3社に声をかけて、返ってきた内容を並べたところで比較が止まりました。どこも似た言葉が並んでいる。対応します、整備します、継続的に制作します。違うのは金額と、担当者の感じの良さだけ。「3社とも同じことが書いてあって、選ぶ理由が見つからない」——外注先を決めきれずにいる会社で、この行き詰まり方は定番です。横並びの表を作ろうとしても、列に入れる項目がそもそも決まっていない。決裁を預かる側にとっては、選べないまま2週間、3週間と時間だけが過ぎていくのがいちばん痛い状態です。
この記事では、LLMO対策会社が売っているものを3層に分けたうえで、発注のハンコを押す前に提案書と契約書のどこを読めば見抜けるのかを整理します。
- LLMO対策会社は3層(記事まで/土台まで/指名される状態まで)に分かれる。3社を並べる前に、どの層を買うのかを1行で決める
- 提案書と契約書の盲点は3つ。成果が順位と本数にすり替わっていないか、一次情報を誰がいつ引き出すのか、解約後に何が残るのか
- 比較は5つの軸(成果指標・守備範囲・一次情報・計測・体制と更新)で行う。危ない一文と任せられる一文は、数字が入っているかで見分けられる
目次
「LLMO対策会社」が売っているものは3層に分かれる
3社の提案書が同じに見えるのは、書いてある言葉が同じだからです。中身は同じではありません。LLMO対策・AI検索対策という同じ看板の下で、実際に売られているものは大きく3層に分かれます。層が違えば、成果物も、見ている範囲も、月々の金額帯も変わります。まず自社がどの層を買いたいのかを決めない限り、3社の比較は成立しません。逆に言えば、層さえ決まれば、比較で迷う範囲はかなり狭くなります。
なお金額の中心帯そのものについてはLLMO対策の相場と選び方で別途整理しています。ここでは金額ではなく「その金額で何を買っているのか」に絞ります。
層①:記事を書くところまでの会社
1つ目は、コンテンツ制作会社の延長線上にある層です。成果物は納品された記事そのもので、契約書の別紙には本数と文字数が並びます。提案書に「月に◯本納品します」という一文があり、それ以外の作業範囲がぼかされていれば、まずこの層だと考えて構いません。
この層が悪いわけではありません。Backlinkoの調査では、AI検索での引用の86%が、同一テーマで5ページ以上の記事をもつサイトから発生しています。Yextが680万件のAI引用を分析した結果でも、トピッククラスターを構築しているサイトはAI引用率が3.2倍でした。つまり、同じテーマの記事を積む行為そのものには意味があります。問題は、本数だけを買うと「どのテーマで何本積むのか」という設計が誰の担当なのか曖昧になる点です。1本ずつバラバラのテーマで納品され続けると、3ヶ月後も6ヶ月後も面ができません。
向いているのは、サイトの土台が整っていて、テーマ設計を社内でできる状態にあり、単純に制作の手が足りていない会社です。土台の判断が自社でつくかどうかは、LLMO対策を自社で内製する落とし穴で整理した工程の切り分けが判断材料になります。
層②:サイトの土台まで見る会社
2つ目は、記事の外側——サイト構造、内部リンク、構造化データ、エンティティの整理まで守備範囲に入れる層です。Yextの分析では、双方向の内部リンクがあるサイトは引用確率が2.7倍でした。1本の記事だけを見ていては動かせない数字で、ここを触れる会社は確かに層①より広い範囲を扱っています。
ただし、この層こそ提案書の検証が要ります。Google 検索セントラルのGoogle検索の生成AI機能向け最適化ガイドでは、GoogleのAI機能はコア検索ランキングシステムに根ざしているため従来のSEOのベストプラクティスが引き続き有効であること、llms.txtのような特別なファイルは不要でGoogle検索はこれらのファイルを使用しないこと、AI専用の独自スキーマやマークアップは必須ではなく作っても検索への悪影響も好影響もないこと、コンテンツを細かく分割する必要はないことが明記されています。
つまり、少なくともGoogle検索に関しては、「AI検索専用の特別なファイルを設置します」「AI専用マークアップを実装します」が提案の中心に据えられていたら、この公式ガイドと突き合わせるだけで発注前に検証できます。1行ずつ照合して、公式が「不要」と書いている項目が見積の主要行になっていないかを見る。これは技術に詳しくない決裁者でもできる確認です。
層③:AIに指名される状態までを成果とする会社
3つ目は、記事でも土台でもなく「AIが答えるときに自社が引かれる状態」を成果として置く層です。ここは守備範囲がいちばん広く、テーマ設計、一次情報の引き出し、記事、土台、計測までを1本の線でつなぎます。
この層が必要になる背景は数字で説明できます。Gartnerは2026年末までに従来型の検索エンジン利用が約25%減少すると予測しています。さらにAhrefsが86万3,000キーワード・400万のAI Overview URLを分析した結果では、AI Overviewの引用元の31%が検索結果100位圏外でした。引用ページのトップ10ランクイン率は76%から38%に低下しています。順位を上げる作業と、引用される状態をつくる作業は、重なってはいても同じではないということです。
| 層 | 主な成果物 | 見ている範囲 | 向いている会社 |
|---|---|---|---|
| 層① | 記事(本数・文字数) | 記事1本の中 | 土台が整い制作の手が足りない |
| 層② | 記事+構造化データ・内部リンク設計 | サイト全体 | 土台に不安があり技術面を任せたい |
| 層③ | テーマ設計・一次情報・記事・土台・計測 | 引用される状態まで | 社内に設計者がおらず一気通貫で任せたい |
3社の提案書を並べる前に、この表のどの行を買いたいのかを1行で書いてみてください。書けないうちは、金額の安い順に並べるしかなくなります。
発注前に見抜く3つの盲点|提案書と契約書に必ず出る
層が決まったら、次は提案書と契約書の読み方です。ここで見落とされやすい盲点は3つあり、どれも「書いていないこと」として現れます。書いてある内容を評価するのは誰でもやりますが、発注後に揉めるのはたいてい書かれていなかった側です。3社とも同じ箇所が空白なら、それは業界の慣行であって特定の1社の問題ではない、という判断もできます。
この領域でつまずきやすいのは、ツール選定よりも「業務の中のどこに組み込むか」の設計です。BoostXの生成AI伴走顧問は、業務ヒアリングから設計・定着支援までをサービス対応範囲としてカバーできる領域です。
盲点①:成果の定義が「順位」と「記事本数」にすり替わっている
提案書の成果欄に、検索順位と納品本数しか書かれていないケースは珍しくありません。「検索順位◯位以内を目指します」「記事を月◯本納品します」の2行だけで成果が定義されていると、AI検索でまったく引用されなくても契約は完全に履行されます。発注側が期待していたものと、契約上の成果が別物になる典型です。
先ほどのAhrefsの数字がここで効きます。引用元の31%が100位圏外という状態は、順位と引用が一致しないことを示しています。トップ10ランクイン率が76%から38%へ落ちたという変化も同じ方向を指しています。順位を成果にすること自体が誤りなのではなく、順位「だけ」を成果にすると、契約の目的とズレるということです。
確認の仕方はシンプルで、提案書の成果欄に「引用されたかどうかを何で確認するか」が1行でも書かれているかを見ます。書かれていなければ、その1行を追記してもらえるかを打診する。追記できない会社は、そこを測る手段を持っていない可能性が高いと考えられます。
盲点②:一次情報を誰が引き出すのか書かれていない
2つ目は、素材の出どころです。Googleの公式ガイドが推奨として挙げているのは「独自の視点や経験にもとづく、一般知識を超えた有用なコンテンツ」であり、技術要件を満たしクロールできる構造と、Search Consoleでの測定です。独自の視点や経験は、外注先の中には存在しません。発注側の会社の中にしかありません。
私自身、自社の記事がAI Overviewに引用されたときに共通していたのは、自社の経験にもとづく独自の見解を含む記事でした。一般論だけで構成された記事は、順位が高くても引用されていません。この差を埋めるのが一次情報の引き出しで、外注に出す場合は「誰が、どのくらいの頻度で、何分かけて社内から引き出すのか」が契約に載っていなければ実行されません。
提案書に「貴社の情報をもとに作成します」としか書かれていないなら、それは実質的に「発注側が素材を用意してください」という意味です。月1回なのか隔週なのか、1回あたり30分なのか60分なのか、参加するのは現場なのか決裁者なのか。ここが数字で書かれている提案書は、少なくとも実行の絵が描けています。逆にここが空白のまま発注すると、3ヶ月後に納品されるのは一般論の記事になり、しかも契約上は履行済みになります。
盲点③:解約後に何が自社に残るのか決まっていない
3つ目は、終わり方です。発注前に解約の話をするのは気が引けますが、ここを詰めておかないと、12ヶ月かけて積んだものが解約と同時に手元から消えます。確認すべきものは4つあり、記事の著作権と原稿データ、計測ツールの管理者権限、構造化データや内部リンクの実装、そして記事が載っているCMSそのものです。
特に見落とされるのが計測周りです。Search ConsoleやGA4の管理者権限が外注先アカウントのままだと、解約した瞬間に過去のデータの見え方が変わります。1年分の推移が引き継げないと、次の会社に依頼するときも、内製に切り替えるときも、ゼロから測り直しになります。契約書の成果物の帰属条項と、解約時の引き継ぎ条項を、発注前に1回だけ声に出して読んでみてください。読んで具体的な絵が浮かばなければ、そこはまだ決まっていないということです。
LLMO対策会社を比較する5つの軸|提案書のこの一文で分かる

ここからは、3社を実際に横並びにするための軸です。軸は5つ。それぞれに「危ない書かれ方」と「任せられる書かれ方」があり、判別は提案書のたった一文でつきます。5つの軸を表の列にして、3社を行に並べる。作業そのものは1時間ほどで終わり、それだけで、感じの良さで決めていた比較が、根拠のある比較に変わります。3社のうち1社でも空欄が埋まらなければ、その1社は層の設定からズレている可能性が高いと判断できます。
軸1:成果指標の置き方
危ない書かれ方は「検索順位の向上を目指します」「AI検索に最適化します」のように、達成したかどうかを後から誰も判定できない一文です。判定できない指標は、揉めたときに必ず発注側が不利になります。任せられる書かれ方は、対象とするクエリの範囲、確認の頻度、記録の残し方まで含めて1文になっているものです。
同時に、逆方向の警戒も必要です。「AI検索での引用を保証します」と書かれた提案書は、むしろ危険側に振れています。AI Overviewの引用元の31%が100位圏外という不安定さを踏まえれば、外部が保証できる性質のものではありません。保証を売り文句にしている会社は、達成できなかったときの条項を必ず確認してください。
軸2:守備範囲
危ない書かれ方は「LLMO対策一式」「トータルでご支援します」です。一式には何でも入り、同時に何も入っていません。任せられる書かれ方は、工程を分解したうえで、どれを外注先がやり、どれを発注側がやるのかが表になっているものです。
最低限、テーマ設計・一次情報の取得・執筆・編集校正・構造化データ実装・内部リンク設計・計測設定・レポートの担当が分かれていれば十分です。3社に同じ表のフォーマットを渡して埋めてもらうと、層①の会社と層③の会社の差が1枚で見えます。埋められない会社があれば、それも情報です。
軸3:一次情報の引き出し方
危ない書かれ方は「貴社の情報をもとに」「ヒアリングを実施のうえ」で、頻度も時間も担当も書かれていないものです。任せられる書かれ方には数字が入ります。月1回なのか、1回60分なのか、誰が同席するのか、録音や議事録は誰が残すのか。
私は14カテゴリーのトピッククラスターを自社で運用していますが、最初に成果が出たのは「中小企業×生成AI導入」という絞り込んだ領域でした。絞り込めたのは、社内にその領域の経験があったからです。外注先が持ち込めるのは設計と型であって、経験そのものではありません。この分担が提案書に書かれているかどうかが、3ヶ月後の記事が一般論になるか独自の見解を含むかを決めます。
軸4:計測の定義
危ない書かれ方は「毎月効果をレポートします」の1行だけで終わっているものです。何を、どのツールで、どの粒度で、いつの時点と比べるのかが書かれていなければ、レポートは提出された事実だけが残ります。任せられる書かれ方は、指標名とツール名と比較対象の期間が明記され、レポートの雛形が提案段階で1枚添付されているものです。
見るべき指標そのものについてはLLMO対策の効果測定|5つの数字で整理しています。発注前に自社側でこの5つを把握しておくと、3社のレポート雛形を同じ土俵で採点できます。逆に、この軸を発注後に決めようとすると、比較の基準線そのものが失われます。
軸5:体制と更新の頻度
危ない書かれ方は「専任チームが対応します」です。チームの人数や名前が問題なのではなく、更新の頻度が書かれていないことが問題です。任せられる書かれ方には、既存記事の改稿が契約範囲に含まれるかどうか、含まれるなら月に何本を上限とするかが入っています。
構造化データを入れたのに引用されない、という相談を受けるとき、中身が古い情報のまま止まっていることが少なくありません。1年前に納品された記事が1年前のまま置かれていれば、技術的にどれだけ整っていても引かれる理由がなくなります。新規の本数だけを追う契約は、12ヶ月目にこの壁に当たりやすくなります。
| 軸 | 危ない書かれ方 | 任せられる書かれ方 |
|---|---|---|
| 軸1 成果指標 | 「検索順位の向上を目指します」 | 対象範囲・頻度・記録方法が1文に入っている |
| 軸2 守備範囲 | 「LLMO対策一式」 | 8工程の担当が表で分かれている |
| 軸3 一次情報 | 「貴社の情報をもとに」 | 月1回60分など頻度と時間が数字で入る |
| 軸4 計測 | 「毎月レポートします」 | 指標名・ツール名・比較期間+雛形1枚 |
| 軸5 体制と更新 | 「専任チームが対応」 | 既存記事の改稿の有無と月の上限本数 |
損しない契約条件|期間・成果物・権限・支払で確認する4項目
提案書で3社を絞れたら、最後は契約書です。確認する項目は4つで、契約期間、成果物の帰属、計測設定の権限、支払条件。この4項目は、どれも発注前なら1行の追記で済み、発注後は交渉になります。3ヶ月後や12ヶ月後に慌てないために、押印の前に30分だけ時間を取る。順番を間違えないことが、そのまま損をしないことに直結します。
契約期間と自動更新の見方
期間が3ヶ月なのか、6ヶ月なのか、12ヶ月なのかで、確認すべき中身が変わります。長い期間そのものが不利というわけではありません。同一テーマで5ページ以上を積んだサイトから引用の86%が発生しているという構造を踏まえれば、面を作るには一定の時間が要ります。3ヶ月で判断を迫る契約のほうが、かえって本数だけを追う運用になりやすいという面もあります。
見るべきは期間の長さより自動更新の条件です。更新を止める場合の通知期限が30日前なのか60日前なのか、通知は書面なのかメールで足りるのか、中途解約の条項があるならその効力はいつからか。あわせて、発注側で「何ができていなければ更新しないか」を先に1行で決めておくことをおすすめします。契約書に書く必要はありません。社内の稟議書に書いておくだけで、更新月の判断が感情論になりません。
成果物と計測設定は誰のものか
契約書の成果物の帰属条項を、3社分そのまま並べて読み比べてください。記事の著作権が納品時に移転するのか、支払完了時に移転するのか、そもそも移転せず使用許諾にとどまるのかで、解約後にできることが変わります。原稿データや図版の元ファイルが引き渡されるかも、条項に書いていなければ引き渡されないと考えたほうが安全です。
計測設定はさらに見落とされます。Search ConsoleやGA4のプロパティを外注先が新規に作る場合、管理者権限を発注側が持つのか、閲覧権限だけなのか。構造化データや内部リンクの実装が外注先の管理する仕組みの中にあるなら、解約時にその実装が残るのか外れるのか。ここまで書かれている契約書は少ないので、3社ともに空白なら、発注側から1行の追記を提案するのが現実的です。追記に応じるかどうかで、その会社の姿勢も見えます。
2026年1月に変わった取引ルールで確認できること
支払条件については、公的なルールが2026年に変わっています。公正取引委員会の取適法・振興法のページによれば、2026年1月の施行で、これまでの下請法は取適法(トリテキ法)に変わりました。これは委託事業者から中小受託事業者への取引に適用されるルールで、発注する側が守るべき決まりが整理されたものです。同ページでは、手形払いそのものが禁止となったこと(従来はサイト60日を超える手形が禁止でした)、電子記録債権やファクタリング等でも代金相当額を得ることが困難なものは禁止とされること、振込手数料の負担転嫁が禁止とされることが示されています。
価格面では、一方的な価格決定が禁止され、中小受託事業者から価格協議の求めがあれば、委託事業者は協議に応じ必要な説明を行う義務があるとされています。適用対象も拡大しており、従業員数の基準(製造委託300、役務提供委託100)が追加されています。
ここで注意したいのは、この法律が守るのは受託する側であり、外注する自社は委託事業者の立場になり得るという点です。つまり支払サイトや振込手数料の扱いを自社の都合だけで決めていないか、先に自社側の条件を点検しておくほうが安全です。発注側が有利になる材料ではなく、発注側が確認しておく材料だと捉えてください。自社がどちらの立場に当たるか、また個別の契約に適用されるかどうかは条件によって変わるため、詳細は公正取引委員会の該当ページで確認してください(本記事は2026年8月時点の情報にもとづいています)。
ビフォーアフター:発注先の選び方がここまで変わる
現状の苦しい提案書3社比較
1週目、3社に声をかけて提案を依頼します。2週目、3社から資料が届きます。1社目は記事の制作体制が手厚く、2社目は技術面の説明が細かく、3社目は金額がいちばん低い。ここまでは順調に見えます。
問題は3週目です。比較表を作ろうとしても、1社目と2社目が同じ土俵に乗りません。1社目の見積は本数で積まれ、2社目は工数で積まれ、3社目は一式で1行。同じ列に入れられないので、結局「金額」と「担当者の印象」の2列だけが残ります。稟議に上げると「なぜこの会社なのか」と聞かれ、答えに詰まる。もう一度3社に質問を投げ、返答を待ち、また2週間が過ぎます。決められないまま、比較のやり直しに2週間、3週間と積み上がっていく状態です。
軸が決まったあとの提案書3社比較
先に自社が買いたい層を1行で決め、5つの軸を列にした表を作ってから3社に渡します。フォーマットが揃うので、返ってきた時点で比較が終わっています。1社目は層①で成果指標が本数、2社目は層②で技術範囲は広いが一次情報の頻度が空白、3社目は層③で軸1から軸5まで数字が入っている、というように分類ができます。
読み比べに2週間、3週間かけていた作業が、1回60分の比較会議に収まるところまで持っていけます。速く読めるようになったからではありません。見る場所が5つに絞られ、空白の欄が「まだ決まっていない項目」として可視化されたからです。稟議書には「軸3と軸5が数字で書かれていたのは1社だけ」と1行書けば通ります。契約書の4項目も、発注前に追記を依頼できます。
違いを生んでいるのはツールではなく運用設計
BeforeとAfterの差を作ったのは、新しいツールでも、3社の質でもありません。「どの層を買うのか」「何を成果と呼ぶのか」「一次情報を誰がいつ出すのか」を、発注側が先に決めたという運用設計だけです。2026年のデータでは、専門性の高い小規模サイトのほうが拾われやすくなっています。規模で勝てない会社ほど、この設計の有無が結果を分けます。
私自身、最初の1クラスターを完成させたときに、2つ目以降が圧倒的に楽になると分かりました。1本目の設計に時間をかけた分が、そのまま後半で戻ってきます。発注先選びも構造は同じで、最初の1回で軸を作れば、次の更新も、2社目への切り替えも、同じ表で判断できます。「うちはまだBefore寄りだ」と感じた方は、次のセクションもあわせてご覧ください。
よくある質問
QLLMO対策会社に依頼すれば、AI検索に必ず引用されるようになりますか。
A外部が保証できる性質のものではない、というのが率直なところです。AhrefsがAI Overviewの引用元を分析した結果では31%が検索結果100位圏外で、引用ページのトップ10ランクイン率も76%から38%に低下しています。順位を上げれば必ず引かれるという関係ではありません。むしろ提案書に「引用を保証します」と書かれている場合は、達成できなかったときの条項がどうなっているかを先に確認してください。判断材料としては、保証の有無より、引用されたかどうかを毎月どう記録するかが書かれているかを見るほうが実用的です。
Q提案書の見積で「AI検索専用のファイル設置・専用マークアップ実装」が主要な項目になっています。この配分は妥当ですか。
A見積の配分として見直しをおすすめします。少なくともGoogle検索に関しては、公式の最適化ガイドがllms.txtのような特別なファイルは不要でGoogle検索はこれらのファイルを使用しないと明記しており、AI専用の独自スキーマやマークアップも必須ではなく作っても検索への悪影響も好影響もないとされています。公式が必須としていない作業が見積金額の大半を占めているなら、その配分の根拠を説明してもらうのが妥当です。あわせて、削った分をどの工程に振り替えられるかも聞いてみてください。振り替え先として提案が出てくるか、それとも金額が下がるだけで終わるかで、その会社の守備範囲が層①なのか層③なのかが見えます。
Q契約期間は3ヶ月と12ヶ月のどちらが有利ですか。
A期間の長短だけで有利不利は決まりません。同一テーマで5ページ以上をもつサイトから引用の86%が発生しているという構造上、面ができるまでには一定の時間がかかります。短い期間にすると、その間に見せられる成果が本数に寄りやすくなります。判断材料にすべきは期間そのものより、自動更新を止める通知期限が30日前なのか60日前なのか、更新しない判断をする基準を自社側で1行決めてあるか、そして解約時に記事の著作権・原稿データ・計測権限が自社に残るかの3点です。この3点が決まっていれば、12ヶ月でも過度なリスクにはなりにくくなります。
まとめ
- LLMO対策会社は3層(記事まで/土台まで/指名される状態まで)に分かれる。3社を並べる前に、どの層を買うのかを1行で決める
- 提案書と契約書の盲点は3つ。成果が順位と本数にすり替わっていないか、一次情報を誰がいつ引き出すのか、解約後に何が残るのか
- 比較は5つの軸(成果指標・守備範囲・一次情報・計測・体制と更新)で行う。危ない一文と任せられる一文は、数字が入っているかで見分けられる
- 契約は期間・成果物の帰属・計測権限・支払条件の4項目を発注前に確認する。2026年1月施行の取適法で、支払サイトや価格協議は公的ルールを参照して確認できる
- Beforeの2週間、3週間の読み比べをAfterの1回60分の比較会議に変えるのは、ツールではなく発注側が先に決める運用設計
公開日:2026年8月
読んで終わりにしないために
「自社の場合は、どうすれば?」
その答えを、30分で持ち帰る。
記事で分かるのは、一般論まで。現役の生成AI伴走顧問が、貴社の業務に当てはめて“次の一手”だけを一緒に整理します。
この30分で持ち帰れるもの
- 01
自社業務に当てはめたAI活用マップ
- 02
投資対効果(ROI)のシミュレーション
- 03
いまの悩み・疑問への、その場の個別回答