学習塾の受付の人件費削減、夕方を削らず任せる作業を分ける
この記事は、本部から受付パートの勤務を減らすよう求められ、夕方のシフトを削る案しか出せずにいる状況にある、学習塾の教室長・本部の教室運営担当・経営者向けです。
本部から届くのは「受付パートの勤務を週に何時間減らす」という数字だけで、どの作業を手放すかまでは決まっていません。夕方のシフトを一律に削ると、授業中の電話と体験申込に出る人がいなくなります。受付の作業を時間帯と種類で分け、仕組みや自動返信へ移せる作業と人に残す作業、削った後に元へ戻す目安までを扱います。

先に結論
削る時間は夕方ではなく開室前の事務から出し、入退室の連絡・欠席と振替の受付・問い合わせへの受領の返事を、入退室の仕組みとフォームの自動返信へ移します。夕方に空いた手で開室前の作業を受け持てば、電話と体験申込に出る人を減らさずに勤務時間を短くできます。
生成AIは体験日程の返事の下書きまでにとどめ、料金とコースの案内、退会・休会、苦情は教室長が受けます。勤務時間の変更は本部が受付パート本人と合意して決め、勤務を削った次の月に、自動の受領返信を除いて人が体験申込へ最初の返事を送るまでの時間が延びていれば、削った時間帯を元に戻します。
受付の人件費は、夕方より開室前の事務から削る
学習塾の受付の人件費を減らすなら、削る時間は入退室・欠席の電話・体験申込が重なる夕方から出さず、時刻を選ばない事務が集まる開室前から出します。そうすれば一次対応を遅らせずに済みます。夕方に受付の手が1人分減ると、授業中に鳴った電話は留守番電話に回り、体験申込に返事を出せるのは閉室後か翌朝になります。
開室前には、配るプリントの印刷、月謝の入金確認、前日に受けた欠席の振替の入力のように、夕方でなくても終わる作業が並びます。夕方の山に重なるのは、生徒の入退室の確認、保護者からの欠席の電話、体験申込の電話、来塾した保護者への対応です。
受付の仕事を講師に寄せて時間を浮かせる案も出ますが、講師の約9割は非常勤です。2024年12月の特定サービス産業動態統計調査では、調査対象企業の学習塾の講師136,571人のうち、122,114人が非常勤講師でした。全国の総数ではなく調査対象企業の集計です。夕方の講師は授業で手がふさがるので、受付を肩代わりする余地は小さいと見ておきます。
受付の1日を時間帯と作業の種類で分ける
受付の作業は、開室前の時刻を選ばない事務、夕方の山に重なる入退室と電話、閉室前の記録と翌日の準備の3つの時間帯に分けられます。担当ごとに並べると、削る時間の出どころが見えます。
図の要点:受付パート・仕組みと自動返信・教室長の3レーンで、受付の1日を開室前・夕方・閉室前に並べた図。開室前の印刷と振替の入力を他の時間帯へ移して削る時間を出し、入金確認は開室前に残す。夕方は入退室の連絡と欠席の受付を仕組みと自動返信が受け、受付パートは電話と来塾の保護者に、教室長は料金・退会・苦情に残る。閉室前に受付パートが振替日を入れ、教室長が体験申込の返事を確かめて送る。
削る時間は開室前の行から出し、夕方の受付パートの行は残す
受付パート
仕組みと自動返信
教室長
- 受付パート
開室前: プリントの印刷、振替の入力、月謝の入金確認
印刷と振替の入力を他の時間帯へ移す
- 仕組みと自動返信
夕方: 入室と退室を保護者へ知らせる
入退室の記録から自動で送る
- 仕組みと自動返信
夕方: 欠席と振替の希望をフォームで受け、受領を返す
振替日はまだ決めない
- 受付パート
夕方: 体験申込と保護者の電話に出る、来塾した保護者に応じる
削らない
- 教室長
夕方: 料金とコース、退会、苦情の連絡を受ける
受付パートから回す
- 受付パート
閉室前: 欠席フォームの一覧から振替日を入れ、保護者へ返す
コマ割り表と照合する
- 教室長
閉室前: 体験申込への返事を確かめて送る
料金と空きは教室長が書く
この図で決めるのは、受付パートの勤務のうちどの行を短くするかです。開室前の行は時刻をずらしても保護者を待たせませんが、夕方の行は1人減るとそのまま留守番電話の件数に変わります。
ここに、本部から受付パートの週の勤務を減らすよう言われ、最初に平日の17時〜19時を削る案を作った教室長がいるとします(説明のための仮の場面です)。作業を時間帯ごとに書き出してみると、その2時間は入退室と欠席の電話と体験申込の電話が重なる時間でした。夕方の作業の一部を仕組みへ移し、空いた時間で開室前の振替の入力などを受け持てば、削る時間は開室前から出せます。
書き出すときは、作業ごとに時間帯・1件の分数・1日の件数・仕組みへ移せるかを1行にします。
【説明用の架空の例】夕方17時〜19時/欠席の電話/1件4分/1日6件/フォームに移せます。振替日の確定は受付パートが閉室前に行います。
フォームを用意しても、電話で欠席を伝える保護者は残ります。電話の分もフォームと同じ欄(生徒・欠席日・振替の希望)で書けば、閉室前に見る一覧は1つで済みます。
受付の作業でAIや自動返信に任せる範囲
入退室の連絡・欠席と振替の受付・問い合わせの受領返信は仕組みと自動返信に任せ、料金とコースの案内・退会・苦情・来塾の保護者対応は人が残します。体験日程の返事のように、答えがコマ割り表の空きで変わるものは、生成AIの下書きを人が直して送る側に置きます。
| 受付の作業 | 扱い | 人に残る確認 |
|---|---|---|
| 入室・退室の保護者への連絡 | 入退室の仕組みに任せる | 記録が抜けた生徒を閉室前に見る |
| 欠席と振替の希望の受付 | フォームと自動の受領返信 | 振替日の確定は受付パート |
| 問い合わせへの受領の返事 | 自動返信 | 返事の目安の時刻を教室長が決める |
| 体験日程の返事 | AIの下書きを人が直す | 空きをコマ割り表で確かめる |
| 欠席を2か所に書き写す | やめる | 振替の一覧1つに書く |
| 料金・コースの案内 | 人が残す | 教室長が料金表で答える |
| 退会・休会・苦情 | 人が残す | 教室長が電話で受ける |
| 来塾した保護者への対応 | 人が残す | 受付パートが夕方に応じる |
「やめる」に入るのは、仕組みを入れると要らなくなる作業です。欠席を受付ノートに書いて振替の表へ写し直している教室なら、フォームの一覧を振替の記録にすれば写す手間が消えます。受付の前後にある体験日程の決め方や記録の残し方は、問い合わせ・体験申込の業務と教育のAI活用の記事一覧からたどれます。
自動の受領返信に書くのは、受け取ったことと、教室長から返事をする目安の時刻までです。月謝や空きは学年とコースで変わるため、自動の文面に入れると当てはまらない金額や曜日が届きます。型の返信で済ませる問い合わせと教室長が電話で受ける問い合わせの分け方は、教室長が受付を兼ねる塾の問い合わせの返し分けにまとめられています。
保護者と生徒の情報を仕組みに預ける前に
入退室の仕組みや欠席フォーム、自動返信のサービスには、生徒と保護者の氏名・連絡先・通塾の時刻が入ります。生徒番号に置き換えても、塾の名簿で本人に結び付くなら個人データとして扱います。
欠席フォームや入退室の仕組みを提供する事業者が、届いた情報を自社で扱う立場かどうかを、本部が契約書と設定画面で確かめます。扱わないと契約に定められ、事業者側の閲覧も適切に制限されていれば、個人データの提供に当たりません。扱う立場なら、塾の利用目的の範囲で取扱いを任せる委託かを確かめ、委託であれば塾が事業者を監督します(個人情報保護法第25条)。
委託とも言えない形で情報が渡るなら第三者提供で、あらかじめ本人(生徒が未成年のときは保護者などの法定代理人)の同意を得ます(第27条第1項)。入退室の仕組みや欠席フォームの提供元が外国の事業者なら、第28条の「外国にある第三者」への提供として、委託の形でも本人の同意を求められる場合があります。利用規約で提供元の所在国を見て、結果を教室長へ渡します。
体験日程の返事をAIに下書きさせるとき
生成AIに渡すのは、学年・希望の曜日・その週のコマ割り表の空きで、保護者と生徒の氏名や成績は入れません。指示文には「コマ割り表に無い空きは書かず、未確認と書く」「料金は書かない」を入れておきます。
下書きは閉室前に教室長が問い合わせ記録の画面で開き、提案した曜日と時刻をコマ割り表と照合してから送ります。下書きに金額が入っていたり、表に無い時刻が書かれていたりしたら、その下書きは使わずに教室長が自分で書きます。
勤務時間を減らした後に一次対応の遅れを測る
受付の時間を減らした次の月に、授業時間帯に届いた体験申込へ人が最初の返事を送るまでの時間が延びていたら、削った時間帯を戻します。測るのは、受信から教室長か受付パートが送った最初の返事までの分数で、自動の受領返信は返事に数えません。もう1つ、授業時間帯に留守番電話へ入った件数も、削る前のひと月分と並べて比べます。
削れる時間は、作業ごとに「1件の分数×1日の件数×曜日の数」で出します。
【説明用の架空の計算例】欠席の電話が1件4分×1日6件×週5日なら週120分です。入室を保護者へ電話で知らせていた分が1件1分×1日20件×週5日なら、週100分になります。合わせて週220分(3時間40分)が、夕方から仕組みへ移る候補になります。このうち開室前の作業を夕方の空いた時間で受け持てる分だけ、開室前の勤務を短くできます。
夕方に移せるのは、電話の合間に途切れても困らない作業に限ります。月謝の入金確認のように、途中で電話に出ると数え直しになる作業は開室前に残すほうが安全です。
授業時間帯の分数を時刻で見る方法は、授業中に問い合わせの一次対応が止まる工程の見分け方で、受信・気づき・返事の時刻の取り方から説明されています。削る前から同じ欄で記録しておけば、次の月も同じ条件で比べられます。
勤務時間を短くすることは、雇用の書面に書いた勤務の時間を変える労働条件の変更です。労働契約法第8条は、労働者と使用者がその合意によって労働条件を変更できると定めています。第9条は、第10条の場合を除き、使用者が合意なしに就業規則を変えて労働者の不利益に労働条件を変えることはできないとしています。
そのため、教室長が受付パートに一方的に告げる形はとりません。削る時間帯の案を本部が本人と話し合い、合意してから新しい勤務時間にします。
入退室と欠席の通知を集める仕組みは誰が作るか
入退室の仕組みがすでに保護者へ自動で知らせている教室では、新しく作るのは欠席と振替のフォームと受領の自動返信だけで、教室長と本部の担当者の手で組めます。閉室前に振替日を入れる一覧の形は、受付パートと決めます。
入退室の仕組み、問い合わせの受信箱、欠席の連絡の窓口を本部が一括で契約している場合、通知の宛先を変える権限は教室にありません。教室で書き出した作業の一覧を本部へ渡し、どの通知を誰の画面に出すかは本部の運営担当が割り振ります。
入退室・欠席・問い合わせの3つの通知を1つの画面にまとめ、体験申込に返事の案まで添えるとなると、本部の担当者だけで組める範囲を超えます。比べる相手は、毎月1業務ずつ一緒に組み替える月額の伴走と、受付の流れを仕組みとして作る開発です。預ける契約を誰が読むかは、どちらでも作り始める前に本部で決めます。
欠席の連絡がもともと少ない教室では、フォームを作っても夕方から移る時間がわずかで、削る時間は主に開室前の事務の見直しから出します。反対に、欠席の電話が多い教室ほど、閉室前の振替日の確定に作業が集まります。振替の一覧が閉室前の時間に収まらなくなったら、閉室前の受付パートの勤務は削る対象から外します。
明日から始める3ステップ
担当 教室長・受付パート
受付パートと一緒に平日1週間の受付の作業を開室前・夕方・閉室前に分けて書き出し、作業ごとに1件の分数と1日の件数を記録する
次へ進む目安作業ごとの週の分数が一覧に並び、仕組みへ移す作業と、開室前から夕方の空いた時間へ移す作業に印が付いている
担当 教室長・本部の教室運営担当
欠席と振替のフォームと受領の自動返信の文面を作り、入退室の通知・フォーム・問い合わせの受信箱を誰が管理し、どのサービスの契約で保護者の情報を預けているかを本部に確かめる
次へ進む目安自動返信の文面に料金と日付が入っていないことを教室長が確かめ、使うサービスごとの個人データの取扱いの定めを本部が契約書で確認している
担当 本部の教室運営担当・教室長
削る時間帯の案を受付パート本人と本部で話し合って合意し、削る前のひと月と削った次の月で、自動の受領返信を除いて体験申込の受信から教室長か受付パートが送った最初の返事までの分数と授業時間帯の留守番電話の件数を比べる
次へ進む目安合意した勤務時間が雇用の書面に反映され、次の月の分数が削る前より延びていなければ続け、延びていれば削った時間帯を元に戻すと本部が決定している
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01無料相談
問い合わせの返信・教材・保護者連絡から、最初の1業務を決める
02進め方の提案
規模に合う進め方を提案する
03作って試す
一緒に作り、現場で試して直す
04定着まで伴走
毎月1テーマずつ積み上げる
作って試す・定着までAIエージェント開発AI顧問生成AI研修
出典
- 経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」19表 学習塾(2024年12月分・確報)19表実数 2024年12月 講師数(合計・非常勤講師) 経済産業省(e-Stat) 確認日 2026.10.08
- 労働契約法(平成19年法律第128号)e-Gov法令検索(第8条・第9条) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.10.08
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)e-Gov法令検索(第25条・第27条第1項・第28条第1項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.10.08
- 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用) 個人情報保護委員会 確認日 2026.10.08
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