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物件情報

物件紹介文をAIで下書きする範囲と、掲載前に人が見る点

紹介文の材料集めと下書き、表現の指摘までをAIに渡せます。

編集 BoostX編集部2026.03.107分で読めます

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この記事の要点

  • 紹介文の材料集めと下書き、表現の指摘までをAIに渡せます。
  • 掲載してよい表現かどうかと、どの売りを前に出すかは掲載担当が決めます。
  • 本メディアでは、禁止表現の一覧を先に作ってから下書きを任せるべきだと判断します。

紹介文を分解する理由は、時間とリスクが同じ担当の手元に寄っているからです。時間は1本あたりの作成時間と登録から掲載までの日数で測り、金は反応が出ないまま残り続けた掲載の本数で見ます(どちらも水準は置かず、自社の直近ひと月で測る前提として置きます)。リスクは表示で、宅地建物取引業法は誇大広告等の禁止をはじめ広告の表示について定めています。総務省「令和8年版 情報通信白書」では、日本の企業で何らかの業務に生成AIを利用している割合は86.4%と示されており、下書きが速いことはもう差になりません。

同じ1LDKでも、担当が変われば紹介文の顔つきが変わります。片方は駅距離から入り、もう片方は設備から入る。どちらを会社の型にするか決まらないまま、掲載だけが増えます。

ここで直すべきは書く速さではなく、表現の揺れと確認の抜けです。掲載前の確認表そのものの作り方は別記事で扱い、この記事は材料集めから書き直しまでの流れを見ます。

物件紹介文とはどこからどこまでで、誰が掲載を押すのか?

範囲を先に決めます。この記事でいう物件紹介文とは、台帳への登録が終わった物件について、ポータルと自社サイトに載せる文章を作り、掲載を押すまでの業務です。台帳への項目登録は前工程、掲載後の反響の集計は後工程として扱いません。

要点は三つです。

  • 紹介文づくりは6工程に割れ、AIが担えるのは拾う・並べる・下書きする・指摘するの4種類です。
  • 掲載してよい表現かどうかと、どの売りを前に出すかは物件担当と法務に残ります。
  • 着手は下書きではなく材料集めからで、2週間で測るのは作成時間・掲載までの日数・表現の差し戻し件数です。

棚卸しで言うと、担当は物件担当、起点は登録後・掲載前です。成果物は紹介文と掲載用の写真、掲載の可否の記録で、使うのは物件台帳、ポータルの入稿画面、写真フォルダ、広告表示の社内基準になります。

1本あたりの作成時間と掲載本数は、物件の種別と担当の人数で変わります。数値は置かず、測る単位だけを表に示します。掲載本数が違えば、着手の順番も変わります。

材料集めから書き直しまでを6工程に割る

紹介文づくりは「文章を書く」の一語に見えますが、実際は6つの工程に分かれます。量と時間の欄は公的統計に無いため、自社で測る単位だけを入れています。

着手から完了までの流れ。色の付いた工程はAIが担える部分があり、「人」はその工程で人が決めることが残る工程です。
  1. 1台帳から材料を集めるAIと人
  2. 2周辺情報と売りを拾うAIと人
  3. 3紹介文を下書きするAIと人
  4. 4表示ルールに照らして直すAIと人
  5. 5文字数と様式に合わせるAIと人
  6. 6掲載し反応を見て書き直すAIと人

AIが担える人が決める

  1. 1

    台帳から材料を集める

    担当: 物件担当 / 使うもの: 物件台帳、物件資料 / 量・時間: 1本あたりの準備時間

    AIが解決すること
    台帳の項目を紹介文の材料の形に並べ替える
    人が決めること
    材料に加える項目
    詰まるところ
    設備の記載が物件ごとに粗い
    失敗したときの損失
    売りが抜けたまま掲載される
  2. 2

    周辺情報と売りを拾う

    担当: 物件担当 / 使うもの: 地図、周辺施設の情報、写真 / 量・時間: 1本あたりの調査時間

    AIが解決すること
    資料と写真から設備・仕様の売りを拾って一覧にする
    人が決めること
    どの売りを前に出すか
    詰まるところ
    担当の土地勘に頼る
    失敗したときの損失
    物件の顔が立たない
  3. 3

    紹介文を下書きする

    担当: 物件担当 / 使うもの: 自社の文例、過去の紹介文 / 量・時間: 1本あたりの作成時間

    AIが解決すること
    会社の文例に沿った紹介文の下書きを出す
    人が決めること
    書き出しと分量の確定
    詰まるところ
    書き出しの型が担当ごとに違う
    失敗したときの損失
    担当ごとに文体が割れる
  4. 4

    表示ルールに照らして直す

    担当: 物件担当・法務 / 使うもの: 広告表示の社内基準、禁止表現の一覧 / 量・時間: 1本あたりの確認時間

    AIが解決すること
    禁止表現と根拠のない断定を箇所ごとに指摘する(削除はしない)
    人が決めること
    掲載してよい表現かの判断
    詰まるところ
    基準が口伝で残る
    失敗したときの損失
    優良誤認の表現が外に出る
  5. 5

    文字数と様式に合わせる

    担当: 物件担当 / 使うもの: ポータルの入稿画面 / 量・時間: 掲載先ごとの調整時間

    AIが解決すること
    掲載先ごとの上限に合わせた短縮案を出す
    人が決めること
    削る内容の確定
    詰まるところ
    掲載先ごとに上限が違う
    失敗したときの損失
    肝心の条件が切り落とされる
  6. 6

    掲載し反応を見て書き直す

    担当: 物件担当・集客担当 / 使うもの: 掲載原稿、反響の記録 / 量・時間: 書き直しまでの日数

    AIが解決すること
    反響の少ない掲載を抽出し、書き直しの候補を示す
    人が決めること
    書き直すかどうか
    詰まるところ
    反応を見ずに放置される
    失敗したときの損失
    反応の無い原稿が残り続ける

AIで消える工程:第5工程の打ち直しです。掲載先ごとに文字数を削って入れ直す手作業が無くなります。

短くなる工程:第1・第2・第3工程です。材料の並べ替え、売りの拾い出し、下書きが先に出そろいます。

新しく増える確認工程:第4工程です。禁止表現と断定の指摘を読む確認が、掲載の前に入ります。本メディアでは、指摘が0件の原稿も一度は人が読むべきだと判断します。

図の見方は、色枠がAIの担う工程、灰色が物件担当や法務が確定する工程、二重枠がその両方です。右上の三角は、事故が起きやすい工程を指します。

業務フロー分解図。台帳の材料集めから掲載後の書き直しまで6工程。色枠がAI、灰色が人、三角が事故の出やすい工程。台帳から材料を集める周辺と売りを拾う紹介文を下書きす表示を照らして直文字数と様式に合わす掲載し書き直すAIが担う人が確定する両方失敗が起きやすい工程
材料集めから掲載後の書き直しまでの6工程

下書きは渡せても、表現の可否をなぜ掲載担当が持つのか?

工程を割ると、線の引き方が決まります。拾う・並べる・下書きする・指摘するは作業なのでAIへ、掲載してよいかを決めるのは判断なので人に残ります。

AIと人の境界図。左がAIの担う仕事、右が物件担当と法務が確定する仕事。止めどころは掲載の可否。AIが担う(写す・比べる・下書き)人が確定する台帳の項目を材料に並べる資料と写真から売りを拾う文例に沿った下書きを出す禁止表現と断定を指摘する掲載先ごとの短縮案を出す材料に加える項目の確定どの売りを前に出すか掲載してよい表現かの判断削る内容の確定書き直すかどうか確定止めどころ掲載は物件担当が押す
紹介文でAIが下書きする範囲と物件担当が確定する範囲

境目で効くのは第4工程です。宅地建物取引業法は誇大広告等の禁止をはじめ広告の表示について定めています。AIにできるのは禁止表現の一覧に当てて「ここが引っかかる」と示すところまでで、削るか言い換えるかを決め、掲載を押すのは人です。

第2工程も渡しきれません。周辺情報は年月で変わり、実際に歩かないと分からない差があります。AIが拾うのは資料に書かれている範囲までで、現地で見た印象を足すのは担当の仕事です。

総務省「令和8年版 情報通信白書」は、業務類型ごとの活用割合として「議事録・メール作成補助」約7割、「営業・販売」約6割を示しています。文章の下書きは活用が進んでいる領域ですが、物件紹介文はこの類型そのものではありません。数字は参考に留め、自社の掲載で確かめます。

最初の1工程は下書きではなく材料集めです

着手する工程は、判断か作業か、データが揃っているか、失敗の損失がどれくらいかで選びます。この3点を当てると第1工程が残ります。

第1工程は作業で、入力は台帳にあり、誤っても掲載前に直せます。第3工程の下書きから入りたくなりますが、材料が粗いまま下書きを任せると、出てくる文章も粗くなります。材料の並べ替えを先に固めると、下書きの質が自然に上がります。

禁止表現の一覧がすでに文字になっているなら、第4工程の指摘から入るほうが効果は早く見えます。一覧が口伝で残っているなら、一覧を作る作業が先です。

2週間で追うのは差し戻しと掲載までの日数

試行は5つの段で足ります。

  1. 直近ひと月の掲載を数え、1本あたりの作成時間、掲載までの日数、表現の差し戻し件数を記録します。
  2. 禁止表現と使ってよい表現の一覧を作ります。過去の差し戻しを10本読み返せば型が見えます。
  3. 物件の種別を1つに絞ります。賃貸の居住用と売買の戸建てでは、売りの拾い方が違うためです。
  4. 第1・第2・第3工程をAIに任せ、物件担当が第4工程の指摘を読んだうえで掲載を押します。
  5. 2週間後に同じ3つの数字を並べ、続けるか対象を広げるかを決めます。

測る3指標は、時間・誤り・発見時期に対応します。作成時間が時間、差し戻し件数が誤り、掲載までの日数が滞りの出方です。AIを使った原稿と使わない原稿を同じ週に並べると、差が読めます。

本番で決める掲載の承認と記録

承認は第4工程の後です。掲載を押す人を物件担当か掲載責任者に固定し、指摘に対応した記録を残します。指摘を読まずに掲載できる経路を残すと、確認の工程が形だけになります。

記録は、台帳の値、下書き、指摘の内容、確定稿、掲載先、掲載日、確認者を残します。あとから表現の問題が出たとき、どの段で見落としたかを追えます。

例外は先に決めます。事故物件や告知事項のある物件、権利関係に特記のある物件、再建築不可の物件は下書きを止め、担当が手で書きます。これらは表現の一語で意味が変わるためです。

優良誤認の表現はどの工程で残るのか?

起きやすい事故は、根拠のない最上級の言い回しや、確定していない条件が紹介文に残ることです。原因は、文章生成に表示のルールを条件として渡さず、掲載前の確認も担当任せにしていることにあります。

防ぎ方は二段です。まず禁止表現と使ってよい表現の一覧を生成の条件に組み込みます。次に、掲載を押す前に指摘を読む工程を必ず通します。

本メディアでは、禁止表現の一覧が文字になっていない会社は、下書きより先に一覧づくりから始めるべきだと判断します。理由は、一覧が無いとAIの出した文章の良し悪しを判断する基準が担当ごとに変わり、確認の工程が機能しないからです。前提は、過去の差し戻しの記録が残っていることです。記録が無いなら、現在の掲載を10本読んで基準を抜き出すところから始めます。

本メディアでは、紹介文をAIが書いてそのまま掲載する運用は勧めません。理由は、表示のルールに触れた場合の損失が、1本あたりの時間短縮を上回るからです。前提は、掲載の本数が人の確認で回る範囲にあることです。確認が追いつかない本数なら、対象を物件種別で絞り、絞った範囲だけ確認を通す形にします。

表現の基準が無い会社は見送る

紹介文にAIを入れない方がよい条件は三つです。禁止表現の一覧が口伝で残っている会社、台帳の設備の記載が物件ごとに粗い会社、掲載を押す人が決まっていない会社です。

この状態でAIを足すと、出てくる文章の判断ができず、確認だけが増えます。逆に言えば、この3つが揃っていれば、下書きは最初の1業務として回しやすい工程になります。

出典

  1. 総務省「令和8年版 情報通信白書」生成AIの業務利用状況 総務省 確認日 2026.09.22
  2. 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)e-Gov法令検索 e-Gov法令検索 確認日 2026.09.22

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