商社の問い合わせ対応AIを4つの型で選ぶ|納期回答を止める入荷予定の条件
在庫と納期の照会を受ける専門商社で、チャットボットにするか回答の下書きにするか迷っている営業部長と営業事務の責任者が読み手です。
在庫と納期の照会にAIを入れるとき、最初に決めるのは、Web受注の在庫表示・チャットボット・回答文の下書き・電話の自動音声のどれで受けるかです。型によって、得意先に届く答えを送る前に人が確かめられるかどうかが変わります。型の比べ方のほか、AIの下書きで答えてよい照会の分け方、入荷予定が古いときに回答を止める日数の決め方、照会メールの購買担当者名の扱いまで扱います。

先に結論
確保在庫や分納が多い商社は、回答文の下書きを営業事務が確かめて送る型から始めます。答えてよいのは、品番が1つに決まり、有効在庫で足りるか、入荷予定の更新日が品番群の日数以内の照会です。
届く日の下書きと回答文の文面はAIで回せます。在庫照会画面の数と集荷時刻で確かめるのは営業事務、得意先の計画に合わせた納期の約束と単価・値引の欄は営業担当、回答を止める日数は仕入担当が受け持ちます。
入荷予定の更新日が日数を越えた照会は、仕入担当が仕入先に確かめ直すまで答えません。照会メールは、生成AIの契約で担当者の情報の扱いを確かめ終えるまで入れません。
確保在庫の多い商社ほど、得意先へ直接答える型が危うい
得意先に直接答える型ほど、答えに使う在庫の数が、在庫データを最後に更新した時点のものになります。確保在庫や分納が多い商社でそれを使うと、画面上は残っている確保分や、更新の止まった入荷予定で答えが出てしまいます。
| 型 | 得意先が受け取るもの | 合う商社 |
|---|---|---|
| Web受注の在庫表示 | 在庫の数か有無 | 定番品の照会が大半 |
| 得意先向けチャットボット | ボットの回答 | Webからの照会が多い |
| 回答文の下書き | 営業事務が確かめた回答 | 確保在庫・分納が多い |
| 電話の自動音声 | 担当への取り次ぎ | 電話で待たせている |
Web受注の在庫表示は、確保分を引いた数を出し、入荷予定は見せない設定が要るため、確保在庫の少ない商社に向きます。チャットボットは、照会の時点で基幹システムを見に行けないと前日の数で答えるので、照会の型が決まっている商社でないと使いにくいでしょう。電話の自動音声は取り次ぐだけで、答えは返しません。
回答文の下書きなら、古い数の行は送る前に営業事務が止められるので、在庫の書き出しが1日1回でも始められます。反対に、照会がすでにWeb受注の在庫表示でほぼ片づいている商社では、電話やメールに残るのは代替品や特注が絡む例外ばかりで、下書きの型は向きません。照会と回答の業務全体は、問い合わせ・クレームのハブと卸売・商社AI活用ジャーナルで業務ごとに並べています。
照会に答えてよいかは、品番・在庫・更新日で分ける
答えてよいかは、品番が1つに決まるか、有効在庫で足りるか、入荷予定が新しいか、の順に確かめます。
図の要点:在庫・納期の照会を4種類に分ける図。品番が1つに決まらない照会は営業事務が得意先に聞き直す。有効在庫で足りる照会はAIが届く日を下書きし、営業事務が画面で確かめて返す。入荷を待つ照会は、入荷予定の更新日が品番群の日数以内ならAIが届く日の候補を下書きし、越えたら仕入担当が仕入先へ納期を問い直す。単価・値引・代替品が絡む照会は下書きを文面までにし、欄は営業担当が書き入れる。
品番が決まらない照会と価格の絡む照会は、下書きの前に人へ回す
- 品番が1つに決まらない照会
- 営業事務が得意先に品番を聞き直す
- 有効在庫で足りる照会
- AIが届く日を下書きし、営業事務が画面で確かめて返す
- 入荷を待つ照会
- 更新日が品番群の日数以内なら、AIが届く日の候補を下書き
- 日数を越えたら、仕入担当が仕入先へ納期を問い直す
- 単価・値引・代替品が絡む照会
- 下書きは文面まで。欄は営業担当が書き入れる
照会の種類ごとに、AIの下書きへ回すか人へ戻すかが分かれます。自社ではどの種類の照会が多いかを照会記録簿で数えれば、下書きから始めてよい種類が選べます。
品番の特定で詰まるのは、得意先ごとの呼び名、旧品番、廃番です。候補が割れたまま答えると別の商品の在庫で答えることになるため、品番が決まらない照会は下書きに回しません。得意先品番と自社品番の対応表は、FAXやメールの注文を受注明細に下書きする工程で組を足していく表をそのまま使えます。
有効在庫は、在庫照会画面の数から、引当済みの分と得意先ごとの確保分を引いた数です。たとえば画面の数が100、引当済みが30、確保が20なら、答えられるのは50になります。確保を崩せば目の前の照会は片づきますが、翌月に困るのは確保していた側の得意先です。
届く日は、出荷できる日に配送の日数を足した日で、路線便の集荷時刻を過ぎて受けた照会は1日ずれます。返すのは見込みの日付までで、得意先の生産計画に合わせて日付を約束するのは営業担当です。
単価・値引・支払条件の欄も、得意先別価格表の経緯を知る営業担当が書くので、下書きには得意先別価格表を渡さず、価格の欄を空けたまま回します。代替品が規格違いなら、得意先の図面や仕様書と合うかを確かめるところまで営業担当の持ち場です。
入荷予定の更新日が古い品番は納期回答を止める
更新日が古い品番は、仕入先に確かめ直してから答えます。何日までなら答えてよいかは、仕入先が納期回答を出す頻度で変わるため、仕入担当が品番群ごとに日数を決めます。たとえば、週に1度回答をくれる仕入先の品番群なら7日とします。長く同じ納期で入っている定番品なら、更新日が古くても答えてよい品番群として書き残しておきます。
重いのは、更新の止まった納期管理表から「来週水曜着」と答え、その日付が得意先の生産や出荷の予定に組み込まれる失敗です。仕入先の納期が前の週にすでに延びていれば、入荷の遅れが分かった時点で、得意先は計画を組み直すことになります。入荷予定日を過ぎたら、営業部長が照会記録簿から日数を越えた入荷予定で答えた照会を洗い出し、得意先へ先に連絡して分納か代替品を探します。
古いという印が毎日同じ品番に付くなら、原因は照会ではなく納期管理表の側でしょう。仕入先の納期回答メールを受けた日のうちに表を直す当番を、仕入担当の中で週替わりで回します。表が崩れる手前の発注の見立ては、卸売の需要予測で内示と案件を区分してから足す手順とつながっています。
試しの期間(たとえば2週間)で初回回答までの時間が縮んでも、回答した納期を後から訂正した件数が増えていれば、営業部長は下書きの対象から入荷待ちの照会を外し、仕入担当と品番群ごとの日数を決め直します。得意先の側で困るのは、遅い回答より後から覆る納期だからです。
照会メールの購買担当者名を外部のAIに渡す前の確認
照会メールの署名欄には、得意先の購買担当の名前と連絡先が入っています。貼り付ける先のAIサービスで、照会文を事業者の側では取り扱わないと契約書にあり、閲覧できる人も限られていれば、個人データの提供に当たりません。
中身を扱う契約なら、利用目的の範囲で任せる委託に当たるかを契約書で見て、当たれば第25条により委託した側が監督します。委託に当たらなければ第三者提供になり、第27条のとおり、本人の同意を先に得ます。運営が国外の会社なら、外国にある第三者への提供として第28条が掛かるかも見ます。
署名欄を消した照会文でも、得意先名と日時から照会記録簿をたどれば誰の照会かが分かるので、扱いは変わりません。確かめ終わるまでは照会メールそのものを入れず、営業事務が品番・数量・希望納期だけを書き写して下書きさせます。規約の読み方は生成AIの契約で個人データの扱いを見分ける方法で扱っています。
在庫を持つ先の数が、つなぎ込みの見積を重くする
照会の時点で基幹システムを見に行く仕組みを作れば、答えに使う在庫の数は新しくなります。ただし費用を大きくするのは、照会の入口の数と在庫を持つ先の数です。倉庫ごとの在庫表や、仕入先の在庫を当てにする取り寄せ品があると、つなぐ先がその分だけ増えます。ここまで来たら、外部の開発の見積と比べる値打ちがあります。
在庫を1日1回ファイルで書き出し、下書きの型で営業事務が確かめて返している間は、つなぎ込みを急ぐ理由はありません。午後の照会に朝の数で答えることになっても、送る前の確認で古い行は止まるからです。
どこまで仕組みを足しても、得意先の計画に合わせた納期の約束と単価の欄は営業担当、日数の決め直しは仕入担当の手に残ります。見積を取る前に、電話・メール・Webのどの入口から何件の照会が来ているかを、照会記録簿で、たとえば1か月分数えておきます。
明日から始める3ステップ
担当 営業事務の責任者
照会記録簿に得意先・品番・数量・希望納期の列を作り、電話で受けた照会もその場で書き込む
次へ進む目安たとえば1週間分の照会が、図の4種類のどれに当たるかまで記録簿で数えられる
担当 仕入担当
仕入先が納期回答を出す頻度をもとに、回答を止める更新日の日数を品番群ごとに置く
次へ進む目安入荷待ちの照会が出る品番群のすべてに日数が入り、営業事務の手元の表に載った
担当 営業事務
定番品の在庫照会に絞って、たとえば2週間下書きを回し、初回回答までの時間と直して送った件数を記録簿に付ける
次へ進む目安試した期間の時間と件数がそろい、納期の訂正件数が増えていないことを営業部長が確かめた
無料相談(オンライン)
BoostXは、卸売・商社の受発注・在庫・問い合わせ対応へのAI導入を支援しています
01無料相談
注文の入力・商品マスタ・照会への回答から、最初の1業務を決める
02進め方の提案
規模に合う進め方を提案する
03作って試す
一緒に作り、現場で試して直す
04定着まで伴走
毎月1テーマずつ積み上げる
作って試す・定着までAIエージェント開発AI顧問FDE型AI伴走支援
出典
- 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第25条・第27条第1項・第27条第5項第1号・第28条第1項(外国にある第三者への提供の制限) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
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