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保護者対応・面談

学習塾の保護者連絡文、AIの下書きで送る連絡と教室長が電話する連絡

授業の合間や閉室後に保護者への連絡文を書いている学習塾の教室長・講師と、講師ごとの文面の質をそろえたい塾の経営者が、連絡の種類ごとに線を引くときに使える内容です。

閉室後の机に、欠席の連絡が3件、振替の希望が2件、そして夏期講習の後の模試で志望校の判定が下がった中学3年生の件が1件残っている夜を考えます。欠席と振替の文面は毎回ほぼ同じですが、判定が下がった家庭に何をどこまで書くかで手が止まります。連絡の種類ごとに、AIの下書きを使うものと教室長が自分で書くもの、送る前に直す所を分けられます。

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保護者対応・面談の現場のイメージ写真

先に結論

欠席の受付、振替の案内、面談や講習の日程、休室や持ち物の知らせのように、伝える中身が先に決まっている連絡はAIの下書きで送れます。成績の大きな低下、生徒どうしのトラブル、けが、退塾の相談、苦情への返事は、文面より先に教室長が電話で話します。

下書きを使う連絡でも、最後に送信を判断するのは教室長です。日時や出来事の誤り(事実)、振替日や返金を書きすぎていないか(約束)、謝りすぎやその家庭とのいつもの言葉づかいとのずれ(温度)の3か所を直してから送ります。AIには出来事と伝える目的と決まった日時だけを渡し、生徒の氏名・学校名・点数・家庭の事情は入れません。

保護者連絡文が家庭に合うかは、前回のやり取りで決まる

保護者連絡文がその家庭に合うかどうかは、前回の面談で聞いた事情や、ふだんの連絡の調子をふまえているかで決まります。AIの下書きに入るのは渡した出来事だけなので、下書きを使える連絡と使えない連絡は、この差が文面にどこまで出るかで分かれます。

図の要点:保護者連絡文ができるまでを講師・受付、AI、教室長の3つの担当に分けた図。講師・受付が出来事を確かめ、教室長が電話を先にするかを決め、下書きにする連絡だけ講師・受付がAIに材料を渡す。AIは文面と書き漏れの指摘を返し、教室長が事実・約束・温度を直して送るかを決め、講師・受付が送って対応履歴に残す。

電話を先にするかを決めてから、下書きにする連絡だけAIに渡す

講師・受付

教室長

AI

  1. 講師・受付

    欠席の電話や授業メモから出来事を確かめる

    戻す成績の大きな低下・けが・トラブルは教室長へ

  2. 教室長

    連絡の種類を見て、電話を先にするかを決める

    戻す電話が先なら下書きを作らない

  3. 講師・受付

    出来事・目的・決まった期限をAIに渡す

    氏名と点数は渡さない

  4. AI

    連絡手段と字数に合わせて文面を下書きする

    書き漏れと配慮が要る表現も示す

  5. 教室長

    事実・約束・温度を直し、送るかを決める

    戻す約束が未定なら講師・受付へ

  6. 講師・受付

    連絡アプリやメールで送り、対応履歴に残す

下書きを作らない連絡は、教室長が連絡の種類を見て電話を先にすると決めた時点で外れます。ここを飛ばすと、判定が下がった家庭にも欠席の受付と同じ調子の文面が届きます。

冒頭の夜の中学3年生の家庭とは、先週の面談で母親が「志望校は変えたくない」と話し、ふだんは連絡アプリで短くやり取りしている、とします。どちらも、渡さなければAIの下書きには出てきません。欠席や振替の案内なら、それで困ることはほとんどありません。伝える中身が日時と期限だけで、家庭ごとの事情を書く必要がないからです。

文部科学省が令和6年12月に改訂した生成AIのガイドライン(Ver.2.0)は、教職員など学校教育関係者を主な読み手とする資料で、学習塾は対象に入っていません。それでも、校務の例として通知文・案内文のたたき台づくりや保護者面談の日程調整が挙がっています。

保護者あての文書に使った中学校の例では、生成AIの文はあくまで例とし、最終的に作成者が内容を確かめ、直しや書き足しが要るかを確認しています。たたき台はAIに任せ、届ける中身の責任は書いた人が持つという分け方は、塾の連絡文でも同じです。

型の下書きで送れる連絡、教室長が電話から入る連絡

線は、連絡の中身が送る前から決まっているかどうかで引きます。決まっている欠席・振替・日程・持ち物の連絡は下書きで足り、決まっていない成績やトラブルの連絡は教室長が電話から入り、文面は話した後に書きます。

連絡の種類 AIの下書き 送る前に直す所
欠席・遅刻の受付 使う 振替の期限を書き足す
振替の案内 使う 空いているコマの日時
面談・講習の日程案内 使う 日程と費用を案内表と照合
休室・持ち物の知らせ 使う 日付と曜日
宿題の未提出が続く 案として使う 電話にするか、書く範囲
成績の大きな低下・けがなど 電話の後の文面だけ(けがは除く) 電話で話す内容

宿題の未提出が続く生徒への連絡は、表の中間に当たります。1回目は下書きを案として使えますが、続いている理由を教室が知らないまま書くと、家庭を責める文に読まれます。電話にするか、文面ならどこまで書くかは教室長が決めます。

講師に下書きを任せる教室でも、送る前に読むのは教室長1人に決めます。講師ごとに送ると、振替日や次の授業での手当てといった約束の書き方がばらつくからです。

月ごとに学習の様子をまとめて届ける報告は、出来事が起きたときの連絡とは別の作業です。学習記録から作る報告の分担は、授業後のメモから学習記録と保護者への報告を下書きする範囲にまとめています。

AIに渡すのは出来事と目的、氏名と点数は渡さない

AIに渡すのは、何が起きたか、何のために連絡するか、教室で決まっている日時や期限、送る手段と長さまでです。生徒の氏名・学校名・点数・家庭の事情・体調のことは渡しません。

連絡文の材料には、欠席したコマの曜日と時刻、教科、送り先の保護者、出来事がどうしても入ります。曜日とコマの時刻と教科がそろえば、教室の時間割を見るだけで誰の連絡か分かるので、氏名を書かなくても生徒に結び付く情報として扱います。講師が下書きにAIを使い始める前に、教室長が使うサービスの規約と契約を確かめます。

確かめる項目は、生徒の記録を外部のサービスに置く前に契約で確かめる項目を見て決めます。送り先の名前や連絡先を入れないことも、このとき講師に伝えます。

個人情報保護委員会の令和5年6月2日の注意喚起は、事業者が個人情報を含む指示を入力するとき、利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確かめるよう求めています。本人の同意なく個人データを入れる場合に、提供事業者がそのデータを機械学習に使わないこと等を十分に確かめることも、同じ注意喚起に並ぶ事業者側の注意点です。

【説明用の仮の入力例】
– 出来事: 本日19時の数学のコマを家庭の用事で欠席(17時に保護者から電話)
– 伝える目的: 欠席の受付と振替の案内
– 決まっていること: 振替は今月末まで
– 送る手段と長さ: 連絡アプリ、200字以内、呼びかけは「保護者様」
– 指示: 渡していない日時や約束は書かない。謝罪の言葉は入れない

送り先の保護者の名前と連絡先は、AIには渡さず、講師が連絡アプリの宛先として入れます。下書きを連絡アプリに貼り付けるのも、宛先を選んだ後です。

送る前に直すのは事実・約束・温度の3か所

AIの連絡文を送る前に教室長が直すのは、日時や出来事が正しいか、教室が守る約束を書きすぎていないか、言葉の硬さや謝り方がその家庭に合っているか、の3か所です。

  • 事実

    日付と曜日、コマの時刻、教科が欠席の電話の記録や振替表と合っているか
  • 約束

    振替日・返金・次の授業での手当てを、教室で決める前に書いていないか
  • 温度

    謝りすぎていないか、その家庭とのいつもの言葉づかいより硬すぎないか

約束を見るのは、振替や返金の文面に書いた日時と金額が、保護者にとって教室の約束になるからです。上の仮の入力例で、AIの下書きが「ご都合のよい日をお知らせください」で終わっていたとします。空いているコマを書かないと、日を決めるまでに何往復もかかります。教室長が振替表を見て、空いているコマの日時を2つ書き足してから送ります。

誤った日時や約束のまま送ったと気づいたら、教室長が同じ連絡手段で訂正を送り、振替日や金額の誤りは電話でも伝えます。対応履歴には誤っていた所と訂正を送った時刻を残し、同じ種類の連絡の指示に「振替表の空きを2つ書く」のような1行を足します。

下書きを使い始めたら、教室長は1件を書き上げるまでの分数と、送った後に保護者から日時や中身を聞き返された件数を、連絡の種類ごとに数えます。続けるかを決めるのは教室長で、たとえば4週間分を下書きを使う前の4週間と比べ、聞き返しが増えた種類は一から書く側へ戻します。

成績の大きな低下やけがは、文面より先に電話する

成績の大きな低下、生徒どうしのトラブル、けが、退塾の相談、苦情への返事は、文面を送る前に電話か対面で話します。AIを使うのは、話した内容の確認文や面談の日時の案内など話した後の文面までで、けがの連絡には使いません。

連絡 文面より先にすること AIを使える部分
成績の大きな低下 電話で家での様子を聞く 話した内容と次の手当ての確認文
生徒どうしのトラブル 双方の話を聞いてから電話 面談の日時の案内
けが 教室長がすぐ電話で伝える 使わない
退塾の相談 電話か面談で理由を聞く 面談の日時の案内
苦情への返事 電話で話を聞き事実を確かめる 話した内容の確認文

冒頭の夜の、模試の判定が下がった中学3年生の件で考えます。仮に、出来事だけを渡した下書きが「ご心配をおかけし申し訳ございません」という謝罪から始まっていたとします。判定が下がったのは塾の過失ではないので、教室長は謝罪を外します。先に電話で家での様子と志望校への考えを聞き、話した内容と次の授業での手当てを短い文面で送ります。

けがは、起きたことの事実と謝罪が要るかどうかを教室長が決めるまで、文面を作りません。退塾の相談を受けたときの最初の返し方は、退会の連絡に型の返信を使わない受付の分け方に書いています。

学習記録と連絡アプリをつなぐ所から外部に頼む

連絡アプリや学習記録の仕組みから欠席や点数を自動で取り出し、下書きの材料として渡すようにする所からは、外部の手を借ります。仕組みどうしの接続と、講師ごとに見てよい範囲の設定が要り、教室長の手元の作業では済まないためです。

連絡の種類の表、AIに渡さない情報の一覧、仮の入力例のような指示の型は、教室長が紙1枚で作れます。最初の作業は、直近1か月に送った連絡を種類ごとに数え、表のどちらの区分に入るかを書き込むことです。

休室の知らせのように毎回同じ文で済む連絡は、AIを使わず連絡アプリの定型文に登録するだけで足ります。保護者対応の業務全体は保護者対応・面談の業務の一覧に、ほかの業務は入会・授業準備・講師採用など教室の業務別の記事から探せます。

本部が連絡文の型を配っているフランチャイズの教室では、AIの下書きが型と違う言い回しになる場合があります。そのときどちらの文で送るかを決めるのは型を配った本部で、教室長が決めるのは型に入れる日時と約束、その家庭への言葉づかいです。

明日から始める3ステップ

  1. 担当 教室長

    直近1か月に送った保護者連絡を種類ごとに数え、本文の表の区分(下書きで送る/電話が先)を教室の一覧に書き込む。使うAIサービスの規約と契約を確かめて講師が入力してよい項目を1枚に書き、下書きを使う前の4週間、欠席の受付と振替の案内を書き上げた分数と送った後の聞き返しの件数を記録する

    次へ進む目安教室の連絡の種類がすべて2つの区分のどちらかに入り、入力してよい項目と入れない情報の1枚が講師全員に配られ、下書きを使う前の4週間分の分数と聞き返しの件数がそろっている

  2. 担当 講師・受付(下書きと記録)と教室長(送る前の確認)

    欠席の受付と振替の案内の2種類で下書きを使い始め、送る前の確認を教室長1人にまとめる。4週間、1件を書き上げた分数と聞き返しの件数を同じ形で記録する

    次へ進む目安下書きを使った4週間分の分数と聞き返しの件数が、使う前の4週間分と1枚の記録に並んでいる

  3. 担当 教室長

    2つの4週間を比べ、聞き返しが増えた種類は教室長が一から書く側へ戻し、増えなかった種類は面談・講習の日程案内へ広げる。電話を先にする5つの連絡は区分を変えない

    次へ進む目安連絡の種類ごとに、続ける・戻す・広げるのどれかが一覧に書かれ、講師全員に伝わっている

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出典

  1. 文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」Ver.2.0はじめに(ガイドラインの位置付け及び構成)・Box-4 教職員による校務での利活用例【学校からの情報発信】・Box-4 教職員による校務での利活用例【外部対応への支援】・参考資料 実践例(武雄市立川登中学校) 文部科学省 初等中等教育局 確認日 2026.10.21
  2. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(令和5年6月2日)別添1(1)個人情報取扱事業者における注意点 ①・別添1(1)個人情報取扱事業者における注意点 ② 個人情報保護委員会 確認日 2026.10.21
  3. 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)e-Gov法令検索第2条第1項第1号(個人情報の定義) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.10.21

編集BoostX編集部(株式会社BoostX)編集と監修の決まり

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