建設の診断結果
いまの段階は Lv.1 スタート期
現場でも本社でも、生成AIはまだ業務に入っていない段階です。最初は判断を含まない書類1種類に絞り、監督1人の手元で試すのが近道です。
いまの段階は Lv.2 属人活用期
若手の監督などが個人の工夫で使っている段階です。使える人だけが楽になっている状態を、会社として決めた様式と確認の手順に乗せ替えるところが次の一歩です。
いまの段階は Lv.3 チーム活用期
工事部や積算など部署単位で使い方が決まり始めています。うまくいった現場のやり方を他の現場代理人へ広げ、日報や写真のデータを同じ形で溜めることが効いてきます。
いまの段階は Lv.4 仕組み化期
日報や見積など複数の業務でAIが手順の中に入っています。原価システムや工程表とつなぎ、集計や差異の抽出まで人の手を離す段階です。
いまの段階は Lv.5 自走期
原価・工程・安全のデータがつながり、AIが社内の仕組みとして動いています。受注判断や配置計画など、経営の判断材料を早く出す使い方に広げられます。
Lv.1 スタート期Lv.5 自走期
最初にAIに任せる1工程
業務 現場管理
日報と週次の進捗報告の下書き
監督の書類のうち日報は毎日発生し、判断をほとんど含みません。音声やメモから下書きを作り、監督は数量と工種を直すだけにすれば、効果が1週間で見えます。同じ形で溜まった日報は、週次の報告や定例会の資料にもそのまま使えます。
- 人が確かめる所
- 数量・工種・出面の数字と、遅れの理由の書き方。送信の前に監督が目を通す画面を必ず挟みます。
- 2週間で試すこと
- 現場を1つ、監督を1人に決め、音声メモから日報の下書きを作る
- 監督が直した箇所を毎日数え、直しの多い項目は話し方の型を決め直す
- 2週目の金曜に、日報1件にかかった時間を導入前と比べる
工期が足りないときの対応は、休日出勤が59%で最も多い(出典: 国土交通省 建設業課「参考資料集」(令和8年4月3日))
業務 現場管理
工事写真の工種・部位の仕分け
写真の仕分けは枚数が多く、提出前にまとめて発生します。AIに工種・部位の候補を付けさせ、監督は候補を確かめて直すだけにすると、台帳づくりの夜の作業が短くなります。
- 人が確かめる所
- 黒板の読み取りと分類の確定、提出する写真の選択。発注者の写真管理基準に合っているかは監督が見ます。
- 2週間で試すこと
- 直近で竣工した1現場の写真を使い、AIの分類と実際の台帳を突き合わせる
- 外れやすい工種を洗い出し、撮影時の黒板の書き方をそろえる
- 稼働中の1現場で、次の提出分から候補付きの台帳で作ってみる
業務 安全・品質
新規入場者の名簿・資格証の安全書類への転記
作業員名簿や資格証の内容を様式に写す作業は、入場のたびに同じ形で発生します。読み取りと転記をAIに任せ、担当者は原本と並べて照合するだけにすると、書類の準備が作業開始に間に合いやすくなります。
- 人が確かめる所
- 資格の種類と有効期限の照合、入場を認めるかどうかの判断。読み取り結果を確定値として扱わないことを社内の決まりにします。
- 2週間で試すこと
- 1つの協力会社の名簿と資格証で、読み取り結果と原本の違いを数える
- 期限や資格名を読み違えた例を集め、照合の画面で目立たせる
- 次の新規入場から、転記の下書きと照合をセットで回す
業務 原価・購買
追加・変更工事の打合せ記録からの変更事項の抜き出し
現場で口頭やチャットで決まった変更は、記録が散らばったまま完成を迎えがちです。打合せメモやチャットから変更事項を抜き出して一覧にすれば、請求できる範囲を完成前に確かめられます。
- 人が確かめる所
- どこまでを追加として請求するか、発注者への説明の中身。抜き出した一覧に漏れがないかは現場代理人が確認します。
- 2週間で試すこと
- 進行中の1現場のチャットと打合せメモを集め、変更事項の一覧を作らせる
- 現場代理人の記憶と一覧を突き合わせ、拾えていない言い回しを確かめる
- 一覧を毎週の定例の前に更新し、請求の検討に使えたかを見る
工事の契約をすべて書面で交わしている会社は83.0%、すべて電子は1.7%(出典: 国土交通省 建設業課「参考資料集」(令和8年4月3日))
業務 見積・積算
図面からの数量拾いの一次抽出
拾いは積算担当の時間を最も使う工程で、図面が来るたびに発生します。AIに一次抽出をさせ、積算担当は抜けと重複を確かめて数量表を確定する形にすると、締切前の詰め込みが減ります。精度は工種によって差が出るので、対象を絞って始めます。
- 人が確かめる所
- 数量の確定と、拾い漏れ・重複の点検。見積書に載せる前に、積算担当が数量表を最終確認します。
- 2週間で試すこと
- 過去に受注した案件の図面で、AIの抽出結果と確定した数量表を比べる
- 差が小さかった工種を1つ選び、次の見積からその工種だけ一次抽出を使う
- 抽出の確認にかかった時間と、手拾いの時間を並べて記録する
業務 原価・購買
協力会社見積の項目抽出と比較表づくり
協力会社ごとに様式の違う見積書を並べ直す作業は、判断の前段の手間です。PDFから項目と金額を抜き出して同じ表に並べれば、単価を比べる時間がとれ、前回の単価のまま発注する案件が減ります。
- 人が確かめる所
- どの項目を同じものとして並べるかの判断と、発注先の決定。抜き出した金額は原本と照合します。
- 2週間で試すこと
- 直近の発注で集めた3社分の見積PDFから、比較表を作らせる
- 項目の名寄せを間違えた箇所を直し、自社の工種名の対応表を作る
- 次の手配から比較表を使い、発注の決定までにかかった日数を見る
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