本文へ移動
医療AIジャーナル

無料相談

予約・受付

医療の予約受付でAIに任せる整理と、受付が決める枠・二重予約の3つの型

AIは申込を6欄にそろえて重複に印を付け、枠は受付、症状の電話は看護師が受ける

予約でAIを使う前に決めるのは、AI電話を人へつなぐ言葉と、最初に受ける申込の範囲の2つ。時間外の変更・キャンセルから始める形を院内で組める。

更新  約7分で読めます 編集 BoostX編集部 運営 株式会社BoostX(AI導入支援)

30秒で要点を見る 目次を見る

予約・受付の現場のイメージ写真

30秒でわかること

  1. 何が問題か

    形式の違う3つの入口から申込が届くため、同じ患者の二重予約や初診の再診枠入りが朝まで見逃される。

  2. 何を見れば判断できるか

    照らす材料は、二重予約の3つの型と、症状や「今日」が出た電話を人へつなぐ条件の2つ。

  3. 誰が何をすれば解決するか

    受付責任者が予約表で枠を確定し、看護師長が転送の言葉を決める。AIに渡すのは6欄の整形と重複の印だけ。

開院前の受付には、AI電話が夜に聞き取った申込、Web予約の新着、前日の電話メモが別々に並びます。同じ患者が2つの入口に出ても、形式がそろわないと気づけません。医療の予約でAIをどこまで使うかは、この作業から決まります。

申込は夜のうちに6欄へそろえ、枠は朝に受付が入れる

申込は、夜間に受け取り、開院前にそろえて確かめ、朝のうちに枠へ入れ、前日に受付リストへ移す順で予約表に入ります。

図の要点:夜間から前日までの4つの時点。夜間と休診日はAI電話とWeb予約が申込を受け、AIが氏名カナ・生年月日・診察券番号・電話番号・希望日時・用件の6欄にそろえ、欠けた欄は要確認にする。開院前はAIが初診・再診と重複の候補に理由を添え、受付が重複を本人か家族に電話で確かめ、欄の足りない申込は折り返しの電話へ戻す。朝のうちに受付が担当医・枠の長さ・検査の有無で枠を割り当て、症状や「今日」を含む申込は看護師が受診の時間を決める。前日に受付が受付リストを出し、リマインドの文面を確かめて送る。

予約表を書き換えるのは受付の手だけで、AIの出力は申込の一覧にとどまる

  1. 夜間・休診日

    AI電話とWeb予約が申込を受け取る

    • AI: 申込を決まった6欄にそろえる
    • AI: 欠けた欄は埋めずに「要確認」
  2. 開院前

    受付責任者が申込の一覧を開く

    • AI: 初診・再診と重複の候補に理由を添える
    • 受付: 重複の候補を本人か家族に電話で確かめる
    • 戻す: 欄が足りない申込は折り返しの電話へ
  3. 朝のうち

    枠を割り当てて予約表へ入れる

    • 受付: 担当医・枠の長さ・検査の有無で割り当てる
    • 看護師: 症状や「今日」を含む申込の受診時間を決める
  4. 前日

    当日の受付リストとリマインド

    • 受付: 受付リストを出し、文面を確かめて送る

朝のうちの段で症状を含む申込を受ける人が決まっていないと、その申込はAIの一覧に残ったまま昼を迎えます。

例外は、看護師が電話で当日の受診を決めた患者です。この患者は申込の一覧を通さず、受付が看護師の指示どおりに予約表へ直接入れます。

6欄は、氏名カナ・生年月日・診察券番号・電話番号・希望日時・用件です。欄を固定するのは、電話メモが照合の弱い形で残るからです。電話ではカナの聞き違いが起き、診察券番号を手元に置かずにかけてくる患者もいます。欄が決まっていないと、同じ人かどうかの判断が受付の記憶に頼ったままになります。

AIへの指示には、欠けた欄を空けて「要確認」と書くこと、生年月日か電話番号が一致する行に重複候補の印と理由を付けることを入れます。症状の説明は用件欄に写させず、「医療職へ」の印だけを付けさせます。

取り違えに気づいたら、その行を予約表から外して申込の一覧へ戻し、外した理由と日時を変更・キャンセルの記録に1行残します。戻した行を受付がもう一度割り当てるまで、その患者の枠は空けておきます。

予約枠の割り当てをAIに任せない理由は?

担当医・初診と再診の枠の長さ・検査の有無で配分が変わり、その組み方は医院ごとの外来表と院長の方針で決まっているからです。申込の文面だけからは読み取れません。

判断すること 材料 確定する人
初診か再診か 受診履歴・診察券番号・本人の返答 受付
どの医師のどの枠か 担当医の外来表・前回の診察で決めた次回予定 受付
検査の時間を空けるか 医師の検査の指示・院内の所要時間の決まり 受付(迷えば看護師)
家族を続けて入れるか 申込の同伴者の記載・本人の希望 受付
今日の受診に入れるか 電話での症状の聞き取り 看護師・医師

5つのうち、AIの候補がそのまま使えそうに見えて外れやすいのは初診か再診かの行です。初診を再診の短い枠に入れると、問診票の記入と保険証の確認の分だけ診察の開始がずれ、後ろの再診が順に押していきます。

AIが再診と付けた行でも、受付は受診履歴を開いてから枠に入れます。候補の印は、どの行から確かめるかを決める手がかりにとどまり、確認そのものの代わりにはなりません。

急患や当日の受診に備えた空き枠は、院長や看護師が朝の混み具合を見て空けたり詰めたりしています。この調整は前日までの申込には現れないため、AIに枠まで決めさせると、朝に空けておいた枠を申込が埋めてしまいます。

急患と当日の電話はAIの受付に乗せない

医師法第19条は、診療に従事する医師が診察治療の求めを正当な事由なく拒めないと定めています。電話で急ぎかどうかを見極める判断は医療職が持つよう、受付の定型処理にもAIの聞き取りにも乗せず、看護師と医師へ回します。

AI電話を使うなら、人へつなぐ条件を院内で先に決めます。発熱・痛み・出血・呼吸の苦しさなど症状を表す言葉が出たとき、「今日」「今から」と言われたとき、聞き取りに2度失敗したときが候補です。患者が人と話したいと言ったときも転送に入れます。言葉の一覧は看護師長が作り、院長が承認します。

転送先がいない時間帯の扱いも決めておきます。休診日や夜間は、院内で決めた時間外の連絡先や救急の案内を音声で流し、AIに症状を聞き取らせない設定です。どの案内を流すかは院長が決めます。

AI電話の申込に症状の説明が混じって届いたら、受付はその行を予約として処理せず、朝のうちに看護師へ渡して折り返しを頼みます。予約表に入れるのは、看護師が受診の時間を決めた後です。

電話とWeb予約の間で二重予約が生まれる3つの型

二重予約が生まれやすいのは、同じ患者が電話とWeb予約の2つの入口から申し込んだときです。型ごとに、受付が持つべき確認が違います。

1つ目は家族の代理です。母親がWeb予約で、父親が電話で同じ子どもの予約を入れると、電話メモは氏名がカナだけ、Web予約には生年月日と電話番号が付きます。電話番号の一致で重複の候補が付いたら、受付が家に電話してどちらを残すかを聞き、消した申込は変更・キャンセルの記録に残す段取りです。受付の判断で片方を消すと、家族の都合と食い違うおそれがあります。

2つ目は、変更のつもりの申込が新しい予約として入る型です。Web予約で別の日を取り直した患者が、元の予約の取り消しを電話で伝えないままにすると、予約表には同じ人の予約が2つ並びます。

AIには、同じ人らしい行が近い日付に2つあれば「変更か」の印を付けさせ、どちらを残すかは受付が本人に電話で確かめます。

3つ目は、AIが候補を出さない重複です。電話メモの「ワタナへ」とWeb予約の「ワタナベ」は、文字の一致で探すと別人に見えます。重複の候補は、氏名の一致に加えて生年月日か電話番号が同じ行も拾うよう指示に書いておけば、表記の揺れに左右されません。候補が出なかった行を同じ人ではないと決めつけず、同じ日時に同じ生年月日が並んだら受付が目で確かめます。

紙の予約台帳の医院が先にそろえる入口

紙の予約台帳の医院は台帳を1冊にするのが先、予約システムのある医院はAI電話の申込が空き枠を上書きしない連携の確認が先です。

医療施設調査で電子カルテシステムを導入済みとされたのは、令和5年の一般診療所で55.0%、200床未満の一般病院で59.0%でした。入れていない医院では、受診歴はレセコンの患者画面、診療の中身は紙のカルテにあり、初診・再診の候補を付ける材料をAIへ渡す形になっていないことがあります。

こうした医院は、電話メモを6欄の様式にそろえ、Web予約を紙の台帳へ写す時刻を朝と昼の2回に決めます。入口が1冊にまとまれば、重複は受付が台帳の上で見つけられます。予約の入口が電話と窓口だけで、受付1人が台帳を見渡せる件数なら、AIは入れない方がよい条件です。

予約システムのある医院では、AI電話の申込が空き枠をそのまま埋める設定になっていないかを業者に聞きます。仮の予約として入り、受付の確定操作で正式な予約になる設定へ変えられるか、Web予約と電話の予約が同じ予約表を見ているかも、あわせて確かめる点です。

AI電話の録音を外部のサービスに渡す前の確認

AI電話の録音や文字起こしには氏名と症状が入り、症状から分かる病歴は要配慮個人情報です。外部の事業者が録音の中身を取り扱わない旨が契約にあり、事業者側で聞ける人も制限されていれば、提供に当たりません。取り扱うなら、委託(第25条)に当たるかを契約書で見極め、当たらなければ本人同意の要る第三者提供(第27条)として扱います。事業者が国外なら第28条の同意の要否も確かめます。

予約の場面で契約書から確かめるのは、録音の保存期間、AIの学習に使われるか、データを置く国の3点です。条文の読み方は、診察の音声を外部で文字起こしする場合の条文の整理で詳しく扱っています。

前日のリマインドは、文面の下書きをAIに任せられます。送る先の電話番号やSMSの可否は、本人が承知した連絡手段の範囲で受付が選びます。病名や診療内容が分かる文面は避け、書くのは日時と持ち物だけです。

予約の次に来る問診で経過や持参薬をどうまとめるかは、再診の経過とお薬手帳を突き合わせる1枚が続きです。

時間外の変更・キャンセルから試す

試す範囲は、時間外にかかってくる予約の変更とキャンセルの申込から始めます。新規の予約に比べて初診・再診の見分けや枠の配分が要らず、受付が翌朝に確かめる量も読めます。

国立成育医療研究センターは2026年3月16日から、平日8時30分〜17時に、外来予約の変更とキャンセルをAI電話で受け付けています。AI電話だけでは手続きは確定せず、後日(7営業日以内)の担当者からの連絡で確定する仕組みで、次の予約日まで10日以内の患者は予約センターへ電話します。

確定を担当者の連絡に残し、日の近い予約を人の窓口へ回す作りは、受付が予約表を書き換える分担と同じ向きです。

試している間に、症状を含む電話がAIの受付を通った例が1件でも出たら、範囲を広げる前に看護師長が転送の言葉の一覧を見直します。

受付責任者が週ごとに数えるのは、予約表に反映し損ねた変更・キャンセルの件数です。取り消したはずの予約が当日の受付リストに残ると、空くはずの枠に別の患者を入れられず、その朝の再診が詰まります。

反映し損ねが出た週は、AI電話の設定を触る前に、翌朝の折り返しで受付が予約表を書き換える段の手順を見直します。新規の予約へ広げるかは、この件数と「要確認」の欄の減り方を院長・事務長・受付責任者で並べて決め、ほかの業務も医療のAI活用の分担の考え方で見ていけます。

明日から始める3ステップ

  1. 今週届いた電話メモとWeb予約を1枚に並べ、6欄のうち空きの多かった欄を数えて、電話メモの様式に欄を足す

    担当
    受付責任者
    次へ進む目安
    翌週の電話メモが、どれも6欄を埋めるか「要確認」と書いた形で届いている
  2. 直近2週間の電話メモから、症状や「今日」「今から」を含んだ言い回しを拾い出し、転送の言葉の案にまとめる

    担当
    看護師長
    次へ進む目安
    院長が承認した言葉の一覧が、AI電話の転送の設定に入った
  3. 時間外の変更・キャンセルに限ってAI電話で受け、翌朝の折り返しの件数と予約表への反映漏れを週の終わりに書き出す

    担当
    受付責任者
    次へ進む目安
    反映漏れが3週そろって0件になり、新規予約へ広げるかを院長に諮った

この記事の見方を、自社に当てはめる

得られるもの
外来と医事課のいまの段階、試す順番の1番目とその理由、受付や看護師が確かめる所と止める条件、2週間の試し方
所要時間
約1分(6問)
登録
結果を見るまで登録は要りません
押した後
答えるとその場で、最初にAIへ任せる1工程と、人が確かめる所、2週間の試し方が出ます。資料として受け取るときだけ、会社名・お名前・メール・役職を入力します。

外来でAIを試す順番の1番目を、受付の時間帯や問診の取り方から画面で受け取る

関連記事を先に読む具体的な進め方を相談する(オンライン45分)

出典・参考資料5件
  1. 国立成育医療研究センター「予約の変更・キャンセルをAI電話で受け付けます」開始日・確定の方法(後日の連絡・7営業日以内)・次の予約日まで10日以内の扱い・AI電話の受付時間国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 確認日 2026.09.29
  2. 医師法(昭和23年法律第201号)(第19条第1項)e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.29
  3. 厚生労働省「電子カルテシステム等の普及状況の推移」(医療施設調査)厚生労働省 確認日 2026.09.29
  4. 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第2条第3項(要配慮個人情報)・第25条(委託先の監督)・第27条第1項(第三者提供の制限)・第28条第1項(外国にある第三者への提供の制限)e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.29
  5. 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用)個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29
編集・監修体制BoostX編集部

BoostX編集部(株式会社BoostX)が、官公庁・業界団体などの一次情報を原典で確かめて書いています。下書きにはAIを使い、編集担当者が内容と出典を確認してから公開しています。

編集と監修の決まり(運営者情報)

更新履歴

最終更新

二重予約が生まれる場合の2つ目を、変更のつもりの申込が新しい予約として残る場合に差し替えた。最初の章の見出しを申込を夜にそろえて朝に枠へ入れる流れに改め、取り消した予約が受付リストに残ると朝の再診が詰まる理由を締めに足した

すべての更新履歴2件
  1. 二重予約が生まれる場合の2つ目を、変更のつもりの申込が新しい予約として残る場合に差し替えた。最初の章の見出しを申込を夜にそろえて朝に枠へ入れる流れに改め、取り消した予約が受付リストに残ると朝の再診が詰まる理由を締めに足した
  2. 旧タイトル「医療の予約はAIにどこまで任せるか、予約表に載せる前の申込で線を引く」を改め、二重予約の3つの型とAI電話を人へつなぐ条件を書き直した