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AIコンサル費用の相場はなぜ比べにくい?社長が決裁前に防ぐムダ3つ

公開 2026.04.30 ・ 最終更新 2026.11.02 ・ 読了目安 約15分

AIコンサルタント会社の見積を3社並べた担当者がまず詰まるのは、「同じAI顧問という名前なのに、なぜ中身がこれほど違うのか」という点です。月額の数字は並ぶのに、定例の回数も、構築を含むかどうかも、解約の条件も1社ずつ違います。AIコンサル費用の相場を検索して出てくるのは月額の幅だけで、その幅が何で決まるのかまでは書かれていません。物差しがないまま見積を眺める時間が、比較の2週目、3週目に入ります。

先に結論です。AIコンサルの費用は「契約の形」と「構築をどこまで含むか」で決まります。業界全体の相場を示す公的な統計は2026年11月時点で見当たらないため、本記事は他社の見積ではなく、自社であるBoostXの公開料金を1つの基準に置きます。プロジェクト型のAIコンサルティングは範囲(1部署・複数部署・全社)を伺って個別見積、月額顧問型のAI顧問はLight 月額110,000円・Standard 月額220,000円・Growth 月額330,000円(いずれも税込・初期費用なし・最低契約3ヶ月)、ツール開発型のAIエージェント開発は規模により個別お見積もりです。同じ月額顧問型の中で月額に幅があるのは、毎月作れる構築の量(枠)と、作ったものが現場で使われているかを毎月確かめるかどうかの差です。この基準を物差しに、月額を動かす4つの要素、プラン別の中身、格安が高くつく5つの落とし穴、見積3社を同じ表に落とす5項目の順に解説します。

30-SECOND SUMMARY忙しい方へ|この記事の結論
  1. AIコンサルの費用は契約形態で決まる。BoostXの公開料金は、月額顧問型のAI顧問がLight 110,000円・Standard 220,000円・Growth 330,000円(税込・初期費用なし・最低3ヶ月・以降は月単位で解約可)、プロジェクト型とツール開発型は個別見積
  2. 月額の差を生むのは、定例の使い方・チャット相談の有無・構築の枠(月1枠・2枠・3枠)と定着支援・担当者の専属性の4要素。妥当性は「月額÷会社側が受けた時間」の実効単価で見る
  3. 費用のムダは①要件が決まらないまま払う②安さで選んで作り直す③効果を測らず更新する、の3つ。いずれも月額ではなく、要件の1枚・構築の含みの書面確認・戻った時間の月1回の計測という会社側の準備で消える

AIコンサル料金の全体像|3つの契約形態と相場レンジ

AIコンサルティングとは、会社のAIの使い方の方向を決め、日々の仕事に組み込み、現場で使われる状態になるまでを外部の専門家が引き受けるサービスです。契約の形はスポット・プロジェクト型、月額顧問型、ツール開発型の3つに分かれ、何に対して払うのかが違います。本記事の「相場レンジ」はBoostXが公開している料金の幅で、業界全体の平均ではありません。

スポット・プロジェクト型|課題1つを期間と金額で切る(個別見積)

営業資料の下書きをAIで作る仕組みが欲しいのように、課題と成果物がはっきりしているときの形です。ヒアリングと現状把握に1〜2週間、提案に1週間前後をかけ、範囲・期間・費用を固めてから着手します。BoostXのAIコンサルティングはこの形で、料金は個別見積です。金額が案件ごとに変わるのは、月に1時間の作業が消える案件と月に40時間の作業が消える案件では「消える仕事の大きさ」が別物だからです。

月額顧問型|月額ヒアリング後に個別見積330,000円(税込)で毎月の枠の中で業務をAI化する

課題が1つに絞れていない、あるいは絞れていても社内で手を動かす人がいない会社の形です。月額固定で、月2回のオンライン定例とチャット相談で方向を決め、毎月の構築の枠(Light 1枠・Standard 2枠・Growth 3枠)の中で設計から構築、使い方の共有まで進めます。BoostXの公開料金はLight 110,000円・Standard 220,000円・Growth 330,000円(税込)で、3プランとも初期費用はなく、最低契約は3ヶ月、3ヶ月を過ぎれば月単位で解約でき違約金はありません。

ツール開発型|規模により個別お見積もり

「請求書の作成を自動にしたい」のように、消したい手作業が1本の形で決まっている依頼では、相談ではなくツールそのものに値段が付きます。BoostXのAIエージェント開発は、PoCで成立を確かめてから本番導入へ進める形で、金額は規模により個別にお見積もりします。幅を決めるのは、連携するシステムの数、扱うデータの種類、例外処理の量です。

AIスクール・AI研修との違い|「学ぶ人数」で決まるか「消える仕事」で決まるか

スクールや研修は「学ぶ人数×回数」で費用が決まり、受講した人が自社の仕事に当てはめるところまでは含みません。コンサルは「会社の課題1つ」に対して費用が決まり、当てはめるところまでを引き受けます。中小企業基盤整備機構の2026年3月の実態調査では、中小企業が求める公的支援のうち「従業員向けの教育・研修」が67.7%、「専門家の派遣や導入相談」が59.8%で、両方に需要があります。自社に足りないのが「知識」なのか「進める人」なのかで、払う費用の形が変わります。

契約形態 何に対して払うか BoostXの公開料金(税込)
スポット・プロジェクト型 課題1つの範囲・期間・成果物 個別見積(ヒアリング1〜2週間+提案1週間前後)
月額顧問型 毎月の方向決め・相談・毎月の枠の中での構築と定着 Light 110,000円/Standard 220,000円/Growth 330,000円(最低3ヶ月)
ツール開発型 消える手作業1本の設計・開発と運用改善 規模により個別お見積もり
AIコンサル料金の全体像|3つの契約形態と相場レンジ(何に対して払うかとBoostXの公開料金(税込)の比較)
3つの契約形態は「何に対して払うか」が違う。月額顧問型だけが毎月の枠で構築と定着を回す形

相場を「幅」で見ずに「決まり方」で見る

同じ実態調査では、「適切なベンダーや製品を選定する情報が十分にある」に当てはまらない企業が79.8%、「成功事例や活用事例などの情報が十分に入手できている」に当てはまらない企業が83.3%です。10社のうち8社は、比べるための情報そのものが足りていません。だから本記事は幅ではなく「月額を動かす要素」を先に分解します。要素が分かれば、3社の見積がプラン名ではなく中身で横に並びます。

月額顧問型の費用内訳|価格差を生む4つの要素

月額顧問型に絞って、自社の公開料金の下限110,000円と上限330,000円の差の中身を分解します。看板は同じ「AI顧問」でも、契約書を開くと入っている作業の量がまるで違うことが起きます。差を生む要素は4つです。

①定例の回数と使い方|現状説明で終わるか、打ち手を決める場か

定例は進める側と会社側が同じ画面を見て決める「現場時間」です。月1回30分のような薄さだと現状の説明で終わり、打ち手の議論に入れません。BoostXの公開プランでは3プランとも月2回のオンライン定例で、回数に差はありません。差が出るのは、定例で「次に何を作るか」まで決め切るか、相談で終わるかです。

②チャット相談の有無|定例の間に積み上がる小さな質問の行き先

定例が月2回でも、その間の営業日は月18〜20日あります。「このデータは入れて大丈夫か」という質問の行き先がチャット相談です。BoostXの公開プランでは3プランともチャット相談を含み、差はありません。チャット相談が無い契約では、小さな質問が次回の定例まで最長30日滞留し、社内の作業が止まります。

③構築の枠と定着支援|月1枠・2枠・3枠と、使われているかを毎月見るか

月額を最も大きく動かすのがここです。BoostXの公開プランでは、構築を大きさで数える「枠」で示していて、業務用の指示文・作業手順・資料のひな形のような小さなものが1枠、スプレッドシートやメール周りの軽い自動化・簡単なワークフローが2枠、基幹システム連携や本格的なAIエージェントは別のお見積もりです。Lightは毎月1枠、Standardは毎月2枠、Growthは毎月3枠で、使わなかった枠は翌月まで持ち越せます。Standard以上には、作ったものが現場で使われているかを毎月確かめて直す定着支援が付きます。月額110,000円と330,000円の差は、主にこの「毎月作れる量」と「定着まで毎月見るかどうか」の差です。

④担当者の専属性と交代リスク|文脈が積み上がるかどうか

同じ月額でも、担当が「何社も兼任するスタッフ」か「専属で並走する人」かで価値は別物です。会社の仕事の文脈が担当者に積み上がることが価値の源泉で、担当が3ヶ月ごとに交代すれば説明のやり直しが起きます。契約前に「担当は誰か」「期間中に交代する可能性はあるか」「交代時に何を引き継ぐか」の3点を確かめます。

価格を動かす要素 薄いと起きること 厚いと得られること
定例の使い方 月1回30分では現状説明で終わり、打ち手に入れない 毎回「次に作るもの」まで決め切れる
チャット相談 質問が次回の定例まで最長30日滞留する 営業日内に判断が進み、手戻りが減る
構築の枠と定着支援 相談だけで構築は社内任せになる 毎月1〜3枠を構築し、使われているかを毎月確かめる
担当者の専属性 交代ごとに説明のやり直しが起きる 文脈が積み上がり、2件目以降が速くなる

実効単価で見る|月額÷受けた時間が本当の値段

月額の妥当性は「月額÷会社側が実際に受けた時間」で見ます。定例・チャット・構築の稼働を合わせて何時間分の仕事を受けたかを、会社側が月ごとに書き留めます。本記事の目安として、月額110,000円で受けた時間が月2時間なら110,000円÷2時間=1時間あたり55,000円、月10時間なら110,000円÷10時間=1時間あたり11,000円です。同じ月額で実効単価が5倍変わる計算で、月額の高い安いより「枠を使い切る準備が社内にあるか」が費用の実質を決めます。

プラン別に見る月額相場の中身|Light・Standard・Growth

月額顧問型は、BoostXのAI顧問が該当し、3プランはいずれも税込の定額で、初期費用はありません。共通して含まれるもの(判断と設計・定例月2回・チャット相談・使い方の共有と最初の修正・初月の最初の構築・顧問先向けの勉強会)は表にまとめます。月額ごとに手元で何が変わるかの詳しい比較はAI顧問の月額で何が変わるかをまとめた記事に譲り、ここでは費用を判断する物差しとして要る範囲だけを押さえます。

Light|月額110,000円(税込)|毎月1枠の構築

構築の枠は毎月1枠で、小さなものなら毎月1つ、軽い自動化なら2か月分の枠を使って1つです。「まず小さく作って、AIが現場で使えるかを確かめたい」段階の会社に向いています。最低契約3ヶ月で110,000円×3ヶ月=330,000円です。作って渡し、使い方を共有して最初の修正まで行いますが、その後も使われているかを毎月確かめる定着支援は含みません。

Standard|月額220,000円(税込)|毎月2枠+現場定着(推奨)

Lightの内容に加えて、構築の枠が毎月2枠(小さなものなら毎月2つ、軽い自動化なら毎月1つ)になり、作ったものが現場で使われているかを毎月確かめて直す定着支援と、次の業務の候補と順番の毎月の見直しが付きます。「業務のAI化を毎月進めて、現場に定着させたい」会社の形で、最低契約3ヶ月で220,000円×3ヶ月=660,000円です。Lightとの110,000円の差は、作れる量が2倍になることと、作ったあとを毎月見続けることの2つです。

Growth|月額330,000円(税込)|毎月3枠+展開

Standardの内容に加えて構築の枠が毎月3枠になり、運用ルールと社内マニュアルの整備、複数部署への展開支援が付きます。部署が複数あり、同時に複数の手作業を消していきたい会社の選択肢で、最低契約3ヶ月で330,000円×3ヶ月=990,000円です。月額を固定で示せるのは枠の中の構築を小規模な範囲に限っているためで、基幹システム連携のような大きい開発は別のお見積もりです。

項目 Light Standard Growth
月額(税込・定額) 110,000円 220,000円 330,000円
一言 毎月1枠の構築 毎月2枠+現場定着 毎月3枠+展開
構築の枠(小=1枠・中=2枠) 月1枠(小なら毎月1つ) 月2枠(小なら毎月2つ・中なら毎月1つ) 月3枠(中1つ+小1つ)
定着支援(使われているかを毎月確かめて直す) 含まない 含む 含む
運用ルール・マニュアル・複数部署への展開 含まない 含まない 含む
全プラン共通 判断と設計・定例月2回・チャット相談・使い方の共有と最初の修正・初月の最初の構築・勉強会(月1回)
初期費用/最低契約 なし/3ヶ月 なし/3ヶ月 なし/3ヶ月
3ヶ月の総額 330,000円 660,000円 990,000円

最低契約3ヶ月の意味|設計・構築・現場での確認がひと回りする期間

3プランとも最低契約が3ヶ月なのは、業務を選んで設計し、構築して現場で使い、使われたかを確かめるまでが3ヶ月でひと回りするからです。3ヶ月で枠が持ち越しのまま消えていれば、料金の問題ではなく要件か体制の問題です。

プラン選びを分ける1つの問い|まず小さく確かめるか、毎月進めて定着させるか

LightかStandardかで迷うとき、問いは1つです。「まず小さく作ってAIが使えるかを確かめたいか、業務のAI化を毎月進めて現場に定着させたいか」。前者ならLightの毎月1枠、後者ならStandardの毎月2枠と定着支援です。中小企業基盤整備機構の実態調査では、AIを入れた目的は「作業時間を短くすること」が87.0%で、2位の「品質を上げること」32.3%を50ポイント以上引き離しています。目的の大半が時間である以上、作ったものが使われ続けない契約は目的に届きません。Lightで小さく作って確かめ、2件目の候補が見えた時点でStandardに上げる順番が現実的です。

「格安AIコンサル」がトータルで高くつく5つの落とし穴

月額の安さで選んだ結果、合計では高くつく形が5つあります。特定の会社の話ではなく、契約の構造から起きるものです。

①定例が短すぎて、論点が深まらない

月1回30分のプランでは、現状のヒアリングだけで30分が終わります。「アドバイスはもらったが、社内で誰も作らない」まま3ヶ月がたち、解約する形です。月額が3分の1でも、動いたものが0件なら実効単価は計算できないほど高くなります。

②構築が完全に別料金で、合計が膨らむ

月額は安くても、構築がすべて時間チャージという契約があります。形にするたびに見積が飛んできて、気づけば構築込みの月額と同等以上の支払いになっています。「月額に含まれる構築の範囲」と「追加の単価(1時間あたり・1案件あたり)」を書面で確かめれば防げます。

③担当者が交代し、文脈が積み上がらない

契約書に「専属」とあっても、実態は3ヶ月ごとに担当が変わり、毎回ゼロから説明をさせられる形です。それまでの月額が説明のやり直しに消えます。

④作って渡して終わりで、3ヶ月後の稼働が止まる

プロンプトや自動化を納品して終わり、現場で使われているかのフォローがない契約では、3ヶ月後に現場の稼働を数えると0件、ということが起きます。総務省の令和7年版情報通信白書では、日本企業が生成AIを取り入れる際の懸念事項の1位が「効果的な活用方法がわからない」で、セキュリティリスクや初期・ランニングのコストはその次です。使われているかを見ない契約は、懸念の1位を残したまま費用だけが出ていく形です。

⑤最低契約期間と違約金で、撤退コストが高い

最低6ヶ月・途中解約は残月数の全額、という契約では、月額が抑えられていても6ヶ月分の支払いが確定します。最低契約期間、月単位で解約できる時期、違約金の有無の3点は契約前に書面で確かめてください。BoostXの公開条件は3プランとも最低3ヶ月・以降は月単位・違約金なしです。

5つの落とし穴は、費用のムダとしては3つに集約できる

5つの落とし穴を費用の側から見直すと、ムダは3つに集約されます。表の右列は本記事の目安で、月額はBoostXの公開料金、時間は仮に置いた数字です。社内の時間を金額に直すときは自社の人件費の単価を掛けてください。

費用のムダ 起きる形(落とし穴①〜⑤との対応) 本記事の目安(計算式)
ムダ1:要件が決まらないまま払い続ける 定例が現状説明で終わる(①)、担当交代で説明がやり直しになる(③) Light 110,000円×3ヶ月=330,000円を払い、毎月1枠が持ち越しのまま消えていく
ムダ2:安さで選んで構築に届かず、作り直す 構築が別料金で膨らむ(②)、納品後に使われず稼働0件(④) 社内で整理をやり直す1日1時間×20営業日=月20時間が、3ヶ月で60時間、会社側の負担として上乗せ
ムダ3:効果を測らないまま契約を更新する 解約条件が重く撤退できない(⑤)、戻った時間を数えていない(④) 計測は月1回30分で済むのに、測らずにStandard 3ヶ月分の660,000円を「効いたか分からない支出」として更新する

3つのムダに共通するのは、料金ではなく「会社側の準備」で決まる点です。ムダ1は要件を1枚にまとめてから契約すれば消え、ムダ2は構築の含みを契約前に書面で確かめれば消え、ムダ3は戻った時間を月1回30分で数える習慣があれば消えます。中小企業が求める公的支援の1位は「導入費用などの助成」で77.9%ですが、助成で月額が下がっても3つのムダは消えません。

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自社にとって妥当な料金を見極めるチェックリスト

AIコンサルタント会社の費用を3社で比べるとき、契約書と見積書のどこを見れば同じ物差しになるかを5項目に絞ります。すべて「書面に書いてあるか」で確かめられます。

受けた時間の総量|定例・チャット・構築の稼働を時間に直す

定例の回数×1回の時間に、構築で動いてもらう時間の目安を足し、月の合計時間に直します。片方が月8時間、もう片方が月15時間なら、月額が同じでも実効単価は約1.9倍違います。

構築の含みと追加料金の体系|どこまでが月額で、どこからが別か

プロンプト設計・API連携・データ整形のうち、どこまでが月額に含まれ、どこから追加課金になるか。1か月に作ってもらえる量の上限は何か。3社分を一覧にすると合計費用の見通しが立ちます。構築を社内に寄せたい会社には、AIエージェントの環境を社内に作って自走に持っていくClaude Code構築支援(個別見積)のような形もあり、「毎月払う」か「作って引き渡す」かで費用の形が変わります。

解約条件と違約金の有無|3ヶ月・月単位・違約金なしを基準に読む

最低契約期間、途中解約の違約金、月単位の解約に切り替わる時期、契約終了後のデータと成果物の所有権の4点です。6ヶ月縛りや残月全額の条件は「撤退コスト」として月額に上乗せして比べると、安く見える契約の合計が見えます。

担当者のレベルと専属性|初回の提案で本人と話す

担当者の構築経験の年数、現在の兼任社数、契約期間中に交代する可能性、交代時の引き継ぎ内容。可能なら初回の提案の場で担当者本人と話します。「提案する人」と「並走する人」が別の会社では、契約後の温度差がここから生まれます。

成果の物差しと頻度|「月何時間が戻ったか」を誰がいつ数えるか

成果を数える指標が「作業時間が月何時間戻るか」「自動化が何件動いているか」の形で決まっていて、3ヶ月後・6ヶ月後の見直しの日まで決まっているか。総務省の白書では、生成AIの活用方針を定めている日本企業は49.7%で、前年度の42.7%から増えていますが、中小企業では「方針を明確に定めていない」が約半数です。数える人を決めていないと「何が成果か分からない」まま更新期を迎えます。この項目は支援する側が約束するものではなく、会社側が数える体制を持つかどうかの話です。

見積依頼の1枚に書く4つ|担当・入力・出力・例外

ここまでの5項目を3社に同じ条件で答えてもらうには、見積を頼む側が1枚の紙を先に用意します。書くのは4つです。担当(誰がその仕事をしていて、誰がAIの出力を使うか)、入力(どの書類・どのスプレッドシート・どのメールが入ってくるか)、出力(何が出てくれば仕事が終わりか)、例外(AIに任せず人が確認する判断はどれか。金額の確定や取引先への送信のように責任が会社に残るもの)。この1枚があると、各社の見積が「小か中か」「枠に収まるか別見積か」の同じ単位で返ってきます。

チェック項目 契約書・見積書で見る場所 妥当と言える線(本記事の基準)
受けた時間の総量 定例の回数と1回の時間、構築の稼働の目安 月額÷時間で1時間あたりの実効単価を3社で並べる
構築の含み 含まれる作業の一覧と追加単価 追加の単価が1時間・1案件のどちらで書いてあるか明記されている
解約条件 最低契約期間・違約金・成果物の所有権 最低3ヶ月・以降月単位・違約金なし・成果物は会社側
担当者 担当者名・兼任社数・交代の条件 初回提案で本人と話せる・交代時の引き継ぎが書面にある
成果の物差し 戻った時間・件数の指標と見直しの時期 3ヶ月後・6ヶ月後の見直しを、会社側の誰が数えるかまで決めてある

自前で情報を集め続けると、どこで足が止まるのか?

ここまでの物差しがあれば、AIコンサルタント会社の費用は自前でも比べられます。ただし、情報を集める側に回り続けると、3つの境目で足が止まります。いずれも「動いているように見える」まま止まります。

境目1:3社の見積が横に並ばず、比較そのものに時間が溶ける

本記事の目安で数えると、1社あたり自社の説明に1時間、見積の読み込みに1時間、社内での相談に1時間で3時間、3社で9時間です。痛いのは、比較の間じゅう1件も動いていないことです。中小企業基盤整備機構の実態調査では、AIを導入済みの中小企業は20.4%、検討中が18.6%で、合わせても39.0%です。検討中の中には、比較の途中で止まっている会社が含まれます。

境目2:要件が決まらないまま契約し、定例が現状説明で終わる

比較に疲れて「とりあえず1社」と契約すると、要件が決まっていないまま定例が始まります。1回目は会社の説明、2回目は課題の棚卸しで終わり、3ヶ月で6回を使っても打ち手が決まらない形です。これが前の章のムダ1で、費用ではなく準備の問題です。

境目3:効果の物差しが無く、更新するか解約するかを決められない

3ヶ月の最低契約が終わる時点で「効いたのか」を答えられない会社は、感覚で更新するか感覚で解約するかになります。総務省の白書では、何らかの仕事で生成AIを使っている日本企業は55.2%、「メールや議事録、資料作成等の補助」に使っているのは47.3%ですが、使っていることと効果を数えていることは別です。

3つの境目を、任せる範囲と決める範囲の表に落とす

境目 自前で続けると起きること 先に決めておくこと
比較に時間が溶ける 3社で9時間かけても中身が横に並ばず、検討中のまま止まる 5項目で3社を同じ表に落とす
要件が決まらない 3ヶ月・6回の定例が現状説明で終わり、枠が持ち越しのまま消える 担当・入力・出力・例外を1枚に書き、月何時間かかっているかを添える
効果の物差しが無い 更新の判断を感覚で下す 月1回30分で戻った時間を数え、3ヶ月後の見直し日を契約時に決める

自前で回すか任せるかは、表の右側を社内で埋め続けられるかで決めるのが現実的です。

ビフォーアフター:同じ3ヶ月の費用で、手元に残るものはここまで変わる

AIの相談窓口を総務の担当者1人が兼務している会社を仮に置き、同じLight(3ヶ月で330,000円)が準備の有無でどう変わるかを見ます。数字は本記事の目安で、特定の会社の実績ではありません。

BEFORE

要件が無いまま契約し、3ヶ月330,000円で残るのは使われたか分からない1つ

3社の比較に9時間かけたあと、要件を決めずに契約します。初月の構築は、使い手が決まらないまま「とりあえず議事録の要約の指示文」になり、誰が使うかが曖昧なので2週間で使われなくなります。定例は1回目が会社の説明、2回目が課題の棚卸し、3回目でようやく候補が3つ出て、残りで「どれにするか」を議論して終わります。2ヶ月目と3ヶ月目の枠は候補が決まらず持ち越され、期限を過ぎて消えます。3ヶ月の支払いは330,000円、残るのは使われたか分からない指示文1つと方向性のメモで、戻った時間は数えていないので分かりません。

AFTER

要件を1枚にして契約し、3ヶ月で2つが動いて月15時間が戻る

同じLightでも、契約前に「担当・入力・出力・例外」の1枚と、その仕事に月何時間かかっているかを書いて始めます。初月は見積メールの返信ひな形(小・1枠)を作り、営業担当が翌日から使います。2ヶ月目と3ヶ月目は2か月分の枠で、受注スプレッドシートから請求書の下書きへの転記を自動化で自動にし(中・2枠)、例外として金額の確定だけは経理担当が確認する形で動かします。本記事の目安として、小で1日15分×20営業日=月5時間、中で1日30分×20営業日=月10時間と置けば、合わせて月15時間が戻ります。戻った時間は総務の担当者が月1回30分で数え、3ヶ月目の定例で「続けるか、候補が並んだのでStandardに上げるか」を数字で決めます。

違いを生むのは料金ではなく、3つの決めごと

Beforeの「使われたか分からない1つ」とAfterの「動いている2つ」を分けているのは、月額でも担当者の腕でもありません。1つ目は、担当・入力・出力・例外を1枚に書いてから契約していること。2つ目は、構築の含みと追加料金の単価を契約前に書面で確かめていること。3つ目は、戻った時間を月1回30分で数え、3ヶ月後の見直し日を契約時に決めていることです。その1枚があるかどうかで、同じ330,000円の中身が変わります。

項目 Before(要件なしで契約) After(要件1枚で契約)
3ヶ月の支払い(Light) 110,000円×3ヶ月=330,000円 110,000円×3ヶ月=330,000円
定例6回の使い道 会社の説明・課題の棚卸し・候補の議論で6回 1回目で1件目を決め、以降は使われているかの確認と次の候補
3枠の使われ方 初月に使い手の曖昧な1つ、残り2枠は持ち越しのまま消える 初月に小1つ、2〜3ヶ月目に中1つ(2枠)
動いているもの 使われたか分からない指示文1つ 返信ひな形と転記の自動化の2つ
戻った時間(本記事の目安) 数えていない 月15時間(小5時間+中10時間)
3ヶ月後の更新判断 数字が無く感覚で決める 戻った時間の実測で、継続かStandardへの変更かを決める

この記事のまとめ

  • 相場の幅ではなく決まり方で見る。契約形態を先に揃え、月額顧問型だけを4要素(定例の使い方・チャット相談・構築の枠と定着支援・担当者)で分解すると、3社の見積が中身で横に並ぶ
  • AI顧問の3プランの差は「毎月作れる量」と「作ったあとを毎月見るか」。まず小さく確かめるならLight(月1枠)、毎月進めて定着させるならStandard(月2枠+定着支援)。Lightで1件目を動かし、2件目の候補が見えたらStandardに上げる順番で進める
  • 今週やることは1つ。消したい手作業を1本選び、担当・入力・出力・例外と月何時間かかっているかを1枚に書く。この1枚が無い業務は見積を取る段階ではない
  • 契約したら、会社側の誰が月1回30分で「戻った時間」を数えるかを先に決める。3ヶ月後の見直し日を契約時に入れ、実効単価(月額÷受けた時間)を四半期に1回計算する

監修者|生成AIの導入から定着まで伴走する専門家が確認しています

吉元大輝(よしもとひろき)

株式会社BoostX 代表取締役社長

AI顧問・FDE型AI伴走支援・AIエージェント開発など、生成AIの相談から構築・現場定着までを一社で支援。業務可視化から効果測定まで、企業のAI活用を実務レベルで前に進めている。

公開日:2026年9月

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