不動産の物件入力を自動化する3方式の選び方|資料の届き方と確定する欄
物件入力を自動にする道具を探すと、販売図面を読み取るもの、業者間サイトの画面から取り込むもの、物件台帳からポータルへ送るものが、同じ「自動入力」の名前で並びます。仲介店の物件担当と店長が自店に合う方式を見分ける手がかりと、自動で入った値を誰がどの原本と照合するか、同じ部屋が台帳に2行入ったときの扱いを順に取り上げます。

先に結論
最初に入れる方式は、いま手で打っている値の入力元がどこにあるかで決まります。紙やPDFの販売図面を見て打つ件数が多い店は資料の読み取り、業者間サイトの画面を見て打つ件数が多い店は画面からの取り込みです。物件台帳とポータルの入稿画面への二度打ちが悩みの店は、AIを使わないポータル連動から入れます。
どの方式で入った値も、物件担当が原本と照合するまでは下書きです。取引態様・面積・賃料と管理費・所在の4欄は物件担当が確定し、重複の候補が挙がった行は、残す行が決まるまで掲載先へ反映しません。
物件入力の自動化は、入力元の場所で方式が決まる
不動産の物件入力を自動化する道具は、方式ごとに読む対象が違います。読み取りは元付や売主が作った販売図面(マイソク)の画像、取り込みは業者間サイトの物件詳細の画面、連動は自社の物件台帳が対象です。
図の要点:物件担当が登録のときに見ている物で、最初に入れる方式が分かれる判断図。紙・PDF・写真で届く販売図面を見て打っている店は資料の読み取り、業者間サイトやレインズの画面を見て打っている店は画面からの取り込み、物件台帳とポータルの入稿画面に同じ値を2回打っている店はポータル連動を選ぶ。
物件担当が登録のときに見ている物で、方式が分かれる
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紙・PDF・写真で届く販売図面を見て打っている
資料の読み取り
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業者間サイトやレインズの画面を見て打っている
画面からの取り込み
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物件台帳とポータルの入稿画面に同じ値を2回打っている
ポータル連動
物件担当が1件を登録するときに何を見て打っているかを数え、件数がいちばん多い入力元の方式を最初の1つに選びます。3方式を同時に入れると、誤った値がどの経路から入ったのかを追えなくなります。
3方式のうち連動は、生成AIを使わない方式で、外から届いた資料は読みません。物件台帳の値を、決まった項目の対応でポータルの入稿画面へ送る仕組みで、物件管理ソフトの設定や、コンバーターと呼ばれる連動用のソフトが担います。二度打ちだけが悩みの店は、AIの道具を探す前に、使っているソフトに連動の機能があるかを確かめます。
登録から掲載の停止までは物件情報の業務一覧に、ほかの業務は不動産会社のAI活用の記事一覧にあります。
マイソクの読み取りと業者間サイトの取り込みの違い
読み取りでは読めなかった欄が空欄で残り、取り込みでは元付が書いた値がそのまま入ります。取り込みの誤りは空欄として目に見えず、他社の立場で書かれた値として物件台帳に残ります。
| 方式と入力元 | 道具がすること | 物件担当に残る作業 |
|---|---|---|
| 読み取り(販売図面) | 図面の値を台帳の欄へ入れる | 空欄と読み違いを原本で直す |
| 取り込み(業者間サイト) | 画面の値を台帳の行へ移す | 元付の立場の値を自店用に直す |
| 連動(自社の物件台帳) | 台帳の値を掲載先へ送る | 送る前に台帳の値を確定する |
方式を選ぶときは、道具がすることより、物件担当に残る作業が自店で回るかを見ます。打つ作業は減っても、確かめる作業はどの方式にも残るからです。
読み取りの誤りは、空欄か、かすれた数字の読み違いとして出ます。空欄は物件担当が画面を見れば気づけるので、読めない欄を推測で埋めさせない設定が前提です。届き方ごとに人の入力へ戻す欄は、マイソクの届き方別に人が入力する欄と、レインズの登録期限・掲載を止める順番で確かめられます。
【説明用の架空の入力例】
入力
販売図面の画像1枚出力の欄
所在・建物名・部屋番号・価格か賃料・管理費・面積と単位・間取り・図面の表記(取引態様)指示
読めない欄は空欄で返す。面積は図面に書かれた単位のまま返し、換算しない。取引態様は図面の表記の欄にだけ入れ、広告に出す取引態様の欄は空けておく
取り込みの誤りは見た目では分かりません。画面の値は正しく移っていても、取引態様や問い合わせ先は元付の立場で書かれているからです。取り込みの前に、その物件を自店が広告してよいかを元付に確かめます。加入している指定流通機構や業者間サイトの規程が、画面の値の取り込みを認めているかも読み、確かめていない物件は取り込みません。
連動の誤りは、物件台帳の誤りがすべての掲載先に同じ形で出ることです。読み取りや取り込みで入った値を確定しないまま連動に乗せると、1か所の読み違いがポータルと自社サイトの両方に載ります。
自動入力の後に物件担当が原本で確定する欄
自動で入った値のうち、取引態様・面積・賃料と管理費・所在は、物件担当が原本と照合してから物件台帳に確定します。照合に使う原本は、販売図面、登記事項証明書、賃貸条件の書面です。
| 欄 | 表示の決まり | 照合する原本 |
|---|---|---|
| 取引態様 | 売主・貸主・代理・媒介の語で表示 | 自店の媒介契約書の控え |
| 面積 | メートル法で表示 | 販売図面と登記事項証明書 |
| 賃料と管理費 | 1か月当たり・1戸当たりの月額 | 賃貸条件の書面 |
| 所在 | 実際より優良と誤認させない | 登記事項証明書か元付の図面 |
この4欄は、どの方式で入った行でも、物件担当が確定の印を付けるまで下書きとして扱います。確定の印が無い行は、連動の対象から外し、掲載先へ反映しません。
取引態様の欄を分けるのは、宅地建物取引業法第34条が、業者に広告のたびに取引態様の別を明示させているからです。不動産の表示に関する公正競争規約施行規則は、「売主」「貸主」「代理」「媒介」(「仲介」)の語を用いて表示すると定めています。元付の図面にある「専任」や「売主」は元付の立場の表記で、客付として広告する自店の取引態様ではありません。
【説明用の架空の記入例】業者間サイトから取り込んだ行: 図面の表記「専任」/広告に出す取引態様 空欄。「専任」は、元付が売主と結んだ媒介契約の種類です。物件担当は自店の媒介契約書の控えを調べ、この物件の契約が無いことから、自店は買主を探す客付の立場だと確かめました。
自店は売主でも代理でもなく、取引を媒介する立場です。物件担当は、広告に出す取引態様の欄に「媒介」と入れて確定の印を付けました。
面積を原本で確かめる根拠は、法律と規約の両方にあります。宅地建物取引業法第32条は、広告で物件の規模について著しく事実に相違する表示を禁じています。表示規約第23条も、面積が実際より広いと誤認されるおそれのある表示を不当表示に挙げています。そのため面積は読み取った値のまま確定せず、物件担当が原本の数字と1件ずつ照合します。
施行規則は、面積をメートル法で表示し、1平方メートル未満の数値は切り捨てて表示できると定めています。坪で書かれた図面の面積は、物件担当が平方メートルの値を原本で確かめてから入れます。販売図面の面積と登記事項証明書の面積が違うこともあり、どちらの値をどの欄に入れるかは物件担当が決めて備考に残します。
居室の広さが「6畳」のように畳数で読み取られたときは、平方メートルの欄へ換算して入れません。施行規則は、畳数で表示する場合の畳1枚を、1.62平方メートル以上の広さの意味で用いると定めています。「以上」の定めなので、畳数に1.62を掛けても実際の面積にはなりません。
賃貸の住戸は1か月当たりの賃料を表示し、管理費と共益費は1戸当たりの月額を表示します。賃料と管理費を合わせた額で書かれた図面は、物件担当が賃貸条件の書面で内訳を確かめ、賃料の欄と管理費の欄に分けて入れます。
所在の欄では、自動で入った所在・建物名・部屋番号が、登記事項証明書に書かれた物件と同じ物件を指しているかを照合します。表記が一致しないときは、物件担当が自分で読み替えず、元付か売主に確かめます。
他社が元付で登記事項証明書が手元に無い行は、元付の販売図面を原本にします。図面で読めない点や、図面と業者間サイトの画面で食い違う点は元付へ確かめ、答えが来るまで確定の印を付けません。
入力経路が増えると物件台帳の重複登録が増える
物件台帳の重複登録は、同じ部屋が別々の入力経路から入って2行になることです。読み取りと取り込みの両方を入れた店では、入力経路が増えたぶん起きやすくなります。
【説明用の仮の場面】夕方、元付からFAXで販売図面が3枚届き、物件担当が読み取りで台帳に入れました。そのうち1部屋は、昼に業者間サイトから取り込んだ部屋と同じです。翌朝、台帳を開いた店長が、同じ部屋番号の行が2つあるのに気づきます。
2行のまま掲載に進むと、賃料の変更が片方の行にだけ入り、もう片方は古い賃料のまま載り続けます。表示規約第24条は、継続して広告する物件の内容が変わったときに、速やかに修正するか表示を取りやめるよう求めています。行が2つあると、この修正が片方で止まります。
重複の候補を挙げる作業はAIに任せられます。新しい行が入るたびに、所在・建物名・部屋番号・面積が一致する既存の行を並べさせます。AIに任せるのは候補を挙げるまでで、行を消す操作や2行をまとめる操作はさせません。
どちらの行を残すかは、物件担当が媒介の種類と資料の日付で決めます。自店が媒介契約を結んでいる物件なら、その契約に基づく行を残します。2行とも他社が元付なら、日付の新しい資料の行を残し、現在の条件を元付に電話で確かめます。残さない行にしか無い備考は、消す前に残す行へ移します。
候補が挙がった行は、残す行が決まるまで掲載先へ反映しません。確かめた結果が別の部屋だったときは、物件担当が「別物件」と記録して両方を確定します。
物件入力の自動化を店で組むか、外に頼むか
入力元が1種類の店は、物件管理ソフトの取込機能や連動の設定で足ります。入力元が複数あり、経路をまたぐ重複の照合と、確定前の行を掲載先へ反映させない仕組みを組む店は、外部の手が要ります。
ソフトの機能で足りるかどうかは、提供元に次の2点を聞いて確かめます。
- 別の入力経路から入った行どうしを、重複の候補として挙げられるか
- 確定の印が無い行を、連動の対象から外せるか
両方できるなら、設定は店の中でできます。片方でもできないときは、できない部分を物件担当の目視で補うか、外部に組んでもらうかを店長が決めます。
外部に頼むときに店から渡すのは、物件台帳の欄の一覧、入力元ごとの件数、欄ごとの照合する原本の表です。どの欄を誰が確定するかと、重複で残す行の決め方は、頼んだ後も店が決めます。台帳に確定した値を使う次の工程は、台帳の行から紹介文を下書きさせるときに物件担当が行う照合が参考になります。
入れた方式を続けるかは、物件担当が記録する2つの値で店長が判断します。1件の登録にかかった時間(分)と、確定した後に直した欄の件数です。たとえば導入前と導入後の20件ずつを比べます。時間が短くなっても直した欄が増えていれば、その入力元は手入力に戻します。
明日から始める3ステップ
担当 物件担当
受け取った物件1件ごとに、値の入力元が販売図面か、業者間サイトの画面か、自社の物件台帳からの転記かを表に控える
次へ進む目安1週間分の件数が入力元ごとに1枚の表になり、最初に入れる方式を店長が1つ決めた
担当 店長
物件台帳に「図面の表記」「広告に出す取引態様」「確定の印」の欄を足し、4欄それぞれの照合する原本を1枚に書き出す
次へ進む目安物件担当の全員がその1枚を持ち、確定の印が無い行は掲載先へ反映されない設定になった
担当 物件担当
決めた方式で物件を登録し、1件にかかった分数と、確定した後に直した欄の件数を物件ごとに記録する
次へ進む目安20件分の記録を店長が読み、その方式を続けるか手入力に戻すかを決めた
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01無料相談
反響の返信・物件資料・重説から、最初の1業務を決める
02進め方の提案
規模に合う進め方を提案する
03作って試す
一緒に作り、現場で試して直す
04定着まで伴走
毎月1テーマずつ積み上げる
作って試す・定着までAIエージェント開発AI顧問生成AI研修
出典
- 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第32条(誇大広告等の禁止)・第34条第1項(取引態様の明示) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.10.12
- 不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則(規約集)(施行規則 第9条第1号・施行規則 第9条第13号・第16号・施行規則 第9条第40号・第41号・第42号・表示規約 第23条第1号・第2号・第8号、第24条第1項) 不動産公正取引協議会連合会 確認日 2026.10.12
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