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施工計画

週間工程表の組み直しでAIに渡せる工程と休日を削らせない歯止め

週間工程表は、前週の残作業の洗い出しから表への転記までをAIに渡せます。

編集 BoostX編集部2026.03.116分で読めます

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この記事の要点

  • 週間工程表は、前週の残作業の洗い出しから表への転記までをAIに渡せます。
  • 作業の順序の確定、休日に作業を置く可否、工期延長の申し出は現場代理人と工事部長が持ちます。
  • 本メディアでは、依存関係が文字になっていない現場へ工程案の自動生成を入れることは勧めません。

週間工程表は、段取り表とも作業予定表とも呼ばれます。来週の作業を日ごとに並べ、職種と人数、搬入と揚重を書いた1枚です。国土交通省の参考資料集では、工期が足りないときの対応は休日出勤が59%、作業員の増員が58%、早出や残業が40%と示されています。工期の不足は全体工程の話ですが、帳尻を合わせる場所は週間工程表です。

週間工程表は誰が作り、どこへ配られるか

着工前の全体工程表の作成は別業務です。ここで扱うのは、着工後に毎週回る1枚と、変更が入ったときの組み直しになります。

業務 起点 担当 入力と出力 使う帳票・システム
週間工程表を作る 毎週の定例(金曜または土曜) 現場代理人・工務 全体工程表・日報 → 週間工程表 Excel、工程管理ソフト、日報
協力会社と資材を手配する 工程表の案が固まった時点 現場代理人・購買 工程表案 → 出面見込み・搬入予定 電話・チャット、発注書
変更で組み直す 雨天、納期遅れ、変更指示、欠員 現場代理人 変更情報 → 修正版と経緯 Excel、掲示板、チャット

後工程は、朝礼の作業指示、協力会社の出面確定、発注者との定例での進捗説明です。工程表の版がずれると、この3つが別々の前提で動きます。

週間工程表は、段取り表とも作業予定表とも呼ばれます

前週の締めから来週の共有までを7工程に割ると、どこが重いか?

色枠がAIに渡せる工程、灰色が人が確定する工程、二重枠が両方で持つ工程です。右上の印は条件の抜けが表に出にくい工程を示します。

業務フロー分解図。前週の残りを拾う→来週の順序を決める→協力会社の空き確認→搬入と揚重を合わせる→週間工程表に書く→掲示と送付で共有→変更で組み直す。AI担当は前週の残りを拾う・来週の順序を決める・搬入と揚重を合わせる・週間工程表に書く・掲示と送付で共有・変更で組み直す、人が確定するのは来週の順序を決める・協力会社の空き確認・搬入と揚重を合わせる・変更で組み直す前週の残りを拾う来週の順序を決め協力会社の空き確搬入と揚重を合わせる週間工程表に書く掲示と送付で共有変更で組み直すAIが担う人が確定する両方失敗が起きやすい工程
週間工程表の7工程とAI・人の持ち分
工程 担当 使う帳票・システム 量・頻度(自社で計測) 詰まる点
1 前週の進み具合を確かめる 現場代理人 前週の工程表、日報、全体工程表 毎週 日報が薄いと現場を見て思い出す
2 来週の作業と順序を決める 現場代理人 施工計画書、施工要領書、全体工程表 毎週。ここが中心 養生日数や同時作業の可否が頭の中にある
3 協力会社の空きを確かめる 現場代理人・職長 協力会社一覧、電話・チャット 会社数と往復回数に比例 空きが無いと順序の検討に戻る
4 搬入・揚重・車両を合わせる 現場代理人 納期回答、揚重の予約、搬入路 資材の種類に比例 納期回答がメールと電話に散る
5 週間工程表に書く 現場代理人 Excel、工程管理ソフト 毎週 セル操作と清書に時間が取られる
6 掲示と送付で共有する 現場代理人 詰所の掲示板、チャット、定例資料 毎週 配布先ごとに形式が違う
7 変更が入ったら組み直す 現場代理人 天気予報、変更指示、欠員連絡 週に何回起きるかを数える 後工程への波及を目で追う
工程 AIが解決すること 人が決めること 失敗したときの損失
1 前週の進み具合を確かめる 日報から終わった作業と残った作業を拾って一覧にする 残作業を来週に押し込むか送るか 残りの見落としが来週の破綻になる
2 来週の作業と順序を決める 登録した依存関係に照らして順序の案と矛盾を示す 作業の順序と同時作業の可否 養生不足や重ね作業で手戻りが出る
3 協力会社の空きを確かめる 依頼文を下書きし、回答が未確定の作業を残す 各社への依頼と調整 出面が揃わず当日に作業が止まる
4 搬入・揚重・車両を合わせる 納期回答を工程の日付と突き合わせて不整合を出す 搬入日をずらすか作業をずらすか 荷待ちと揚重の空回りが発生する
5 週間工程表に書く 確定した内容を工程表の様式へ転記する 表に載せる粒度と備考 転記の誤りが朝礼の指示に流れる
6 掲示と送付で共有する 配布先ごとの形式に整えて版番号を付ける 配る範囲と掲示の差し替え 旧版で作業が始まる
7 変更が入ったら組み直す 動かした作業の波及範囲と全体工期への影響を示す 動かす作業と工期延長の申し出 休日出勤で辻褄を合わせる形になる

AIで消える工程はありません。協力会社との調整が業務の芯にあり、そこは人が回します。
短くなる工程は1と5と6です。残作業の洗い出し、表への転記、配布用の整形が、確認して直す作業に変わります。
新しく増える確認工程は2です。依存関係との矛盾の指摘を見て、条件を足したり直したりする手順が毎週入ります。

どこまで案を出させ、どこから代理人が確定するか

左がAIに渡せる作業、右が現場代理人が確定する判断です。中央の線が止めどころで、順序の確定は越えさせません。

AIと人の境界図。AIが担うのは残作業の洗い出し・依存関係との照合・工程案の下書き・表への転記と配布・遅れの波及範囲。人が確定するのは作業の順序の確定・休日に置く可否・工期延長の申し出・協力会社との調整。止めどころは工程表の確定は代理人。AI担当は残作業の洗い出し・依存関係との照合・工程案の下書き・表への転記と配布・遅れの波及範囲、人が確定するのは作業の順序の確定・休日に置く可否・工期延長の申し出・協力会社との調整AIが担う(写す・比べる・下書き)人が確定する残作業の洗い出し依存関係との照合工程案の下書き表への転記と配布遅れの波及範囲作業の順序の確定休日に置く可否工期延長の申し出協力会社との調整確定止めどころ工程表の確定は代理人
週間工程でAIが担う範囲と現場代理人が確定する範囲

本メディアでは、休日に作業を置く案は現場代理人の承認なしに通さない設計を先に決めるべきだと判断します。理由は、週の組み直しが休日出勤を作る最後の分岐点だからです。前提は、休日カレンダーと協力会社の稼働条件を制約として登録できることです。発注者との契約で工期に余裕がある案件では、この歯止めの優先度は下がります。

もう一つの判断です。本メディアでは、依存関係が文字になっていない現場に工程案の自動生成を入れることは勧めません。養生日数、先行作業、同じフロアで同日にできない組み合わせが登録されていなければ、出てくる案は紙の上だけで収まる工程になります。建設業法は工期に関する事項を契約書面の記載事項として定めており、工期の変更は合意の対象です。条文はe-Gov法令検索の原文で確認します。

最初に着手する工程の決め方

判定は、判断を含むか、条件が文字になっているか、誤りがいつ表に出るかです。

工程1と5は判断を含まず、日報と工程表という材料があり、誤りはその場で見つかります。最初の1工程はここです。工程2は依存関係の登録が済んでから案の提示に進みます。工程7は波及範囲の可視化までで、動かす判断は人が持ちます。

日報が当日中に確定する現場なら、工程1の効果はすぐ出ます。工程管理ソフトで全体工程を持っている会社なら、当該週を切り出して週間の案を作る分担にします。協力会社が固定で毎週同じ顔ぶれの現場なら、工程3の往復は少なく、効果は工程5と7に寄ります。掛け持ちの現場が3つ以上ある代理人なら、現場ごとの残作業を並べて出す形が効きます。

2週間の試行で見る3つの数字

  1. 工事部長が対象の現場を1つ選び、現場代理人を1人立てます。
  2. 直近のひと月について、工程表の作成時間、組み直しの回数、休日に置いた作業の件数を書き出します。
  3. 養生日数、先行作業、同時にできない組み合わせ、休日カレンダーを一覧にして登録します。
  4. 2週間、前週の残作業の洗い出しと工程表への転記を回し、代理人は直した箇所を記録します。
  5. 変更が入った回は、波及範囲の提示を見てから動かす作業を決め、判断の理由を1行残します。
  6. 2週目の終わりに、続けるか依存関係の一覧を直すかを工事部長と決めます。

測る指標は、週間工程表の作成時間、組み直し1回あたりの時間、休日に置いた作業の件数です。合わせて、旧版で作業が始まった件数を数えます。休日に置いた件数が減らないなら、制約の登録か承認の設計に戻ります。

本番にするとき決める承認と記録と例外

承認は、工程表の確定を現場代理人が行い、休日に作業を置く場合と全体工期に影響する変更は工事部長が承認する形にします。承認の段が無いまま案の生成だけ入れると、休日を削る案が静かに通ります。

記録は、工程表の版番号、変更の経緯と理由、依存関係の登録内容、承認者を残します。発注者との協議になったとき、いつ何を根拠に動かしたかを示せる状態にします。

例外は、天候による当日の中止、資材の突発的な遅れ、事故や苦情による作業停止です。この場合は案の生成を待たず、代理人が直接組み直し、後から経緯を記録します。

工程表のAI化でよくある失敗と止め方

最も重いのは、休日出勤を前提にした工程案が通ることです。国土交通省の参考資料集では、技術者と技能者の休日は4週6休程度が最も多いと示されています。制約として休日を登録せずに案を作らせると、この実態をそのまま固定します。止め方は、休日カレンダーの登録と、休日に置く案への承認の段です。

次に多いのが版のずれです。修正版を送ったつもりで詰所の掲示が旧版のまま残り、朝礼の指示が食い違います。配布時に版番号を付け、掲示の差し替えを記録します。

依存関係の抜けも残ります。担当が代わった週に養生日数や同時作業の禁止が落ちるのは、条件が文字になっていないからです。抜けが見つかるたびに一覧へ足し、次の週から効かせます。

費用の考え方と、入れない方がよい現場

費目は、案の生成と転記の利用料、依存関係と休日カレンダーの登録設計、工程管理ソフトやExcelとの受け渡し、導入前後の計測、条件の更新にかかる運用の5つです。金額は現場数と既存ソフトで変わるため置きません。

入れない方がよいのは、週間工程表そのものを作っていない現場、協力会社の稼働が読めず毎日組み替えている現場、日報が紙で前週の残作業を拾えない会社です。この状態では、案を出しても照らす条件がなく、代理人が全部作り直すことになります。

出典

  1. 国土交通省 不動産・建設経済局建設業課「参考資料集」(令和8年4月3日) 国土交通省 確認日 2026.09.22
  2. 建設業法(昭和24年法律第100号)e-Gov法令検索 e-Gov法令検索 確認日 2026.09.22

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