Claudeを法人で契約するとき、代理店か直接かより先に決めるのは、社員が使う「席」を買うのか、自社のシステムにAPIで組み込むのかです。席はAnthropicが売っていて、請求書払いができるのは営業担当経由のEnterprise(最小50席)だけです。AWS Marketplace経由でEnterpriseを買うと請求はAWS側を通り、APIはAmazon BedrockやMicrosoft Foundryなど各クラウドの請求に載ります。
- 違いを決めるのは「誰から買うか」より「何を買うか」です。席なのか、クラウド上のAPIなのかで、支払い方法も管理機能も別物になります。
- 請求書払いが社内の必須条件なら、直接の窓口では営業担当経由のEnterpriseか、その一形態のAWS Marketplace経由に絞られます。TeamとセルフサービスのEnterpriseでは使えません。
- 「代理店」と話すときは、売っているのが席か、APIの再販か、導入支援かを最初に確かめます。代理店経由の価格や支払い条件は公開されていないので、聞いて確かめるしかありません。
目次
Claudeの法人契約で、代理店と直接契約は何が違うのか
Claudeの法人契約の窓口は、Anthropicから席を買う(TeamかEnterprise)か、AWS Marketplace経由でEnterpriseを買うか、クラウド(Amazon Bedrock・Google Cloud・Microsoft Foundry)でAPIを使うかに分かれ、それぞれで請求書払いの可否と請求の載り先が変わります。「代理店経由」と呼ばれる契約も、中身はこのどれかに当たります。
2026年10月時点の公式の料金ページとヘルプセンターの記載を、窓口ごとに並べると次のとおりです。
| 契約窓口 | 買うもの | 最小席数 | 支払い方法 | 請求書払い | 通貨・請求の載り先 | SSO/SCIM・監査ログ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Team(Anthropic直接) | 席 | 2名から(150名まで) | クレジット・デビット・プリペイドのカードのみ | 不可 | Anthropicの請求 | SSOあり/SCIM・監査ログなし |
| Enterprise セルフサービス | 席+API料金での使用量 | 20席 | クレジットカード・ACH | 不可 | USDのみ・Anthropicの請求 | すべてあり |
| Enterprise 営業担当経由 | 席+API料金での使用量 | 50席 | クレジットカード・ACH・請求書($50,000以上は銀行振込のみ) | 可 | 複数通貨に対応・消費に基づく月次の請求書 | すべてあり |
| AWS Marketplace経由のEnterprise | 席+API料金での使用量 | 公式の料金表に記載なし(営業に確認) | AWS Marketplaceでの購入 | 営業担当経由と同じ月額後払い | AWS Marketplaceを通る請求 | すべてあり |
| クラウドのAPI(Bedrockなど) | API(席ではない) | なし(使った分) | 各クラウドの支払い方法 | 各クラウドの条件による | Bedrock=AWSの利用料/Foundry=Azureの請求に月次後払い | 席の管理機能の表には載らない |
表の上3行はAnthropicと直接結ぶ契約です。セルフサービスと営業担当経由のEnterpriseは、ヘルプセンターで同じ機能・同じ席の料金とされていて、違いは買い方・払い方・プランの管理の仕方だけです。4行目は営業担当経由のEnterpriseをAWSの購買の仕組みで買う形で、5行目は席を買わずにClaudeのモデルを自社のシステムから呼び出す形です。
料金ページの価格には税金が含まれていません。また料金と条件は変わることがあるため、稟議に書くときは公式ページの確認日も添えてください。
社員が使うClaudeの席は、どの窓口から買うのか
社員がClaudeの画面で文書を作ったり調べものをしたりするなら、買うのは席です。席を売っているのはAnthropicで、窓口はTeam、Enterpriseのセルフサービス、Enterpriseの営業担当経由の3つ、それに営業担当経由の一形態としてAWS Marketplaceがあります。
Team:150名までで、カード払いでよい会社
Teamは2〜150名のチーム向けです。スタンダードシートは年払いで1席あたり月額$20、月払いで$25(税別)で、使用量がスタンダードの5倍のプレミアムシートは年払いで月額$100、月払いで$125です。支払いはクレジット・デビット・プリペイドのカードだけで、ACHの銀行振込などは受け付けていません。
Enterprise:20席からと50席からの2つの買い方
Enterpriseは席の料金(1席あたり月額US$20・年払い)に、API料金での使用量が加わる形です。年間契約だけで、月単位の契約はありません。最小の席数はセルフサービスが20席、営業担当経由が50席です。
どちらで買っても機能と席の料金は同じなので、セルフサービスか営業担当経由かは、払い方と通貨と、専任の担当者が要るかで決まります。ヘルプセンターは、請求書・専任のカスタマーサクセス・USD以外の通貨のどれかが必要なら、営業チームに連絡して営業担当経由で契約するよう案内しています。
AWS Marketplace経由は、営業担当経由のEnterpriseの買い方の1つ
料金ページの比較表では、「AWS Marketplaceでの提供」が「はい」になっているのは営業担当経由のEnterpriseだけです。AWS Marketplace経由で買ったEnterpriseは、請求が営業担当経由のプランと同じように動き、使った量に応じて月額後払いで請求されます。社内の購買をAWSの契約にまとめている会社には、この窓口が候補になります。最小の席数や価格の条件は今の料金表に書かれていないので、営業担当に確かめてください。
請求書払いや円での支払いは、どの窓口なら使えるのか
Claudeの請求書払いは、営業担当経由のEnterprise(最小50席)だけで使え、TeamとセルフサービスのEnterpriseでは使えません。2026年10月時点の料金ページの「請求書払い/ネット支払い条件」の行が、Team「いいえ」、Enterpriseセルフサービス「いいえ」、Enterprise営業担当経由「はい」となっています。
経理の条件ごとに、当てはまる窓口
請求書払いにしたいなら、営業担当経由のEnterpriseか、AWS Marketplace経由です。営業担当経由の請求書が$50,000以上になる場合、支払いは銀行振込(ACHかワイヤー)だけになります。USD以外の通貨で払いたい場合も同じで、セルフサービスはUSDのみ、複数通貨に対応しているのは営業担当経由です。
既存のクラウドの請求にまとめたいなら、APIの契約になります。BedrockならAWSのサービス利用料として、Microsoft FoundryならAzureの請求書に月次後払いで載ります。Anthropicが運用するAPIをAWS Marketplace経由で請求する「Claude Platform on AWS」もあります。カード払いで構わないなら、Teamで足ります。
50席に届かない会社が請求書払いを求めると、公式で確かめられる直接の窓口には当てはまるものがありません。経理とカードかACHで通せないかを話すか、代理店が請求書払いを提案してきた場合は、その請求書がどの商品について誰が発行するものかを確かめることになります(次の次の節)。
2026年4月からの消費税と適格請求書
Anthropicは2026年4月から、日本の顧客のすべてのプラン価格に10%の消費税を加算しています。Anthropicは適格請求書発行事業者の登録を済ませていて、消費税の対象になる法人は、Anthropicが発行する適格請求書で仕入税額控除を受けられます。請求の通貨はこれまでと変わらず、消費税の額は適格請求書に円で表示されます。
経理が「海外の会社だとインボイスが出ないのでは」と心配している場合は、この点で答えられます。代理店経由にする場合は、適格請求書を出すのが代理店なのかAnthropicなのかが変わるので、代理店に確かめる項目に入れてください。
SSO・監査ログ・データの扱いは、窓口で変わるのか
管理機能は、窓口ではなく契約するプランで決まります。料金ページの比較表では、シングルサインオン(SSO)はTeamから使え、SCIM(社員の追加と削除を社内のID管理と連動させる仕組み)と監査ログはEnterpriseだけです。セルフサービスと営業担当経由のEnterpriseで差はありません。
情報システム部門が「直接契約のほうが管理機能が揃う」と言うとき、実際に効いているのは直接か代理店かではなく、TeamかEnterpriseかです。代理店経由でも、売られている商品がEnterpriseの席なら同じ管理機能が付き、Teamの席なら付きません。
入力した内容の扱いは、どこを通るかで変わる
Teamには「デフォルトでコンテンツをモデルのトレーニングに使用しない」が含まれ、EnterpriseはTeamの機能をすべて含みます。席で契約する限り、学習に使わないことが既定です。
APIをクラウド経由で使う場合は、そのクラウドの条件が効いてきます。Anthropicの開発者向け資料は、AWSを唯一のデータ処理者にする必要がある組織にはBedrockを勧めていて、Google Cloud経由で使う場合のデータの扱いはGoogle Cloudが定めるとしています。社内の規程で「データはこのクラウドの外に出さない」と決めている会社では、この点が窓口を決める条件になります。
「代理店」と名乗る会社には、何を確かめればよいのか
代理店には何を確かめればよいか。最初に聞くのは、売っているのがClaudeの席か、クラウド上のAPIの再販か、導入や設定の支援か、です。同じ「Claudeの代理店」という言葉でも、この3つは契約の相手も管理機能も違います。
Anthropicは2026年3月にClaude Partner Networkを始め、条件を満たした会社をServices Partner Directoryに載せています。これは企業がClaudeの導入経験のある会社を探すための名簿で、再販の権限を示す一覧ではありません。代理店を名乗る会社がこの名簿に載っていても、席を売る権限があるかは別に確かめます。代理店経由の価格・円での請求・支払いの期日・サポートの範囲は公開されていないので、次の6項目を聞いて書面でもらってください。
| 確かめる項目 | 聞き方 | 答えを照らす先 |
|---|---|---|
| 何の商品か | TeamかEnterpriseの席か、BedrockなどのAPIか、導入支援だけか | この記事の比較表の5行 |
| 誰の規約に同意するか | 利用規約の相手はAnthropicか、クラウド事業者か、代理店か | 契約書の当事者欄 |
| 請求書の発行元と通貨 | 請求書と適格請求書を出すのは誰か、円かUSDか | 経理が求める支払い条件 |
| 最小席数と契約期間 | 何席から、何年契約か、途中で席を増減できるか | Enterpriseは年間契約のみ・20席/50席から |
| 管理機能 | SSO・SCIM・監査ログは使えるか | 料金ページの比較表のセキュリティと管理の行 |
| サポートの窓口 | 障害や請求の問い合わせは代理店か、Anthropicのアカウントマネージャーか、日本語か | 営業担当経由ならアカウントマネージャーが窓口 |
答えが「Bedrockの再販です」なら、社員が使うClaudeの席ではなく、自社のシステムから呼び出すAPIの契約です。SCIMや監査ログといった席の管理機能の話とは別になるので、情報システム部門の条件と照らし直してください。
稟議には、契約先をどう書けばよいのか
席かAPIか、50席以上か、請求書払いが必須か、既存のクラウド契約に寄せたいか、の順に当てると窓口が1つに決まります。

- 社員に配るなら席、自社のシステムに組み込むならAPI。APIなら、使っているクラウド(AWSならBedrock、AzureならMicrosoft Foundry、Google CloudならGoogle Cloud経由)が契約先です。
- 席で150名以下、カード払いでよく、SCIMと監査ログが要らなければTeam。
- SCIMか監査ログが要り、20席以上でカードかACHで払えるならEnterpriseのセルフサービス。
- 請求書払いかUSD以外の通貨が必須で50席以上なら、Enterpriseの営業担当経由。購買をAWSにまとめたいなら、その中でAWS Marketplace経由。
- どれにも当てはまらず代理店を検討するなら、前の節の6項目の答えをこの表に当てて、どの行の商品かを確かめてから書く。
たとえば80名が使い、経理が請求書払いを求めていて、AWSの契約は無い会社なら、4番目に当たり、契約先欄は「Anthropic(Claude Enterprise・営業担当経由・年間契約)」になります。稟議の添付には、料金ページとヘルプセンターの該当ページ、確認した日付を付けておくと、条件が変わったときに後から照らせます。
契約の後、Claude Codeを含めて社内で何に使えるかはClaude Codeでできることの全体像で扱っています。席を配った後に使われ続けるかどうかは、Claudeの法人導入後の社内定着の論点になります。
この記事のまとめ
- 経理に「請求書払いは必須か、カードかACHでも通せるか」を、情報システム部門に「SCIMと監査ログは必須か」を、それぞれ1行で回答してもらいます。
- Claudeを使う予定の部署から人数を集め、50席に届くかを数えます。届かずに請求書払いが必須なら、その事実を稟議の前に上長へ伝えます。
- 代理店から提案を受けているなら、6項目の表をそのまま送り、書面で回答をもらいます。
- 決めた窓口の公式ページを開き、確認日を書いて稟議に添付します。
公開日:2026年10月
読んで終わりにしないために
「自社の場合は、どうすれば?」
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この相談で持ち帰れるもの
- 01
自社業務に当てはめたAI活用マップ
- 02
投資対効果(ROI)のシミュレーション
- 03
いまの悩み・疑問への、その場の個別回答


