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AI活用の基礎・選び方

人材・派遣の生成AIツール選定、4製品の月額と履歴書を入れる前の8項目

スカウト文面に生成AIを使いたいとCAから上がると、管理部門は稟議に載せる製品とアカウントの数を決めることになります。そのとき料金表だけでは決まらない、履歴書と面談記録のどの欄まで入れてよいかと、その線引きを誰が承認するかを、契約と法令の側から比べます。

AI活用の基礎・選び方 更新 9分 運営 株式会社BoostX

人材会社の生成AIツール選定、履歴書のどの欄まで入れてよいか

先に結論

生成AIのアカウントは、料金より先に業務ごとに入れてよい欄で選びます。AIに渡すのは求人票と、職務経歴書の職務要約・経験業務の欄までで、面談記録の所見の欄は入れません。

スカウト文面の案はAIに作らせても、送る相手と最後の文面はCAが媒体の画面で確定し、推薦するかもCAが所見を書いて決めます。欄の表は管理部門が起案し、経営者が選んだ1人が承認してからアカウントを配ります。

学習利用と解約時の削除について事業者から書面の答えが無い製品には、履歴書を入れず、求人票の言い換えと社内文書だけに使います。

法人向け生成AIの料金と人数の条件では決め手にならない

人材・派遣の生成AIツール選定では、料金と学習利用の初期設定が4製品ともほぼそろうので、どれを選ぶかの決め手にはなりません。円建ての3製品は、CA1人あたりの月額が1,600円から3,850円の間に収まります。公式の料金表で確かめた4つの製品は次のとおりです。

製品 CA1人の月額 使える人数
ChatGPT Business 年額3,050円・月額3,850円 2〜200名のチーム向け
Claude Team 年払い20ドル・月払い25ドル 2〜150名のチーム向け
Microsoft 365 Copilot 年払い3,148円・月払い3,778円 最大300ユーザーのID管理
Google(Business Standard) 年間プラン1,600円 最大300ユーザー

この表で外せるのは、自社のCAの人数が使える人数の条件に収まらない製品だけです。額の差だけで、候補を1つに絞ることはしません。

表の額は、ChatGPTが標準シート、Claudeがスタンダードシート、MicrosoftがCopilot Businessの額です。GoogleはWorkspaceの年間プランです。ChatGPTの額には税込・税別の表記が無く、MicrosoftとGoogleは税別です。Microsoftの年払いには、割引期間の2,698円の表示もあります。

月額で選ぶより、企業とのメールや社内文書がどちらの基盤にあるかで選ぶほうが、アカウントを足す手間を減らせます。ChatGPTとClaudeは単体で契約するサービスで、ブラウザで開いてスカウト文面や推薦状の下書きを作る使い方に向きます。

Microsoft 365 CopilotとGoogle WorkspaceのGeminiは、メールと文書の基盤に付く形です。企業への推薦メールや求人票の文書と、同じ場所で使えます。Microsoft 365 Copilot Businessは、エンタープライズまたは一般法人向けの対象プランに足して買う形で、表の額はその追加分です。

貼り付けた職務経歴書を学習に回すかという点では、4製品とも同じ向きです。ChatGPT BusinessとClaude Teamは、初期設定で入力を学習に使いません。Microsoftは、プロンプトと応答を基盤モデルのトレーニングに使わないと説明しています。Googleも、事前の許可や指示がない限り顧客データを使いません。

そのため比べる軸は、業務ごとに入れる欄、スカウト媒体の規約、事業者との契約の中身に移ります。CAからスカウト文面に生成AIを使いたいと上がっても、履歴書のどの欄まで入れてよいかが社内で決まっていなければ、稟議にアカウントの数を書けません。料金は改定されるので、稟議に載せる日に料金表を開き直してください。

求職者の情報が入る業務はどれか?

求職者の個人情報が入るのは、スカウト文面と、面談記録の要約・推薦状の2つで、求人票の言い換えと社内文書には入りません。欄の表を先に承認するのは、この2業務の分だけで足ります。

図の要点:生成AIを使う4つの業務の枝分かれ。求人票の言い換えと社内文書には求職者の情報が入らず、AIに求人票や会議メモを渡し、RAや書いた担当者が確かめて出す。スカウト文面には媒体の公開プロフィールの職務の欄が入り、CAが送る相手と文面を決めて媒体の画面で送る。面談記録の要約と推薦状には職務経歴書の職務要約と経験業務の欄だけを渡し、所見はCAが書いて推薦するかを決め、所見が混ざった下書きは使わず作り直す。

下の2業務だけは、欄の表を承認してからアカウントを配る

  • 求人票・求人原稿の言い換え(求職者の情報なし)
    • AIに渡す: 求人票と採用要件シート
    • 人が確定: RAが労働条件を求人票と照合して公開
  • 社内文書(議事録・手順書・企業向けの営業メール)
    • AIに渡す: 会議メモと今の手順書
    • 人が確定: 書いた担当者が社外に出す前に読み直す
  • スカウト文面(媒体の公開プロフィールが入る)
    • AIに渡す: 求人票と、公開プロフィールの職務の欄
    • 人が確定: CAが送る相手と文面を決め、媒体の画面で送る
  • 面談記録の要約と推薦状(氏名・経歴・希望が中心)
    • AIに渡す: 職務経歴書の職務要約と経験業務の欄
    • 人が確定: CAが所見を書き、推薦するかを決める
    • 止める: 所見の欄が混ざった下書きは使わず作り直す

求人票と社内文書にしか使わない会社なら、いまのメールと文書の基盤に付く生成AIで足ります。新しく単体のサービスを契約する理由は薄く、求人票の言い換えは求人票を公開前に点検する段取りと同じ手順で回せます。

スカウトか面談記録に使うなら、料金より先に、管理者が利用者と入力の履歴を管理できるかを確かめます。CAがそれぞれ個人の契約で使う形は、候補者の情報を入れる業務には向きません。誰がどの候補者の情報を入れたのかを、会社が後から確かめられないからです。

スカウト文面は生成と送信を分ける

スカウトに生成AIを使うなら、文面の案はツールで作り、送信は媒体の管理画面でCAが確定します。AIで作った文面と一括送信・自動送信の扱いは媒体ごとに違い、規約で制限された送り方をするとアカウントの利用が止まることがあるからです。止まれば、その媒体から来ていた候補者の流入がまとめて途切れます。

生成と送信を分けておけば、ツールに媒体との連携機能は要らず、単体のサービスで足ります。送信まで自動でつなぐ製品を選ぶと、規約が改まるたびに使い方を見直すことになります。

媒体を複数使っているなら、AIで作った文面の扱いと一括送信の2項目だけを抜いた一覧を1枚用意します。改定の知らせが来たら、その媒体の行を差し替えます。

ツールに渡すのは、求人票と公開プロフィールの職務の欄です。氏名や連絡先は文面づくりに要らないので貼りません。案のまま送ると、どの候補者にも同じ言い回しが届き、返信が落ちやすくなります。

履歴書を国外事業者のAIに入れる前の確認

履歴書や面談記録を入れたときの法律上の扱いは3通りあり、違いは事業者が中身を取り扱うかどうかです。どれに当たるかは、製品の名前ではなく契約と設定を読んで確かめます。

1つ目は、入力がサーバに保存されていても、事業者は入力の中身を扱わないと契約に明記され、アクセスも適切に制御されている場合です。この場合は個人データの提供に当たりません。国外のサーバに保存される場合も同じ考え方で、そのときも自社の安全管理措置として国外の制度を把握しておきます。

2つ目は、応答を返すために事業者が中身を取り扱う場合です。利用目的の達成に必要な範囲で取扱いを任せるなら委託に当たり(個人情報保護法第27条第5項第1号)、本人の同意は要りません。その代わり、委託先を監督する義務が会社に残ります(第25条)。

相手が外国にある第三者の場合は、委託の形であっても、第28条による本人の同意が必要です。日本と同等の水準にあると認められた国の事業者と、法が求める措置に相当する措置を続ける体制を整えた事業者は、この同意の対象から外れます。どちらに当たるかは、契約書と事業者の説明で確かめます。

3つ目は、事業者が入力を自社の目的にも使う場合です。第三者への提供として、第27条第1項により本人の同意が要るため、この形の製品に履歴書は入れません。

欄ごとに見ると、職務経歴書の職務要約と経験業務の欄は、推薦状の下書きに使う範囲で入れます。面談記録の所見の欄は入れません。家庭の事情や体調が地の文で混じりやすく、病歴に当たる記述は要配慮個人情報として、聞き取る段階から本人の同意が要るからです(第20条第2項)。

職業安定法第5条の5第1項も、求職者の個人情報は業務の目的に必要な範囲で集め、その目的の範囲で保管・使用するよう求めています。欄の表で入れる欄を絞ることは、この範囲を守る記録にもなります。

契約の前には、事業者から次の答えを書面で得ておきます。口頭やチャットの返事は、解約や事故のときに確かめ直せません。

  • 学習利用

    貼り付けた職務経歴書や面談記録を、事業者のモデルの学習に回すか
  • 保存場所と保存期間

    入力と応答の履歴を、どこに何日置くか
  • 終了時の削除

    解約した日に履歴を消すか、消した証明を出せるか
  • 再委託

    処理の一部を、さらに別の会社へ任せているか
  • 海外移転

    処理と保存に使うサーバがどの国にあるか
  • アクセス権限

    事業者の社員が候補者の情報を見られる条件は何か
  • 操作ログ

    どのCAがいつ何を入れたかを、管理者の画面で見られるか
  • 漏えい時の連絡

    事故のとき、何日以内に誰へ知らせが来るか

どの欄を入れるかの表は管理部門が起案します。学習利用と削除について書面の答えが得られない製品は、求人票の言い換えと社内文書だけに使います。

人材業界向けAI製品と汎用の生成AIサービスの違い

人材紹介向けのAI製品は、求職者や企業と直接やりとりする工程まで受け持つ点が、汎用の生成AIサービスと違います。比べるのは料金より、相手に届く前に担当が確かめる工程がどこに残るかです。

PeopleX AI Copilot for 人材紹介は、夜間・休日のプレ面談を受け持つAIカウンセリングを掲げています。推薦書の自動作成は準備中の表示で、料金は製品ページに載っていません。Tasonalは、候補者・企業・エージェントの三者の面接日程調整を、α版として無料で出しています。

プレ面談の受け答えや日程の確定は、会社の名前で相手に届きます。どこまで自動で進め、どこで担当が承認するかは、製品の設定で決めることになります。汎用の生成AIサービスは文面を作るところで止まり、相手に届くのは担当が確かめた後です。

スカウトと推薦状を速くしたいなら、汎用の生成AIサービスから見ます。夜間の登録面談や日程の往復で候補者を取りこぼしているなら、人材業界向けの製品から見るほうが目的に合います。

紹介と派遣を兼ねる会社は部門ごとにどの生成AIを入れるか

使う生成AIの形は、部門ごとに変えます。紹介と派遣では、生成AIを使う帳票が違うからです。

紹介の部門で重いのはスカウト文面と推薦状で、どちらも媒体や企業へ出す文です。単体のサービスで文面を作り、送信は媒体の画面で確定する形が合います。

派遣の部門で重いのは、登録者への連絡、スキルシート、派遣元管理台帳や就業条件明示書です。どれも派遣管理システムの中にある帳票で、外へ書き出して別のサービスで扱うほど、個人情報の出入りが増えます。派遣管理システムにAIの機能があるか、あればどの帳票に使えるかを先に確かめてください。

台帳の点検でAIが出すものは台帳の月次点検でAIが作る一覧と判定の担当に、スキルシートの欄の扱いはスキルシートの表記をそろえる表と派遣先向けの版にあります。ほかの業務での選び方はAI活用の基礎・選び方の記事から、業務全体の順番は人材・派遣のAI活用の全体像からたどれます。

欄の表は1枚にし、承認する人を1人に決める

使う製品が部門で2つに分かれても、履歴書と面談記録の欄の表は1枚にそろえます。表が1枚なら、どちらの部門の担当が入力しても同じ欄で止まります。

表を承認し、例外を決める人は、アカウントを配る前に経営者が1人選びます。承認する人が部門ごとに違うと、紹介では入れない所見の欄が、派遣の帳票からは入ってしまうことが起きます。

最初に試す業務をスカウト文面にすると、毎日書く文なので、1通を書く時間と返信率の差が週の単位で見えてきます。書く時間は案のまま送るほど縮むので、アカウントを増やすかは返信率で判断します。

区切りは、たとえば次のように置きます。アカウントを配ってから4週続けて返信率が使う前の週を下回らなければ、配るCAを広げます。下回る週が2週続いたら、RA・CA責任者が送信済みの文面を開いて案のまま送った通を数え、書き方の決まりへ戻ります。何週を区切りにするかは、スカウトの量を見てRA・CA責任者が決めます。

例外の申請が承認者にたまったら、欄の表を外部と見直す

欄の表を承認する人の手元に「この欄も入れたい」という例外の申請がどれだけ届くかで、表が現場の業務に合っているかが見えます。申請が少なく、承認者が理由を1行で返せている会社なら、管理部長と承認者だけで表とアカウントの配り方を回せます。

申請がたまり、承認者が判断を保留したままアカウントだけが配られていく会社では、欄の切り方そのものが業務とずれています。紹介と派遣の帳票を並べて欄を切り直し、事業者から届いた書面の答えを読み直す作業は、AI顧問が毎月の見直しとして受け持てます。

例外の申請と承認者の返答は、承認の記録として表の横に残しておきます。返答の追いつかない申請が月をまたいで残り始めたら、表を外部と見直す時期です。

明日から始める3ステップ

  1. 担当 管理部長

    スカウト・面談記録・求人票・社内文書の4業務ごとに、履歴書と面談記録のどの欄を入れるかを1枚の表に起こす

    次へ進む目安面談記録の所見の欄を入れないと表に書かれ、紹介と派遣の両部門が同じ表を見ている

  2. 担当 管理部門の担当

    候補の製品ごとに、学習利用と解約時の削除の2点を事業者へ書面で問い合わせ、答えを表の横に貼る

    次へ進む目安書面の答えが無い製品は、求人票と社内文書の用途に限ると表に書けた

  3. 担当 RA・CA責任者

    表の承認を受けてからスカウトを書くCAの一部にアカウントを配り、1通を書き上げる時間(分)と返信率を使う前の週と並べて週ごとに控える

    次へ進む目安返信率と書く時間を使う前の週と並べた控えが週ごとに残り、返信率が下がった週には、案のまま送った通の数が書き添えてある

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出典

  1. 職業安定法(昭和22年法律第141号)(第5条の5第1項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  2. 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(第20条第2項・第25条・第27条第5項第1号・第27条第1項・第28条第1項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  3. 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用)・Q12-1(外国にある第三者への委託)・Q12-3(外国にあるサーバへの保存) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.28
  4. OpenAI「ChatGPT 料金」(Business 標準シートの料金・Business の対象人数・Business のデータの扱い) OpenAI 確認日 2026.09.27
  5. Microsoft「Microsoft 365 Copilot Business」(年払いの料金・月払いの料金・利用者数・購入に必要な対象プラン) Microsoft 確認日 2026.09.27
  6. Microsoft Learn「Microsoft Copilot のデータ、プライバシー、セキュリティ」Microsoft 確認日 2026.09.27
  7. Anthropic「プランと料金」(Team スタンダードシートの料金・Team の対象人数・Team のデータの扱い) Anthropic 確認日 2026.09.28
  8. Google「Google Workspace 料金プラン」(Business Standard の料金・利用者数の上限) Google 確認日 2026.09.28
  9. Google Workspace 管理者ヘルプ「Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ」Google 確認日 2026.09.27
  10. PeopleX「PeopleX AI Copilot for 人材紹介」株式会社PeopleX 確認日 2026.09.28
  11. Tasonal「人材紹介向けAIエージェント|三者間の面接日程調整」Tasonal 確認日 2026.09.28

編集BoostX編集部(株式会社BoostX)編集と監修の決まり

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