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M365が無い会社は、Copilotを単体で購入して使えるか

公開 2026.11.08 ・ 読了目安 約12分

Microsoft 365 を契約していない会社でも、2026年12月からは Microsoft 365 Copilot を単体で購入できるようになります。ただし Microsoft は、Copilot の働きは契約している Microsoft 365 のアプリとサービス次第だと書いています。メールを扱うには Exchange Online、Word や Excel の中で使うには Microsoft 365 Apps が要り、買い切りの Office は対象外なので、使いたい場面ごとに足りないものを確かめてから「買う・足して買う・見送る」を決めます。

30-SECOND SUMMARY買えるようになるが、使える場面は契約中のサービスで決まる
  1. 12月1日から、Microsoft 365 の基本サブスクリプションが無くても Copilot と Copilot Business を購入できます。価格は今のオファーと同じで、変わるのは買い方だけです。
  2. Gmail と買い切りの Office だけの会社では、メールの要約や Word・Excel の中での利用は、公式の要件を満たさないと読めます。チャット画面での下書き程度に用途が限られる可能性があります。
  3. CSP で買う Copilot Business には、2027年1〜3月から従量課金が既定で有効になります。上限の管理者を決めてから買います。

M365 が無い会社は、Copilot を単体で購入して使えるのか

買うことはできます。ただ、買えることと、自社の環境で役に立つことは別の話です。Copilot の働きは契約した Microsoft 365 のアプリとサービスに左右されるので、使いたい場面を先に決め、場面ごとに足りないものを確かめてから判断します。

これまで法人向けの Copilot は、Microsoft 365 の基本契約に足す「アドオン」として売られてきました。12月1日からは、その基本契約が無くても購入の手続きができるようになります。一方で、Copilot がメールを読んだり、Excel の表を扱ったりするには、それぞれの置き場所が Microsoft のクラウドにある必要があります。

メールと共有ドライブが Google Workspace、Word と Excel が買い切りの Office という会社は、ちょうどこの境目に立っています。社長の「うちも Copilot だけ入れられるのか」には、「買えるが、今の環境のままでは使える場面が限られる。どの場面で使いたいかを決めて、足りないものと一緒に判断したい」と返すのが、公式の資料に沿った答えです。

なお、Microsoft の要件ページでは Microsoft 365 Copilot の名前が Microsoft Copilot に変わったと書かれています。販売店の案内では旧名が残っていることもあるので、この記事では両方を同じ製品として扱います。

10月14日と11月3日に何が発表されたのか

12月1日から出る新しいオファーは、Microsoft 365 の基本サブスクリプションが無くても購入できる Copilot のライセンスで、価格は今のオファーと同じです。Microsoft が販売店(パートナー)向けに出したお知らせのうち、判断に関わるものを日付順に並べます。

10月14日のお知らせで決まったこと

10月14日のお知らせの中心は、2026年12月から、新しい Microsoft 365 Copilot と Microsoft 365 Copilot Business が、対象となる基本サブスクリプションなしで購入できるという点です。新しいオファーは独自の製品 ID と SKU ID を持ち、価格は現在のオファーと同じとされています。

お知らせは、この変更が Copilot の機能ではなく、顧客が Copilot を購入する方法に関わるものだと断っています。そのうえで、Copilot の体験は顧客がライセンスを取得した Microsoft 365 のアプリとサービスに引き続き依存する、と書いています。買い方は自由になっても、働く範囲は契約中のサービスで決まるということです。

既存の契約の扱いも決まりました。基本サブスクリプションが要る今のオファーは、10月16日から名前に「(アドオン)」が付き、2026年12月に CSP での販売を終えます。販売終了はサポート終了ではなく、既存の契約に対応は要りません。

同じお知らせには、Office LTSC 2021 のサポートが2026年10月に終わったことと、Copilot は Microsoft 365 スイートに含まれるクラウドのアプリでだけサポートされ、オンプレミス版の Office は対象外であることも書かれています。買い切りの Office を使う会社にとっては、こちらのほうが影響の大きい一文です。

11月3日に延びたこと

11月のお知らせでは、CSP で新しく買う Copilot Business の使用量ベースの課金(従量課金)を既定で有効にする時期が、2026年12月ではなく2027年1〜3月(Microsoft の会計年度 FY27 第3四半期)に変わりました。既定の上限は1人1か月4,000 Copilot クレジットで、管理者が調整できます。正確な開始日は示されていません。

公式の要件は、買った後に何を求めているか

公式は、Copilot はクラウドのアプリでだけサポートされ、オンプレミス版の Office は対象外だと書いています。Microsoft Learn の要件ページ(2026年11月時点)に並ぶ条件は次のとおりです。

場面を問わず要るもの

使う人は、Microsoft Entra ID の職場または学校のアカウントを持っている必要があります。Google Workspace のアカウントだけで社員を管理している会社は、まずここを用意することになります。

使う場面によって要るもの

メール・予定表・会議などメールボックスのデータを使う体験には、Exchange Online のメールボックスが要ります。デスクトップアプリで Copilot を使う人には Microsoft 365 Apps を展開する必要があり、Microsoft 365 Apps for enterprise のデバイス単位のライセンスでは使えません。

このほか、一部の Copilot 機能には OneDrive のアカウントが要ります。会議の後に Copilot が会議の内容を参照するには、Teams の文字起こしか録音を構成しておきます。

要件ページとお知らせが食い違って見える点

要件ページは、11月4日時点でも「Copilot ライセンスと、資格のある前提条件ライセンスの両方が要る」と書いたままです。10月のお知らせが言う「基本サブスクリプションなしで購入できる」とは、読む限り食い違って見えます。

お知らせは「購入の方法」が変わると書き、要件ページは「使う」ための条件を書いているので、買えても使える範囲は前提のサービス次第、と読むのが自然です。ただ、基本契約なしで買ったときにどの機能が動くかの一覧は、公式にはまだありません。12月以降に要件ページが書き換わるかどうかは、購入前にもう一度開いて確かめる必要があります。

使いたい場面ごとに、自社に足りないものを確かめる表

メールは Exchange Online、Word や Excel の中は Microsoft 365 Apps、会議の要約は Teams の文字起こしが前提です。Google Workspace と買い切りの Office を使う会社に当てはめると、次のようになります。右の列のうち Gmail・Google カレンダー・Google ドライブに関わる部分は、公式の要件から読める範囲の推論です。Microsoft の資料で Google のサービスとの接続を確かめたものではありません。

使いたい場面 公式の要件 Google Workspace・買い切り Office の会社では
チャット画面で文書の下書き・相談 Entra ID の職場アカウント アカウントの用意が要る。基本契約なしで動く範囲は公式の一覧が無い
メールの要約・返信の下書き Exchange Online のメールボックス Gmail だけでは要件を満たさないと読める
予定表を見た日程の調整 Exchange Online のメールボックス Google カレンダーだけでは要件を満たさないと読める
会議の後の要約 Teams の文字起こしか録音 Teams で会議をしていなければ対象にならない
Word・Excel の中で使う Microsoft 365 Apps(デバイス単位は不可) 買い切りの Office(オンプレミス版)は対象外
手元のファイルを扱う一部の機能 OneDrive のアカウント Google ドライブだけでは足りない機能があると読める
Copilotで使いたい場面(チャットでの下書き・メール・予定表・会議の要約・WordやExcelの中・ファイルを扱う機能)ごとに、公式の要件と、Google Workspaceと買い切りのOfficeの会社で足りるかを並べた表

表の読み方は、社内で Copilot に頼みたい場面を3つ選び、その行の右の列を見るだけです。3つとも「足りない」になるなら、Copilot だけを買っても期待した使い方にはなりません。その場合の選択肢は、足りないサービスも一緒に契約する(実質的には Microsoft 365 への移行に近づく)か、見送るかの2つです。

チャット画面での下書きだけが目的なら、要件は Entra ID のアカウントに絞られます。ただ、ここが基本契約なしで動くかどうかは、上の食い違いの話に戻ります。販売店に、自社の使い方を書いた上で確かめてもらうのが確実です。

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販売店から買う前に聞く4つのこと

表で使いたい場面が残ったら、販売店に次の4つを聞きます。どれも公式の資料に書かれているが、自社の契約にどう当てはまるかは販売店に確かめるしかない点です。

1. うちは Copilot Business の対象か

Copilot Business は、テナントごとに最大300人のライセンスユーザーまでです。300人を超える組織はエンタープライズ向けのライセンスを使います。今の利用予定だけでなく、全社に広げたときの人数でどちらに当たるかを聞いておきます。

2. CSP で買うと従量課金は付くのか

CSP で新しく買う Copilot Business では、2027年1〜3月から従量課金が既定で有効になります。既定の上限は1人1か月4,000 Copilot クレジット、テナント全体で1,200,000クレジットで、管理者が調整できます。従量課金を無効にすると AI の体験へのアクセスが制限される場合があり、新しく買うと同じテナントの既存の Copilot Business ライセンスにも既定で有効になります。

販売店には、自社が買う経路でこの課金がいつから付くのか、上限をいくらにするのか、請求はどう届くのかを聞きます。CSP 以外の経路での扱いは公式のお知らせに書かれていないので、ここも販売店の回答で確かめます。社内では、上限を誰が決めて誰が毎月見るかを経理と先に決めておきます。

3. 既に一部の人が持っているアドオンはどうなるか

一部の社員だけ Microsoft 365 を契約し、Copilot のアドオンも付けている会社なら、上で見たとおり、今の契約はそのまま使い続けられます。迷うのは追加の買い方で、足りない人数を新しいオファーで買い足すのか、アドオンのまま増やせるのかを聞きます。

4. 前提ライセンスの記述と、日本で買える時期

要件ページが前提条件ライセンスを必須と書いたままなので、基本契約なしで買った場合に、自社の使いたい場面が動くかを販売店に確かめます。口頭ではなく、回答をメールで残してもらうと社内に説明しやすくなります。あわせて、新しいオファーを日本で12月1日から注文できるかも聞きます。公式は「CSP を含むすべてのチャネルで」提供とだけ書いており、日本の販売店で取り扱いが始まる日は書かれていません。

単体で買わないなら、何と比べるか

表で「足りない」が多かった会社が比べる道は2つです。

1つ目は、Copilot と一緒に Microsoft 365 へ乗り換える道です。メールを Exchange Online、ファイルを OneDrive に移し、Office を Microsoft 365 Apps に替えれば、表の要件はそろいます。一方で、メールとドライブの移行は社内全員の働き方に関わるので、AI のためだけに決める話ではありません。Office LTSC 2021 のサポートが既に終わっていることと合わせて、Office の買い替えの判断として考えるほうが筋が通ります。乗り換えた後の導入の進め方はCopilot の導入で後悔しない順番で整理しています。

2つ目は、今の Google Workspace のまま、そこで使える AI を先に試す道です。メールとファイルが Google にある会社では、データがある側の AI のほうが要件の壁は低くなります。Google Workspace の Gemini で何が変わるかも比べる材料になります。

どちらの道でも、年内に決めるべきことは「Copilot を買うか」より「社内の AI の置き場所をどちらに寄せるか」です。社長への返事は、使いたい場面3つと表の結果、販売店の回答を並べて「買う・足して買う・見送る」のどれかで返します。

関連: AIに相談してはいけないこと/生成AIガイドライン/生成AI研修(サービス)

この記事のまとめ

  • 各部署の責任者に「Copilot に頼みたい作業を1つずつ」聞き、件数の多い3つを選ぶ。
  • 選んだ3つを表の行に当てはめ、右の列の結果を1枚にまとめて社長に見せる。
  • 販売店に4つの質問をメールで送り、回答の期限を11月中に置く。
  • 12月1日を過ぎたら Microsoft Learn の要件ページを開き、前提条件ライセンスの一文が変わったかを確かめる。

監修者|生成AIの導入から定着まで伴走する専門家が確認しています

吉元大輝(よしもとひろき)

株式会社BoostX 代表取締役社長

AI顧問・FDE型AI伴走支援・AIエージェント開発など、生成AIの相談から構築・現場定着までを一社で支援。業務可視化から効果測定まで、企業のAI活用を実務レベルで前に進めている。

公開日:2026年11月

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