不動産営業の連絡文をAIで下書きする前に足す、停止欄と物確の時刻
毎朝新着の一覧から物件提案の連絡文を書く仲介の営業担当と、その送り方の決まりを作る店長の仕事にかかわります。
電話で受けた停止の申し出は、営業担当の手帳には残っても、生成AIに渡す顧客の一覧には載りません。朝の物確の後に元付で申込が入った部屋も同じで、下書きが速くなって送る本数が増えるほど、こうした相手や部屋へ連絡が出ていきます。送る前のどこで、誰が送信を止めるのかを店の手順として決めることが、この記事の目的です。

先に結論
物件提案の連絡文は、停止欄で外した後の候補の突き合わせと下書きをAIに任せ、停止欄で外す工程、物確の時刻と台帳の値の照合、送信の操作は営業担当が持ちます。下書きの画面から直接送れる作りにはしません。
物件を勧める文面を含む連絡は、1件ずつでも特定電子メール法の広告宣伝メールとして扱い、同意か取引関係の記録がある相手に限って送ります。停止の申し出が電話メモにしか無い店は、下書きより先に、店長が停止欄へ移す作業から手を付けます。
申し出や苦情が届いたときは、その顧客が停止欄に載っていたかを法務担当が確かめ、漏れた工程の手順を、店で決めた時期(たとえばその週のうち)に書き直します。
停止を求めた顧客は、候補を出す前に停止欄で外す
停止を求めた顧客を外す工程は、提案先の候補を出すより前に置きます。下書きが速くなるほど送る本数が増え、記憶で避けていた相手ほど取りこぼすためです。
図の要点:物件提案の連絡文を送るまでの7つの工程。人が停止欄に印のある顧客を外し、範囲が一部ならその種類の物件だけ外す。AIが氏名を外した条件整理表と物件台帳の行を突き合わせる。人が状態欄が募集中で物確が当日の物件と順番を決め、AIが連絡文を下書きする。人が賃料と価格を台帳と照合し、物確が朝なら送る前に元付へ電話して送り、時刻を残す。法務担当が停止の申し出のたびに停止欄と照合する。
停止欄で外してから候補を出し、送る直前に物確の時刻を見直す
-
停止欄に印のある顧客を外す
範囲が一部なら、その種類の物件だけ外す
人
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条件整理表と新着を突き合わせる
氏名を外した整理表と物件台帳の行
AI
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物件と順番を決める
状態欄が募集中で、物確が当日の行だけ
人
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連絡文を下書きする
物件の要点と内見の候補日
AI
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賃料と価格を台帳と照合する
一言を足し、入れない情報を削る
人
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送って時刻を残す
物確が朝なら、送る前に元付へ電話
人
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停止の申し出を停止欄と照合する
法務担当が申し出のたびに
人
停止欄には、申し出を受けた日と止める範囲を分けて書きます。範囲は、全部止めるのか、投資用の物件だけ止めるのか、といった単位です。電話で受けた申し出は、営業担当の手帳や記憶にしか残らないことがあります。
顧客台帳に停止欄が無いまま提案先の候補を出させれば、断った顧客にも新着が届くでしょう。候補を出してから外そうとしても、下書きの本数が増えた分だけ見落としも増えます。先頭で外しておけば候補の一覧に止めた顧客は載らず、条件に合うとされた候補も、停止欄と状態欄は営業担当が1件ずつ見てから残します。
停止の申し出が電話メモにしか残っていない店は、下書きを任せる段階に向きません。店長が過去の申し出を停止欄へ移し終えるまでは一斉の送付を止め、1件ずつの提案も営業担当が電話メモの申し出と照合してから送ります。追客の仕組みで停止の記録をどう持つかは、追客AIの見積に停止列を入れる考え方と同じ台帳でそろえられます。
下書きの画面から直接送れる作りにすると、物確を飛ばした送信がひと押しで出ていきます。顧客管理の仕組みに提案文を作る機能が付いている場合も、送信のボタンは営業担当が台帳と照合した後に置きます。
物件の順番を人が決めるのは、内見での反応や電話で聞いた家族の事情が、台帳の欄に無いことがあるためです。AIが過去の反応から順位の案を出しても、最後の並びは営業担当が付けます。
1件ずつの提案と新着の一斉送信は、中身で扱いが決まる
物件を勧める文面を含む連絡は、送る相手が1人でも大勢でも、特定電子メール法の広告宣伝メールとして扱います。営利の事業者が広告・宣伝の手段として送る電子メールが特定電子メール(第2条)です。送れる相手と同意の記録の保存は第3条、送るたびに表示する事項は第4条が決めています。
| 見るところ | 内見日時の確認などの事務連絡 | 物件を勧める連絡(一斉も1件ずつも) |
|---|---|---|
| 送れる相手 | 取引の相手方(広告を含まない場合) | 同意を通知した人・取引関係にある人など |
| 残す記録 | 送った時刻と物確の時刻(店の決まり) | 同意の記録(保存が義務) |
| 毎回の表示 | 法の表示の義務はかからない | 送信者の氏名か名称と停止の通知先 |
送り方を選ぶ前に、この表のどちらの列に入る連絡かを営業担当が決めます。総務省と消費者庁のガイドラインは、取引上の条件を案内する「事務連絡」を、特定電子メールに当たらないものとして挙げました。広告を含まず、広告のサイトにも誘導しないメールに限った話です。問い合わせへの返信に付随して広告が入る場合も、停止の求めの例外に挙がっています。
物件を勧める連絡では、一斉でも1件ずつでも、停止を求められたら、その意思に反して送れません。同意を受けたなら、その記録の保存も義務です(第3条第2項)。
内見日時の確認の連絡でも、新着の物件を1件添えれば広告を含むことになり、事務連絡の扱いから外れるため、「物件を勧める連絡」として扱います。同意か取引関係の根拠を顧客台帳に持ってから送れば、後から台帳を洗い直すより手間が軽く済みます。
送る前の物確が要るのは、連絡文が勧誘の言葉だから
連絡文は、宅建業者が契約を勧める場面の言葉になります。宅地建物取引業法第47条第1号は、業者が契約の締結の勧誘に際し、取引条件などの重要な事項について、故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為を禁じています。申込が入った部屋を知りながら募集中と書いて送れば、この禁止に触れるおそれが出てきます。送る直前に物確の時刻を見る工程を営業担当に残すのは、このためです。
知らずに送った場合でも、顧客から見れば、勧められた部屋が最初から無かったという連絡です。不動産の表示に関する公正競争規約は、ダイレクトメールで出す広告も表示に数えます。物件はあっても取引できない部屋を載せれば、規約が禁じるおとり広告の一つです。規約に縛られるかは所属する業界団体によりますが、確かめる手順はどちらでも変わりません。
物確の結果は、下書きを作る前に物件台帳の状態欄へ時刻と一緒に入れます。下書きの材料にするのは状態欄が「募集中」の行だけで、送る前にもう一度、確かめた時刻を見る決まりです。
朝に確かめて夕方に送るなら、送る前に元付へ電話を1本入れる決まりにしておくと、担当ごとの迷いが減ります。物確から送信まで何時間空いたらこの電話を入れるかは、店の決まりとして数字で置きます。
連絡文に入れない情報は、送った後では取り消せない
下書きに混じりやすく、送った後では取り消せない情報は、次の5行を店の一覧にして下書きの材料から外します。材料から外す行を選ぶのは店長で、一覧に無い情報が混じったら営業担当が行を足します。
| 入れない情報 | 混じりやすい場面 | 代わりに書くこと |
|---|---|---|
| 他の顧客の事情や申込の状況 | 整理表のメモに「別の方も検討中」 | 内見の候補日だけ |
| 売主の事情や値下げの見込み | 物確の電話メモを材料に渡したとき | 台帳にある価格と条件 |
| 値上がりや資産価値の断定 | 投資用の物件の下書き | 周辺の成約事例と、その時期 |
| 台帳に無い設備や駅までの分数 | 写真や地図から推して書かせたとき | 台帳の欄にある値 |
| 顧客のフルネームと連絡先 | 整理表をそのまま渡したとき | 顧客IDで書き、宛名は送る直前に |
【説明用の架空の記入例】宛名: 下書きでは顧客ID「C-0123」とし、送る直前に営業担当が入れる/物件: 新着の2LDK(状態欄: 募集中・物確 10月8日 9時20分)/本文: ご希望の駅から徒歩10分以内で、2LDKの新着が出ました。内見は今週末の午前にご案内できます/末尾: 店の名称・担当者名と、今後の案内が不要な場合の連絡先/外した情報: 整理表のメモにあった「別の方も検討中」
台帳の欄にある値だけで書ける連絡文なら、この一覧で足ります。AIに渡すのは、氏名と連絡先を外した条件整理表と、物件台帳の該当する行です。担当ごとに欄が違うと突き合わせが外れるので、ヒアリングで決める整理表の欄を店でそろえてから始めます。
氏名を外した整理表でも、顧客IDで顧客管理とつながる以上、個人データです。契約上、事業者が整理表の中身を取り扱わないことになっていて、中を見られる人も限られているサービスなら、提供に当たりません。中身を扱う事業者との契約なら、提案文づくりの目的に限った委託に当たるかを条項で確かめます。当たらない契約は第三者提供になるので、顧客本人の同意を先に取ります。
契約のどこを読めばよいかは、録音を文字起こしに回す前に規約で読む項目と同じです。扱いの書かれていないサービスには、整理表を送りません。
申込済みの部屋を送ったら、同じ宛先へ訂正と代わりの1件
申込済みの部屋を送ってしまったら、営業担当が気づいた時点で同じ宛先へ訂正を送り、代わりの候補を1件添えます。訂正の文面もAIに下書きさせて構いませんが、代わりの部屋が募集中かどうかは送る前に元付へ確かめ直します。訂正を送った営業担当は、その連絡文に一覧のどの行が混じったかを対応記録に残します。
停止の申し出や苦情が届くと、法務担当はその顧客が申し出の時点で停止欄に載っていたかを確かめ、載っていた件数と載っていなかった件数を数えます。載っていたのに届いたなら停止欄を読み込む工程の手順を、載っていなかったなら電話や店頭で受けた申し出を停止欄へ移す手順を書き直します。書き直す時期は店で決めておきます(たとえば、申し出が届いた週のうち)。
下書きを配る範囲を広げてよいかは、月の一覧で、停止欄に印があったのに届いた件の数で決めます。0件の月を迎えたら残りの営業担当にも下書きを配り、1件でも出た月は配る範囲を据え置いたまま、漏れた工程の手順から直します。
停止欄と台帳の連携、店の人手で足りる範囲と外部に出す範囲
店の人手で足りるのは、顧客台帳と物件台帳が同じ仕組みの中にあり、停止欄と状態欄を営業担当が1つの画面で見比べられる店です。停止欄への移し替えも、店長が手帳と電話メモから書き出せる量なら、外部の支援を借りずに済みます。
外部に出す範囲を考えるのは、顧客管理と物件台帳が別々の仕組みで、物確の時刻を下書きの材料へ毎回手で写している店です。停止欄で外した後の候補出しと下書きを、台帳どうしの連携ごと組むなら、AIエージェント開発の扱う仕事です。どこまで外部へ出しても、送る前の物確の時刻の確認と送信の操作は営業担当に、停止の申し出と停止欄の照合は法務担当に残ります。
明日から始める3ステップ
担当 店長
顧客台帳に停止欄を作り、電話メモや手帳に残る過去の停止の申し出を、受けた日と止める範囲に分けて移す
次へ進む目安営業担当の手元にあった申し出が、どれも停止欄から引けるようになった
担当 営業担当
物確の結果を時刻と一緒に状態欄へ入れ、朝に確かめた物件は、夕方に送る前に元付へ電話を1本入れる
次へ進む目安店長が決めた期間(たとえば1週間)、送った連絡文のすべてで、送る前の物確の時刻が状態欄に残っていた
担当 法務担当
月の終わりに、その月に届いた停止の申し出と苦情を一覧にし、停止欄に印があったのに届いた件を洗い出して、どの工程で漏れたかを営業担当と確かめる
次へ進む目安月の一覧に、印があったのに届いた件が1件も無い月を迎えた時点で、残りの営業担当にも下書きを配る
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01無料相談
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一緒に作り、現場で試して直す
04定着まで伴走
毎月1テーマずつ積み上げる
作って試す・定着までAIエージェント開発AI顧問生成AI研修
出典
- 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)(第2条・第3条・第4条) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 総務省・消費者庁「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」(平成23年8月改正)(1 適用範囲等・オプトアウトの例外) 総務省・消費者庁 確認日 2026.09.29
- 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)(第47条第1号) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
- 不動産の表示に関する公正競争規約(第4条第5項・第21条) 不動産公正取引協議会連合会 確認日 2026.09.28
- 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」Q7-53(クラウドサービスの利用) 個人情報保護委員会 確認日 2026.09.28
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(第25条・第27条) e-Gov法令検索(デジタル庁) 確認日 2026.09.28
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