調べ始めて最後に残る問いは、たいてい一つです。「AI顧問って、結局こちらの手を動かす仕事を代わりにやってくれるんですか」。先に結論をお伝えします。代わりにはやりません。ただし、指示文やひな形のような小さな仕組みは顧問側が作って渡し、それを使って回すのは自社側です。
検索窓に「AI顧問とは」と打ち込むとき、知りたいのは辞書的な定義ではないはずです。月額110,000円(税込)、最低契約は3ヶ月。役員会では5分で「何をしてくれる人なのか」を説明しなければならない。ところが検索して出てくるのは費用相場の比較か機能の一覧ばかりで、30分読んでも、明日の日報と資料作成に消えている3時間が何分になるのかは分からない。判断がつかないまま、今日もその3時間は同じように消えていきます。
この記事では、公開されている月額のAI顧問を例に、引き受ける範囲と引き受けない範囲を比較表で線引きします。そのうえで、月額110,000円の中身を「構築の枠」と「定着支援の有無」で分解し、自社だけで進めたときに止まりやすい場所と、3ヶ月でどこまで積み上がるのかを整理します。
- AI顧問とは、月額固定で自社のAI導入に継続して伴走し、相談・設計・小規模な構築・定着を引き受ける外部の推進役。作った仕組みを日々使って回す主役は自社側で、入力や作成を代わりにこなす作業代行ではありません
- 頼めるのは「どの作業から手をつけるか」「どう設計するか」「小さな仕組みを形にする」「詰まったときにどう判断するか」「どう定着させるか」の5領域。頼めないのは日々の作業そのものの代行、規模の大きい開発、訪問や常駐、体系立てた研修、全社戦略をプロジェクトで決めることです
- BoostXのAI顧問は、Light 月額110,000円が毎月1枠の構築、Standard 月額220,000円が毎月2枠に現場への定着支援、Growth 月額330,000円が毎月3枠に複数部署への展開(いずれも税込)。構築は大きさで数える枠制で、指示文やひな形のような小さなものは1枠、軽い自動化は2枠です
目次
AI顧問とは何か——作業を代わりにやる人ではない
先に結論を置きます。AI顧問とは、月額固定で自社のAI導入に継続して伴走し、相談・設計・小規模な構築・定着を引き受ける外部の推進役です。指示文やひな形のような小さな仕組みは顧問側が作って渡しますが、それを日々使って回す主役は自社側にあり、入力や作成を代わりにこなす外注ではありません。この1点を取り違えたまま契約すると、3ヶ月後に「思っていたものと違った」が起きます。逆に、ここさえ合っていれば月額110,000円は驚くほど働きます。
相談役なのか、手を動かす担当なのか
AI顧問への期待は、だいたい2種類に分かれます。1つは「代わりに入力し、代わりに資料をつくってほしい」。もう1つは「何から手をつけるべきかを一緒に決めて、使える形まで作ってほしい」。AI顧問が引き受けるのは後者です。前者を外に出すと、仮に月8時間かかっている資料作成なら、その月8時間は確かに手元から消えますが、来月も再来月も同じ月8時間ぶんの発注が必要になり、社内には何も残りません。1年で96時間ぶんの外注費を払い続ける形です。対して、資料のひな形と指示文を1つ作って自社が回せる状態にすれば、月8時間が月4時間になったあと、その4時間ぶんの余白は翌月以降もそのまま残ります。時間が消える原因は、機械に渡せる作業を人が抱えたままにしていることにあります。だから外に出すべきは作業そのものではなく、「どの作業を人の手から外すか」という判断と、外すための小さな仕組みのほうです。
スポットの相談・研修とは立ち位置が違う
一般論として、外部の支援は大きく3つの形に分かれます。1つ目は2時間から3時間の単発研修。知識は入りますが、翌週に自分の作業へ当てはめる段階で止まりがちです。2つ目は診断レポート型で、40ページの資料は残るものの、実行の担当者が社内にいなければ棚に置かれたままになります。3つ目が継続型のAI顧問で、月2回の定例に加えてチャットで相談でき、判断が必要になった当日に聞けます。さらに月の枠の中で小さな仕組みを作って渡すので、「聞いて終わり」になりません。ツール選びから入った会社は、アカウントを開設したところで満足し、翌週にはログインしなくなる形になりやすい。研修の資料が悪いわけではありません。1回2時間で終わる関係では、その翌週の1回目のつまずきを誰も拾えない、という構造の差です。
月額でつくと、単発では終わらなくなる
継続契約には、金額以上の意味があります。BoostXのAI顧問では、構築を件数ではなく大きさで数えます。業務用の指示文・AIの作業手順・資料のひな形のような小さなものが1枠、スプレッドシートやメール周りの軽い自動化・簡単なワークフローが2枠。基幹システム連携や大規模な社内文書検索、本格的なAIエージェントは枠の外で、別のお見積もりになります。Lightは毎月1枠なので、小さなものなら毎月1つ、軽い自動化なら2ヶ月で1つが社内に残る計算です。使わなかった枠は翌月まで持ち越せます。どの大きさに当たるかは着手前に顧問担当が伝えるので、「頼んだら別料金だった」は起きません。高度なことを最初から狙った会社ほど途中で止まります。3ヶ月で全社改革を狙うと1件も残りませんが、月の枠に収まる1つに絞ると、型が毎月確実に積み上がる。生成AIの活用方針を定めている企業は2024年度調査で49.7%と、2023年度調査の42.7%から増えました。一方で中小企業では「方針を明確に定めていない」という回答が約半数を占めます。全体では方針を決めた会社が半数近くまで増えたのに、規模の小さい会社ではその方針が空白のまま残っている。ここを毎月1つずつ埋めていく役割が、AI顧問の中身です。
月11万円で自社の何が楽になるのか

抽象的な話を続けても判断はできません。ここからは目安の数字で考えます。下に並べる作業ごとの所要は、1件あたりの時間から仮に置いた値で、測った実績ではありません。金額に見合うかどうかは、この目安を自社の作業に置き換え、5営業日ぶんの実時間で埋め直して考えるのが確実です。
5つの作業で、月33時間が月13時間になる計算を置いてみる
仮に、日報作成が月7時間、メール対応が月8時間、資料作成が月8時間、議事録作成が月5時間、報告書作成が月5時間かかっているとします。合計で月33時間です。指示文の型とひな形を当てて、日報が月2時間、メール対応が月4時間、資料作成が月4時間、議事録が月1時間、報告書が月2時間まで縮んだと置くと、月13時間。年に換算すれば396時間が156時間になる計算です。ここで大事なのは、この5作業がどれも特別な仕事ではないことです。1件あたり数十分の、誰の会社にもある事務作業ばかりで、だからこそ毎月まとまった時間を食べています。成果が出やすいのは、絞り込んだ1作業からです。5つを同時に狙うのではなく、1ヶ月に1つずつ型をつくった積み上げが、この20時間ぶんの余白になります。自社の値は、着手前に5営業日ぶん記録して置き換えてください。その記録が、3ヶ月後に効果を数えるときの物差しになります。
1回あたりで見ると、差はもっと分かりやすい
月単位では実感が湧きにくいので、1回あたりの目安でも並べます。取引先へのお礼メールは15分が2分、クレーム対応の一次下書きは30分が5分、日報は20分が3分、会議メモの要約は40分が5分。長い作業ではさらに開きます。ブログ1本の執筆は5時間が30分、提案資料は3〜4時間が30分〜1時間、調べものは2〜3時間が15〜30分、という置き方です。1日に3件のお礼メールを書く担当者なら、45分が6分になる計算になります。ここまでは個人向けの有料プランの範囲でも届きます。では110,000円は何に払うのか。答えは、この5作業のうち自社にとってどれが一番重いかを決める判断と、翌月も同じ結果が出る型を作って渡す設計と構築です。
Lightプラン 月額110,000円の中身と進め方
BoostXのAI顧問は、Lightプランが 月額110,000円(税込)、Standardプランが 月額220,000円(税込)、Growth が月額330,000円(税込)という3段階です。どのプランにも、判断と設計(相談・課題整理・優先順位とロードマップ・ツール選定)、オンラインの定例ミーティング月2回、チャット相談、構築ごとの使い方の共有と最初の修正、初月に最初の構築を1つお渡しすること、顧問先の勉強会(月1回・オンライン・録画あり)が付きます。違いは構築の枠と定着の深さです。Lightは毎月1枠で、小さなものなら毎月1つ、軽い自動化なら2ヶ月に1つ。Standardは毎月2枠に、使われているかを毎月確かめて直し続ける現場への定着支援が加わり、次の業務の候補と順番も毎月見直します。Growthは毎月3枠に、運用ルール・社内マニュアルの整備と複数部署への展開支援が加わります。初期費用はなく、最低契約は3ヶ月で、以降は月単位で解約でき、違約金はありません。契約後は最短で翌週にキックオフし、1件目のテーマを決めます。ツール代とは役割が別です。ChatGPTやClaudeの個人向け有料プランは、Claude Proなら月払いで月額20ドル。1ドル150円と置けば約3,000円で、同じ水準のプランを2つ契約しても月額約6,000円という計算です。この6,000円は道具代で、110,000円は「どの作業に、どの順番で、誰が使うか」を決め、枠の中で仕組みを作って残す費用です。月額の中身を費用の側から比べたい方は、AI顧問の月額の段ごとの比較で3プランと別費用を並べています。
LightとStandardは、何で選び分けるか
まず小さく作って、自社の業務でAIが使えるかを確かめたいならLight。業務のAI化を毎月進めて、現場に定着させたいならStandardです。差は2つあります。1つは作れる量で、毎月1枠か2枠か。もう1つは定着で、Lightは作って渡し、使い方を共有して最初の修正までを行います。Standardは、そのあと現場で使われているかを毎月確かめ、使われていなければ直し続けます。入れたのに2ヶ月目から誰も開かなくなる、という止まり方を防ぐのはこの部分です。迷ったら、Lightで小さく作って効果を確かめ、3ヶ月目の定例で数字を見てからStandardに上げる順番が無理がありません。推奨はStandardですが、1部門の3〜5人でまず1つ動かしたい段階なら、Lightから入って差し支えありません。
AI顧問に頼んでも変わらないこと|頼める範囲との比較表
ここが、この記事でいちばん書きたかった部分です。費用相場や契約期間は調べれば出てきますが、「頼んでも変わらないこと」はどこにも書かれていません。契約前に一番知っておくべきなのは、実はこちらです。Lightプラン 月額110,000円×3ヶ月分、330,000円を無駄にしないために、範囲を先に見ておきます。
頼めること:判断・設計・優先順位・相談先・定着の型
頼める中身は5つに整理できます。1つ目は優先順位の決定で、20個ある「やりたいこと」から今月の1件を選ぶ判断です。2つ目は設計と小規模な構築で、日報を月7時間から月2時間に近づける指示文の型や入力の流れを組み立て、小さなものなら顧問側が枠の中で形にして渡します。3つ目は詰まったときの相談先で、月2回の定例を待たずにチャットで聞ける状態そのものが価値になります。4つ目はルールづくり。使ってよいサービスを1つ決め、貼り付けてはいけない情報を5行で書き出し、迷ったときに聞く相手を1人決める、という3点セットです。5つ目が定着の型で、効いた作業を1人から2人、2人から5人へ渡していく順番を設計します。Standard以上では、渡したあとに使われているかを毎月確かめて直すところまで含みます。いずれも、社内に残る側の仕事です。あわせて、どこまでをAIに渡し、何を人に残すかも最初の定例で決めます。AIに渡すのは下書きと集計と要約、人が決めるのは金額・納期・顧客に出す最終文面、人が確認するのは外に出る前の内容と個人情報の有無です。この線を人に残す判断として書き出しておくと、現場は迷わず使えます。
| 自社で起きている状態 | AI顧問に頼めること | 自社が手を動かすこと |
|---|---|---|
| 何から始めるか決まらない | 候補20件から今月の1件を選び、3ヶ月ぶんの着手順を決める | 対象作業の実時間を5営業日ぶん記録する |
| 日報作成に月7時間かかる | 月2時間に近づける指示文の型を設計し、作って渡す(小・1枠) | 毎日3分の入力を実際に回す |
| 議事録作成に月5時間かかる | 録音から要約までの流れを設計し、ひな形を作る(小・1枠) | 録音・共有・内容の最終確認 |
| 使ってよいAIが決まらない | 5行のルール案と判断基準を提示する | 社内への周知と、相談先1人の任命 |
| 入れたのに定着しない | 月2回の定例で詰まりを分解する。Standard以上は毎月確かめて直す | 次の30日以内に最低1回は試す |
| メールと表計算を軽く自動化したい | 自動化や簡単なワークフローとして作る(中・2枠。Lightなら2ヶ月分) | 動かす担当を1人決め、例外を報告する |
| 1人から全社へ広げたい | 1人→2人→5人へ渡す順番を設計する。Growthは運用ルールと社内マニュアルまで | 現場への説明と、日々の実行 |
| 毎日の入力作業そのもの | 頼めない(代行はしない) | 自社、または自動化した仕組みで実行 |
| 基幹システムとつなぎたい | 頼めない(大の構築は別のお見積もり。AIエージェント開発で扱う) | 要件の整理と、関わる部署の調整 |
| 週に何日か来てほしい | 頼めない(AI顧問はオンライン完結。訪問はFDE型AI伴走支援) | オンライン定例に出る担当を決める |
| 社員全員に研修してほしい | 頼めない(体系立てた研修は生成AI研修。顧問先の勉強会は月1回) | 勉強会の録画を社内で回す |
| 来月までに全社が変わってほしい | 頼めない(即時の全社変革は約束しない) | 月の枠に収まる1つずつの積み上げを受け入れる |
頼めないこと:日々の作業代行と、来月までの全社変革
表の下5行が、意外に思われる部分です。AI顧問は、毎日の入力や作成を代わりに引き受けません。理屈は単純で、代わりにやると自社に何も残らないからです。3ヶ月契約が終わった翌月、月13時間で回っていた5作業が月33時間に戻るなら、その330,000円は消費で終わります。もう1つが、来月までに30人が一斉に使い始める状態で、これは契約では買えません。買えるのは、月の枠の中で1つずつ型を残していく進み方です。5営業日ぶんの実測も、毎日3分の入力も、担当する側が動きます。ここを負担と感じるなら、必要なのは顧問ではなく作業の外注です。
別のサービスに切り分ける4つの境目
頼めない側には、AI顧問の月額の外で引き受けるものもあります。1つ目は規模の大きい開発。基幹システムとの連携や大規模な社内文書検索、本格的なAIエージェントは月の枠に収まらないので、AIエージェント開発として別のお見積もりになります。2つ目は訪問と常駐で、AI顧問には含まれず、月2日の訪問を含めて複数部署を一緒に動かすならFDE型AI伴走支援の範囲です。3つ目、社員全員への体系立てた研修は生成AI研修。4つ目、全社のAI戦略をプロジェクトとして決めることはAIコンサルティングに切り分けます。そのほか、AIツールの利用料、BoostXが作ったもの以外の保守や障害対応、改善の幅の約束も、AI顧問の月額には含みません。境目に迷う案件は、着手前に顧問担当がどの大きさに当たるかを伝えるので、見積もりが後から変わることはありません。
線引きを知って頼むと、3ヶ月の使い方が変わる
この線引きを知らないまま始めると、初回の定例が「何をお願いできるのか」の確認だけで終わります。2回目で範囲がずれていることに気づき、3回目で仕切り直す。それだけで1ヶ月から2ヶ月を落とし、初月に渡せるはずの最初の構築も遅れます。逆に、頼める5つと頼めない側を先に分かっていれば、初回の定例から「今月はこの1件」に入れます。持ち込むものも決まります。重い作業を3つ書き出した紙が1枚と、そのうち1件の5営業日ぶんの実測。この2つがあれば、初回で今月の型づくりが始まり、月のうちに1件目が手元に届く状態になります。3ヶ月の使い方は、契約前の30分でほぼ決まると考えてください。
自社だけで進めた会社が止まる場所
では、外部に頼まず自社だけで進めるとどうなるか。止まる場所はほぼ決まっていて、3ヶ所しかありません。どれも技術の難しさではなく、決め事が空白のまま進んだことによる詰まりです。
1つ目:ルールが空白のまま、半年で使われなくなる
最初の詰まりは情報の扱いです。顧客名の入った文面を貼っていいのか、見積の金額を入力していいのか。誰も決めていないと、慎重な人ほど手が止まります。ルールがなければ半年で使われなくなり、逆に全面禁止にすれば各自が個人の端末で使い始めます。会社として把握できない使われ方が広がるほうが、リスクとしては重い。必要なのは30ページの規程ではなく、3つの決め事です。使ってよいサービスを1つに決める、貼り付けてはいけない情報を5行で書き出す、迷ったら聞く相手を1人決める。この3つなら、1回の会議で決まります。必要なのは時間ではなく、決めていい基準を持っているかどうかです。基準がないまま3ヶ月から6ヶ月が過ぎます。
2つ目:詳しい1人に集中して、その人が動けなくなる
2つ目は属人化です。社内で最初に使い始めた1人に質問が集まり、その人の週5時間が問い合わせ対応で埋まる。本来はその人がいちばん成果を出せるはずなのに、月20時間を人に教える時間に取られます。しかも教え方は口頭なので、同じ質問が3人から4回来ます。ここで効くのは、型を1つ書き出して配ることです。日報の型を1枚にすれば、次の5人は同じ質問をしません。ところが、型を書く1時間が忙しくて取れない。この循環が、自社だけで進めた会社が2ヶ月目から3ヶ月目にかけて止まる典型です。社内にIT担当が1人もいない会社でも、ここは同じです。必要なのは技術の知識ではなく、今月どの作業を軽くするかを決める判断と、5営業日ぶん実時間を記録する手間で、型を書く1時間を外側が引き受ければ進みます。伴走が入る意味は、その1時間を毎月2回の定例として確保し、型そのものは月の枠で顧問側が作り、詳しい1人の負荷を1人から3人へ分散させる設計を外側から入れる点にあります。
3つ目:ツールが先に決まり、直したい作業が後から決まる
3つ目が最も多い詰まりです。比較記事を10本読み、良さそうなサービスを2つに絞り、契約してから「これで何をしようか」と考え始める。順番が逆です。ツール選びから入ると、アカウントを開設した翌週には触らなくなる形になりやすい。成果が出やすいのは、いつも絞り込んだ1作業からです。先に決めるべきは、どの作業を、誰が、いつやめるかです。2026年版の中小企業白書でも、デジタル化の取組段階で「段階2」と答えた事業者が約6割を占める一方、デジタル化が図られていない「段階1」の事業者が一定数存在すると整理されています。投資額の差そのものより、限られた予算をどの作業に当てるかの判断で差がつきます。月6,000円のツール代を出す前に、月7時間の日報と月8時間のメール対応のどちらを先に触るかを決める。この30分の判断が抜けたまま進むと、3ヶ月後に残るのは請求書だけになります。
ビフォーアフター:相談相手がいる3ヶ月がここまで変わる
同じ3ヶ月を、相談相手がいない場合といる場合で並べます。どちらも読者の状況に当てはめるための仮の場面で、特定の会社の記録ではありません。差が出るのはツールの性能ではなく、決め事が埋まる速度です。
相談先がいないまま過ぎる1ヶ月
1週目、比較記事を8本読んで2つのサービスに絞り、月額約6,000円で両方契約します。2週目、日報を試して20分が3分になり、手応えを感じます。ところが3週目、顧客名を入れていいのかが分からず手が止まる。聞く相手がいないので、判断を保留したまま従来の書き方に戻ります。4週目には別の急ぎ仕事が入り、ログインしない週が2週続きます。翌月、同じ月33時間の5作業がそのまま残り、契約した6,000円だけが引き落とされる。3ヶ月後の状態は「一部の人が時々使っている」で、社内に残った型は0件です。効果を聞かれても、20分が3分になった1件を口頭で説明するのが精一杯になります。
伴走が入った3ヶ月(Light・毎月1枠)
1ヶ月目、初回の定例で候補20件から日報を1件目に選び、5営業日ぶんの実測を取ります。月7時間という数字が確定し、2週目に顧問側が指示文の型を作って渡し、使い方を共有。4週目には月2時間で回るようになりました。同じ月に、貼らない情報5行と相談先1人も決まっています。2ヶ月目は議事録のひな形で、月5時間が月1時間に。3ヶ月目はメール対応の下書きの型に入り、月8時間が月4時間になります。3ヶ月終了時点で、月33時間だった5作業のうち3件の型が社内に残り、目安は月20時間台。残る資料作成と報告書は、4ヶ月目以降の枠か、Standardに上げて毎月2枠で進めるかを3ヶ月目の定例で決めます。詰まったときの質問はチャットで返り、判断の保留が2週間ではなく数日で解けます。残ったのは短縮された時間だけでなく、次の1件を自社で選べる状態です。
違いを生んでいるのはツールではなく運用設計
BeforeとAfterで使った道具は同じです。月額20ドルのサービスを2つ、合わせて月額約6,000円。性能の差ではありません。分けたのは3点だけです。①候補20件から今月の1件を先に決めたこと、②5営業日の実測で月7時間という前の数字を持ったこと、③貼らない情報5行と相談先1人を初月に決めたこと。この3点があると、判断の保留が2週間から数日に縮み、月の枠ごとに型が残ります。毎月1枠なら1年で小さな型が12個、Standardの毎月2枠なら24個の計算です。逆にこの3点がないと、月6,000円の道具があっても残るのは0件になります。差は運用設計であって、契約金額でも道具でもありません。
3ヶ月目の定例で決めること
最低契約の3ヶ月が終わる月の定例で、並べる数字は2種類です。着手前に取った5営業日ぶんの実測と、3ヶ月目に同じ条件で取り直した実測。目安の数字ではなく、自社の2つの実測を比べます。そのうえで決めるのは3つ。1つ目は、残っている候補(この仮の場面なら資料作成と報告書)を4ヶ月目以降の枠で進めるか。2つ目は、Lightのまま毎月1枠で続けるか、Standardに上げて毎月2枠と定着支援まで含めるか。3つ目は、使われなくなった型がないか。4週続けて使われていない型があれば、次の枠で作るより先に、その型を直すほうを優先します。この3つを決めるのは顧問ではなく自社側です。2つの実測を取って並べるのも自社側で、顧問は候補ごとの大きさ(小か中か)の見立てを添えて、決める材料をそろえます。Before寄りだと感じた方は、次のセクションで相談の入口を案内します。
この記事のまとめ
- AI顧問とは、月額固定で相談・設計・小規模な構築・定着に継続して伴走する外部の推進役。作った仕組みを日々使って回す主役は自社側で、作業を代わりにこなす外注ではない
- 頼めるのは優先順位の決定・設計と小さな構築・詰まったときの相談・ルールづくり・定着の型の5つ。頼めないのは日々の作業代行、規模の大きい開発、訪問や常駐、体系立てた研修、全社戦略をプロジェクトで決めること、即時の全社変革
- 構築は大きさで数える枠制。指示文・作業手順・ひな形は1枠、軽い自動化・簡単なワークフローは2枠、基幹連携や本格的なエージェントは別のお見積もり。使わなかった枠は翌月まで持ち越せる
- 自社だけで進めると止まる場所は3つ。ルールが空白で半年後に使われなくなる、詳しい1人に質問が集中する、ツールが先に決まって直したい作業が後から決まる
- 契約前に決めるのは2つ。重い作業を3つ書き出すことと、そのうち1件の5営業日ぶんの実測を取ること。まず小さく確かめるならLight 月額110,000円(毎月1枠)、毎月進めて定着させるならStandard 月額220,000円(毎月2枠+現場定着)。初期費用なし・最低3ヶ月、以降は月単位で解約できる
公開日:2026年8月
読んで終わりにしないために
「自社の場合は、どうすれば?」
その答えを、最大45分で持ち帰る。
記事で分かるのは、一般論まで。AI導入を専門に見ている担当が、貴社の業務に当てはめて“次の一手”だけを一緒に整理します。
この相談で持ち帰れるもの
- 01
自社業務に当てはめたAI活用マップ
- 02
投資対効果(ROI)のシミュレーション
- 03
いまの悩み・疑問への、その場の個別回答


