AIで選ぶ車検・点検案内の対象は満了日の3か月前が目安、停止の欄で外す
顧客台帳から毎月、車検・点検の案内を出している整備工場で、顧客管理担当・工場長・フロントを務める方が読み手です。
令和7年4月から、車検は満了日の2か月前から受けられるようになりました。案内を早めたいところですが、電話や店頭で受けた停止の依頼が予約表の余白のメモのまま台帳に戻っていなければ、早めた分だけ、断ったはずのお客さまにも早く案内が届きます。対象の車を台帳から選ぶ時期と、停止の依頼を書き込む欄を、法令の決まりと日々の受付の流れから決めていきます。

先に結論
対象の車は満了日の3か月前を目安にAIに台帳から選ばせ、停止の依頼や売却のメモに当たる客は理由つきで別の表に分けさせます。AIに任せるのはここと、手段ごとの文面の下書きまでです。
外す相手は、顧客管理担当が電話や店頭で聞いた話を足して確定し、送る週と手段は工場長が予約表の空き枠と合わせて決めます。
停止の依頼の受付窓口は1つにし、受けたフロントがその場で台帳の欄に書きます。停止と他店入庫の欄が空の台帳では、AIの候補を使いません。
2か月前に受けても損が出ないので、対象は3か月前を目安に選ぶ
満了日の2か月前に車検を受けても、次の有効期間は元の満了日の翌日から数えられるので、客は早く受けても損をしません。道路運送車両法施行規則第44条がこの起算を定め、国土交通省は車検の混雑緩和と整備士の働き方の改善のため、令和7年4月1日からその幅を2か月前に広げました。
有効期間の長さは変わっていません。自家用乗用車は初回が3年、2回目以降が2年です(法第61条)。工場の側は、車検の予約を2か月の幅に散らせます。
幅が広がっても、案内が満了日の1か月前に届けば、客が使える幅は1か月のままです。はがきが届くまでの日数と、客が予定を空けるまでの間を見込み、この記事では満了日の3か月前を目安に、対象の車を台帳から選ぶ形で考えます。法令で決まった時期ではないので、自店の予約の埋まり方に合わせて前後させてかまいません。
案内を早めると、客が他の工場の見積と比べる時間も延びます。前回の整備明細まで文面に書ける工場なら、早いほうが有利です。料金表の金額だけで案内を出す工場は、早めた分だけ車検専門店と金額だけで比べられる側に回ります。
案内を早めた効果は、満了台数に対する入庫の割合で見る
案内に効果があったかは、その月に満了する台数のうち、満了日までに入庫した台数の割合で読みます。送った件数や開封の数は、案内を出した手間を示しても、入庫までは示しません。
満了する台数は月によって違います。入庫の台数どうしを比べると、満了の少ない月に案内の効果が無かったように見えてしまいます。
この割合は、顧客管理担当が月の締めに出します。外した台数とその理由、停止の依頼を受けた件数も、手段ごとに並べておきます。SMSで停止の依頼が目立つなら、SMSの文面か送る時期が客に合っていません。はがきの戻りが多いなら、住所の直しが台帳に戻っていない印です。
外す相手は、AIの一覧に台帳に無い話を足してから確定する
AIが台帳から選んだ一覧は、顧客管理担当が台帳に書かれていない話を足してから確定します。台帳の欄だけで外すと、口頭で受けた依頼が抜けるからです。
図の要点:案内を送って停止の依頼を台帳へ戻すまでの6つの工程の流れ図。AIが満了日が3か月後の車を台帳から選び、停止と他店入庫の欄も読む。AIが外す相手を理由つきで別の表に分ける。顧客管理担当が台帳に無い電話や店頭の話を足して外す相手を確定する。AIが手段ごとに文面を書き、工場長が予約表の空き枠と合わせて送る週と手段を決める。フロントが停止の依頼と入庫の結果を受けたその場で台帳へ書く。
外す相手は、台帳の欄と担当が聞いた話の両方で決める
-
満了日が3か月後の車を台帳から選ぶ
停止と他店入庫の欄も読む
AI
-
外す相手を理由つきで別の表に分ける
停止の依頼・売却のメモ
AI
-
外す相手を確定する
台帳に無い電話や店頭の話を足す
顧客管理担当
-
手段ごとに文面を書く
はがき・メール・SMS
AI
-
送る週と手段を決めて送る
予約表の空き枠と合わせる
工場長
-
停止の依頼と入庫の結果を台帳へ
受けた人がその場で書く
フロント
3つ目の工程で足す話の出どころは、フロントの電話と店頭の立ち話です。AIは台帳に書かれた値でしか外せないので、電話で聞いた他店入庫や、立ち話で出た売却の話は、顧客管理担当が足すまで一覧に残ります。停止の依頼が最後の工程で台帳に戻らなければ、翌月の一覧にも同じ客が残ります。
【説明用の架空の記入例】外す相手の表に、顧客管理担当が確定の結果を書き足した2行です。
- 顧客番号 1234/AIの判定: 外す(理由: 停止の欄に「9月3日・電話」の記入あり)/顧客管理担当の確定: 停止として外す
- 顧客番号 5678/AIの判定: 候補(理由: 停止と他店入庫の欄が空)/顧客管理担当の確定: フロントが店頭で「次の車検はディーラーで受ける」と聞いていたため、他店入庫として外し、台帳の欄にも書き足す
満了日が台帳と車検証で食い違う車と、法人で複数台を持つ客は、この流れの外に置きます。前者は送る前に電話で確かめ、後者は車両管理の窓口へまとめて連絡します。
台帳の表を社外のAIに渡す前に、契約の扱いを確かめる
AIへ渡す列は、顧客番号、登録番号、満了日、前回の入庫日、整備明細の要約、連絡手段、停止の依頼の日付、他店入庫と売却のメモです。宛名は台帳から選ぶ工程では使わず、送る直前に社内の台帳で顧客番号と結びます。
顧客番号と整備明細だけの表でも、社内の台帳と突き合わせれば持ち主が分かります。確かめるのは、事業者がこの表を取り扱わないと契約で定められ、担当者も表に触れられない形かどうかです。そうであれば、表が相手のサーバにあっても個人データを提供したことにはなりません。
事業者が表を扱う契約なら、案内を作る作業だけを頼む委託(第25条)に当たるかを条項で確かめ、当たるなら工場が委託先を監督します。当たらない契約は、顧客の同意が要る第三者提供(第27条)です。海外の事業者を使う場合の確かめ方は、生成AIツールの契約と入れてよい欄を決める記事にあります。
点検の案内には前回の記録簿を使う
マイカーの定期点検は、1年ごとに29項目、2年ごとに1年ごとの29項目を含む60項目です。文面に前回交換した部品と、次の点検で見る項目の数を入れると、客は点検の中身を思い浮かべやすくなります。
前回の車検を点検整備の前に受けた車(前検査)には、国土交通省からアンケートはがきが届いています。車検証にも(電子車検証はICタグに)、定期点検整備の実施状況が記載されています。
この車に点検の案内を出すなら、前回の点検を実施したかどうかを文面に書く前に、整備主任者が記録簿の控えで確かめます。AIが台帳から書いた「前回実施済み」の一文も、控えと合うまでは送りません。記録簿の欄のどこまでをAIに写させるかは、点検整備記録簿の下書きで決められます。
SMSで送る車検案内も、広告なら特定電子メール法の対象になる
携帯電話の番号へ送るSMSも、営業の広告や宣伝の手段なら、メールと同じ表示の決まりが掛かります。特定電子メール法の「電子メール」は、総務省令が定める通信方式を使うものです。省令は、インターネットのメールの方式と、携帯して使う端末に電話番号を使って通信文を送る方式の2つを挙げています。
そのため、SMSの車検案内も広告や宣伝の手段であれば特定電子メールに当たります。はがきと電話の案内は、この法律の電子メールに入りません。
表示の決まりを置いたのは第4条です。送信者の氏名か名称と、送らないよう求める通知の受け先を、受け手の画面に正しく出すことが求められます。SMSは1通に入る文字が限られるので、工場名と停止の連絡先(電話番号か返信先)を先に入れ、残りの字数で満了日と予約の方法を書きます。
手段が3つある工場は、文面の型も3つ用意します。はがきには前回の整備明細を載せ、メールには予約の画面へのリンクを置き、SMSは満了日と電話番号を中心にまとめます。
停止を頼んだ客に案内が届くのは、受付窓口が分かれているから
停止の依頼は、メールの返信だけでなく、フロントへの電話や店頭のひと言でも届きます。フロントが予約表の余白に書き留め、顧客管理担当へ口頭で伝えるだけなら、台帳の停止の欄は空のままです。翌月、AIが選んだ一覧にその客は残り、整った文面のまま送られます。
特定電子メール法第3条第3項は、送信をしないよう求めてきた相手に、その意思に反して送ることを禁じています。依頼を受けた工場が止めなかった形になり、次の車検の入庫もそこで離れかねません。
依頼の受付窓口を1つにして、受けた人がその場で書けば、書き留めた紙が誰の手元で止まったかを探さずに済みます。欄には日付と手段を書き、AIには停止の欄が空の客だけを候補にさせ、欄の埋まった客は理由つきで別の表に出させます。
書き戻しは店で行い、送り分けの仕組みは外部と比べる
停止と他店入庫を台帳へ書き戻す作業は、受けたフロントがその場で書くしかないので、店の中に残ります。電話と店頭の話は、仕組みを足しても誰かが書かない限り台帳に入らないからです。最初に手を付けるのも、この2つの欄を台帳に足すところです。2つの欄が空のままでは、送ってはいけない相手を含んだ一覧が前より速くできるだけなので、過去の依頼を欄へさかのぼって書き込むまではAIの候補を使いません。
外部の仕組みが役に立つのは、はがき・メール・SMSの3つの手段で文面の型を分け、予約表の空き枠と合わせて送る週を決める作業です。台帳から選ぶところから手段ごとの送信までを一続きの仕組みにするなら、AIエージェント開発に頼む形を比べます。
仕組みに任せ続けるかは、停止を頼んだ客に案内が届いた件で決めます。この件が1件でも出た月は、次の送信の前に、フロントが電話で受けた停止をその場で欄に書けているかを工場長が確かめます。書けていなければ、候補の選び出しをAIに任せるのをいったん止めます。
明日から始める3ステップ
担当 顧客管理担当
台帳に停止の欄と他店入庫の欄を足し、過去1年のメールの返信と予約表の余白のメモから日付と手段を書き戻す
次へ進む目安過去1年の停止の依頼と他店入庫の話が、どれも台帳の欄に日付つきで入っている
担当 工場長
停止の依頼の受付窓口を1つに決め、電話や店頭で聞いたフロントがその場で欄に書く決まりを朝礼で伝える
次へ進む目安2か月続けて、停止を頼んだ客に案内が届いた件数が0件
担当 顧客管理担当
AIが選んだ候補と外す理由の表を確かめてから文面へ回し、月の締めに満了台数のうち入庫した割合を手段ごとに出す
次へ進む目安手段ごとに並べた3か月分の入庫の割合に、案内を早める前の月を割り込んだ月が1つも無い
無料相談(オンライン)
BoostXは、整備工場と中古車販売店の受付・見積・反響対応へのAI導入を支援しています
01無料相談
入庫予約・見積・反響の返信から、最初の1業務を決める
02進め方の提案
規模に合う進め方を提案する
03作って試す
一緒に作り、現場で試して直す
04定着まで伴走
毎月1テーマずつ積み上げる
作って試す・定着までAIエージェント開発AI顧問生成AI研修
出典
- 道路運送車両法施行規則(昭和26年運輸省令第74号)(第44条) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 国土交通省 近畿運輸局 報道発表「令和7年4月より、車検を受けられる期間が延びます」(令和7年4月1日)国土交通省 近畿運輸局 確認日 2026.09.28
- 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)(第61条) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 国土交通省「点検整備の種類」国土交通省 確認日 2026.09.28
- 国土交通省「車検時の点検整備実施状況のお知らせ」国土交通省 確認日 2026.09.28
- 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)(第2条・第3条第3項・第4条) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律第二条第一号の通信方式を定める省令(平成21年総務省令第85号)e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(第25条・第27条第1項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29
編集BoostX編集部(株式会社BoostX)編集と監修の決まり









