ChatGPTのカスタムGPTは、Businessを含む標準の日程で2026年12月に提供が終わります。会社が決めるのは、どのGPTを残すか・誰が移すか・社内システムとの連携をどう作り直すかの3つで、最初にやるのは移行ではなく、作成者・共有先・連携の有無を並べた一覧づくりです。移るのは公開済みの指示と知識ファイルと接続済みアプリだけで、モデルの選択とカスタムアクションは引き継がれず、移した先は非公開で始まります。
- Businessの期限は2026年12月です。2027年2月まで延びるのは、延期が承認されたEnterpriseとFedRAMPのワークスペースだけです。
- 移せるのは原則として作った本人です。ワークスペース管理者も移せるとFAQが明記しているのはEnterpriseだけで、Businessについては書かれていません。
- カスタムアクションで社内システムにつないだGPTは、移しても連携が動きません。代わりの接続を作るか、やめるかを技術担当と先に決めます。
目次
カスタムGPTは12月11日に終わる、会社で決めるのは3つ
会社で決めるのは、どのGPTを残すか・誰が移すか・外部との連携をどう作り直すかの3つです。この3つは、社内にどんなGPTがあり、誰が作り、どこにつながっているかが分からないと決まりません。だから最初の作業は一覧づくりになります。
OpenAIは2026年9月、ChatGPT Businessのリリースノートで、すべてのプランでカスタムGPTの提供を終え、再利用できる指示と接続済みアプリを組み合わせる「プラグイン」へ移す手段を用意すると告知しました。その後に公開された移行のFAQでは、標準の終了日を2026年12月としています。延期が承認された対象のEnterpriseワークスペースとFedRAMPのワークスペースだけは2027年2月です。Businessで使っている会社が後ろの日付を自社の期限と取り違えないよう、部長会では日付を1つだけ示すほうが伝わります。
終了日を過ぎると、カスタムGPTとそのGPTページにはアクセスできなくなります。一方で、カスタムGPTと交わした既存の会話は終了後も閲覧できるとFAQは書いています。「会話が消える」という説明を見かけたら、公式の記述とは違うと伝えて構いません。
公式が求めている準備は、作成者と利用者の特定
リリースノートは準備として、チームのGPTを確認し、その作成者とアクセスを必要とするメンバーを特定するよう求めています。移行の操作そのものは、作成者がGPTの画面からプラグインへ移す流れで、会社の側で詰めることはほとんどありません。詰める必要があるのは、その操作を誰がいつまでにやるかです。
部署に配る一覧の欄
一覧には、GPTの名前・使っている部署・作成者(在籍しているか)・作成元のワークスペース・公開済みか下書きが残っているか・共有先・接続済みアプリの有無・カスタムアクションの有無・直近で使っているか、の欄を置きます。作成元の欄を設けるのは、GPTの扱いが使っている人ではなく作成元のアカウントやワークスペースの日程と権限に従うからです。社員が個人のアカウントや社外のワークスペースで作られたGPTを業務で使っていれば、会社の側からは移せません。
ワークスペース内の全GPTの一覧を取るにはオーナー権限が要る、という記述はFAQにありますが、Enterprise向けの一括移行の項に置かれたものです。Businessの管理者が同じ一覧を取れるかはFAQからは読み取れないため、管理画面で確かめつつ、各部署からの申告で一覧を埋める段取りを並行して進めるのが確実です。
移すと何が引き継がれ、何が引き継がれないのか
カスタムGPTの移行とは、公開済みのGPTの指示をプラグインの「スキル」に、知識ファイルを「参照ファイル」に写すことです。接続済みのアプリはプラグインのアプリとして追加されます。GPTで選んでいたモデルとカスタムアクションは写りません。
| GPTにあったもの | 移行後 | 会社として確かめること |
|---|---|---|
| 指示(公開済み版) | プラグインのスキルになる | 下書きの編集が残っていないか |
| 知識ファイル | 参照ファイルにコピーされる | 古い規程や価格表が混ざっていないか |
| 接続済みアプリ | プラグインのアプリとして追加される | 使う人がそのアプリを使える状態か |
| 選んでいたモデル | 引き継がれない | 移した後の応答が元と変わらないか |
| カスタムアクション | 引き継がれず、代わりを設定するまで動かない | 作り直すか、やめるか |
| 一般公開設定・共有先 | 引き継がれない。プラグインは非公開で作られる | 誰に共有し直すか |
| 元のGPT | 終了日までは使えるが、移行後は読み取り専用 | 直したい点を移す前に直したか |
見落としやすいのは最後の行です。移行した後の元のGPTは読み取り専用になり、作成者でも削除できなくなります。指示の誤りや古いファイルを直してから移さないと、直す場所はプラグインの側だけになります。
作った人が辞めたGPTや、下書きのままのGPTは誰が移せるのか
使う権限があっても移すことはできず、移るのは最新の公開済み版だけです。FAQは、他の人が作ったGPTを使う権限があっても、そのGPTを移す権限は与えられないと書いています。
作成者が辞めた・異動したGPT
ワークスペース管理者もGPTを移せるとFAQが明記しているのは、必要なアクセスが有効になっているEnterpriseワークスペースだけです。Businessの管理者が他の人のGPTを移せるかは、FAQには書かれていません。ここは部長会で「できる」とも「できない」とも言わず、「公式のFAQでは確認できていない」と伝えるのが正確です。
そのうえで、作成者が不在のGPTは12月11日に止まる前提で扱いを決めます。管理画面やOpenAIの窓口で移す手段が見つからなければ、使っている部署に指示の文面と知識ファイルが手元に残っているかを確かめてもらい、残すなら新しく作り直す、使われていないならやめる、のどちらかにします。作成者が異動しただけで社内にいるなら、本人に移行を頼むのがいちばん早い道です。
下書きのままのGPT
移行に使われるのは最新の公開済み版で、下書きや未公開の編集は移りません。作成者が手直しを途中で止めているGPTは、公開済みの古い版が移ります。直した内容を残したいなら、作成者が編集を公開してから移します。
社内のGPTを5種類に分けて、残す・作り直す・やめるを決める
社内のGPTは、指示とファイルだけ・接続済みアプリあり・カスタムアクションあり・作成者が不在・下書きのまま、の5種類に分けると、12月11日に起きることと動く人が変わります。1つのGPTが2つに当てはまるとき(作成者が不在で、カスタムアクションもある、など)は、表の下の行ほど重い扱いになると考えて、重いほうに合わせます。
| GPTの種類 | 何が移るか | 誰が動くか | 12月11日までにやること |
|---|---|---|---|
| 指示とファイルだけ | 指示はスキル、ファイルは参照ファイルとしてほぼ移る。モデルの選択は移らない | 作成者 | 移して、普段の質問で応答を比べてから共有し直す |
| 接続済みアプリあり | 指示・ファイルに加え、アプリもプラグインに追加される | 作成者と情シス | 移した後、共有先の人がそのアプリを使えるかを確かめる |
| カスタムアクションで社内システムにつないでいる | 指示とファイルは移るが、連携は動かない | 作成者と技術・セキュリティ担当 | 作り直す・アプリで代える・やめるを決め、作り直すなら権限を確かめる |
| 作成者が退職・異動 | 利用者は移せない。Businessの管理者が移せるかはFAQに記載なし | 情シスと使っている部署 | 異動なら本人に依頼。退職なら移す手段を確かめ、無ければ作り直すかやめる |
| 下書きのまま | 公開済みの版だけが移る。下書きの編集は移らない | 作成者 | 残したい編集を公開してから移す。使っていなければやめる |

片づける順番は、作成者が不在のGPTとカスタムアクションのGPTが先です。前者は移す人がおらず、後者は移しても動かないので、どちらも12月11日の直前に気づいても間に合いません。指示とファイルだけのGPTは作成者の操作で済むため、最後でも追いつきます。
使われていないGPTは移さずにやめる
一覧の「直近で使っているか」の欄が空のGPTは、移さない判断も選べます。移した先は非公開で始まり、共有先を設定し直す手間が1本ごとにかかるため、数を減らすほど切り替えは軽くなります。やめても、そのGPTとの過去の会話は閲覧できると公式は書いています。
移行を機に、誰が何を作ってよいか・誰に共有してよいかの決まりを見直す会社もあるでしょう。社内の決まりの作り方はChatGPTの社内利用ルールの記事で扱っています。
社内システムにつないだGPTは何を作り直すのか
移行すれば社内システムとの連携も動くのか。動きません。FAQは、カスタムアクションは移行の流れで引き継がれず、代わりを設定するまで、それに頼っていた機能はプラグインで動かないと書いています。顧客管理や在庫の画面から情報を取ってくるGPTであれば、移したプラグインは指示どおりに話しても、データを取りに行けない状態になります。
代わりの接続を作るには、カスタムMCPサーバーと技術的な設定が必要になる場合がある、とFAQは書いています。ここは部署の作成者だけでは決めきれないため、情シスが間に入り、次の3つのどれにするかを決めます。
- 作り直す: 業務で毎日使っていて、つなぎ先の情報が無いと役に立たないGPT。技術担当と、作り直す範囲と期限を決める
- アプリで代える: つなぎ先が、ChatGPTのアプリとしてすでに接続できるサービスの場合。カスタムアクションをやめてアプリに寄せられるかを確かめる
- やめる: 使う人が少なく、連携が止まっても手作業で代われるGPT
作り直すと決めたGPTについて、FAQは技術チームやセキュリティチームと連携し、作り直した連携とその権限を確かめるよう求めています。カスタムアクションのときに使っていた認証の設定や、どの範囲のデータを読めるようにしていたかは、作り直しの前に書き出しておくと、権限の確認で迷いません。
現場に切り替えを頼む前に確かめる6項目
移した後に現場が困るのは、プラグインが見つからない・答えが変わった・つなぎ先が読めない、のどれかです。切り替えを頼む前に、次の6項目を1本ずつ確かめます。
| 確かめる項目 | 見るところ | 確かめないと起きること |
|---|---|---|
| 1. 作成元のワークスペース | 会社のBusinessワークスペースで作られたか | 社外や個人のアカウントで作られたGPTは、会社の側から移せない |
| 2. 公開済みか | 下書きの編集が残っていないか | 古い版が移り、直したはずの指示が戻る |
| 3. 共有先 | 元のGPTを誰に共有していたか | プラグインは非公開で作られるので、現場から見えない |
| 4. モデル | 元のGPTで選んでいたモデル | モデルは引き継がれず、答えの質や長さが変わることがある |
| 5. 連携の権限 | アプリと作り直した接続が読める範囲 | 読めない、または読ませたくない範囲まで読める |
| 6. 普段の質問での比較 | 使い慣れた質問と、難しい質問1つ以上 | 元のGPTと違う応答に、使い始めてから気づく |
6つ目は、FAQ自身が、移したプラグインは元のGPTと異なる応答をする場合があるとして、使い慣れたプロンプトと少なくとも1つの難しいケースで比べるよう求めているものです。営業の提案書チェックなら、よく直す提案書と、判断に迷った提案書を1本ずつ用意して、元のGPTとプラグインの両方に読ませて比べます。元のGPTは終了日までは使えるので、比べられるのは12月11日の前だけです。
比べた結果は、一覧の行に「切り替え可」「要調整」と書き足しておくと、部長会で進み具合を示す材料になります。プラグインをよく使う人の席の割り当ても合わせて見直すなら、ChatGPT Businessのプレミアムシートを誰に割り当てるかの記事が参考になります。
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この記事のまとめ
- 今週中に、第1節の欄を並べた一覧を各部署へ配り、申告の締め切りを11月中旬に置く。
- 管理画面とOpenAIの窓口で、Businessの管理者が全GPTの一覧を取れるか・他の人のGPTを移せるかを問い合わせ、回答を記録に残す。
- カスタムアクションのGPTは、つなぎ先のシステムの担当者と打ち合わせの日を先に押さえる。
- 部長会では、期限(12月11日)・片づける順番・各部署にお願いすることの3点だけを1枚で示す。
公開日:2026年11月
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