「士業にAIは合わないのではないか」——登記や相続のように正確性が求められる業務ほど、そう感じて導入に踏み出せずにいませんか。
福岡県の明日香司法書士行政書士事務所・須釜様は、一人で幅広い案件に対応する中でクライアントが増え、一人事務所の限界を感じていました。いきなりAIを使うのではなく、業務基盤の整備と可視化から始め、最後にAIを業務へ取り入れる順序で進めたことで、当初の不安は確信へと変わりました。導入前の課題から定着までをご紹介します。
| 項目 | 導入前 | 導入後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| メール下書き作成 | 1通あたり4〜5分 | 1通あたり1分 | 約75%削減 |
| 勉強会資料の活用 | どこにあるか探すのに時間 | 質問すればすぐ回答 | 活用可能に |
| 対応できる業務 | 一人で回す限界 | 新領域にも挑戦 | 幅が拡大 |
導入前の課題:一人事務所の限界と、活かしきれない資産
須釜様は、登記・相続・不動産関連など幅広い案件に一人で対応されています。クライアント数が増える中で一人で回すことに限界を感じ、将来的に従業員を増やすことも見据えて、より効率的な情報共有やAI連携が可能な環境を整えたいという思いがありました。
もう一つの課題が、開業当初から蓄積してきた勉強会資料です。日々の研鑽で得た貴重な知識でしたが、案件対応に追われて整理が追いつかず、「あの資料に書いてあったはず」と探すだけで時間がかかってしまう状態でした。
- クライアント増加で一人の限界を実感
- 勉強会資料の整理が追いつかない
- 蓄積した知識を実務で活かしきれない
- メール作成に1通あたり4〜5分
- 業務の可視化で効率化の道筋が明確に
- 勉強会資料を実務ですぐ活用
- 新たな領域にも自信を持って挑戦
- メール作成は1通あたり1分に短縮
最初に須釜様が抱えていたのが「士業にAIは合わないのではないか」という不安でした。法律に基づく正確性が求められる業務では、AIが事実と異なる情報を出力するハルシネーションのリスクが気がかりになるのは当然のことです。だからこそ、いきなりAIを導入するのではなく、まず業務基盤の整備から始めることにしました。
BoostXの支援内容:基盤整備から可視化、そしてAIへ
「士業にAIは合わない」という思い込みを覆せたのは、いきなりAIに飛びつかず、土台づくりから順を追って進めたからです。既存の業務用システムはそのまま活かしつつ、AIが力を発揮できる環境を一緒に整えていきました。
Googleワークスペースで業務基盤を整備
メール・ドキュメント・スプレッドシートを一元管理し、AI連携の土台を構築。GmailのAI機能でメール下書きの作成時間が1通4〜5分から1分へと短縮されました。
ヒアリングで業務を棚卸し
日々の業務を一つひとつ洗い出し、どこに時間がかかりボトルネックがあるのかを対話で明確化。一緒に解像度を高めながら全体像を把握しました。
業務フローを図式化して「見える化」
登記・相続・不動産などの業務をフロー図にして、どこをAIで効率化できるかを明確化。将来の引き継ぎや、顧客への説明資料としても活用できる形に整えました。
NotebookLMで勉強会資料を活用可能に
長年蓄積してきた勉強会資料をNotebookLMに取り込み、質問すればすぐ答えが見つかる状態に。アップロードした資料の範囲で回答するため、士業が求める正確性とも相性が良い仕組みです。
士業がAIに慎重になる最大の理由はハルシネーションへの懸念です。NotebookLMは信頼できる自分の資料に基づいて回答し、出典も明示されるため、回答の根拠を確認できます。この「相性の良さ」を体感したことで、当初の不安は解消されました。
導入後の変化:不安が確信に変わった
時間削減はもちろん、それ以上に大きかったのが「対応できる業務の幅が広がった」ことです。蓄積してきた勉強会資料がNotebookLMで活用できるようになり、新たな領域にも自信を持って挑戦できるようになりました。
NotebookLMを活用し、専門業務に特化した自分専用のチャットボットを構築していただきました。このツールを心強い相棒にすることで、新たな領域にも自信を持って挑戦でき、対応できる業務の幅を広げることができました。吉元さんはこちらの意図を丁寧に汲み取ってくださるため、安心してお任せすることができ、大変感謝しております。
— 明日香司法書士行政書士事務所 須釜様
なぜ定着したのか:段階的に進めたこと
今回の取り組みが定着した最大の理由は、「いきなりAI」ではなく段階的に進めたことです。まずGoogleワークスペースで基盤を整え、次にヒアリングとフロー図で業務を可視化し、最後にNotebookLMやClaudeといったAIを業務へ取り入れる——この順序が、無理のない定着につながりました。
士業のように正確性が問われる業務では、出典が明確で根拠を確認できるツールを選ぶことが安心につながります。意図を汲み取りながら一緒に進めるかたちで支援したことで、須釜様は今ではAIを「心強い相棒」として日々の業務に活用されています。一人事務所だからこそ、浮いた時間を専門業務や新たな分野への挑戦に充てられる効果は大きく出ます。同じように「士業にAIは合わないのでは」と迷っている方ほど、まず業務の棚卸しから一緒に始めてみることをおすすめします。
