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卸売AIジャーナル 運営 株式会社BoostX

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AI活用の基礎・選び方

AI作成物を外部公開する前の確認、卸のカタログ文と画像で人が見る範囲

この記事は、生成AIで作った商品説明文と画像をWebカタログや得意先向けの商品データに載せ始めた状況にある、卸売の商品部長、営業企画・EC担当の責任者、品質管理の責任者向けです。

AIの説明文に入った「肌にやさしい」の一語が得意先のECにそのまま転載されると、根拠の資料を求められたときに説明できる人が社内にいません。カタログの商品説明文と商品画像を外に出す前に、AIに作らせてよい範囲、商品担当が元資料と照合する項目、法務の専門家に回す表現を、文と画像に分けて扱います。

AI活用の基礎・選び方 7分 運営 株式会社BoostX

AI活用の基礎・選び方の現場のイメージ写真

先に結論

カタログやWebに出す前に人が確かめるのは、説明文の効能・比較・最上級の言い回し、AI画像と実物の差、指示文に入れた他社の文や写真の3つです。生成AIに作らせてよいのは、規格書とメーカー資料にある事実を読みやすい文に直すことと、画像の背景や構図の案までです。

照合は、商品を一番よく知る商品担当が規格書と実物写真で行います。薬機法の対象品の効能表現、他社と似た文や画像、他社と比べる表示を法務の専門家に回すかは品質管理の責任者が決め、最終の判断は専門家の確認を経て人が行います。

AI作成物は外部公開した時点で、自社の表示になる

生成AIで作った商品説明文と画像は、カタログやWebに載せた時点で自社の表示になり、著作物の利用にもなります。外に出した一語や一枚の裏付けを説明するのは載せた会社なので、その裏付けが手元の規格書・メーカー資料・実物写真にあるかどうかで、確かめる人を分けます。

図の要点:説明文・画像・指示文を3つの区分に分けた図。AIに作らせてよいのは規格書とメーカー資料の項目の言い換えと、背景・構図・使用場面の案まで。効能・比較・最上級の語、実物写真との色・形・付属品の差、他社の文・写真・商品名を入れた指示は商品担当が確かめ、薬機法の対象品の効能・効果の文と、他社に似た表現・他社と比べる表示は品質管理の責任者が法務の専門家へ回す。

元資料に無い語、実物と違う画像、他社素材を入れた指示は公開の前に止める

  • AIに作らせてよい(元資料に書いてあること)
    • 説明文: 規格書とメーカー資料の項目を、読みやすい文に直す
    • 画像: 背景・構図・使用場面の案を作る
  • 商品担当が元資料と照合する
    • 説明文: 効能・比較・最上級の語を規格書と照合し、根拠の無い語は削る
    • 画像: 実物写真と並べ、色・形・付属品が違えば作り直させる
    • 指示文: 他社の文・写真・商品名を入れていないかを公開控えで見る
  • 品質管理の責任者が法務の専門家へ回す
    • 薬機法の対象品で、効能・効果に触れる文
    • 他社の文や画像に似た表現と、他社と比べる表示

2つ目と3つ目の区分の境目をどの商品群に置くかは、取扱品で変わります。化粧品や医薬部外品の取扱いが無い専門商社なら、3つ目の区分に入るのは他社に似た表現と比べる表示だけになります。

景品表示法は、事業者が自社の供給する商品について行う広告などを「表示」と定めています(第2条第4項)。第5条第1号は、品質や規格を実際のものより著しく優良だと一般消費者に示し、不当に顧客を誘引して選択を妨げるおそれのある表示を禁じています。一般消費者に届く表示かどうかで、確認に掛ける人と手間が変わるということです。

卸の説明文と画像は、得意先のECの商品ページや店頭POPにそのまま転載される場合があります。得意先向けの商品データとして渡した文でも、転載されれば一般消費者の目に触れます。そこで確認の重さは、文書の種類ではなく、その文と画像がどこまで届くかで変えます。

  • 社内の検討資料にとどまる下書き … 作った担当者の読み直しで足ります
  • 得意先の購買担当者だけが見る商品データや紙のカタログ … 商品担当が元資料と照合します
  • Webカタログと、得意先のECや店頭POPへ転載される前提のデータ … 図の3つの区分をすべて通します

生成AIを業務に入れる前に決めることの全体は、AI活用の基礎と選び方の入口で見られます。

商品説明文で、効能と比較の言い回しはAIに任せない

規格書やメーカー資料に無い品質・効能・比較・最上級の言い回しは、AIがそれらしい文で足してしまうため、AIに書かせず、商品担当が元資料と照合します。商品名と用途だけを渡して頼むと、「業界最高水準」「肌にやさしい」のような語が、規格書に無くても入ることがあります。

景品表示法第7条第2項により、優良誤認かどうかを判断するため、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求められることがあります。措置命令を出すかの判断に関して、定められた期間内に資料を出さなければ、その表示は優良誤認の表示とみなされます。AIが足した語の根拠の資料は、社内の誰も持っていません。

化粧品・医薬部外品・医療機器などについて、薬機法第66条第1項は「何人も」と定めています。名称・効能・効果・性能について、虚偽又は誇大な記事を広告・記述・流布することを禁じる規定です。説明文を書いたのがメーカーでなく卸でも、この規定の対象になります。

AIへの指示では、渡す資料と使わない語を先に書き、資料に無い項目は空けさせます。

次の規格書の項目だけを使い、Webカタログ用の商品説明文を120字以内で書いてください。規格書に無い効能・効果、他の商品との比較、「最高」「No.1」などの語は使わないでください。規格書で空欄の項目は文にせず、「未確認」と返してください。

返ってきた文は、商品担当が規格書の版を横に開き、1語ずつ照合します。「未確認」と返った項目はメーカーに問い合わせ、回答が来るまで説明文に入れません。

規格書が手元に届いていない新商品や、効能を売り文句の中心に置く商品は、説明文の作成がAIに向きません。メーカーが承認した説明文があれば、それをそのまま使います。

確かめる言い回し 照合する元資料 確かめる人
効能・効果(「肌にやさしい」「疲れにくい」) メーカーの規格書・試験の資料 商品担当。薬機法の対象品は品質管理の責任者も見る
他の商品との比較(「従来品より長持ち」) 比べた条件が書かれたメーカー資料 商品担当。他社品と比べる文は品質管理の責任者も見る
最上級(「業界最高水準」「No.1」) 範囲と時点が書かれた調査の資料 商品担当。資料が無ければ使わない
素材・寸法・規格の数値 規格書の最新の版 商品担当

品質管理の責任者が商品担当と一緒に見るのは、表のうち薬機法の対象品と他社品との比較に関わる行です。食品の原材料や特定原材料の表記は、送る前に元資料と照合する7項目を示した記事の確認に任せ、ここでは繰り返しません。

AI画像をカタログに使うなら、実物との差を人が見る

AIで作った商品画像や加工した商品写真は、実物写真と並べ、色・形・付属品・大きさの見え方の差を確かめてから載せます。画像生成AIは、指示に無い付属品を描き足したり、照明の加減で色味を実物と変えたりする場合があるためです。

付属品が実物より多く写った画像は、セットの中身を実際より良く見せます。実物と違う画像は優良誤認の論点になり得ますが、当たるかは一般消費者に届くかを含めた個別の判断です。商品担当は差を見つけた時点で載せず、AIに作り直させるか撮影に戻します。

見本が手元に無い新商品は、メーカーの商品写真と並べて照合します。見本の色がロットで変わる商品は、画像の横に色の差がある旨を書くかを営業企画・EC担当の責任者が決めます。

メーカーから受け取った商品写真の背景をAIで差し替えるときは、先にメーカーの使用条件を確かめます。加工してよいか、どの媒体で使えるかが条件に書かれていなければ、営業企画・EC担当の責任者がメーカーに聞いてから加工します。画像以外の業務でAIをどこに使うかは、卸売・商社の業務の一覧から選べます。

他社の文や写真を入れて作らせたものは公開してよいか?

他社の文・写真・商品名を入れて作らせたものは、似たものが無いかの検索と、指示文と入れた素材の控えが済むまで公開しません。著作権の侵害に当たるかも、生成AIで作ったかどうかと関係なく、類似性と依拠性の両方がそろうかで判断されます。

指示文に既存の文そのものや商品名などの固有名詞を入れると、元の作品を知っていたことを推し量る事実になり、依拠性が認められやすくなります。他社カタログの文を貼って「言い換えて」と頼んだ記録は、これに当たります。他社の写真を入れて似た画像を作らせる目的の入力は、著作権法第30条の4が当たらず、権利者の許諾が要る場合もあります。

商品担当は公開の前に、できた文の特徴的な一節や画像でインターネット検索をかけ、似た文や画像が出ないかを見ます。似たものが出たら社内で可否を決めず、品質管理の責任者が法務の専門家へ回します。

依拠していないと後から説明するには、どの指示で作ったかを示せる必要があります。そこで、指示文・入れた素材・元にした規格書の版・公開した版・確認した人を、品番ごとに「公開控え」として残します。

【説明用の架空の記入例】品番: X-0123/指示文: 規格書の項目だけで120字以内/入れた素材: 規格書(2026年8月版)。他社の文と写真は入れていない/直した語: 「長持ち」を削った/専門家へ: 回していない/確認者: 商品担当

確実なのは、他社の文・写真・商品名を指示文に入れないことです。入力してよい情報の区分表に他社カタログの行を足しておけば、作る前の時点で止められます。区分表の作り方は買収後に生成AIの利用ルールを1枚の区分表にまとめる記事で扱っています。

判断が割れる表現が続くなら、法務の確認を外に置く

薬機法の対象品の効能表現や他社と似た表現は、社内で結論を出さず法務の専門家に回します。一方で、規格書との照合と実物写真との見比べは、商品を知る商品担当の手元から外せません。

外に置く目安は、品質管理の責任者が専門家へ回した件数と、公開後に差し替えた説明文・画像の件数です。品質管理の責任者が月末に公開控えを開いて数え、差し替えが出た月は、その語や画像をどの区分に入れ損ねたかを見て、表と図の区分を書き直します。たとえば3か月続けて差し替えが0件なら今の区分のまま続け、決めるのは品質管理の責任者です。

化粧品や医薬部外品の品番が多い会社、カタログの主役が画像の会社では、回す表現が毎月のように出ます。この場合は顧問の弁護士などに、回す表現の送り方と回答までの日数を先に決めてもらいます。画像や文を作る生成AIサービスの規約の読み比べは、値上げ案内の作業で商社の生成AIツールを比較した記事にあります。

紙のカタログは刷った後に差し替えられないので、Webカタログより早く専門家の回答が要ります。入稿日から逆算して、専門家へ回す表現の締切を品質管理の責任者が置き、間に合わない表現は規格書にある事実だけの文に戻して入稿します。

明日から始める3ステップ

  1. 担当 商品担当

    次のWebカタログ更新で載せる品番の説明文と画像を、規格書の版と実物写真を横に開いて照合し、効能・比較・最上級の語と付属品の差を直す

    次へ進む目安更新分の全品番について、照合した規格書の版・直した語・確認者が公開控えに書かれている

  2. 担当 品質管理の責任者

    扱う商品群のうち薬機法の対象品と、他社と比べる表示を載せている品番を書き出し、法務の専門家に聞く表現と回答の期限を決める

    次へ進む目安専門家へ回す表現の一覧ができ、回答待ちの品番がWebカタログの公開の列から外れている

  3. 担当 営業企画・EC担当の責任者

    指示文・入れた素材・規格書の版・公開した版を品番ごとに保存する場所を決め、得意先に渡す商品データにも同じ控えを付ける

    次へ進む目安公開中のどの品番でも、どの指示文で作り誰が確かめたかを保存場所から引き出せる

AI活用診断在庫と納期の照会、FAXの注文、ばらばらのカタログ。最初にAIへ任せる1工程。6問でAI活用診断(約1分・登録不要)

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出典

  1. 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)(第2条第4項・第5条第1号・第7条第2項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.10.09
  2. 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)(第66条第1項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.10.09
  3. 文化庁著作権課「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(3-1-3・3-1-4・3-1-5・3-1-7) 文化庁 確認日 2026.10.09

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