現場写真の整理AI比較、蔵衛門・写管屋クラウド・Photoruction
電子黒板を使わずに撮る写真が多い現場監督と、写真台帳づくりに使う製品を比べ始めた工務・工事部長に宛てて書きました。
月末の写真台帳づくりでは、紙の黒板や黒板なしで撮った写真を、現場監督が1枚ずつ工種と部位に振り分けています。蔵衛門・写管屋クラウドのAIアシスト・Photoructionは、黒板の文字で仕分けるか写真の中身を見るかで振り分け方が違い、料金も公開と見積が混ざります。候補の付き方、前提になる製品と料金、顔の写る写真の預け方、試すときの数え方を、各社の公式ページをもとに比べます。

先に結論
現場写真の整理AIは、先月の台帳で未分類のまま残った写真の枚数と、電子納品を求められる工事かどうかで、試す製品を2つに絞ります。未分類が多く残る現場は写真の中身から候補を出す型を、ほとんど残らない現場は電子黒板の文字で仕分ける型を先に試します。
製品が違っても、AIの仕事は工種・部位の候補出しと説明文の下書きの2つで変わりません。候補を採るかどうかは現場監督が写真1枚ごとに判断し、発注者へ提出する写真は現場代理人が決めます。
金額は税抜の年額に直し、前提になる別製品の費用を足してから並べます。試すのは電子黒板の書き方を全員にそろえた後で、そろえる前に入れると、差が製品のものか撮り方のものかを分けられません。
現場写真の整理AIは黒板の無い写真で差が出る
差が出るのは、紙の黒板で撮った写真や、黒板を入れずに撮った写真です。電子黒板で撮る決まりが全員に守られている現場なら、どちらの型でも候補は付くので、比べる所は料金と台帳出力の形に移ります。
図の要点:黒板を読む型と写真を見る型を並べた比較図。黒板を読む型は電子黒板に入れた工種・測点で仕分け、黒板の無い写真は未分類が残りやすく、残りは現場監督が手で振り分ける。写真を見る型は黒板の無い写真にも写っている物から候補を理由付きで複数出すが、別の階の同じ納まりを取り違えることがあり、現場監督が理由を読んで選び直す。
黒板の無い写真に候補が付くかで、試す製品の型が決まる
黒板を読む型
- 電子黒板に入れた工種・測点で仕分ける
- 黒板の無い写真は手がかりが減り、未分類が残りやすい
- 現場監督が残った写真を手で振り分ける
写真を見る型
- 黒板の無い写真にも候補が付く
- 写っている物から候補を複数出し、理由を添える
- 別の階の同じ納まりを取り違えることがある
- 現場監督が理由を読み、候補を選び直す
先月の台帳づくりで未分類の写真がどれだけ残ったかを数えれば、どちらの型を先に試すかが決まります。黒板の無い写真が少ない現場なら、黒板を読む型で足ります。
写真を見る型の外れ方は、別の階の同じ納まりが同じ工種に入る、といった取り違えです。候補を1つに決め打ちせず、複数を理由付きで並べる製品なら、現場監督は理由を読んで選べます。
3製品の差は、前提になる製品と料金の公開に出る
3製品の差は、振り分けの前提になる製品と、料金の金額を公式に載せているかどうかに出ます。表の振り分け方と前提は、各社の製品ページの説明です。
| 製品(提供会社) | 写真の振り分け方 | 前提になるもの |
|---|---|---|
| 蔵衛門(ルクレ) | 工種や日付などから仕分け先を提案し、電子黒板の文字を台帳へ写す | 工種・場所別の自動仕分けはプレミアムのプランの機能 |
| 写管屋クラウド AIアシスト(建設システム) | 写真の内容・黒板情報・分類ツリー・工程情報から振り分け先を複数出し、理由を文で示す | 利用にKSデータバンク、自動振り分けにSiteBoxが要る |
| Photoruction(フォトラクション) | 工事写真の整理と、台帳の作成 | 写真・図面・工程表を同じ場所で扱う施工管理クラウド。整理の仕組みは資料請求で確かめる |
前提の列に別の製品の名前が並ぶ写管屋クラウドは、その製品の費用まで足した額で比べられるよう、見積を頼むときに合わせて出してもらいます。Photoructionは、整理の仕組みを資料請求で確かめるまで、型の判定を空けておきます。
| 製品 | 公式の料金 | 比べるときに見る所 |
|---|---|---|
| 蔵衛門 | フリー0円(参加できる工事は1つ)。プレミアムは1〜3ライセンスパックが年額64,800円、6が108,000円、10が144,000円(税抜・年額一括払い) | 11名からはエンタープライズ(年額158,400円から・税抜) |
| 写管屋クラウド AIアシスト | 公式ページに掲載なし(見積り依頼) | KSデータバンクとSiteBoxの費用も含めて見積もってもらう |
| Photoruction | 初期費用0円(カスタマイズやオプションで発生することがある)。利用者数に応じた月額とオプションの見積 | データ容量で金額が増減しない |
料金の欄に金額が並ぶのは蔵衛門だけなので、残る2製品は見積書を取り、同じ年額の形に直してから並べることになります。蔵衛門の価格表では、1ライセンスのパックも3ライセンスパックと同じ年額64,800円です。
同じ料金ページの上部には、1ライセンスと3ライセンスパックを同額の年額36,000円とする案内も出ています。価格表の年額と食い違うので、購入の前に見積書の金額で確かめます。
料金を並べるときは、税抜の年額にそろえ、月額の見積は12か月分に直します。蔵衛門のパックは使う人の数で選ぶため、撮影する人と台帳を作る人が何人いるかで金額が変わります。料金ページは、撮影担当1名と、写真管理者か台帳作成担当1〜2名の組み合わせを3ライセンスパックの例に挙げています。
写真台帳に載るまでに現場写真のAIが入るのは2つの作業だけ
AIが入るのは、振り分けの候補を付ける作業と、台帳の説明文を下書きする作業です。撮る対象と構図を決める作業と、発注者へ出す写真を選ぶ作業には、どの製品でもAIは入りません。
候補の付いた写真も付かない写真も、現場監督が黒板か撮影位置と見比べて確定します。候補が付いたことを理由に、その写真の見比べを省くことはしません。ぶれて読めない写真は、撮り直す箇所の一覧へ回します。
発注者指定の様式と製品の台帳出力が合わなければ、台帳の貼り直しの手間は残ります。撮り漏れを写真管理基準の撮影箇所と突き合わせる作業は振り分けとは別の工程で、施工写真台帳と撮影箇所一覧表の照合の側で組みます。
巡回の写真で協力会社へ是正を出したら、その写真は現場の指示記録をまとめる台帳の同じ行にも載せておきます。写真台帳の工種の欄と指示記録の行がつながれば、是正の前後の写真を後から探す時間が減ります。
顔が写る現場写真は、AIの製品に預ける前に抜く担当を決める
顔の写った写真を送る前に抜く担当は、写真の取り扱いの規程に役職で書いておきます。作業員や近隣の人の顔がはっきり写り、誰か分かる写真は個人情報で、製品に預けるのは写真そのものだからです。顔の写真を抜いた後も、ヘルメットの氏名や近隣の表札が読める写真は残るので、預け先の契約の確認は省きません。
提供会社との契約に、預かった写真を提供会社が取り扱わない旨が書かれ、提供会社の中で写真を閲覧できる社員も適切に限られているとします。この形なら、写真がサーバに残っていても個人データを渡したことにはなりません。
提供会社が写真を扱う契約なら、振り分けと台帳づくりのためだけに扱う約束かを規約で確かめ、その約束と読めれば会社が提供会社の扱いを監督します(第25条)。そう読めない契約は第三者提供で、写っている人の同意が前提になります(第27条)。国外の提供会社なら、委託でも第28条の同意の要否を確かめます。
製品を比べる表には、写真をAIの学習に回すか、どの国のサーバに何年置くか、解約したら消すかを同じ欄で書き足します。建設システムは、入力した情報をAIの学習モデルに使わないと写管屋クラウドの製品ページに書いています。
条文の並びと総務が確かめる項目は、作業員名簿と資格証の写しを預ける前の総務の確認にまとめてあります。発注者への報告書に写真を添えるときの写り込みは、定例の前に作る週次報告書の組み立ての中で確かめます。
現場写真AIは電子納品の有無で選び分ける
国や自治体の工事で電子納品を求められる会社は、写真区分・工種・種別・細別まで振り分けて電子納品の形で出せるかが先に立ちます。蔵衛門は電子納品の規格への対応を台帳機能のページに書き、写管屋クラウドは電子納品やアルバムの作成に写管屋が要ると製品ページに書いています。
民間の工事が中心で発注者への報告に写真を添える会社は、見る所が変わります。細別までの振り分けより、台帳を複数人で同時に触れるか、報告書へすぐ貼れるかのほうが、毎月かかる時間を左右します。
2製品は撮影の決まりをそろえた同じ写真で試す
撮影の決まりを配らないまま製品を入れると、どちらの型でも手直しが増えます。黒板を読む型では未分類が残りやすく、写真を見る型でも候補の外れを直す時間が増えます。
比べる2製品には、同じ工事の同じ写真を入れます。写真が違うと、選び直しの枚数の差が製品の差なのか、写真の撮り方の差なのかを分けられません。
【説明用の架空の記入例】工種「土工」は、製品Aが選び直し12枚・未分類30枚、製品Bが選び直し25枚・未分類4枚でした。工種「コンクリート」は、製品Aが選び直し3枚・未分類5枚、製品Bが選び直し4枚・未分類2枚でした。この例では、製品Bの選び直しが土工に偏っているので、土工の黒板の書き方を先に確かめます。
選び直しが特定の工種に偏るなら、製品の差ではなく、黒板の書き方が現場でそろっていない工種と読めます。その工種の撮影の決まりを直し、次のひと月の台帳で同じ枚数を取って比べます。偏りが無ければ、選び直しと未分類の枚数が少なかった製品を残します。
製品なしで済む会社、製品で足りる会社、開発に出す会社
台帳の提出が少なく、過去案件の写真を探す時間のほうが長い会社なら、写真管理の製品を使わずに整理する道から入れます。共有フォルダを案件と工種で切り、汎用の生成AIや社内の検索で探す道です。
社内の道では、利用料の代わりに、仕組みを作る費用と社内で回す人の時間が乗ります。撮影の決まりがそろっていない会社がここから入ると、流す写真の工種がそろわず、未分類の印だけが並びます。台帳を発注者指定の様式で出す会社なら、台帳出力が様式に合う製品のほうが先です。
どの製品の出力も様式に合わない発注者を複数抱える会社では、製品を入れた後も台帳の貼り直しが毎月残ります。製品が書き出した写真と工種の一覧を、発注者ごとの様式や週次の報告書へ流し込む仕組みは、AIエージェント開発で作り込む対象になります。
台帳の提出がほとんど無く、過去の写真を探すことも少ない会社には、写真管理の製品そのものが向きません。製品も作り込みも、月末に台帳を仕上げる手間を抱えた会社のための道具です。
明日から始める3ステップ
担当 工務
電子黒板に工種と部位を必ず入れる撮影の決まりを現場監督へ配り、試す1工事を選ぶ
次へ進む目安試す工事の監督全員が、決まりどおりに撮り始めた
担当 現場監督
その工事のひと月分の同じ写真を2製品に取り込み、台帳を出す日に、選び直した枚数と未分類の枚数を工種別に数える
次へ進む目安2製品とも、工種別の枚数と取り込めなかった枚数が1枚の表に並んだ
担当 工事部長
数えた表を税抜の年額にそろえた見積と並べ、使い続ける製品を決める
次へ進む目安製品が1つに決まった。選び直しが1つの工種に偏ったら、その工種の撮影の決まりを直して次のひと月で数え直す
無料相談(オンライン)
BoostXは、建設会社の積算・日報・安全書類へのAI導入を支援しています
01無料相談
積算・日報・安全書類から、最初の1業務を決める
02進め方の提案
規模に合う進め方を提案する
03作って試す
一緒に作り、現場で試して直す
04定着まで伴走
毎月1テーマずつ積み上げる
作って試す・定着までAIエージェント開発AI顧問FDE型AI伴走支援
出典
- 蔵衛門 工事写真台帳機能(AI自動仕分け・電子黒板の転記・電子納品データ出力) 株式会社ルクレ 確認日 2026.09.30
- 蔵衛門 料金プラン(フリー・エンタープライズ・自動仕分け・ライセンスパック価格表・1〜3ライセンスパック・1〜6ライセンスパック・1ライセンスと3ライセンスパックの案内・よくある質問) 株式会社ルクレ 確認日 2026.09.30
- 写管屋クラウド AIアシスト機能(振り分け先の提案・学習利用) 株式会社建設システム(KENTEM) 確認日 2026.09.30
- 写管屋クラウド 製品ページ(利用に必要な製品・自動振り分けに必要な製品・電子納品に必要な製品) 株式会社建設システム(KENTEM) 確認日 2026.09.30
- Photoruction 料金プラン利用料金・機能一覧(工事写真) 株式会社フォトラクション 確認日 2026.09.30
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(第2条第1項・第25条・第27条第1項・第28条第1項) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.30
- 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」(Q7-53・Q7-54・Q12-1) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.30
編集BoostX編集部(株式会社BoostX)編集と監修の決まり










