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顧客維持

中古車の買い替え提案にAIの候補表を使う前に、外す客の3条件を決める

整備・車検の顧客台帳から買い替えの声かけ先を選んでいる中古車販売店の、店長と営業の方を想定しています。

前回の車検で高額の整備を承認したばかりのお客さまに、同じ月に営業から乗り換えの電話が入れば、整備の説明まで疑われかねません。中古車の買い替え提案の候補をAIに顧客台帳から並べさせると、満了日の近い客が一律に上へ来ます。そのため、表から外す客を誰がどんな条件で決めるかと、整備の記録を案内に使ってよいかが、候補表より先に片づける課題になります。

顧客維持 更新 6分 運営 株式会社BoostX

中古車の買い替え提案は、車検の満了日と整備明細から候補を組む

先に結論

買い替えの候補は、車検の満了日と直近2回の整備明細の合計額からAIに並べさせ、理由を添えさせます。営業へ渡す前に、どの客を外し、どの順で声をかけるかを店長が条件として書き込みます。

外すのは、連絡の同意欄が空の客と断りを記録済みの客、直近の車検で高額の整備を承認した客、法人の社用車とリース車です。薦める在庫は営業が現車と在庫表で選び、電話の直前にもう一度在庫表を見ます。

入庫受付票や会員規約の裏面に、商品やサービスの案内が利用目的として書かれていない間は、整備の記録を候補表の根拠に使いません。表示を直した後に入庫した客の行から表に入れます。

条件の無い候補表は一斉配信と同じなので、外す客を先に決める

満了日だけで並べた表には、高額の整備を承認したばかりの客も、同意欄が空の客も同じ並びで載ります。そのまま営業の手に渡れば、声をかける先を選ばない一斉配信と変わりません。

図の要点:候補表を使う前と後の段取りを比べた図。使う前は、営業が印刷した顧客台帳から顔の浮かぶ客に電話し、断りの理由は営業の記憶にだけ残る。使った後は、AIが満了日と整備の明細から候補と理由を並べ、店長が外す客と声をかける順を条件で決め、営業が薦める在庫を選んで断りを理由別に台帳へ書く。

外した客にも理由が残り、翌月の表は前の月の断りを踏まえて並ぶ

候補表を使う前

  • 顧客台帳を印刷し、顔の浮かぶ客から電話(営業)
  • 断りの理由は営業の記憶にだけ残る

候補表を使った後

  • 満了日と整備の明細から候補と理由を並べる(AI)
  • 外す客と声をかける順を条件で決める(店長)
  • 薦める在庫を選び、断りを理由別に台帳へ(営業)

2025年度の乗用車市場動向調査で、直近2年以内に車を買った人のきっかけの上位は、車検の時期や走行距離などの基準に達したこと(27%)でした。満了日を台帳に持つ店は、声をかける時期を自分で選べます。外す客を先に決めておけば、声をかけなかった客にも理由が台帳に残ります。

客のほうから乗り換えを口にした場合は、この順を待ちません。店長の条件で外していた客でも、フロントや営業がその話を聞いた日に、薦める在庫を選ぶ作業へ進みます。

在庫の列に更新の日時が無いと、土曜に売れた車を月曜の電話で薦めることになります。営業は、電話の直前に在庫表でその車の有無を確かめます。

断りの欄は、車検案内や休眠客への連絡と同じものを使います。どれも顧客維持の業務で同じ台帳を開くので、欄が分かれていると、断った客に別の担当から連絡が届きます。

買い替え提案の候補は満了日と整備明細の金額で組む

候補の軸は、車検の満了日と、整備明細の金額の推移の2本です。同じ調査で、きっかけのもう一つの上位は「手放した車の状態変化(事故をした、故障した、エンジン性能の低下など)」の20%でした。この層は、満了日より先に整備明細の金額に表れます。

27%と20%は複数回答の割合なので、足して半分とは読めません。読み取れるのは、満了日だけでは候補に入らない客がいることです。前回の車検より今回の見積が大きく上がった客を、満了日の近い客と並べて候補に入れます。

一方で、2025年度の同じ調査では、保有者の57%が買い替える時期を決めていませんでした。今後5年以内に買い替える予定と答えたのは25%です。時期を決めていない客が多い分、店から次の満了日という区切りを示す余地があります。

車齢も手がかりになります。令和7年3月末の乗用車(軽を除く)の平均車齢は9.44年、平均使用年数は13.35年です。車齢が13年に近い客は、満了日が遠くても候補に残します。

他店で車検を受けた客の行は、台帳の満了日が前回のまま残ります。この行が目立つ店は、候補表をAIに任せる段階に向きません。満了日を車検証の写しで直す手間が先に要ります。

同意欄が空の客・高額整備の直後・法人の車は候補から外す

この3つは、店長が言葉にして表の条件に書き込みます。AIが外せるのは、書かれた条件に当たる行だけです。

候補表の列は、顧客番号、車検満了日、初度登録年月、走行距離、直近2回の整備明細の合計額、連絡の同意欄、断りの記録で足ります。氏名と電話番号は並べ替えに要らないので外しますが、顧客番号は店の台帳で本人にたどれるため、表は個人データのまま扱います。店長が書く条件は次のとおりです。

  • 同意欄が空の客と、断りを記録済みの客は載せない
  • 直近の車検で高額の整備を承認した客は、その期は外して次の満了日で見直す
  • 法人の社用車とリース車は表から外し、担当の営業に任せる

【説明用の架空の記入例】AIが並べた候補表の1行と、店長の条件を当てはめた結果です。

  • 顧客番号 C-0456/車検満了日: 4か月後/初度登録: 12年前/直近2回の整備明細の合計額: 前回より大きく増えた/AIの理由: 満了日が近く、整備の金額が上がっている/店長の条件による結果: 前回の車検で高額の整備を承認しているため今期は外し、次の満了日で見直す

声をかける時期を満了日の半年前に置くか、3か月前に置くかは、店によって答えが逆です。半年前なら、客が車検と乗り換えを比べる時間を持てます。3か月前なら、車検の見積と並べて示せます。自店の車検の予約が満了日の何か月前に埋まるかを数え、その少し前に置きます。

断りの記録は、店長が翌月の候補表を作る前に理由ごとに分けます。「まだ乗る」が多ければ時期が早すぎ、「予算が合わない」が多ければ薦める在庫の価格帯がずれています。薦める車が決まった客の支払条件は、来店後の提案資料の組み方と同じ欄の分け方で揃えます。

整備の記録を買い替えの案内に使えるかは利用目的で決まる

使えるかは、入庫受付票、注文書、会員規約の裏面に、商品やサービスの案内が利用目的として書かれているかで決まります。個人情報保護法第17条第1項は、利用の目的をできる限り特定するよう事業者に求めています。

第18条第1項は、本人の同意なしに、特定した目的の範囲を超えて扱うことを禁じています。案内が目的に無い店では、満了日も含め、本人の同意か目的の見直しが要るかを確かめます。

契約書など本人が書いた書面から直接受け取るときは、利用目的を前もって明示します(第21条第2項)。受付票に書かれていない店は、次の入庫から表示を直し、直した後に入庫した客の行だけを候補表に入れます。

利用目的を後から変えられる範囲には、第17条第2項の限りがあります。迷う部分は、店の個人情報の責任者が専門家に確かめて決めます。

候補表を外部のAIで作るなら、渡すのは上の列のうち顧客番号から断りの記録までで、氏名と電話番号は渡しません。規約で事業者が候補表の中身を取り扱わないと定めていて、表を開ける人も限られているなら、預けても個人データの提供には当たりません。

そうでない事業者なら、候補表を作る目的に限った委託として店が監督できる契約か(第25条)を読みます。そう読めなければ第三者提供(第27条)として、客の同意を取ります。国外の事業者なら、入れてよい欄から決めるツール選定の手順で第28条も確かめます。

メールで送るなら、特定電子メール法も関わります。第3条第1項は、広告や宣伝のメールを送れる相手として、事前に同意した人や取引関係にある人を挙げています。同意を得た場合の記録の保存は、第2項の定めです。

第3項により、送らないでほしいと伝えてきた人へは、その後の広告メールを送れません。候補表の断りの記録は、次の提案の材料であると同時に、送らない相手の名簿になります。車検の案内と同じ名簿で回す店なら、車検・点検の案内の送り方と停止の欄を共通にします。

車検の見積が高額になった日に修理と乗り換えを並べる

高額の見積を説明する日は、整備の必要性の説明が先で、乗り換えの話は客が求めたときだけにします。道路運送車両法施行規則第62条の2の2第1項第2号は、整備が要る理由と内容を説明し、概算見積りを書面で渡すことを事業場に求めています。見積の中身は、乗り換えの話と切り離して説明します。

仮に11年目の車で、ブレーキと足回りの交換が重なって前回の倍近い見積が出たとします。フロントが見積を説明するその場で、客は修理と乗り換えを比べ始めます。

比べる材料は、AIに揃えさせられます。今回の見積と過去2回の整備明細の合計額の推移、同じ予算で買える在庫を3台までです。下取りの額は並べず、査定担当が車を見てから出します。修理を選んだ客には、次の満了日で候補表に戻る印を付けます。

修理か乗り換えかを決めるのは客で、店が持つのは両方の数字を同じ日に同じ紙で見せる段取りです。その段取りの前提になるのが、受付票の利用目的と送信の同意です。

条件を店長が書き続けられるなら、外部に頼む部分は少ない

候補表に要る材料は、満了日・初度登録年月・走行距離・整備明細の金額と、同意と断りの欄です。どれも店の台帳にあるので、外す条件と声をかける時期を店長が毎月書き直せる限り、表づくりは店の中で回ります。

最初の1か月は、同意欄と断りの欄を足した表で始めます。書き直す手がかりは、月末に並べる候補表の件数と外した件数、商談に進んだ件数です。商談が伸びない月に店長が直すのは、薦める在庫より、外す条件と声をかける時期のほうです。

外す条件や時期の置き方を店長1人で詰めきれない店は、AI顧問のような外の相談相手と条件を作る形を取れます。同じ客の満了日と断りの記録が別々の台帳にあり、1つの表に並ばない店は、条件づくりの前に台帳のつなぎ方から考えます。

明日から始める3ステップ

  1. 担当 店長

    入庫受付票と会員規約の裏面を読み、商品やサービスの案内が利用目的に入っているかを確かめる

    次へ進む目安案内が利用目的に入っているか、入っていなければ表示を書き直す日と担当を決めた

  2. 担当 営業

    候補表の客へ電話する直前に在庫表で薦める車の有無を確かめ、断られたら理由を台帳の断りの欄へ書く

    次へ進む目安1か月分、声をかけた客の全員に、断りの理由か次の約束のどちらかが書かれている

  3. 担当 店長

    月末に、候補表に載った件数・外した件数・商談に進んだ件数を並べる

    次へ進む目安商談に進んだ件数が何か月続けて下回ったら条件と時期を書き直すかを、店長が自店の目安として決めた(たとえば2か月)

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出典

  1. 日本自動車工業会「2025年度 乗用車市場動向調査」(2026年4月14日公表)購入のきっかけ(直近2年以内の購入車・複数回答)・今後の買い替え予定(保有者・単数回答) 日本自動車工業会 確認日 2026.09.28
  2. 自動車検査登録情報協会「平均使用年数」(令和7年3月末)自動車検査登録情報協会 確認日 2026.09.29
  3. 自動車検査登録情報協会「平均車齢」(令和7年3月末)自動車検査登録情報協会 確認日 2026.09.29
  4. 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(第17条・第18条第1項・第21条第2項・第25条・第27条第1項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  5. 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)(第3条第1項〜第3項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  6. 道路運送車両法施行規則(昭和26年運輸省令第74号)(第62条の2の2第1項第2号) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  7. 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29

編集BoostX編集部(株式会社BoostX)編集と監修の決まり

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