不動産の内見調整にChatGPTを入れる費用|稟議で漏れる初回の準備
元付への内見依頼と鍵の手配に電話が続き、ChatGPTを入れるかの稟議を書こうとしている不動産仲介店の店長が読む記事です。
元付への内見依頼は、メールで送ってもFAXで送っても返事が来るまで待ち、鍵の受け取りでまた電話をかける、という往復になりがちです。ChatGPTで依頼文を下書きさせようと稟議を書き始めても、料金表のシート代のほかに何を載せればよいかは見えません。見積に載せる費目、人数別の年額、下書きさせる範囲、決裁で示す効果の数え方を説明します。

先に結論
内見調整にChatGPTを入れる費用は、Business標準シートなら1人月3,050円(年額課金・料金表に税の表記なし)の人数分です。稟議で差が開くのは、元付の一覧、鍵の置き場所の管理表、受付の形ごとの依頼文の型という初回の準備で、どれも社内の人の時間です。
生成AIの下書きに回すのは、元付ごとの依頼文と再依頼の文、予定表の空き枠から出す日程の候補までです。送る相手と文面、日程の確定、鍵の受け取りと当日の順路は営業担当が決め、依頼文の型は店長が承認します。
内見が月に数件で、担当ひとりの電話で回っている店は、シートより先に元付の一覧を作ります。試すなら、たとえば賃貸の担当2人分のシートと取引の多い元付数社に絞り、1か月で往復が減らなければ、シートを増やす前に依頼文の型を見直します。
稟議の差はシート料金でなく、初回に社内でそろえる準備に出る
シート料金は人数分の掛け算で先に読めますが、初回に社内でそろえる準備は料金表のどこにも載りません。そこで見積は、毎月・初回・別見積の3つの費目に分けて並べます。
図の要点:見積の3つの費目。毎月かかるのはシート料金、返事の来ない依頼を確認する営業担当の時間、返答を鍵の管理表と照合する営業担当の時間。初回にかかるのは元付の一覧、物件ごとの鍵の置き場所と受け取れる時間、受付の形ごとの依頼文の型(店長が承認)で、どれも社内の人の時間。別に見積もるのは予定表や顧客管理とのつなぎ込みと、内見予約やスマートロックの仕組み。
月々の額が小さくても、元付と物件の数だけ初回の準備が増える
- 毎月かかる費目
- シート料金(依頼文を下書きさせる人数分)
- 返事の来ない依頼を確認する営業担当の時間
- 返答を鍵の管理表と照合する営業担当の時間
- 初回にかかる費目(社内の人の時間)
- 取引の多い元付の一覧(受付の形を書く)
- 物件ごとの鍵の置き場所と受け取れる時間
- 受付の形ごとの依頼文の型(店長が承認)
- 別に見積もる費目
- 予定表や顧客管理とのつなぎ込み
- 内見予約の受付やスマートロックの仕組み
初回の費目を載せずに稟議を通すと、使い始めてから予定外の工数が出てきます。どこまで膨らむかは、取引の多い元付の受付の形が何種類あるかを数えると見当が付きます。元付の受付がメール・FAX・予約画面に分かれるほど依頼文の型が増え、鍵の置き場所が担当の記憶にしか無い物件が多いほど、管理表づくりが長くなります。
初回の費目は、ほぼ社内の人の時間です。外に頼んでも、どの元付とどう取引しているかは店の中にしか無い情報なので、社内の確認は残ります。
毎月の費目にある営業担当の2つの時間は、シートを入れた後にむしろ増える側です。依頼文が速く出るほど、元付の返答は同時に何通も返ってきます。1通ずつ鍵の管理表と突き合わせる確認は、営業担当の手から離れません。
元付が数社に限られ、鍵がキーボックスで台帳に載っている店なら、準備は軽く済み、見積に載る費目はシート料金のほかにわずかです。月額と初回の手間を分けて見積を比べる考え方は、追客AIの月額と初期費用の分け方でも同じように使えます。
ChatGPTの費用はシートの単価と人数で決まる
シート料金は、使う人数×単価の年額で読みます。Business標準シートの料金表は年額課金が1人月3,050円、月額課金が3,850円で、税込・税別の表記はありません。
| 使うシートの数 | 年額課金の年合計 | 月額課金の年合計 |
|---|---|---|
| 3人分 | 109,800円 | 138,600円 |
| 5人分 | 183,000円 | 231,000円 |
| 10人分 | 366,000円 | 462,000円 |
課金の形は、使う人数が年間で動くかどうかで選びます。繁忙期だけ人数を増やしたい店は月額課金、通年で同じ人数が使う店は年額課金が合います。2つの単価から試算すると、差は1人あたり月800円です。消費税が加わるかは、契約前に請求画面で確かめます。
Businessは従業員2〜200名のチーム向けで、料金表には、既定ではビジネスデータを学習に使わないと書かれています。請求と管理も会社で一つにまとまる作りです。担当が個人で契約したアカウントで回すと、学習の設定も退職時の停止も会社の手を離れます。
同じBusinessには、標準シートの5倍の利用枠を持つプレミアムシートもあり、年額課金で月15,250円です。依頼文のような短い文の下書きなら、まず標準シートの人数で見積もります。大企業向けのEnterpriseは営業窓口への問い合わせで決まるカスタム価格で、料金表に金額は出ていません。
シートは全員分を用意しなくて構いません。内見の手配を組むのが賃貸の担当2人だけなら、その2人分から始められます。
日程調整でChatGPTに下書きさせるのは文面と候補日
下書きさせるのは、元付ごとの依頼文と再依頼の文、予定表の空き枠を突き合わせた日程の候補です。受けるかどうか、送る相手と文面、日程の確定、当日に回る順は、どの内見でも営業担当が決めます。
依頼文の型は、渡す欄と書かせない事を先に並べて作ります。渡すのは物件名・部屋番号・候補日時3つ・受付番号で、空室かどうかは書かせません。AIへの指示には、この4つ以外の情報を足さないことと、鍵の受け取り方のように資料に無いことは「未確認」と書くことを入れておきます。顧客の氏名、電話番号、勤務先は依頼文に要りません。元付が来店者の名前を求めるなら、営業担当が送る直前に書き足します。
【説明用の架空の記入例】宛先: 元付の管理会社の内見受付/件名: 内見のご依頼(〇〇ハイツ 203号室)/本文: 受付番号 R-118 のお客様の内見を希望します。候補日時は、①14日 14時、②15日 11時、③16日 17時です。鍵の受け取り方法: 未確認(ご教示ください)。
依頼文だけを渡す場合も、受付番号と候補日時の組は店の予定表と照合すれば誰の内見かに戻せるため、規約の確認から外しません。反響メールや内見中のメモのように、顧客の氏名や連絡先が入る材料まで入れる場合も同じです。送った中身を事業者が取り扱わない約束か、委託か、第三者提供に当たるかは、商談音声の送り先を規約で見分ける手順と同じ順で読みます。
国外の事業者が扱う場合は、委託でも第28条で本人の同意が要るかを確かめます。この確認に店長がかける時間も、初回の費目に入れておきます。
鍵の受け取り方と当日の順路は、最初から営業担当の手に残ります。鍵を受け取れる時間は元付の営業時間と定休日に縛られ、同じ日に回る部屋の順番まで動かすからです。
内見が月に数件で、担当ひとりの電話で回っている店は、シートを入れる時期に向きません。先に元付の一覧を作れば、受付の形が分かるだけで電話をかけ直す回数は減ります。
予約受付やスマートロックと費用はどう違うか?
見積の単位が違います。内見予約の受付やスマートロックの仕組みは、物件や部屋の単位で見積もります。ChatGPTのシートは営業担当の人数で決まり、元付の側に何も求めません。
国土交通省が媒介業務の工程ごとに並べたデジタルサービスでは、内見・現地案内の欄に内見予約管理、入退室管理、遠隔施錠管理、バーチャル内見が並びます。スマートロックを使う仕組みなら、現地に赴くことなく施錠・開錠でき、入退室のたびに記録も自動で残ります。こうした仕組みは、管理会社や元付との合意と機器の設置が前提です。
鍵がキーボックスでそろい、置き場所が台帳に載っている物件が多い店なら、予約受付の仕組みを広げたほうが往復そのものが無くなります。元付の受付がメール・FAX・予約画面に分かれ、取引先ごとに作法が違う店では、依頼文の下書きのほうが先に効果が出ます。
内見の多くを自社の管理物件が占める店は、予約受付から見積もるほうが筋です。元付が他社の物件ばかりなら、相手に機器や画面を求めないシートのほうが始めやすいでしょう。
稟議書には往復の回数と空振りの件数を載せる
効果の行は、担当の申告ではなく、送ったメールと着信の履歴から数える往復の回数で出します。店長も経理も同じ数字を確かめられるからです。式は、月の内見件数 ×(1件あたりの往復の減り × 1往復にかかる分 − 返答を鍵の管理表と照合する分)です。
費用の行には、シート料金を「シートの数×単価×12か月」の年額で、初回の準備を元付の一覧と鍵の管理表にかけた時間で載せます。鍵が無かった、先に申込が入っていた、という理由で回れなかった内見は、空振りとして件数の行を別に立てます。法人の社宅探しのように、1回の空振りで取引先ごと失いかねない案件を持つ店では、この行のほうが重く読まれるでしょう。
取引の多い元付の数社に1か月の試行を絞ると、受付の形ごとの依頼文の型が少なく済み、同じ相手との往復を前の月と比べやすくなります。1か月たって往復が減っていればシートを増やす稟議へ進み、減っていなければ、店長はシートを増やす前に依頼文の型へ戻り、受付の形ごとの書き分けを見直します。
つなぎ込みの見積を稟議に足すのは、型が固まった後
稟議の1枚目に載せるのはシート料金と初回の準備までで、予定表や顧客管理とのつなぎ込みは別の行に分けておきます。依頼文の型と元付の一覧は、店長と賃貸の営業担当が1か月回しながら直している最中で、この間はつなぐ先の形がまだ動くからです。
別の行が要るのは、返答が同時に何通も返り、鍵の管理表と1通ずつ見比べる営業担当の時間が、往復の減りを打ち消し始めた店です。返答を予定表の候補日と照合して並べる所までを仕組みにするなら、AIエージェント開発へ見積を頼む範囲に入ります。仕組みより先に、依頼文の型の書き分けで往復を減らしたい店には、AI顧問のほうが合います。
つなぎ込みの見積が届いたら、効果の式のうち、仕組みが減らすのは返答を鍵の管理表と照合する分の項だけだと置いて比べます。往復の減りの項は依頼文の型で動く数字なので、仕組みの費用の回収にはこの項の効果を数えません。
明日から始める3ステップ
担当 店長
取引の多い元付を数社選び、受付の形(メール・FAX・予約画面)と物件ごとの鍵の置き場所を一覧にする
次へ進む目安選んだ元付ごとの依頼文の型を、店長が承認した
担当 賃貸の営業担当
Business標準シートを2つだけ契約し、内見ごとの往復の回数と空振りの有無を予定表の欄に書く
次へ進む目安予定表の全件で、1か月分の往復と空振りの欄が埋まった
担当 店長
月末に、下書きを使う前の月の送受信の履歴から往復を数えて並べ、稟議書の効果の行に入れる
次へ進む目安往復が減っていればシートを増やす稟議へ進み、減っていなければ依頼文の型の書き分けへ戻る
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出典
- OpenAI「ChatGPT 料金」ビジネス・エンタープライズ向け(Business 標準シート)・Business の対象と学習・管理の扱い・Business プレミアムシートと Enterprise の価格表示 OpenAI 確認日 2026.09.27
- 国土交通省「不動産媒介(売買・賃貸借)業務において活用されるデジタルサービス一覧」国土交通省 確認日 2026.09.28
- 国土交通省「不動産媒介(売買・賃貸借)業務において活用されるデジタルサービス一例」国土交通省 確認日 2026.09.28
- 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q12-1(外国にある第三者への委託) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29
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