マイソク作成をAIに任せる順番、読み取りを先に図面は台帳の確定後
元付から届くマイソクを物件台帳・レインズ・ポータルへ打ち込んでいて、AIをどこから入れるか決めたい売買仲介店の物件担当と店長の方へ。
元付からFAXやPDFで届くマイソクを、台帳・レインズ・ポータルへ何度も打ち込んでいる店では、「マイソク作成AI」と調べても、読み取りの製品と図面を作る製品が混ざって出てきます。どちらから任せるか、手書きで足された値下げや申込ありをどう扱うか、成約後にどの順で掲載を止めるかを、レインズの登録期限と合わせて説明します。

先に結論
マイソクは読み取りを先にAIへ回し、読めない欄は空欄で返させて、物件担当が全欄を原本と照合してから物件台帳に確定します。販売図面の作成と帯替えは、台帳の値をそのまま使えるようになった後の作業です。
FAXでかすれた数字と手書きの追記がある欄は、読み取った値を使わず物件担当が手で入れます。重複の候補と止め忘れの一覧はAIに出させ、店長が締めの時刻を決めてその一覧を毎日読みます。
成約は台帳を先に「成約」へ直し、掲載先をその後に止めます。物件担当が確定を急ぐ週には図面の作成を回さず、他社が元付の物件の帯替えは、広告してよいかを元付に確かめてからにします。
図面作成の材料は、読み取りと照合を経た台帳の値
販売図面の材料になる物件台帳の値は、読み取りと原本との照合を経て初めて確定した値になります。照合を通らない値を台帳に入れると、税込と税抜、坪と平方メートルの取り違えが、レインズ・ポータル・自社サイトへ一度に広がります。
図の要点:マイソクの受け取りから掲載を止めるまでの8工程。人が受け取って届き方を控え、AIが所在・価格・面積・間取り・築年・交通を読み取り、読めない欄は空欄で返す。AIが所在と部屋番号から重複の候補を出し、人が空欄と追記のある欄を手で入れる。人が全欄を原本と照合して台帳に確定し、レインズへの登録とポータル・自社サイトへの掲載をする。AIが台帳の成約と掲載先一覧の食い違いを挙げ、店長が締めの時刻を決めて一覧を読み、残った掲載を止める。
読めなかった欄と手書きの追記は、原本を見て物件担当が入れる
-
マイソクを受け取り、届き方を控える
PDF・FAX・紙・写真の別
人
-
所在・価格・面積・間取り・築年・交通を読み取る
読めない欄は空欄で返させる
AI
-
所在と部屋番号から重複の候補を出す
同じ物件の2行を防ぐ
AI
-
空欄と追記のある欄を手で入れる
追記は元付に電話で確かめる
人
-
全欄を原本と照合し、台帳に確定する
税込と税抜、坪と平方メートル
人
-
レインズへ登録し、ポータルと自社サイトに載せる
専任は締結日から期限を数える
人
-
台帳の成約と掲載先一覧の食い違いを挙げる
止め忘れの候補の一覧
AI
-
一覧を読み、残った掲載を止める
店長が締めの時刻を決めて毎日読む
人
読み取りから掲載を止めるまでの8工程のうち、物件台帳への確定の前に原本との照合を1回置き、そこを通らない値は掲載先へ流しません。読めなかった欄を空欄のまま返させるのが、この順番の前提です。
【説明用の架空の記入例】AIが返した読み取り結果: 所在 〇〇市〇〇町1丁目/価格 空欄(原本に手書きで「価格変更」の追記あり)/専有面積 空欄(FAXでかすれて読めない)/間取り 3LDK。重複の候補として、台帳の行 0231「〇〇ハイツ」が挙がりました。価格と面積は物件担当が元付に電話で確かめて入れ、行 0231 と同じ物件かを原本の部屋番号で確かめてから台帳に確定します。
「〇〇ハイツ」と「〇〇ハイツ101」のような表記の違いで同じ物件が別の行に入るため、3つ目の工程で重複の候補を出させます。2行のまま掲載に進むと、成約の日に片方だけが止まり、もう片方が残ります。
作業の量は、新規の登録と、条件の変更・成約の2つに分けて数えます。登録は届き方で1件の入力時間が大きく変わり、変更と成約は掲載先の数だけ手数が増えるので、生成AIが役立つ場所も別々に見えてきます。
「マイソク作成AI」が指すのは、読み取りと図面作成の2つ
「マイソク作成AI」で探される作業は、他社から届いたマイソクを読んで台帳に入れる読み取りと、台帳の値から自社の販売図面を組む作成の2つです。読み取りは、所在、価格、面積、間取り、築年、用途地域、設備、交通を読み取り、物件台帳の入力欄へ流し込みます。作成には、元付の図面の下にある会社の帯を自社のものに差し替える帯替えも含みます。
国土交通省が整理した不動産媒介のデジタルサービスの一覧でも、「広告の作成・出稿」の項目に「販売用図面・チラシ作成」と「販売用チラシの帯替え」が並びます。物件情報の取得とデータベースへの入力も挙がっており、どちらの作業も既にサービスとして提供されている種類です。
読み取りを売る製品には、対応を売買物件に限るものがあります。賃貸の店は、使っている物件管理ソフトの取込機能か、汎用の生成AIに画像を読ませる形から試します。
FAXと手書きの追記は、読み取りから人の入力へ戻す
FAXでかすれた数字と手書きの追記のある欄は、読み取った値を使わず、物件担当が原本を見て手で入れます。PDFで届いたものと、FAXで何度も送り直されたものとでは、読み取った後に手で入れる欄の数がまるで違います。届き方ごとに戻す欄を先に決めておくと、原本との照合が担当ごとにぶれません。
| 届き方 | 人の入力へ戻す欄 | 掲載用の欄へ流さない情報 |
|---|---|---|
| 元付が作ったPDF | 税込と税抜、坪と平方メートルが混じる欄 | 元付の担当者の携帯番号 |
| FAX | 数字がかすれた欄。価格と面積は全部 | 元付の担当者の携帯番号 |
| 手書きの追記がある紙 | 追記のある欄は全部(値下げ・申込ありの書き込み) | 追記に書かれた売主の事情 |
| スマホで撮った紙 | 傾きや影で欠けた欄と、図面の寸法 | 写り込んだ別の書類 |
| 売主から届いた資料 | 登記と現況が違う欄 | 売主の氏名・住所・連絡先 |
手書きの追記を別の行にしたのは、追記こそが最新の情報だからです。「価格変更」「申込あり」と手で書き足されたマイソクを印字どおりに読めば、古い価格や募集中の状態で台帳に入ります。
売主から預かる登記の資料や固定資産税の通知には、氏名や住所が載ります。サービスの提供元が入力の中身を取り扱わない定めを契約に置き、アクセスの制限も適切であれば、提供とはみなされません。提供元が取り扱うなら、売主の資料の読み取りに限って任せる委託と読める契約かを確かめます。読めない契約なら第三者提供に当たるので、売主本人から同意を取ってから入れます。
契約書と管理画面のどこを読むかは、録音を文字起こしのサービスへ送る前に読む規約の項目と同じです。台帳では公開用の欄と社内用の欄を分け、社内用は掲載先へ流さない設定にします。
レインズの登録期限は専任7日・専属専任5日
売買の専任媒介契約を結んだ宅建業者は、物件の所在、規模、形質、売買すべき価額などを、省令の期間内にレインズへ登録しなければなりません。宅地建物取引業法第34条の2第5項の定めです。この条が読み取りの段取りに関係するのは専任と専属専任の売買物件だけで、一般媒介と賃貸の媒介は登録の義務の対象外です。
期間は施行規則第15条の10にあり、専任媒介は締結の日から7日、専属専任媒介は5日です。この日数に休業日は数えません。登録した物件の売買や交換の契約が成立したら、遅滞なくレインズへ通知します。
読み取りをどこに組み込むかは、この期限から逆に数えて決めます。専任の物件が多い売買の店では、読み取りから登録までを期限の内側に収めるため、原本との照合を物件担当の誰が何日目に済ませるかを、着手の前に決めておきます。賃貸が中心の店では、レインズの期限よりポータルへの入稿の締めが作業の並びを左右します。
広げるかどうかの判断は、件数と余裕の日数を店で決めて行います。たとえば、PDFで届く物件から30件を登録し終えたとします。その時点で、登録期限の2日前までに台帳へ確定できなかった専任の物件が無ければ、FAXや紙で届く物件にも読み取りを広げます。1件でもあれば、その届き方は読み取りに回さず、物件担当の手入力へ戻します。
成約した物件の掲載はどの順で止めるか?
止める順番は台帳が先で、掲載先が後です。台帳の成約から止め忘れを挙げる仕組みは、台帳が「成約」になっていなければ何も挙げないからです。
不動産の表示に関する公正競争規約は、取引の対象になり得ない物件の広告をおとり広告に含めています(第21条)。広告を続けている物件の内容が変わったら、速やかに直すか広告をやめることも求めています(第24条)。レインズへの通知は「遅滞なく」、規約は「速やかに」で、どちらも時間の定めが無いため、締めの時刻は店で決めます。
たとえば物件担当が金曜の夜にポータルだけ止め、台帳の「成約」を月曜に入れたとします。台帳の変更から一覧を作る仕組みでは、自社サイトの物件ページが週末のあいだ一覧に出てきません。成約を反映する締めの時刻を決め、その時刻に一覧を読む人を店長に置きます。
掲載先を先に止めて台帳を後回しにする逆の順番は、忙しい日ほど起きます。朝の打合せで読む項目の1行目にこの順番を書いておくと、物件担当が急いだ日にも崩れにくくなります。
自社の販売図面と帯替えをAIで作るには?
台帳の値が確定していれば、販売図面の作成は生成AIに回しやすい作業です。回す時期は、どの届き方でも登録期限の前に余裕を持って台帳を確定できるようになった後で、物件担当が確定を急ぐ週には回しません。
台帳の値を図面の枠へ流し込み、間取り図と写真を並べ、紹介の数行を下書きさせます。紹介文の型と売主に確認してもらう手順は、紹介文を台帳の行から下書きさせたときに物件担当に残る照合と同じ組み方が使えます。
帯替えは、元付のマイソクの下部を、自社の会社名と連絡先、取引態様に差し替える作業です。差し替えそのものは機械的でも、他社が元付の物件を自社の図面として出す場合は、広告してよいかを先に元付へ確かめます。自社が客付として入る図面の取引態様は「媒介」で、元付が「売主」と書いた欄を残すと、自社が売主のように見える図面になります。
図面の紹介文に生成AIが書き足した「駅近」「好立地」の類は、元付の図面には無かった語です。刷る前に、公正競争規約で止める語と、印を確定する担当と比べておきます。
帯を替えた図面は、台帳の物件IDと版の日付を付けて保存します。成約で掲載を止める日に、店頭や内見で配った図面の版も同じIDから引け、古い価格の図面を回収する先が決まります。
止め忘れの一覧づくりは、掲載先が増えるほど外で組む
読み取りの入口には、読み取りの製品や物件管理ソフトの取込機能がすでにあります。掲載先の組み合わせが店ごとに違うぶん、自店に合わせて組むことになるのは、台帳の成約と掲載先一覧の食い違いを挙げる一覧のほうです。
掲載先がレインズ・複数のポータル・自社サイトと増えるほど、成約のたびに止める先が増え、一覧を手で作る手間も掲載先の数だけ増えます。台帳の状態の変更を起点に、掲載先ごとの残りを毎日の締めの時刻に並べる流れなら、AIエージェント開発に頼める工程です。
FAXと手書きの追記が届き方の大半を占める店では、読み取りを外で組んでも、価格と面積を物件担当が手で入れる欄の数は変わりません。その店で先に効果が出るのは、所在と部屋番号から出す重複の候補と、止め忘れの一覧です。
明日から始める3ステップ
担当 物件担当
読み取りを試す前に、マイソクの受付の控えに届き方の列と専任媒介の締結日の列を足し、受け取った日に両方を書く
次へ進む目安その週に届いたマイソクのどの行にも、2つの列が埋まっていた
担当 物件担当
PDFで届く元付の物件から読み取りをAIに回し、読めない欄は空欄で返させて、全欄を原本と照合してから台帳に確定する
次へ進む目安店で決めた件数(たとえば30件)を登録し終えた時点で、決めた余裕(たとえば登録期限の2日前)までに確定できなかった専任の物件が無かった
担当 店長
成約を反映する締めの時刻を決め、その時刻に台帳の成約と掲載先一覧の食い違いの一覧を読んで、残った掲載を止める
次へ進む目安2週間続けて、止め忘れの一覧が毎日空のまま閉じられた
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出典
- 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)(第34条の2第5項・第7項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 宅地建物取引業法施行規則(昭和32年建設省令第12号)(第15条の10) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則(規約集)表示規約 第21条(おとり広告)・第24条(表示の修正・取りやめ) 不動産公正取引協議会連合会 確認日 2026.09.29
- 国土交通省「不動産媒介(売買・賃貸借)業務において活用されるデジタルサービス一覧」(資料[1] 広告の作成・出稿) 国土交通省 確認日 2026.09.28
- 不動産クラウドオフィス「AI物件登録」よくある質問(対応物件) 不動産クラウドオフィス 確認日 2026.09.29
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