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設計・技術

建設の図面検索AIを比べる 版を見分ける方式と4製品の料金の公開状況

共有フォルダで同じ図番の「最終」と「最終2」を開き比べても、発注者に引き渡したのがどちらかは、ファイル名からは分かりません。図面検索AIを入れて候補が速く並ぶようになっても、この見分けは設計担当の手元に残ります。製品のページを並べても料金はほとんど載っておらず、額で絞り込むこともできません。

設計・技術 更新 6分 運営 株式会社BoostX

過去図面をAIで検索しても、流用してよいかは版と作成年で決まる

先に結論

方式は改訂欄に記号と日付が残っているかで、製品は自社の図面の形式(紙のスキャン・PDF・CAD)で選びます。記号と日付の残る年が多い会社は表題欄を読む方式から試し、改訂欄が空の年の図面は、原本で版を確かめるまで検索の対象に入れません。

4製品のうち料金の金額を公開しているのは1つで、残りは見積を取らないと額を比べられません。製品どうしは、旧版と他社から受け取った図面を混ぜた同じ束を2つに載せ、引き渡した版が1位に来た件数で比べます。

AIに出させるのは、候補の図面と、表題欄の日付・図番・改訂記号の一覧までです。引き渡した版は設計担当が原本と照合して特定し、流用と描き直しの範囲は建築士が作成年と基準を見て決めます。

検索は候補を並べるまでで、流用の可否は原本で決める

流用の可否を分けるのは版・作成年・作成者の3つで、検索の速さはどれも縮めません。候補を探してから流用するまでは次の順に進みます。

図の要点:図面の状態から検索の方式を選ぶ判断図。命名規則が年度をまたいでそろうならファイル名で探す方式、改訂欄に記号と日付があるなら表題欄を読む方式で改訂記号の一覧を出させる、同じ納まりや割り付けが繰り返すなら形で探す方式で形の同じ旧版も候補に並ぶ。改訂欄が空の年が多いと、どの方式でも版は決まらず、書き方の統一が先になる。

  1. 設計担当が要求条件書から条件メモを作る
  2. 検索が近い過去案件と図面の候補を並べる
  3. 表題欄の日付・図番・改訂記号の一覧を出させる
  4. 設計担当が原本と照合し、引き渡した版を特定する
  5. 建築士が作成年と基準を見て、流用と描き直しの範囲を決める
  6. 設計担当が採らなかった理由を添えて参照図面一覧に残す

時間が減るのは2と3で、フォルダを1つずつ開く手間が、候補の一覧を読む手間に変わります。その分、4の照合は重くなります。候補が速く並ぶほど、版の違う図面も同じ速さで目の前に来るからです。

設計部門を建築士事務所として登録している会社なら、開設者に図書の保存義務があります。対象は配置図、各階平面図、二面以上の立面図と断面図、基礎伏図、構造詳細図などで、作成した日から15年間です。条文が求めるのは保存までで、次の案件に流用してよいかは書かれていないため、その判断は5の建築士に残ります。

基準の側は動きます。令和7年4月1日から、省エネ基準への適合が全面的に義務になりました。木造の「柱の太さや壁の量」などに係る構造関係規定も、同じ日に見直されています。作成年がそれより前の候補は、建築士が構造と省エネの図書を開くまで、流用の欄を空けておきます。

作成者も見ます。著作権法は著作物の例に、建築の著作物と、学術的な性質を持つ図面を挙げています。他社から受け取った図面が候補に来たら、設計課長がそのときの契約を読み、使える範囲を確かめてから5へ進みます。

図面検索AIの方式は手元の図面の状態で選ぶ

図面検索AIは探す手がかりで3方式に分かれ、同じ図番で改訂が重なった図面から版を見分けられるのは、表題欄と改訂欄の文字を読む方式です。どの方式が合うかは、命名規則と改訂欄の状態で分かれます。

改訂欄が読めるかどうかで、版の見分けをAIに渡せるかが分かれる

  • 命名規則が年度をまたいでそろう

    ファイル名で探す方式。版はファイル名が頼り

  • 改訂欄に記号と日付がある

    表題欄を読む方式。改訂記号の一覧をAIに出させる

  • 同じ納まりや割り付けが繰り返す

    形で探す方式。形の同じ旧版も候補に並ぶ

  • 改訂欄が空の年が多い

    どの方式でも版は決まらない。書き方の統一が先

直近の年は改訂欄に記号と日付があり、10年以上前は空欄が多いという会社は、1つの会社の中で2行目と4行目が混ざっています。その場合は、検索に載せる年を記号のそろう年から始めます。

改訂欄が空の年の図面は、検索に載せる前に原本で版を確かめるか、対象から外します。改訂記号の一覧が出る方式でも、並んだ記号は引き渡した版の印ではなく、原本を開く順番の目安にとどまります。

竣工図書のように紙の束を図面番号で探せる形にする仕事は、竣工図書の旧版と未提出を見つける作業と同じ準備の作業です。設計のほかの業務は設計・技術にまとめてあり、積算や現場まで含めた建設の全体は建設AI活用ジャーナルから入れます。

図面検索AIの製品は図面の形式で絞り、料金は見積で比べる

読める図面の形式と探し方は製品ごとに違うため、自社の図面が紙のスキャン中心か、PDFやCADかで候補が絞れます。料金の金額を掲示しているのは4製品のうち1つだけなので、額を比べるのは見積が出そろってからです。

製品(提供会社) 探し方と図面の形式 料金の公開
Hi-PerBT 図面検索AI(日立ソリューションズ西日本) 属性・形状・記号・文字。PDF・TIFF 掲示なし
ビルドAI(ビルドAI) 特徴を言葉で書いて探す。PDF・紙のスキャン・CAD 掲示なし
サテライトAI・図面検索AI(サテライト・ソリューションズ) 図面と案件情報を紐づけて探す。形式の記載なし 掲示なし
KK Generation 検索機能の個別提供も可能。形式の記載なし 個別実装で500万〜

表で先に見るのは真ん中の列です。紙のスキャンが多い会社はスキャンを預かると書く製品から、CADが中心の会社はCADを扱う製品から、提供会社に見積を頼みます。

Hi-PerBT 図面検索AIは、取り込むときに表題欄と図面の中の文字を読み、縦書き・斜め・手書きも認識するという説明です。図面管理のHi-PerBT Advancedと組み合わせて使い、構築はオンプレミスか個別のクラウド環境です。紹介されている事例は製造業の部品図が中心なので、建設の意匠図や構造図での読み取りは自社の図面で確かめます。

ビルドAIは建設図面に絞った製品で、PDF・紙のスキャン・CADを預かります。サテライトAI・図面検索AIは、図面に見積書・費用・工数・納期を紐づける作りです。建設・建築業での使い道には、施工図の検索と過去案件の期間・費用の参照を挙げています。

KK Generationは、図面のデータベース化と検索を個別実装で提供できるとしています。実装の期間は2〜6か月、費用は500万〜という掲示です。税の表示は無く、図面検索だけの料金でもありません。

見積は、図面の年数と紙の枚数を伝えて頼む

見積を頼むときは、検索に載せる図面の年数と、紙で残る図面の枚数を先に数えて伝えます。年を広げるほど、命名規則の違うフォルダと改訂欄の空いた図面が増え、版の印を付け直す手間が検索の前に加わるためです。

スキャンしたPDFしか無い年は、表題欄の文字を読める形にする作業が加わり、その手間は紙の枚数が多いほど重くなります。CADで残っている年は、この作業が小さく済みます。図面管理のシステムを持っていない会社は、製品によっては図面管理の導入が検索より先に来ます。

施主名の載る図面は、預け方を契約で確かめてから検索に載せる

個人の施主の住宅なら、表題欄に施主の氏名や住所が入るので、預け方を契約で確かめてから検索に載せます。図面を預けて保管する型のサービスでも、扱いが変わる場合があります。契約で提供会社が保存された図面の中身を取り扱わないと定め、閲覧できる人を制限していれば、提供に当たりません。

図面の中身を提供会社が扱う契約では、検索のために扱いを任せる委託と契約から言えるかを見ます。言えれば、個人情報保護法第25条のとおり会社が提供会社を監督する側に立ちます。委託とも言えない預け方は第三者提供として第27条が掛かり、原則は施主本人の同意が先です。

どれに当たるかは個人情報の担当者が規約と契約で決め、学習や保存期間、海外移転は名簿の転記をAIに任せる前の確かめ方で見ます。発注者や設計事務所から受け取った図面は、秘密保持の取り決めで外部に預けてよいかも読みます。

図面検索AIは旧版を混ぜた図面の束で試す

試験の束に旧版と他社から受け取った図面を混ぜるのは、製品の差がそこに出るからです。引き渡した版だけを載せた試験では、旧版が上位に来るか、改訂記号が一覧に出るかを確かめる場面が生まれません。束は、次の着手案件に近い過去案件1件の図面で組みます。

【説明用の架空の記入例】試験の結果を書く表は、たとえば次のようになります。

  • 試験の束

    過去の事務所ビル1件の意匠図12枚(引き渡した版4枚・途中の旧版7枚・他社から受け取った図面1枚)
  • 製品A

    引き渡した版が1位に来たのは4件中3件。改訂記号の一覧は出た
  • 製品B

    引き渡した版が1位に来たのは4件中1件。改訂記号の一覧は出ない
  • 受け取った図面の作成者

    製品Aは一覧に出た。製品Bは出ない

どの製品でも4の照合は省きません。旧版が上位に来る製品では4で見る候補が増え、改訂記号が一覧に出ない製品では版の見分けが人の目に残ります。どちらの結果でも、改訂欄の空いた年が多ければ、製品を決めるより自社の改訂欄の書き方をそろえるほうが先です。

引き渡した版が候補の1位に来た件数が少ない製品ほど、旧版を引き渡した版と取り違えたまま流用に進む危うさが大きくなります。受け取った図面の作成者が一覧から分かるかも同じ表で見ておくと、5の前に契約を読む図面が先に分かります。

既製の製品で読めなかった決まりが、作り込みを頼むかの分かれ目

改訂欄の書き方をそろえることと、試験の束で2製品を比べることは、設計課の中で終えられます。どちらも材料は自社の図面と原本で、引き渡した版を特定できるのは設計担当だからです。

作り込みを頼む話になるのは、既製の製品では自社の図面の決まりを読めなかったときです。図面に見積書や工期の記録を結び付けたい会社や、いまの図面管理の仕組みに検索を組み込みたい会社は、個別の実装か、AIエージェント開発を頼む話になります。掲示のある個別実装は2〜6か月・500万〜という規模なので、束の試験で既製の製品が届かなかった所を書き出してから頼みます。

作り込む範囲は、CADで残る年と、スキャンしたPDFしか無い年とで分けて考えます。CADの年だけで検索を動かし、スキャンの年は流用の候補が実際に出た案件から足していけば、作り込みを小さく始められます。

明日から始める3ステップ

  1. 担当 設計担当

    次の着手案件に近い過去案件を1件選び、引き渡した版・途中の旧版・他社から受け取った図面1枚を混ぜた試験の束を作る

    次へ進む目安束のどれが引き渡した版かを、原本で特定し終えた

  2. 担当 設計担当

    施主名の載る図面の預け方を個人情報の担当者と決めてから、2製品に同じ束を載せ、引き渡した版が1位に来た件数と改訂記号が一覧に出たかを1つの表に書く

    次へ進む目安束の図面すべてで、2製品の結果を同じ表で比べられるようになった

  3. 担当 設計課長

    表を製品ごとに並べ、1位に来た件数が多く改訂記号が一覧に出る製品から見積を頼む

    次へ進む目安見積を頼む製品が1つに決まった。どちらも伸びず改訂欄の空いた年が原因なら、見積の前に改訂欄の書き方をそろえる

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出典

  1. 建築士法(昭和25年法律第202号)(第24条の4第2項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  2. 建築士法施行規則(昭和25年建設省令第38号)(第21条第4項・第5項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  3. 国土交通省 報道発表資料「令和7年4月1日から省エネ基準適合の全面義務化や構造関係規定の見直しなどが施行されます!!」(令和6年4月16日)国土交通省 確認日 2026.09.28
  4. 著作権法(昭和45年法律第48号)(第10条第1項第5号・第6号) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  5. 日立ソリューションズ西日本「AIによる図面検索:Hi-PerBT 図面検索AI」株式会社日立ソリューションズ西日本 確認日 2026.09.28
  6. ビルドAI株式会社「Build AI 建設図面AIプラットフォーム」ビルドAI株式会社 確認日 2026.09.28
  7. サテライト・ソリューションズ「サテライトAI・図面検索AI」製品ページ株式会社サテライト・ソリューションズ 確認日 2026.09.28
  8. KK Generation 公式サイト(建設図面特化AIプラットフォーム)株式会社 KK Generation 確認日 2026.09.29
  9. 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第25条(委託先の監督)・第27条第1項(第三者提供の制限) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
  10. 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」(Q7-53・Q7-54) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29

編集BoostX編集部(株式会社BoostX)編集と監修の決まり

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