学習塾の教室長の受付兼務、AI下書きで返す6種と電話で答える4種
AIは種類の候補と返信の下書きを作り、種類の確定と金額・曜日の照合、退会や相談の電話は教室長が受け持つ
表に答えがある6種はAIの下書きを教室長が確かめて送り、退会や相談など4種は電話で答える。塾で決めておけるのは、問い合わせ記録に足す1列と型を止める条件。

30秒でわかること
何が問題か
授業中は電話もフォームも受けられず、重さの違う問い合わせを閉室後に同じ手間で一から書くので、夜に返信がたまる。
何を見れば判断できるか
型に回せるのは、料金表・時間割表・コマ割り表に答えがある問い合わせだけ。相談・退会・苦情・料金の例外は電話に残す。
誰が何をすれば解決するか
AIは種類の候補と下書きまで。種類の確定、金額と曜日の照合、退会の電話は教室長が受け持つ。
授業中と閉室後で問い合わせを分け、閉室後は重い連絡だけ
授業中は受け付けと種類分け、型で返せる返信までをコマの間に済ませ、閉室後には教室長が自分の言葉で答える連絡だけを残します。
図の要点:コマの間の教室長・AI・閉室後の教室長の3レーンで7工程を並べた図。教室長がコマの間に留守電とフォームを問い合わせ記録へ書き、AIが種類の候補を付け、教室長が種類を確定する。AIは最新の料金表・時間割表・振替の規定から返信を下書きし、教室長が金額と曜日を表と並べて確かめて送る。閉室後、教室長は相談・退会・苦情・料金の例外に受領と電話の日時だけを返し、返信日時が空いた行を翌日の授業前の電話に回す。退会や不満の気配と、表との食い違いがあれば教室長が自分で答える側へ戻す。
種類の欄が埋まった時点で、その問い合わせをいつ誰が返すかが決まる
コマの間の教室長
AI
閉室後の教室長
- コマの間の教室長
留守電とフォームを問い合わせ記録へ1行ずつ書く
経路と学年も書く
- AI
フォームの本文に種類の候補を付ける
料金・時間割・体験・振替・相談・退会・苦情
- コマの間の教室長
候補を見て種類を確定する
戻す退会や不満の気配は教室長が答える側へ
- AI
最新の料金表・時間割表・振替の規定などから返信を下書きする
表に無いことは「教室長から連絡」と書く
- コマの間の教室長
金額と曜日を表と並べて確かめ、送る
戻す表と違えば下書きを使わず自分で書く
- 閉室後の教室長
相談・退会・苦情・料金の例外に受領と電話の日時を返す
手続きや金額はここで書かない
- 閉室後の教室長
返信日時が空いた行を翌日の授業前の電話に回す
話した内容は面談記録に残す
AIが付ける種類は仮のものです。「月謝はいくらですか。今の塾を辞めようか迷っていて」という文面なら、候補が料金でも退会の相談として扱います。種類の確定と下書きの照合は、型で返す問い合わせでも全件が教室長の手元に残ります。
記録は紙の受付ノートでも表計算のシートでも回ります。受信日時・経路・学年・種類・返信日時が1行に並んでいれば足り、経路には電話・フォーム・LINE公式アカウント・塾の比較サイトを書き分けます。
教室長の受付兼務で返信が夜にずれるのは、同じ手間で書くから
閉室後の返信が長引く原因は、応答できない時間があることより、重さの違う問い合わせを同じ手間で一から書いていることにあります。
月謝を聞かれれば料金表を開いて金額を写し、通える曜日を聞かれればコマ割り表で空きを探します。前の晩と同じ手順です。下書きを残す場所が無ければ、同じ文面をまた一から書きます。
「中2の数学だけの月謝は?」という問い合わせと、「定期テストの点が上がらず志望校を相談したい」という問い合わせが、同じ受信箱に並びます。軽い方から片づけるうちに夜が更け、重い相談ほど翌日へ回ります。
電話の折り返しは、さらに遅れることがあります。閉室後の遅い時間に保護者へは電話しにくく、翌日の授業前は相手が仕事中かもしれません。体験申込への返事が遅れるほど、保護者が先に他塾の体験へ申し込む余地が広がります。自塾の返事がどこで止まるかは、一次対応が遅れる5つの工程で時刻を記録すると確かめられます。
講師に受付を任せにくい事情もあります。学生講師が中心の教室では、講師はコマの時間だけ教室にいて、料金や契約の話を受ける立場にありません。受付が教室長に集まるのは、段取りより教室の人の構成によるものです。
授業中の電話とフォームは受け方から変える
電話は留守番電話の応答メッセージで、フォームは送信直後の自動受付メールで、受け方を変えられます。どちらも、返信を急がない連絡と急ぐ連絡を保護者の側で分けてもらう仕掛けです。
応答メッセージには、授業中で出られないこと、折り返す時間帯、料金や体験の空きはフォームの方が早く返せることを入れます。軽い問い合わせの一部がフォームへ移れば、コマの間に型で返せる列に入ります。
自動受付メールの中身は、受け取ったことと返信の目安の時刻までにします。自動の返信で料金まで答えると、学年やコースの違いを拾えずに誤った案内が出ます。
小学生の保護者が中心で、記録の経路が電話ばかりの教室は事情が違います。先に決めるのは、フォームへ移す工夫より折り返しの時間帯です。平日の授業前を折り返しの時間と決め、応答メッセージでもその時刻を伝えれば、保護者も待つ時間が読めます。
振替と退会・休会は、必ず別の種類にしておきます。在籍生の保護者からは、欠席の振替のように型で返せる連絡と、退会のように教室長が答える連絡が、同じ電話で届くからです。
型で返す問い合わせは6種、教室長が答える問い合わせは4種
型やAIの下書きで返してよいのは、料金表・時間割表・コマ割り表などに答えが書いてある問い合わせです。表に答えが無いものは型に入れません。
| 問い合わせの種類 | 返し方 | 元にする帳票 |
|---|---|---|
| 入会金・月謝・教材費 | 型で返す | 料金表 |
| 時間割・通える曜日 | 型で返す | 時間割表 |
| 体験授業の空き | 型で返す | コマ割り表 |
| 体験日程の確定 | 下書きを直して返す | コマ割り表、講師シフト |
| 欠席と振替 | 下書きを直して返す | 振替の規定 |
| 夏期講習・冬期講習の案内 | 下書きを直して返す | 講習の案内文 |
| 成績・志望校の相談 | 教室長が電話で答える | 面談記録、成績の記録 |
| 退会・休会 | 教室長が電話で答える | 契約書面 |
| 苦情 | 教室長が電話で受け、大きな件は経営者へ | 対応履歴 |
| 兄弟割・途中入会の日割り | 教室長が電話で答える | 料金規定 |
上の6種はAIの下書きを教室長が確かめて送る側、下の4種は教室長が電話で答える側です。型で返す3種は下書きをほぼそのまま使え、下書きを直す3種は日程や規定の当てはめを教室長が書き足します。迷う連絡は下の側に入れ、型に移すのは元の帳票に答えが書き足されてからにします。
兄弟割や月の途中の入会の日割りは、料金表の欄外の決まりか、教室長の判断で計算している塾があります。そのまま型に入れれば、例外の金額を型が決めることになりかねません。料金規定が1枚にまとまり、例外の計算まで書かれている塾なら、兄弟割は「下書きを直して返す」側へ移せます。
月謝の改定や講習費の決定の途中にある時期は、型もAIの下書きも止め、教室長がその都度書きます。料金表が古いまま型を使い続けると、改定前の金額を案内してしまうからです。講習の案内文に合格実績や成績の伸びを書き添えるときも、根拠の記録を確かめてから載せます。
体験の空きを返した後は、日程をコマ割り表と講師のシフトから決める作業に移ります。二重予約を防ぐ確かめ方は、問い合わせ・体験申込の業務の全体から工程ごとにたどれます。
問い合わせ本文をAIに入れる前の契約確認
AIに渡すのは、氏名・電話番号・学校名を消した問い合わせ本文と、料金表・時間割表・コマ割り表の最新版です。成績や面談の中身は入れない決まりにします。
それでも、消し忘れた保護者の名前や子どもの学年が本文に残ることはあります。その場合に塾が何を求められるかは、使うAIサービスの契約で3つに分かれます。
契約でサービス事業者が問い合わせ本文を取り扱わないと定められ、アクセスも適切に制限されていれば、個人データの提供には当たりません。本文がサーバに保存されること自体は、この判断を左右しません。
事業者が本文を取り扱う定めなら、利用目的の範囲で任せる委託と言えるかを契約で確かめ、言えれば塾が委託先を監督します(第25条)。言えなければ第三者提供で、問い合わせてきた保護者本人の同意が前もって要ります(第27条)。提供先(AIサービスの運営会社)が国外の会社なら、委託の形でも第28条で保護者の同意が要る場合があるため、契約の前に確かめます。
塾の側で見ておくのは、本文が学習に使われるか、保存場所と保存期間、解約時に消されるかです。再委託の有無、国外への移転、教室長以外にアクセスできる人、操作の記録、漏えい時の連絡も、同じ契約書と設定画面で確かめます。
退会の連絡は型の返信で済ませない
退会・休会の連絡には、受け取ったことと教室長から電話する日時だけを返します。手続きと清算の説明は、電話か面談で契約書面を手元に置いて話します。
仮に「来月で辞めたい」というフォームへ、体験申込と同じ流れで退会届の案内だけを返したとします。保護者には理由も聞かれず書類の話だけが届いた形になり、後で前払いの講習費の返金を問う電話が来れば、清算の話と対応への不満が1本に重なります。
清算の金額を型で断定できないのは、コースと授業の消化分で額が変わり、法律で上限も決まっているからです。教室で教える学習塾は、契約期間が2か月を超え、金額が5万円を超える契約で、特定商取引法の特定継続的役務提供に当たります。講習だけの2か月以下の契約は当たりません。
この契約では、クーリング・オフの8日を過ぎた後も、保護者は将来に向かって契約を解除できます(第49条)。授業が始まった後の解除で塾が求められるのは、受けた授業の対価に、2万円と1か月分の授業料のうち低い方を足した額までです。授業の開始前なら11,000円までで、どちらも支払いが遅れた分の遅延損害金は別に加わります。
コースごとに期間と金額が違うため、自塾のどのコースが当たるかは契約書面で確かめます。教材などの関連商品の返し方も、同じ書面で説明する中身です。型の文面に金額を書くと、コースごとの違いと授業の消化分を拾えません。
「退会届をご提出ください」とだけ返してしまったら、その日のうちに教室長から電話をかけます。理由を聞き、休会や曜日の変更で続けられるかを話すのは、そのあとです。退会の連絡には、続けるかどうかの相談が含まれていることがあります。
事務員を採る前に、料金表の差し替え役と確定する人を決める
料金表を誰がいつ差し替えるかと、返信を誰が確定するかが決まっていれば、事務員を採れた日にそのまま受付を渡せます。
料金表は型の返信の元になる帳票で、月謝の改定や講習費の決定のあとに差し替える人がいなければ、古い金額の型が残ります。事務員に渡すのは受け付けから型の返信までで、相談・退会・苦情と料金の例外は教室長の担当のまま変えません。
問い合わせが週に数件で、その多くが「成績が伸びない」「志望校を決めかねている」という相談の教室には、型から入る進め方は向きません。型にできるものが少なく、夜の返信があまり減らないからです。先に効くのは、相談の電話を受ける時間帯と面談の枠を決めることです。入会の時期に料金と体験の空きの問い合わせが重なる教室ほど、型の効き目がはっきり出ます。
料金・時間割・体験の空きの3種類は、答えが1枚の表に載り、照合する欄も金額と曜日に限られます。型はこの3つから始めれば、表と下書きの食い違いに教室長がコマの間でも気づけます。
体験申込の行で、届いてから最初の返信までに空いた時間を教室長が月末に拾えば、型を入れる前のひと月と後のひと月を同じ記録で比べられます。
料金の誤った案内が1件でも出た型は、その日のうちに使うのをやめます。料金表と突き合わせて直すまで、その種類だけは教室長が手で書きます。
明日から始める3ステップ
今の問い合わせ記録に種類の欄を1列足し、この1週間に届いた分をさかのぼって種類を書き入れる
- 担当
- 教室長
- 次へ進む目安
- 料金・時間割・体験の空きの3種類が、週に何件届いているかを記録から数えられる
料金表を差し替える担当と差し替える日を決め、料金表の上端にその版の日付と担当名を書く
- 担当
- 経営者(塾長)
- 次へ進む目安
- 料金・時間割・体験の空きの3つの型の金額と曜日が、上端に日付のある料金表と時間割表に一致している
月末に体験申込の行だけを抜き出し、届いてから最初の返信までに空いた時間を、型を入れる前のひと月と並べる
- 担当
- 教室長
- 次へ進む目安
- 料金の誤った案内が0件のまま、最初の返信までの時間が型を入れる前のひと月より短くなれば、体験日程の確定を下書きの側へ移す
学習塾・スクールのAI活用診断
授業中に返せない問い合わせと指導記録、どちらからAIに任せるか。
結果の例
いまの段階Lv.3 チーム活用期
最初にAIに任せる1工程問い合わせへの返信と体験日程の案内の下書き
2週間で試すこと
- 先月の問い合わせを読み返し、よくある質問とその答えを1枚にまとめる
- 授業時間中に届いた問い合わせから下書きを作らせ、教室長が直して送る
- 返信までの時間と、体験の申込につながった件数を毎週数える
人が確かめて決める所も、結果に出ます。
出典・参考資料4件
- 特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)第41条第1項第1号(特定継続的役務提供の定義)・第49条第1項・第2項(特定継続的役務提供契約の中途解約)e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.29
- 特定商取引に関する法律施行令(昭和51年政令第295号)(第24条・第30条・第31条・別表第四第五号)e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.29
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第25条・第27条第1項・第28条第1項(外国にある第三者への提供の制限)e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.29
- 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用)・Q12-1(外国にある第三者への委託)個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29
編集・監修体制BoostX編集部
BoostX編集部(株式会社BoostX)が、官公庁・業界団体などの一次情報を原典で確かめて書いています。下書きにはAIを使い、編集担当者が内容と出典を確認してから公開しています。