社内FAQの作り方|生成AIで「同じ質問」の問い合わせを半減させる方法
「有給の申請ってどうやるんですか?」——この質問、今月だけで何回聞かれましたか?
経費精算のやり方、Wi-Fiのパスワード、備品の発注方法。総務や管理部門には、毎日のように同じ質問が飛んできます。1回あたりは5分程度。でも、それが月に50回、100回と積み重なるとどうなるか。答える側の時間だけでなく、聞く側も「誰に聞けばいいんだっけ?」と探す時間が発生しています。
この記事では、ChatGPTなどの生成AIを使って社内FAQを半日で作り、問い合わせを半分以下に減らす具体的な方法を解説します。特別なツールは不要。GoogleドキュメントやSlackなど、今ある環境だけで始められます。社内FAQは、生成AIを活用した社内ナレッジ管理・情報共有の第一歩としても非常に効果的です。
目次
「同じ質問に何度も答える」が奪っている時間を計算してみる
1回5分の対応でも、月50回なら年間50時間。答える側・聞く側の両方を合わせると、年間100時間以上のロスが発生している企業も珍しくない。
1回5分の対応が年間でどれだけ積み上がるか
「ちょっとした質問」を甘く見てはいけません。試しに計算してみましょう。
総務担当者が同じ質問に1日2〜3回対応しているとします。1回あたり5分。月に約50回として、月間4時間以上。年間にすると約50時間です。
50時間あれば何ができるでしょうか? 業務マニュアルの整備、新しいツールの導入検討、採用面接の準備——。本来やるべき仕事に充てられたはずの時間が、「有給の申請方法を教える」で消えていくわけです。
ポイント
問い合わせ対応の時間は「見えないコスト」になりがちです。まずは1週間だけでも「同じ質問を何回聞かれたか」を記録してみてください。数字で見ると、想像以上の時間を使っていることに気づきます。
答える側だけでなく「聞く側」の時間も消えている
見落としがちなのが、質問する側の時間ロスです。
質問したい人はまず「誰に聞けばいいか」を考えます。Slackで聞くか、直接席まで行くか。担当者が席を外していたら、戻ってくるまで待つ。やっと聞けても「あ、それは○○さんに聞いて」とたらい回しにされることも。
結局、1つの質問を解決するのに聞く側も10〜15分かかっていたりします。
つまり、答える側5分+聞く側10分=1回あたり15分。月50回なら年間150時間。従業員20人の会社なら、全社で年間数百時間が「同じ質問」に消えている計算です。こうした「必要な情報がすぐ見つからない」問題は、生成AIを使ったファイル検索の改善でも大幅に解消できます。
「同じことを何度も聞かれるのがストレス」という声は、答える側からよく出ます。でも実は、聞く側も「こんなこと聞いていいのかな」と遠慮しながら聞いている。双方にとってストレスなんですね。FAQがあれば、この心理的な負担もなくなります。
— 生成AI顧問の視点
社内FAQとは?生成AIで作ると何が変わるのか
社内FAQ(よくある質問集)とは、社員から繰り返し出る質問と回答をまとめた社内ナレッジのこと。生成AIを使えば、作成時間を従来の5分の1以下に短縮できる。
従来のFAQ作成が挫折する理由
社内FAQの必要性は、多くの管理部門が感じています。でも実際に作れている会社は少ない。なぜでしょうか?
理由はシンプルで、「作る時間がない」からです。
普段の業務をこなしながら、質問を洗い出して、回答を書いて、体裁を整えて……。まとまった時間がないと着手できない。だから「いつかやろう」のまま放置される。定番の挫折パターンですね。
もう一つ、「完璧に作ろうとしすぎる」問題もあります。100問のFAQを最初から目指して、結局1問も完成しない。誤解を恐れずに言うと、FAQ作りで一番の敵は「完璧主義」です。
ChatGPTを使えば「質問の洗い出し→回答作成」が半日で終わる
生成AIが変えるのは「作るスピード」。ここが最大のポイントになります。
たとえば、過去のSlackやメールで聞かれた質問をChatGPTに貼りつけて「よくある質問をカテゴリ別に整理して」と指示する。これだけで、質問の洗い出しが10分で終わります。
次に、各質問への回答文を書く作業。「有給休暇の申請手順を、新入社員向けに3ステップで説明して」と指示すれば、30秒で下書きが出てきます。あとは社内ルールに合わせて微調整するだけ。
従来なら丸2日かかっていた作業が、半日で終わる。これが生成AIを使う最大のメリットです。
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生成AIで社内FAQを作る3ステップ
「質問を集める→AIで回答を作る→設置する」の3ステップで完成。まず20問から始めれば、問い合わせは半分以下に減る。
ステップ1:よく聞かれる質問を20個洗い出す
最初にやるのは「何を聞かれているか」のリストアップ。ただし、記憶に頼ると偏りが出ます。そこでChatGPTを使いましょう。
以下のプロンプトをそのまま使ってみてください。
出力されたリストを見て、「うちではこれも聞かれる」「これは聞かれない」と取捨選択してください。AIの出力をそのまま使うのではなく、自社の実態に合わせて調整するのがコツです。
ここで大事なのは、完璧を目指さないこと。まず20問あれば十分。「よく聞かれるTOP20」だけで、問い合わせの大半はカバーできます。
ステップ2:ChatGPTで回答文を一気に整える
質問リストができたら、次は回答文の作成です。以下のプロンプトで一気に仕上げましょう。
AIが出力した回答は、必ず管理部門の担当者がチェックしてください。社内ルールの細かいニュアンスは、AIには分からない部分もあります。とはいえ、ゼロから書くのとは比べものにならないスピードで仕上がるはずです。
ポイント
回答文は「短く・具体的に」が鉄則です。長い回答は読まれません。手順系の質問は「①〇〇する → ②〇〇する → ③完了」のようにステップ形式にすると、格段に分かりやすくなります。
ステップ3:Googleドキュメントやチャットツールに設置する
FAQが完成したら、社員がアクセスしやすい場所に置きましょう。「どこに置くか」で効果が大きく変わります。
| 設置先 | 向いている会社 | メリット |
|---|---|---|
| Googleドキュメント | Google Workspace利用企業 | 検索機能が使える。URLを共有するだけ |
| Notion | すでにNotionを使っている会社 | カテゴリ分けやタグ検索が簡単 |
| Slack / Teamsのピン留め | チャットが日常の連絡手段の会社 | 最もアクセスしやすい。質問前に見る習慣がつく |
| Googleスプレッドシート | ITツールに不慣れな社員が多い会社 | Ctrl+Fで検索できる。操作がシンプル |
正直なところ、最初はGoogleドキュメント1枚で十分です。凝ったツールを導入する必要はまったくありません。
ここであえて言いたいのですが、「社内FAQといえばチャットボット」と考える方が多いですよね。でも、順番が逆です。チャットボットに入れる中身(FAQ)がなければ、ボットは何も答えられない。まずテキストでFAQを作る。チャットボット化を検討するのはその後で十分です。
設置したら、全社に「FAQを作りました。質問する前にまずここを見てください」とアナウンスするのを忘れずに。SlackやTeamsのチャンネル説明欄にURLを貼っておくと、自然と目に入りますよ。なお、Googleドライブに社内情報が散在していて検索に困っている場合は、GoogleドライブとAI検索を組み合わせた情報整理の手順も参考にしてみてください。
FAQ作りから運用の仕組みづくりまで、まるごと相談したい方へ
無料相談の流れを見る →FAQを「作って終わり」にしない更新のコツ
FAQは「生きた文書」として更新し続けることで価値が持続する。3ヶ月に1回のAIチェックと、新しい質問の即時追加を習慣にするのがカギ。
3ヶ月に1回、AIでチェックするルーティン
FAQは作った瞬間が一番新しく、そこから古くなっていきます。就業規則の変更、ツールの入れ替え、オフィスの移転——。情報が変わるタイミングは意外と多いんですね。
とはいえ、毎月チェックするのは現実的ではないですよね。おすすめは3ヶ月に1回のルーティン化です。
やり方は簡単。ChatGPTにFAQ全文を貼りつけて、こう聞くだけ。
AIが「この回答は情報が古い可能性があります」と指摘してくれます。あとは該当箇所だけ更新すればOK。全体を見直す手間が大幅に減りますね。「マニュアルやFAQを作っても更新が続かない」という悩みは多くの企業に共通する課題ですが、ナレッジ管理が続かない原因と生成AIでの解決策で詳しく解説しています。
新しい質問が出たら即追加する運用ルール
3ヶ月ごとの定期チェックに加えて、日常的な運用ルールも決めておきましょう。
おすすめは「2回聞かれたらFAQに追加する」というルール。1回目は偶然かもしれない。でも2回聞かれたら、今後も聞かれる可能性が高い。そのタイミングで追加します。
追加の手間を減らすコツとして、Slackに「FAQ追加リクエスト」チャンネルを作っておくのも有効です。誰でも「こんな質問を追加してほしい」と投稿できるようにしておけば、管理部門だけに負担が集中しません。
FAQ運用で一番もったいないのは、「作ったのに誰も見ない」状態になること。設置場所とアナウンスが甘いと、こうなりがちです。質問が来たときに「FAQのここに書いてありますよ」とリンクを返す。これを2〜3回くり返すだけで、「まずFAQを見てから聞こう」という文化が自然に根づいていきます。
— 生成AI顧問の視点
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よくある質問
QFAQは何問くらい作ればいいですか?
Aまず20問で始めてみてください。「全社員からよく聞かれるTOP20」をカバーするだけで、体感として問い合わせが半分以下に減ったという声は多いです。100問を目指して着手できないより、20問を今日作る方がずっと価値があります。
Qチャットボットにする必要はありますか?
A結論からいうと、最初は不要です。GoogleドキュメントやNotionにまとめるだけで十分に機能します。チャットボットは、FAQの中身が50問以上に増えて検索性が課題になってから検討しても遅くありません。中身のないチャットボットを導入しても、使われないまま終わりますからね。
QFAQの内容が古くなったらどうすればいいですか?
A3ヶ月に1回、ChatGPTにFAQ全文を読み込ませて「古くなっている箇所はないか」とチェックさせるのがおすすめです。社内で制度変更やツール変更があったタイミングでも即座に更新するルールを決めておくと、情報の鮮度が保てます。
まとめ
社内FAQの整備は、生成AIで社内ナレッジ管理・情報共有を変革する取り組みの中でも、最も手軽に始められて効果が見えやすい施策です。新入社員のオンボーディングにも直結するテーマなので、生成AI×ナレッジ活用でオンボーディングを加速する方法もあわせてご覧ください。
あわせて読みたい:無料相談の流れはこちら →
この記事のまとめ
- 「同じ質問に何度も答える」は、答える側・聞く側の双方で年間100時間以上のロスになりうる
- 社内FAQは生成AIを使えば半日で作れる。まず20問から始めるのが成功のコツ
- 設置先はGoogleドキュメントやSlackのピン留めなど、今ある環境で十分。チャットボットは後でいい
- 3ヶ月に1回AIでFAQをチェックし、2回聞かれた質問は即追加する運用ルールで鮮度を保つ
- FAQ作成から運用の仕組みづくりまで相談したい場合は、BoostXの生成AI顧問(月額11万円〜)が一貫サポートできる
※本記事の情報は2026年3月時点のものです。