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不動産AIジャーナル

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不動産の商談音声をAIで文字起こしする前に、規約で読む8項目と消す期限

AIは欄を決めた要約を返し、送れるかの判断は店長、聞き直しと照合は営業担当が受け持つ

録音は送った先の履歴にも残る。要約をAIに頼む前に、規約で読む8項目と、年収や番号の聞き直し・音声を消す人と期限を決めておける。

更新  約6分で読めます 編集 BoostX編集部 運営 株式会社BoostX(AI導入支援)

30秒で要点を見る 目次を見る

不動産の商談音声をAIに送る前に、店で決める範囲と落とす情報

30秒でわかること

  1. 何が問題か

    録音の文字起こしを頼むたびに、年収や勤務先の入った音声が店の外の履歴にもたまっていく。

  2. 何を見れば判断できるか

    判断の材料は、事業者が音声を取り扱わない定めか委託かと、規約・管理画面の8項目。

  3. 誰が何をすれば解決するか

    サービスと設定は店長が決め、営業担当が額や番号を外して送り、確かめた日に2か所とも消す。

商談音声を外部のAIに送ってよいのはどんな時か?

送ってよいかは、音声を入れた後にサービスの向こう側で何に使われる定めかで分かれます。規約と契約を読み、次の4つのどれに当たるかを店長が決めます。

図の要点:規約と契約の定めで扱いが4つに分かれる判断図。中身を取り扱わない定めとアクセス制限があれば提供に当たらず、店長は安全管理を規程にする。文字起こしを返す目的だけで扱う契約は、委託と言えるかを確かめて監督する。学習に回すか扱いが読み取れなければ第三者提供に寄るため送らない。国外の事業者が扱うなら、委託でも第28条で送る前に本人の同意が要るかを確かめる。

学習の有無より先に、事業者が音声を取り扱う定めかどうかを読む

  • 中身を取り扱わない旨の契約とアクセス制限がある

    提供に当たらない。店長は安全管理を規程に(第23条)

  • 文字起こしを返す目的だけで扱う契約

    委託と言えるかを確かめ、言えれば監督(第25条)

  • 学習に回す、または扱いが規約から読み取れない

    第三者提供(第27条)に寄るため送らない

  • 国外の事業者が音声を扱う(委託でも同じ)

    第28条。所定の国・体制でなければ送る前に本人の同意

迷ったら3行目です。1行目と2行目のどちらに当たるかで、店長が持ち続ける仕事が変わります。取り扱わない定めなら安全管理の規程まで、委託なら規約の写しを持って預け先を監督する仕事までが店の側に残ります。

1行目は、音声がサーバに保存されていても変わりません。文字起こしは、サービス側が音声を処理して文字を返す仕組みです。規約に「取り扱わない」旨が無いなら、扱う前提で読み、目的の範囲に限る委託と言えるかを契約で確かめます。言えなければ図の3行目に当たり、送りません。

国外のサーバに置く場合は、取り扱わない定めであっても、その国の制度を把握したうえでの安全管理が要ります。

個人情報保護委員会は生成AIについての注意喚起で、個人データを含む入力が応答を返す以外の目的で扱われれば、法に反するおそれがあるとしました。そのうえで、学習に使わないことなどを事業者の側で確かめるよう求めています。図の3行目で学習に回す定めのサービスを外すのは、この注意喚起に沿うためです。

顧客管理とつながる音声と文字起こしは、個人データとして扱います。委員会のQ&Aは、クラウドの利用が提供や委託に当たるかを、事業者の側で個人データを扱う定めかで判断するとしています。サーバに保存されるかどうかや、年収や家族の話が音声に入っているかどうかでは決まりません。

営業担当が自分のスマホに入れた個人向けの無料サービスは、規約も設定も店が管理できません。そうした形でしか使えない店は、録音を送る運用に向きません。記録はヒアリングシートと手書きのメモで残します。法人で契約し、管理者が設定を固定できるサービス1つを手始めに使うと、確かめる相手が1社にまとまります。

年収や勤務先は録音に入れずシートで受け取る

年収の額、勤務先名、本人確認書類の番号は、音声に入る前に止めます。ヒアリングシートに「年収(税込)」「勤務先」「勤続年数」の欄を置いて顧客に書いてもらい、営業担当は読み上げずに受け取ります。音声に残るのは、書いてもらったという事実までです。

録音を止める場面は、賃貸と売買で違います。賃貸なら、入居審査や保証会社の申込の話に移る前です。源泉徴収票や在籍確認の段取り、書類の番号はこの話の中で出てきます。売買なら、住宅ローンの借入額や自己資金の内訳に入る前で止めます。

それでも顧客が自分から額を口にすることはあります。送る前に営業担当が音声を聞き直し、額や番号が出た箇所を切り取ってから送ります。

家族の病気や通院の話にも注意が要ります。病歴に当たる話は要配慮個人情報で、取得の前に原則としてその家族本人の同意が要ります。要約には病名を書かず、「エレベーター付きがよい」「浴室に手すりが要る」のように、物件の条件の形で残します。

面談で聞いた転居の理由や家族の事情は、宅建業法第45条が定める秘密を守る義務の対象にもなります。宅建業者は、正当な理由が無いのに業務上知った秘密を漏らしてはならず、業をやめた後も同じです。送る範囲を条件の話に絞るのは、この義務を店の外で破らないためでもあります。

利用目的を公表していない店なら、録音で聞き取った条件も、取得したら速やかに本人へ知らせるか公表する決まりです。そのため録音を始めるときは、冒頭で使い道と消す時期まで伝えます。「条件の話だけを録り、記録を書いたら消します」と言えば、何が残るのかを顧客が自分で判断できます。

録音を断られた面談は、録音せずにヒアリングシートと手書きのメモで記録し、顧客管理に「録音なし」と残します。断られた後で、会話を別の形で録り続けることはしません。シートで受け取るときの利用目的の示し方も、同じ機会に決めておきます。

文字起こしと要約で営業担当が確かめるのはシートとの食い違い

営業担当は、送る前に音声を聞き直し、欄ごとの要約とヒアリングシートの控えの食い違いをその日のうちに確かめます。要約を頼むときは欄を指定し、書かせない語を先に並べます。

欄は、入居希望時期・予算の上限・通勤先の駅・間取り・駐車場・ペットのように、シートの並びどおりに示します。書かせない語には、年収の額、勤務先の名前、家族の病気や離職の事情、書類の番号を挙げ、該当する話には「本人に確認済み」とだけ書かせます。欄が決まっていれば、要約が余計な話を拾う量も減るでしょう。

出てきた要約は、営業担当がその日のうちにヒアリングシートの控えと並べ、全部の欄を照合します。読み始めるのは、数字と固有名詞の入った欄からです。年収の額や社名が残っていたら、顧客管理へ入れる前に消し、書かせない語に足します。

要約に年収の額が残ったまま顧客管理へ入れてしまったら、欄を直すだけで済ませません。サービスの履歴から該当の文字起こしを消し、店長に上げます。店長は規約で入力の扱いと事故時の連絡先を確かめ直し、個人情報の責任者と報告の要否を詰めます。

文字起こしサービスの規約と管理画面で8項目を確かめる

学習への利用のほかに、保存や削除、再委託、事故時の連絡まで確かめます。利用規約、プライバシーポリシー、法人向けのデータ取扱いの定めと、管理画面の設定を並べて読むのは、書面と画面の既定が食い違うことがあるからです。

確かめる項目 規約・画面で探す所 読み取れないときの扱い
学習への利用 学習・改善・モデルの訓練の条項、画面の既定 送らない
保存場所と保存期間 データの保存先の国、保持期間 国外として同意の要否を確かめる
契約終了時の削除 解約後の削除、バックアップの残り方 消した後も残る前提で範囲を絞る
再委託 処理を任せる下請け事業者の一覧 問い合わせ、答えが出るまで送らない
海外への移転 処理する国・地域 同意の要否を確かめるまで送らない
アクセス権限 事業者の社員が中身を見る条件、店側の閲覧者 取り扱う前提で、委託と言えるかを確かめる
操作ログ 誰がいつ送り、消したかの記録 店の送信記録を手で残す
漏えい時の連絡 事故のとき誰へいつ知らせるか 送らない

「送らない」で終わる行が1つでもあれば、そのサービスは候補から外します。残りの行は、読み取れないままでも店の側の手当てで補えるかを店長が決めます。

学習への利用は、同じサービスでも契約の種類や設定で変わり得る項目です。店長が管理画面で設定を固定し、営業担当の画面から変えられないかも確かめておきます。規約が改定されたときも店長がこの表の行を読み直し、変わった所だけを営業担当に伝えます。

店舗が複数ある会社なら、この表と使うサービスは本部が決めます。店ごとに決まりが違うと、異動した営業担当がどちらで動くかで迷うからです。反響メールの氏名や連絡先をAIに渡す範囲も同じ考え方で決まるので、ポータル反響の一次返信の決まりと1枚にそろえられます。

録音した音声は、要約を確かめた日に2か所とも消す

録音した音声は、要約を顧客管理へ入れて営業担当が確かめた日に消します。残るものごとに、消す人と時期を分けておきます。

残るもの 消す時期 消す人
店の端末の録音 顧客管理への転記を確かめた日 営業担当
サービスの履歴の文字起こし 同じ日 営業担当
顧客管理の要約 店の保存規程どおり 店長

片方だけ残すと、消したつもりの音声が履歴から読めてしまうので、端末とサービスの履歴は同じ日に2か所とも消します。

要約から消した額や社名の数には、書かせない語の一覧の足りなさが出ます。数が0にならない週は、店長が送る面談を土日の初回面談に戻し、消した語を書かせない語に足してから広げ直します。

額や番号を音声に入れずに受け取れる場所は、面談の席ではシートのほかに無いため、シートに欄を足しておくことが、録音を回す前の準備になります。

明日から始める3ステップ

  1. 録音を試す前に、ヒアリングシートに年収(税込)・勤務先・勤続年数の欄を足し、賃貸は入居審査、売買は借入額の話の手前で録音を止めると書き込む

    担当
    店長
    次へ進む目安
    次の土日に使うシートが、面談に出る全員の手元にある
  2. 候補のサービスの規約・プライバシーポリシー・管理画面を並べて8項目の表を埋め、学習の設定を管理画面で固定する

    担当
    店長
    次へ進む目安
    「送らない」で終わる行の無いサービスが1つに決まった
  3. 土日の初回面談だけ録音を回し、要約から消した額や社名の数を面談ごとに対応記録へ書く

    担当
    営業担当
    次へ進む目安
    消した数を並べた週の表を店長が読み、書かせない語を足さずに済んだ時点で平日の面談へ広げる

この記事の見方を、自社に当てはめる

得られるもの
店のいまの段階が5段階のどこかと、最初に試す1工程、担当が確かめる所が分かる
所要時間
約1分(6問)
登録
結果を見るまで登録は要りません
押した後
答えるとその場で、最初にAIへ任せる1工程と、人が確かめる所、2週間の試し方が出ます。資料として受け取るときだけ、会社名・お名前・メール・役職を入力します。

録音の扱いを決める店長向けに、AIを試しやすい1工程と人が確かめる所を6つの質問で知る

関連記事を先に読む具体的な進め方を相談する(オンライン45分)

出典・参考資料4件
  1. 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(第23条・第25条・第27条第1項・第5項第1号・第28条第1項・第20条第2項・第21条第1項)e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  2. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(令和5年6月2日)(個人情報取扱事業者における注意点)個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29
  3. 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用)・Q12-3(外国にあるサーバへの保存)個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29
  4. 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)(第45条)e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
編集・監修体制BoostX編集部

BoostX編集部(株式会社BoostX)が、官公庁・業界団体などの一次情報を原典で確かめて書いています。下書きにはAIを使い、編集担当者が内容と出典を確認してから公開しています。

編集と監修の決まり(運営者情報)

更新履歴

最終更新

家族の病歴を聞く場面の説明を、取得の前に原則としてその家族本人の同意が要る、という書き方に直した。題の下の一文と重なっていた記事の頭の段落を外した

すべての更新履歴3件
  1. 家族の病歴を聞く場面の説明を、取得の前に原則としてその家族本人の同意が要る、という書き方に直した。題の下の一文と重なっていた記事の頭の段落を外した
  2. 題を「不動産の商談音声をAIに送る前に、店で決める範囲と落とす情報」から、規約で読む8項目と消す期限が分かる題に改めた。最初の段落で、規約のどの定めで扱いが変わるかを先に示し、判断図の前の説明を図の後ろへ回した。個人情報保護委員会の注意喚起とQ&Aに新しい版が出ていないことを委員会のページで確かめ直し、締めを消す人の表の後に営業担当が面談ごとに消した語の数を残す形にした
  3. 構成を5つの節に組み直し、工程の図を規約の定めごとの扱いを示す分岐図に置き換えた。委託・提供に当たらない場合・第三者提供の3つの区別と、国外の事業者には委託でも第28条がかかることを書き直し、規約で確かめる項目を8つに広げた。締めを店長が週1回、要約に残った額と消し忘れを数える形にした