=代入法で解く、大問3=どちらかを選んで解く、大問4=文章題(速さ)、大問5=文章題(割合) ・模範解答と途中式も作成すること
国語・理科・社会のプロンプト例
国語(中3・古文読解)のプロンプト例:
あなたは中学校の国語教師です。以下の条件で古文読解プリントを作ってください。 【条件】 ・単元:古文の読解(「竹取物語」冒頭部分) ・対象:中学3年生 ・問題数:5問 ・内容:現代語訳・主語の特定・歴史的仮名遣いの読み・内容理解・記述問題(50字程度) ・本文テキストも含めること ・解答を作成すること
理科(中1・光の性質)のプロンプト例:
あなたは中学校の理科教師です。以下の条件で確認テストを作ってください。 【条件】 ・単元:光の反射と屈折 ・対象:中学1年生 ・問題数:大問3つ ・大問1=用語の穴埋め(5問)、大問2=作図問題の説明文(「以下の図に反射光の道筋を書きなさい」など。図は【図:入射角30度の光が鏡に当たる様子】と記載)、大問3=記述問題(屈折の理由を説明する) ・解答を作成すること ・図が必要な箇所は【図:○○】と記載すること
社会(中2・江戸時代)のプロンプト例:
あなたは中学校の社会科教師です。以下の条件で一問一答プリントを作ってください。 【条件】 ・単元:江戸幕府の成立と鎖国 ・対象:中学2年生 ・問題数:20問 ・形式:一問一答(問題→解答欄→解答の3列構成) ・難易度:定期テストの基礎レベル ・出題範囲:幕藩体制、参勤交代、鎖国政策、出島 ・解答を作成すること
どの科目も、太字の部分を自分の授業内容に差し替えるだけで使えます。学年や難易度を変えれば、同じテンプレートで複数パターンのプリントが一気に作れるのがAIの強みです。
解説付きプリント・まとめシートの作り方
要点:演習問題だけでなく、解説付きプリント・単元まとめシート・弱点克服プリントもAIで下書きを作れる。用途に応じてプロンプトの「形式」を変えるのがコツ。
解説付き問題プリントの指示テンプレート
普通の演習プリントとの違いは、プロンプトに「各問題の直後に解説を入れること」と追加するだけです。
※前述のプロンプトの末尾に以下を追加 ・各問題の直後に【解説】として、なぜその答えになるかを中学生にわかる言葉で3行以内で説明すること ・間違えやすいポイントがあれば「よくある間違い」として1行で補足すること
これだけで「問題→解説→よくある間違い」がセットになったプリントの原稿が出力されます。生徒が自習で使えるので、宿題用にも便利です。
単元まとめシート・弱点克服プリントの作り方
テスト前の復習用まとめシートも、AIとの相性がいい教材のひとつ。プロンプト例はこちらです。
以下の条件で単元まとめシートを作ってください。 【条件】 ・単元:中2英語・比較級と最上級 ・形式:要点整理(箇条書き)+例文(各項目に2文ずつ)+確認クイズ(5問) ・A4用紙1枚に収まる分量で ・重要語句は【太字:○○】と記載すること
弱点克服プリントの場合は、「この生徒は○○が苦手」という情報をプロンプトに入れます。例えば「三単現のsを忘れがち」「速さの文章題で式が立てられない」など、具体的であるほど的確な問題が出てきます。こうした生徒ごとの弱点を体系的に把握するには、日々の成績データから学習進捗レポートを自動作成する仕組みを整えておくと、プリントの個別最適化がぐっとやりやすくなります。
ただし注意点がひとつ。生徒の名前や個人情報は絶対にプロンプトに入力しないでください。「Aさん」「数学が苦手な生徒」のように匿名化するのが鉄則です。
教材作成だけでなく、塾全体の業務効率化を相談したい方は、生成AIコンサルティングもあわせてご覧ください。
WordやGoogleドキュメントへの貼り付け&レイアウト調整
要点:AIの出力はテキストデータ。Word・Googleドキュメントに貼り付けてフォント・余白・罫線を調整するだけで、印刷用プリントが完成する。
AIが出力した問題文は、そのままではプリントとして使えません。ここからの「仕上げ」が先生の腕の見せどころです。具体的な手順を説明します。
- AIの出力をコピー:ChatGPTやClaudeの画面から、問題文と解答をそのままコピーする
- Word or Googleドキュメントに貼り付け:「書式なしで貼り付け」(Ctrl+Shift+V)を使うと、余計な装飾が入らない
- フォント・余白・大問番号を整える:フォントはゴシック体12pt推奨。余白は上下左右15mm程度。解答欄のスペースを手動で追加する
- 図・表が必要な箇所にCanva等で画像を追加:AIが【図:○○】と記載した箇所に、Canvaや手描きの図を挿入する
- 先生自身が問題を解いて最終チェック:計算ミス・誤字・難易度のズレを確認。ここが品質を決める最後の砦
Googleドキュメントを使っている場合、テンプレートを1つ作っておくと楽です。プリントのヘッダー(塾名・日付・単元名の欄)を固定しておけば、本文だけ差し替えるだけで毎日のプリントが完成します。
Wordの場合は「スタイル」機能で大問・小問のフォーマットを登録しておくと、貼り付けたあとの整形が30秒で終わります。同じ要領で、講師研修用のスライドも生成AIで作成時間を半分に短縮できるので、教材だけでなく社内資料の整備にも応用できます。
教材テンプレートを5科目×3難易度=15パターン用意した塾では、プリント作成の時間が1日2時間から25分に減った。テンプレートの型を作る初期投資がかかるけれど、1週間で元が取れる計算になる。
— 生成AI顧問の視点(数値は一般的な試算例)
テンプレートの作り方やカリキュラムに合わせた設計は、BoostXが選ばれる理由で紹介している「業務に合わせたカスタマイズ支援」が参考になります。こうした教材の仕組みが整ったら、次は生徒募集の効率化にも目を向けてみてください。生成AIで反応が取れる募集コピーを作る方法を活用すれば、チラシやHP文面の作成も同じように時短できます。
よくある質問
QAIが作った教材の内容は正確ですか?
A基本的な問題文の構成は正確ですが、数学の計算問題と理科の数値には誤りが混じることがあります。特に連立方程式の解や化学反応式の係数は要注意。必ず先生が全問解いてから生徒に配布してください。「AIが作ったから正しいはず」という前提で使うのが一番危険なパターンです。
Q図や表が入ったプリントも作れますか?
Aテキスト部分はAIで作り、図や表はWordやCanvaで追加するのが現実的な方法です。プロンプトに「図を入れる場所に【図:○○】と書いて」と指示しておくと、あとから差し込む位置がわかって効率的。理科の実験図や数学のグラフは、先生が手描きしたほうが正確で速い場面も多いですね。
Q市販の教材と組み合わせて使っても大丈夫ですか?
Aもちろん問題ありません。むしろ、市販教材をメインに使いつつ、弱点補強用や定期テスト対策用の追加プリントをAIで作るのが、時間対効果の高い使い方です。市販教材の問題をそのまま入力して「似た問題を作って」と指示する使い方は著作権上グレーなので避けてください。
まとめ
- 授業プリント作成に毎日2時間かかる原因は「ゼロから作る」構造にある
- 生成AIに「単元名・学年・問題数・難易度」の4情報を入力するだけで、5分で下書きが完成する
- 5科目のプロンプトテンプレートを用意すれば、学年・難易度を差し替えるだけで量産できる
- AIの出力は必ず先生が解いて確認する。特に数学の計算と理科の数値は要チェック
- Word・Googleドキュメントのテンプレートを作れば、貼り付け&整形まで含めて30分で完結する
教材作成の効率化は、先生の働き方改革の第一歩です。浮いた時間を授業の質の向上や生徒との面談に使えるようになると、塾全体の満足度が変わります。プリント作成以外にも事務・保護者対応・集客まで含めた塾業務全体のAI時短術を知っておくと、次に手をつけるべき業務が見えてきます。
公開日:2026年5月
※本記事の情報は2026年5月時点のものです。