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商品・マスター

卸売の商品マスタ名寄せをAIで進める7工程と、入数違いのケースの分け方

仕入先の新商品案内を登録するたびに商品マスタの重複が増えている卸売の商品担当と、その上長の商品部の責任者を念頭に置いています。

重複した行をAIに名寄せさせる前に要るのは、どの行を1つの品番にまとめてよいかの基準です。単品のJANが同じなら同じ商品に見えますが、入数12と入数24のケースを1行にすると、出荷の数量や請求の単価が合わなくなります。AIに候補を出させる範囲も、既存の重複を統合する日も、この基準を決めた後でなければ決まりません。

商品・マスター 更新 6分 運営 株式会社BoostX

卸売の商品マスター名寄せ、入数が違うJANは同じ品番にしない

先に結論

品名の表記だけが違う行は1つの品番にまとめ、入数か内容量が違う行は別の品番で持ちます。この基準は、照合に使う項目の組み方と合わせて、商品部の責任者が付番のルールと一緒に1枚に書き出します。

例外として、入数が前回と違うのにケースのGTINが案内に無い行と、JANが空欄の行は、照合で一致と出ても保存を止め、仕入先に聞きます。

AIに回せるのは、登録票の下書き、表記ゆれの洗い出し、一致したキーを添えた候補の提示です。JANまで一致した候補も含めて、同じ商品か別の品番かは商品担当が1組ずつ判定し、既存の重複の統合は月次の締めの後に行います。

出荷数量と請求単価が合わなくなる、入数違いのケースの統合

単品のJANだけで既存マスタと照合すると、入数12と入数24のケースが同じ商品に見えます。1つの品番にまとめた後で出荷の数量や請求の単価が合わなくなる原因の一つが、この読み違いです。

GS1 Japanの変更ルールは、商品表示の変更をともなう正味内容量の変更を、単品にも集合包装にも新しいGTINを設定する基準に挙げています。集合包装の入数の変更と、販促のための期間限定の包装変更では、単品はそのままで、集合包装だけが新しいGTINになります。

候補の組 単品のJANとケースのGTIN 自社マスタでの扱い
品名の表記だけが違う どちらも同じ 1つの品番にまとめる
ケースの入数が12から24に変わった 単品は同じ、ケースは新しい ケースの品番を入数ごとに分ける
表示の変更をともなって内容量が変わった どちらも新しい 別の品番で持つ
期間限定の包装や景品付き 単品は同じ、ケースは新しい 単品の品番はそのまま、限定ケースのコードを紐付ける

このルールはGTINを設定するブランドオーナー向けで、卸の自社品番の付け方までは定めていません。それでも自社マスタをルールに合わせておけば、仕入先の案内と品番の分け方が食い違わずに済みます。

ケースとバラを1つの自社品番で入数換算して持つ会社は、もう一つ確かめます。得意先の注文の「1」がケースかバラかを得意先マスタの販売単位で決めているなら、入数の違う2行をまとめた時点で、その得意先の注文の読み方が変わるからです。販売単位をどこで持っているかは、統合の前に営業事務に聞いておきます。

商品マスタ登録で商品担当が手を止めるのは2か所

商品担当が手を止めるのは、入数と単位を原本と見比べる工程と、同じ商品か別の品番かを判定する工程です。

図の要点:新商品案内の受け取りから変更一覧の送付までの7工程。商品担当が案内と価格表を受け取り、AIがJAN・ケースのGTIN・入数・単位・価格の登録票を下書きする。商品担当が入数と単位を原本と見比べ、AIが既存マスタと照合して一致したキーの種類を添えた候補を並べる。商品担当が同じ商品か別の品番かを判定し、JANが空欄なら仕入先に聞く。商品担当が品番と価格を入れ、AIの下書きを確かめて営業と倉庫へ変更一覧を送る。

入数と単位の読み違いは、既存マスタと照合する前の工程で止める

  1. 新商品案内と価格表を受け取る

    Excelか画像のPDFかを控える

    商品担当

  2. 登録票を下書きする

    JAN・ケースのGTIN・入数・単位・価格

    AI

  3. 入数と単位を原本と見比べる

    戻す: 読み違いは下書きからやり直す

    商品担当

  4. 既存マスタと照合し、候補を並べる

    一致したキーの種類を行ごとに示す

    AI

  5. 同じ商品か別の品番かを判定する

    戻す: JANが空欄なら仕入先に聞く

    商品担当

  6. 自社品番を振り、価格と適用日を入れる

    付番ルールと価格改定の決裁に沿う

    商品担当

  7. 営業と倉庫へ変更一覧を送る

    AIの下書きを商品担当が確かめて送る

    AIと商品担当

図に無い例外が、JANはあってもケースのGTINが案内に載っていない行で、入数が前回と違えば照合で一致と出ても保存を止め、仕入先にケースのGTINを聞きます。

入数と単位の見比べ、同一かどうかの判定という2か所で見落とした誤りは、付番と価格の工程でも気づかれないまま、営業と倉庫へ送る変更一覧にまで載ります。止める工程を増やすより、この2か所で原本と見比べる時間を確保するほうが、誤りを確実に減らせます。

新規登録のたびにこの照合を通せば、後から名寄せで片づける重複は増えません。登録票を保存する前に、JAN・ケースのGTIN・仕入先品番で既存行を探し、一致する行があれば登録を止めて商品担当の判定に回します。マスタに無い品番の注文を受注入力のどこで止めるかは、FAX注文の受注入力で保留にする行と同じ考え方で決められます。

受注ごとに仕様を決める特注品が取扱いの中心の卸には、登録の入口での照合は向きません。同じ品番が二度出てこないなら、照合の仕組みより、見積と受注の記録を案件ごとにまとめるほうが先に役立ちます。

照合キーはバラならJAN、ケースならGTINと入数が最も確か

バラで持つ行ならJANの一致、ケースで持つ行ならケースのGTINと入数の組が、最も確かな照合キーです。その次が仕入先コード・仕入先品番・入数の組で、最後が品名と規格の近さになります。

AIは候補の行ごとに、どのキーで一致したかを添えて並べます。品名の近さだけで挙がった行は、同じ商品である可能性を示すだけの候補です。JANまで一致した行でも、AIの一致の印はどの組から見るかの目安にすぎず、1つの品番にするかどうかは全部の候補で商品担当が判定します。

表記ゆれの洗い出しも、AIで手間が減る作業です。全角と半角、「ml」と「ml」、型番のハイフンの有無、仕入先名の略称。商品担当が品名で検索して目で探していた揺れを、既存マスタの全行と突き合わせて並べられます。

JANが空欄の行は、仕入先が独自の品番だけで卸している商品のことがあります。品名の近さで統合すると判定の根拠が残らないため、仕入先品番と入数を並べて仕入先に問い合わせます。一度答えが返れば、以後の案内でも同じ行の扱いに迷いません。

食品卸は規格書の表示項目もマスタに持つ

食品を扱う卸は、仕入先の規格書にある表示項目まで商品マスタに持ちます。食品表示法は第2条第3項で、食品の販売を業とする者を食品関連事業者に含めています。第5条が禁じるのは、食品関連事業者等が食品表示基準に従った表示のない食品を販売することです。メーカーから仕入れて小売や飲食店へ納める卸も、この販売の側に入ります。

どの項目を表示するかは食品表示基準が定め、その商品の表示が適切かは品質担当が判断します。マスタの側では、AIが規格書から原材料名や内容量の欄を抜き出し、欠けている欄を一覧にします。空欄は空欄のまま残して、仕入先へ確かめる材料に回すのが原則です。推測で埋めた値がマスタに入ると、得意先へ渡す商品情報にもそのまま流れてしまいます。

重複の統合は締めの後に、旧品番の対応表を残す

既存の重複を統合する日は、月次の締めの処理が終わった後に置きます。締めと重なると、請求と在庫の数字が統合の前後で食い違うからです。残す行は、受注履歴と在庫が多く付いている行が基本になります。消す行に付いた受注残・在庫・得意先品番の対応は、情報システム担当と組んで残す行へ付け替えます。

実行の前に、商品担当は統合前の商品マスタを書き出し、旧品番と残す品番の対応表を作ります。対応表には、同一と判定した理由(JANの一致、仕入先への確認など)と、消す行に付いた受注残・在庫・得意先品番の件数も書き添えます。

【説明用の架空の記入例】

  • 旧品番

    A-10234(消す行)/残す品番: A-08811
  • 同一と判定した理由

    単品のJAN・ケースのGTIN・入数がすべて一致。仕入先の担当者にもメールで確認
  • 消す行に付いていた件数

    受注残2件・在庫1ロケーション・得意先品番3件
  • 判定した人と時期

    商品担当・締めの処理が終わった翌営業日

判定を誤った組が後で見つかったら、商品担当がこの書き出しと対応表を使って元の2行に分け直し、分け直した理由を対応表に書き足します。分け直しが出た仕入先は、既存の重複の統合をいったん止め、登録の入口での照合だけに戻します。

廃番になった品番は、統合で消さずに廃番の印を付けて残します。消すと最終出荷日が追えなくなり、滞留在庫の候補一覧から、その品番の在庫が抜け落ちるためです。

付番のルールを書き出せたら、PDFの読み取りを外部と比べる

外部と組む話は、付番のルールが紙に無いうちは進みません。書かれていないルールは、AIにも後任にも外部の担当者にも伝わらないからです。商品担当の頭の中にある決まりを1枚にしたところで、初めて何を外に出せるかが見えてきます。

比べる値打ちがあるのは、画像のPDFや紙のカタログで届く仕入先の読み取りです。読み取った入数と単位を人が見直す手間が残るため、こうした仕入先が取引先の中心なら、登録票への書き写しまでを外部と仕組みにする余地があります。

JANとケースのGTINの列が入ったExcelで届く仕入先は、列の対応付けで済むので社内の手で回ります。商品マスタの次にどの業務を手がけるかは、商品・マスターでAIに任せる業務や卸の業務別の入口で見比べられます。

どの仕組みを選んでも、同じ商品か別の品番かの判定、統合の日取り、仕入先への問い合わせは商品担当に残ります。画像のPDFへ広げるかは、案内1回分の入数と単位の見直しにかかった時間を、商品部の責任者が控えてから決めます。

明日から始める3ステップ

  1. 担当 商品部の責任者

    付番のルールと、表記だけ違う行はまとめ入数か内容量が違う行は分ける、という基準を1枚に書き出す

    次へ進む目安商品担当の誰が見ても、候補の組を同じ扱いに振り分けられる1枚ができた

  2. 担当 商品担当

    列の対応付けだけで書き写せる仕入先を1社選び、次の新商品案内から、保存の前に既存マスタと突き合わせる

    次へ進む目安その仕入先の案内1回分で、登録を止めた件数と別の品番と判定した件数を控えた

  3. 担当 商品部の責任者

    月末に仕入先ごとの2つの件数を見比べ、別の品番の判定が多い仕入先へ、入数を変える案内にケースのGTINを載せるよう頼む

    次へ進む目安数か月分(たとえば3か月分)の件数を控え、頼んだ仕入先の案内にケースのGTINが載り始めた

AI活用診断在庫と納期の照会、FAXの注文、ばらばらのカタログ。最初にAIへ任せる1工程。6問でAI活用診断(約1分・登録不要)

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出典

  1. GS1 Japan「GTIN(JANコード/集合包装用商品コード)の変更ルール」基準3(正味内容量の変更)・基準8(集合包装の入数の変更)・基準7(販促のための期間限定の包装変更) 一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan) 確認日 2026.09.29
  2. 食品表示法(平成25年法律第70号)(第2条第3項・第5条) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.29

編集BoostX編集部(株式会社BoostX)編集と監修の決まり

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