積算AIの比較は図面の枚数と見積書の通数を数えてから5つの型で絞る
取り寄せた積算AIの資料を前に、比べる基準が無いまま候補を絞ろうとしている建設会社の積算課の責任者と積算担当が、主な読み手です。
料金の欄に「個別見積」が並ぶ積算AIの資料を何社分か広げると、積算課の責任者がまず困るのは比べ方です。図面から数量を拾う製品と協力会社見積を読み取る製品が同じ表に載り、どれをデモに呼べばよいかが決まりません。比べる物差しは、製品の機能表ではなく、自社に届く図面の枚数と見積書の通数、各社の公式ページと法令の原文から作れます。

先に結論
比べる前に決めるのは製品名ではなく、積算室の時間を取っている資料です。図面か、協力会社見積か、単価表かが決まれば、試す製品の型が1つに絞れます。
AIが返すのは、図面から拾い出した数量、読み取った見積書の比較表、単価の差の印といった案までです。数量と単価は積算担当が原図や原本と見比べて確定し、提出価格は工事部長が決裁します。
料金を公開していない製品には、月に届く図面の枚数と協力会社見積の通数を数えてから見積を頼みます。同じ図面1セットのデモで、点検にかかる分数が手で拾う時間を超えた製品は候補から外します。
積算AIは読ませる資料が違う製品を同じ表で比べられない
取り寄せた資料を並べると、図面から拾う製品と見積書を読む製品が同じ表に載り、料金は「個別見積」ばかりになります。読ませる資料が違う製品どうしは、機能の有無を並べても差が読めません。
以下では、図面から数量を拾い出す製品を「拾う型」、協力会社見積を読み取って比較表にする製品を「読む型」と呼びます。見積の単価を自社の単価表と照合する製品は「単価を照合する型」、自社の図面の決まりに合わせて開発する製品は「作り込む型」です。ここに汎用の生成AIを加えた5つの型で比べます。
1つの製品が2つの型をまたぐ場合は、積算室で時間を取られている資料の側で評価します。
図の要点:打ち直しに追われている資料から試す型を選ぶ6行の判断図。電気設備の図面から拾っているなら拾う型の拾いの匠NXで、一次数量は積算担当が原図で確かめる。空調・衛生・消火の図面ならAI積算で、拾い切れない所は積算担当が手で拾う。PDF・FAX・手書きの協力会社見積を打ち直しているなら読む型のConnected Baseで、読めない行は原本で埋める。Excelの見積を自社の単価表と比べるなら楽王の材料マスタで、離れた単価の採否は積算担当。自社独自の図面の決まりが多いなら作り込む型のKK Generation、特記仕様書や質疑回答書の条件を抜くなら汎用の生成AIで、抜いた条件は原文で確かめる。
打ち直しに追われている資料の側から、試す型を1つ選ぶ
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電気設備の図面から数量を拾っている
拾う型の拾いの匠NX。一次数量は積算担当が原図で確かめる
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空調・衛生・消火の図面から拾っている
拾う型のAI積算。拾い切れない所は積算担当が手で拾う
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PDF・FAX・手書きの協力会社見積を打ち直している
読む型のConnected Base。読めない行は原本で埋める
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Excelの見積を自社の単価表と比べている
単価を照合する型の楽王の材料マスタ。離れた単価の採否は積算担当
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自社独自の図面の決まりが多い
作り込む型のKK Generation。検証期間に自社の図面で結果を見る
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特記仕様書や質疑回答書の条件を抜き出している
汎用の生成AI。抜いた条件は原文で確かめる
候補が2つの行にまたがるなら、手で打ち直している時間の長い行を先に試します。どの行を選んでも、原図や原本と見比べる工程は積算担当の手元に残ります。
拾う型の2製品は、公式の説明で得意な工種が違います。拾いの匠NXは電気設備の機器・回路記号・配線を図面からレイヤに分ける機能を挙げ、CADのデータ、PDF、紙をスキャンした図面から拾えるとしています。AI積算は空調・衛生・消火の設備を扱い、PDFの平面図からダクトや配管、スプリンクラーヘッドを拾うと説明しています。
器具の個数を拾うか配管の長さを拾うかで結果の正確さも違い、その差は図面の数量拾いをAIで試す順番に工種ごとに出てきます。各社が出す精度の数字は測り方の条件がそろっていないので、製品どうしを比べる材料にはなりません。
積算AIの料金は公開の月額と個別見積の2通り
月額を公開しているのは楽王シリーズで、楽王Crewは1ライセンスで月8,800円(税込)です。共有機能のある楽王Linkは2ライセンスの場合で月14,800円(税込)で、どちらも年間契約の割引があります。上位の楽王3は問い合わせです。
AIの製品では、金額ではなく金額の決まり方だけを公開していることがあります。作り込む型だけは、実装の下限の額が示されています。
| 製品 | 公式ページの料金の書き方 | 見積を頼む前に数える値 |
|---|---|---|
| AI積算 | 図面数かユーザー数に応じて提案 | 月に拾う図面の枚数と使う人数 |
| Connected Base | ライトは処理件数の従量課金。金額は非公開 | 月に届く協力会社見積の通数 |
| 積算AI(KK Generation) | 自社向けの実装が500万〜(税の表示なし) | 自社独自の図面の決まりの数 |
| 拾いの匠NX | 価格の表示なし(資料請求・デモ) | 拾う図面の形式と工種 |
数える値をそろえずに問い合わせると、各社の見積は前提がばらばらで比べられません。直近の数か月分の引き合いで、届いた図面の枚数と形式、協力会社見積の通数を数えてから頼みます。提示された額を費目に分け、積算室で減る作業時間と並べるなら、見積AIの回収月数を見積台帳と給与台帳で出す式に当てはめられます。
拾う型と読む型、どちらから試すか?
積算室で時間を取られているのが数量を拾う工程か、協力会社見積を比較表に打ち直す工程かで選びます。拾う型の製品には数量を出すところまでのものがあり、その場合、見積書の集約は読む型の仕事です。両方で詰まっているなら、2つの型を並べて使う形になります。
拾いに時間を取られていても、図面がスキャンした紙図面中心なら、読み取りの点検が拾い直しと変わらない手間になることがあります。その場合は、読む型から入れたほうが効果を早く確かめられます。協力会社の見積がExcelで届き、比べる相手が自社の単価表で足りる会社は、すぐ下の材料マスタで済むかを先に見ます。
単価照合は積算ソフトの材料マスタで足りるか
Excelで届く見積を自社の単価表と比べるだけなら、材料マスタの引き当てで足りることがあります。楽王シリーズは、書式の異なる仕入れ先のExcel見積書を取り込み、材料マスタの単価へ置き換える機能を持つと説明しています。
AIの製品が要るのは、見積がPDFやFAXで届く場合と、比べる相手が過去の確定見積の場合です。Connected Baseは、会社の基準ルールで照合して迷う項目を「要確認」と知らせ、過去の見積と単価を探せる形で残すと説明しています。
照合の前に、単価表を今年度の労務単価に直す
材料マスタで照合してもAIの製品で照合しても、役に立つかは単価表の新しさに左右されます。国土交通省が令和8年2月17日に発表した、同年3月から適用の公共工事設計労務単価は、全国全職種の単純平均で前年度比4.5%の引き上げでした。前年度の単価表のまま照合すると、この引き上げに届かない見積が「表に近い」行として通ってしまいます。
同じ発表は、この単価に必要経費分が含まれないことも書いています。下請代金に必要経費を計上しない、または値引くことは、不当な行為にあたるとされています。
労務費の側では、令和7年12月2日に中央建設業審議会で「労務費に関する基準」が作成され、実施が勧告されました。単価表を毎年直す担当者が社内にいない会社は、製品より先に担当者と直し終える期日を決め、直した日付を単価表の頭に書いておきます。
図面と見積書を預ける前に確かめる8項目
個人住宅の図面の表題欄には施主の氏名が、協力会社見積には先方の担当者名が載ります。預けた資料を提供会社が取り扱わない定めが契約にあり、提供会社の側で開ける人も適切に制限されているとします。この形なら、資料がそのサーバにあっても個人データの提供には当たらない扱いです。
提供会社の担当者が読み取り結果を点検する工程を付けるなど、中身に手を触れる契約もあります。その場合は、利用目的の範囲で取扱いを任せる委託と言えるかを契約書で確かめます。言えるなら預けた会社が提供会社を監督する義務を負い(個人情報保護法第25条)、言えなければ施主や担当者本人の同意が先に要ります(第27条)。
提供会社が国外の事業者なら、委託と言える場合でも、第28条の外国にある第三者への提供として本人の同意が要るかを確かめます。デモの前に尋ねる8項目は、資料を学習に回すか、保存する国と期間、解約後に消える時期、再委託の有無です。残りは、社内で誰が開けるか、操作ログが残るか、漏えい時に誰から知らせが来るか、になります。
デモは同じ図面1セットと見積書数通で比べる
どの提供会社にも同じ材料を渡すのは、結果の差が製品の差なのか材料の差なのかを分けるためです。直近に数量が確定した案件の図面1セットと、その案件で受け取った協力会社見積を数通に絞ります。図面の施主名を工事番号に置き換えても、工事台帳で施主に戻せるので、渡すかどうかは8項目の答えで決めます。
比べる数は、積算担当が製品ごとに書く2つです。返ってきた結果の点検と手直しにかけた分数と、確定済みの数量表との食い違いの件数で、どちらも同じ材料でなければ製品の差として読めません。
【説明用の架空の記入例】
製品
候補A(拾う型)材料
数量が確定済みの案件の電気設備図面1セット点検と手直しにかけた分数
95分(同じ図面から積算担当が手で数量を拾い出したときは80分)確定済みの数量表との食い違い
7件(照明器具の個数3件、配管の長さ4件)判定
点検の分数が手で拾う時間より長いため、候補から外す
数字は記録の書き方を示すための架空の値で、製品の実測ではありません。
点検の分数が、いま手で拾っている時間より長い製品は、図面の形か工種が合っていません。精度の数字が良く見えても積算室の作業時間は減らないので、候補から外し、残った製品だけを次の案件で試します。
食い違いの件数が2製品とも多いときは、製品の良し悪しより材料の側を疑います。積算課の責任者が、まず渡した図面の版と凡例がそろっていたかへ戻って確かめてから、次の案件で比べ直します。
独自の図面の決まりが多い積算室だけ、作り込みを外へ頼む
図面・見積書・単価表のどれかに既製の製品が合う会社は、積算室の中でデモを比べて選び切れます。数える値も試行記録も、案件台帳と確定済みの数量表から積算課が自分で用意できるからです。資料だけが増えてデモに呼ぶ2製品が決まらない会社は、数える値と試行記録の欄づくりから外部のAI顧問と進めます。
作り込みを外へ頼むのは、自社独自の図面の決まりが多く、既製の拾う型では点検の分数が手で拾う時間を下回らなかった会社です。作り込む型は自社向けの実装が500万〜(税の表示なし)と示されているので、検証期間に自社の図面で結果を見てから先へ進めます。
5つ目の型の汎用の生成AIだけは、積算室が選ぶ道具に入りません。日報や議事録にも使う全社の道具なので、建設会社の生成AIツールを系統で選ぶ手順の軸で決めます。
明日から始める3ステップ
担当 積算課の責任者
問い合わせの前に、ここ数か月の図面の受け取り枚数と形式、見積書の受け取り通数を案件台帳から書き出す
次へ進む目安候補の各社に、同じ前提の数を添えて見積を頼めた
担当 積算課の責任者
直近に数量が確定した案件を1件選び、図面1セットと協力会社見積数通をデモの材料にそろえる
次へ進む目安預け先の8項目の答えがそろった提供会社にだけ、同じ材料を渡し終えた
担当 積算担当
デモの結果ごとに、直すのにかかった分と、確定済みの数量との違いの数を試行記録へ1行ずつ残す
次へ進む目安点検の分数が手で拾う時間を超えた製品を外し、次の案件で続けて試す製品を決めた
無料相談(オンライン)
BoostXは、建設会社の積算・日報・安全書類へのAI導入を支援しています
01無料相談
積算・日報・安全書類から、最初の1業務を決める
02進め方の提案
規模に合う進め方を提案する
03作って試す
一緒に作り、現場で試して直す
04定着まで伴走
毎月1テーマずつ積み上げる
作って試す・定着までAIエージェント開発AI顧問FDE型AI伴走支援
出典
- 国土交通省 報道発表「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」国土交通省 確認日 2026.09.29
- 建設・不動産業:労務費に関する基準国土交通省 確認日 2026.09.29
- 拾いの匠NX(AIを搭載した材料拾い出しシステム)製品ページシステムズナカシマ株式会社 確認日 2026.09.29
- AI積算 製品サイトH2Corporation株式会社 確認日 2026.09.29
- 株式会社KK Generation サービス紹介株式会社KK Generation 確認日 2026.09.29
- Connected Base 料金プラン株式会社YOZBOSHI 確認日 2026.09.29
- 楽王 料金プランアークシステム株式会社 確認日 2026.09.29
- 建築積算ソフト【楽王】トップページ(材料マスタ引き当て機能・サブスクリプション版の月額) アークシステム株式会社 確認日 2026.09.29
- Connected Base トップページ株式会社YOZBOSHI 確認日 2026.09.29
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(第25条 委託先の監督・第27条第1項 第三者提供の制限・第28条第1項 外国にある第三者への提供の制限) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.29
- 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」個人情報保護委員会 確認日 2026.09.29
編集BoostX編集部(株式会社BoostX)編集と監修の決まり










