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卸売AIジャーナル 運営 株式会社BoostX

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AI活用の基礎・選び方

卸の買収後に生成AIの利用ルールを統合する、標準ツールを1つに決める順番

同業の卸を買収した商社・卸売の経営者と管理部長で、両社の生成AIの決まりがそろわず統合会議が止まっている場合に当てはまります。

統合会議で、買収した卸の営業部は個人契約の対話型AIで見積の送り状を書いていると報告し、本社の管理部は会社契約のAIでも得意先別価格表は入れさせていないと説明します。ここで「どちらの規程に合わせるか」を1つの議題にすると、会議はそこで止まります。両社の生成AIの決まりとツールを、何から順に決めれば1つにまとまるかに答えます。

AI活用の基礎・選び方 更新 7分 運営 株式会社BoostX

AI活用の基礎・選び方の現場のイメージ写真

先に結論

統合の初日に両社へ出すのは、入力してよい情報の区分表です。学習・保存・ログを含む4行は両社のうち厳しい側を下限にし、承認者と対象部署の2行だけを毎日使っている部署の運用から採ります。

両社の規程と部署ごとの取り決めを6行に原文のまま並べる下書きは、AIに任せられます。どちらを採るかは管理部長が条項番号で原本と照合して確定し、標準ツールは足切りを通った候補から社長が選びます。

子会社のまま運営する間は、得意先の購買担当者名や与信管理表の代表者の情報を相手側のAI環境へ入れません。第三者提供に当たるか、共同利用として扱えるかを、管理部長が法務と決め終えるまでの措置です。

ツールは契約更新を待つので、入力の線引きと別の日に決める

入力してよい情報の線は規程を出したその日から変えられますが、ツールの乗り換えは契約の残り期間が終わるまで待つしかありません。そこで決まりを6行に分け、行ごとに寄せる側を決めます。

図の要点:両社の生成AIの決まりを6行に分けた比較。AIは両社の条文を6行に並べる下書きまでで、どちらを採るかは管理部長が確定する。入力してよい情報・学習に使うかの設定・入力内容の保存・利用ログの4行は、両社のうち厳しい側を下限にそろえる。承認者と対象部署の2行は、実際に毎日使っている部署の運用を採り、各部の部長の案を管理部長が確定する。

AIは両社の条文を6行に並べるまで、どちらを採るかは管理部長が確定する

厳しい側を下限にする行

  • 入力してよい情報:禁じている側の線を両社へ
  • 学習に使うかの設定:使わない設定を必須に
  • 入力内容の保存:管理者が消せる側の条件
  • 利用ログ:管理者が見られる側にそろえる
  • 分担:AIが条文を並べ、管理部長が確定

使っている側の運用を採る行

  • 承認者:毎日の申請を回している部署の流れ
  • 対象部署:実際に使っている部署から順に
  • 分担:各部の部長の案を、管理部長が確定

6行のうち両社の定めが食い違う行を数えれば、統合会議で決める議題の数がそのまま出ます。食い違いが入力してよい情報の1行だけなら、区分表を出した時点で会議の争点は消えます。

冒頭の例のように、営業部は個人契約の対話型AIを使い、本社の管理部は得意先別価格表の入力を禁じている場合も、規程どうしで比べずに行へ分けます。そうすれば、入力の線は本社の側、使い方の流れは営業部の側と、別々に決められます。

統合の形と段階で、手を付ける所が変わります。

  • 子会社のまま運営する

    区分表を両社それぞれの規程として出し、得意先の個人データの共有は別に確かめる
  • 合併や事業譲渡を予定している

    承継後の1つの規程として出し、承継前の利用目的を超える使い方は同意を取る
  • 買収先に会社契約のAIが無い

    個人契約の棚卸しを区分表より先に始める

部署ごとに違う入力ルールを1枚の区分表にする

区分は「公開情報」「社内限り」「取引先との約束がある情報」「個人データ」の4つに分け、卸で毎日動く帳票を1枚ずつ当てはめます。帳票の名前で書けば、営業担当が入力の前に迷いません。

帳票 統合後の区分 入れる前に確かめること
公開済みの商品カタログ 公開情報 改定前の版でないか
物流の出荷指示書 社内限り 届け先の個人名の欄
得意先別価格表 取引先との約束がある情報 掛率とリベート条件の有無
仕入先の価格改定通知 取引先との約束がある情報 秘密保持契約の開示先
与信管理表 社内限り 代表者の個人の情報の有無
受注FAX 個人データ 購買担当者の氏名と連絡先

表で区分を決めたら、帳票ごとの入れ方を管理部長が1行で書き添えます。得意先別価格表なら「得意先名と掛率を外した品番と単価だけ」のように、入れてよい形まで書きます。

得意先別価格表を片方の会社が「社内限り」としていても、統合後は「取引先との約束がある情報」に上げます。掛率やリベート条件は得意先ごとに交わした条件です。緩い側に合わせると、厳しく扱っていた会社が得意先との間で守ってきた線を、統合の日に越えてしまいます。

仕入先の価格改定通知には、秘密保持契約が付いていることがあります。契約の開示先が「受領者の役員と従業員」となっていれば、買収先の社員が見てよいかから確かめます。買収先の社員は、まだ別の会社の従業員だからです。開示先の条項は、仕入担当が契約書で読み、区分表の備考に書き写します。

受注FAXの購買担当者名のように個人データに当たるものは、3つに分けて扱います。AIサービスの運営会社が入力内容を取り扱わない旨を契約で定め、中身に触れられる人も絞っている場合は、提供に当たらない扱いになりえます。

その定めが無ければ、入力が委託に当たるかを利用契約の条項で見極め、当たるなら運営会社への監督(第25条)が要ります。委託と言えなければ第三者提供に当たり、第27条第1項により前もって本人の同意が要ります。国外の運営会社に渡るなら第28条を確かめます。

3つのどれに当たるかが決まるまで、受注FAXは区分表で「入れない」帳票に置きます。購買担当者の欄を消しても、FAXに残る得意先コードと注文番号で自社の受注台帳を引けば発注した本人が分かるので、扱いは個人データのまま変わりません。

個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置(第23条)は、個人情報取扱事業者ごとに掛かります。子会社のまま運営する間は、両社がそれぞれ自社の取り扱う個人データについて講じ、合併で1社になれば、承継した分も含めてその会社が講じます。区分表の各行にどのツールのどの設定で守るかを書いておけば、会社ごとの措置の中身を後から説明できます。

標準ツールはデータの扱いで足切りし、使われている側を採る

標準ツールは、学習に使わない設定・入力内容の保存・利用ログ・管理者の権限の4行を満たさない候補を先に外し、残った中から実際に業務で使われている側を採ります。使われていない契約に寄せると、現場は個人契約へ戻ります。

4行は、情報システム担当が両社の契約書と管理画面の設定で確かめます。利用規約の一般論ではなく、自社の契約で学習に使わない設定になっているか、入力内容が何日残るか、管理者が誰の利用を見られるかを、1社ずつ書き出します。個人契約で使われているサービスは、この欄がすべて「会社では確かめられない」になります。

1行でも「会社では確かめられない」となった候補は、使われている量が多くても標準にしません。個人契約で広く使われていたツールなら、同じ製品の法人向けの契約に切り替えられるかを、情報システム担当が提供元に確かめます。

業務への合い方は、各部の部長が自部署の使い道を挙げて見ます。営業部なら見積の送り状や仕入先の価格改定通知の要約、物流部なら出荷指示書の転記、管理部なら与信管理表の注記といった具合です。足切りを通った候補が2つ残ったら、メールと共有フォルダの基盤が合う側を選びます。製品ごとの料金やアカウント数の考え方は、卸の生成AIツールの比べ方と、10人分1年で見る料金で扱っています。

補完のツールを認めてよいのは、標準ツールでは回らない業務があり、その業務が4行の条件を満たす場合です。たとえば物流部が出荷指示書の転記に別の読み取りサービスを使っているなら、学習と保存の設定を確かめたうえで残します。条件を満たさないのに残すと、区分表の線が部署ごとにまた割れます。

得意先の情報を買収先と同じAIに入れてよいか?

子会社のままなら別の会社への提供に当たりうるため入れる前に確かめ、合併や事業譲渡による承継なら個人情報保護法第27条第5項第2号で第三者に当たりません。同じグループでも、統合の形でこの答えが変わります。

子会社のままなら、得意先の購買担当者名や与信管理表の代表者の情報を相手側のAI環境へ入れる前に、第27条第1項の第三者提供に当たるかを法務と確かめます。共同利用(同条第5項第3号)として扱うなら、利用する者の範囲や利用目的などを、あらかじめ本人に通知するか、本人が容易に知り得る状態に置く必要があります。どちらで扱うかは、管理部長が法務と決めます。

合併などの承継に伴って取得した個人情報には、第18条第2項が掛かります。あらかじめ本人の同意を得ないまま、承継前の利用目的を達成するのに要る範囲の外で取り扱うことはできません。範囲を超えて使うなら、本人の同意を得るか、同条第3項の場合に当たるかを確かめます。

買収先が「受注と出荷のため」と示していた得意先の担当者情報を、統合後に新しい営業の提案文づくりへ使う場面がこれに当たります。その目的の範囲に入らなければ、本人の同意を得るまでAIに入れません。

個人データではない得意先別価格表や仕入先の資料も、統合の形とは別に、取引先との契約の側で止まることがあります。得意先との取引基本契約や仕入先との秘密保持契約に、グループ会社への開示を認める条項があるかを、営業部長と仕入担当が読みます。条項が無い資料は、統合の日まで相手側の環境に入れません。

AIガイドラインの一本化は移行期間と例外を決めて出す

移行期間に併存を認めるのは、止める日を書いて例外台帳に載せたツールだけです。台帳には、ツール名・使う部署と利用者・使う業務・区分表のどの行まで入れてよいかも書きます。買い手と買収先のどちらの規程にも無かった運用が出てきたら、それは例外ではなく区分表の新しい行として議題に戻します。

送る前の確認は生成AIの成果物を得意先へ送る前に確かめる7項目で扱っています。区分表の隣に置けば、入れる前と出す前が1つの規程に収まります。標準のツールがそろった後に営業部で最初に任せる仕事は、AI活用の基礎・選び方の記事一覧や、卸の業務ごとの入口がある媒体トップで探せます。

続けるかどうかは、管理部長が毎月の締めで2つの件数を並べて決めます。止める日を過ぎても使われている例外と、経費明細に残る生成AIの個人契約です。たとえば2か月続けてどちらも減らなければ、止める日の伝え方と、その業務をどのツールで行うかを決め直します。両方が0件のまま次の契約更新を迎えたら、社長が移行期間の条文を外した規程を出し直します。

買収先の契約が手元に無いうちは、読み合わせに外部の目を入れる

外部の目が役立つのは、買収先の生成AIの利用契約や秘密保持契約が本社の手元に無く、誰が何の契約を持っているかから探す作業です。足切りの4行も、第三者提供か共同利用かの判断も、条項を読めるまでは進みません。子会社のまま複数の会社を抱えていれば、この読み合わせが会社の数だけ重なります。

一方、帳票の区分の確定、標準ツールの決定、例外を止める日は、統合の後も得意先との約束を守り続ける管理部長と社長の仕事です。契約の整理を外部から受け取っても、この3つは社内の会議で決めます。

両社の契約書がそろい、情報システム担当が両社の管理画面に入れる状態なら、区分表の様式から例外台帳の締めまで、外の手を借りずに進められます。

明日から始める3ステップ

  1. 担当 管理部長

    両社の生成AI利用規程と部署ごとの取り決めを、AIに6行の表へ原文のまま並べさせ、条項番号を原本と照合する

    次へ進む目安6行すべてに両社の条項番号か「定め無し」が入り、原本と食い違う行が0件になった

  2. 担当 情報システム担当

    経費精算と法人カードの明細、各部への聞き取りで、両社で使われている生成AIサービスを個人契約まで一覧にする

    次へ進む目安両社の全部署から「使っていない」を含む回答がそろい、未回答の部署が0になった

  3. 担当 管理部長

    例外台帳を開き、併存を認めたツールごとに利用者とログを確かめ、続けるか止めるかを決める

    次へ進む目安台帳の全件に止める日が入り、その日を過ぎても使われている例外が0件になった

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出典

  1. 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第27条第1項(第三者提供の制限)・第27条第5項第2号(事業の承継に伴う提供)・第27条第5項第3号(共同利用)・第18条第2項(利用目的による制限)・第23条(安全管理措置)・第25条(委託先の監督)・第28条第1項(外国にある第三者への提供の制限) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.10.06
  2. 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用) 個人情報保護委員会 確認日 2026.10.06

編集BoostX編集部(株式会社BoostX)編集と監修の決まり

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