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E-E-A-T強化でAI検索に引用される|中小企業の実践ガイド

公開 2026.03.25 ・ 最終更新 2026.09.30 ・ 読了目安 約15分

たとえば、広報の担当者が生成AIで記事の下書きを作り、編集責任者が公開の前日に読むとします。見出しは整い、誤字も無い。それでも責任者は「これは誰が、何を見て書いたのか」に答えられません。数字の出どころも、誰が実際に試した話なのかも、原稿からは読み取れないからです。

E-E-A-TとAIの関係について、Googleの公式説明で言えることは3つです。E-E-A-T自体はランキングに直接影響する要因ではないこと。AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件や、特別な対策は無いこと。生成AIを使ったことだけで品質の評価は決まらないこと。そのうえで、AIで記事を作る会社が人に残すのは、書く意味を決める、事実を確かめる、実体験を書き足す、著者と作成方法を示す、の4つの段階です。以下、記事づくりを7段階に分け、90日で見直す順番まで整理します。

30-SECOND SUMMARY忙しい方へ|この記事の結論
  1. E-E-A-Tは点数でもランキング要因そのものでもなく、AIによる概要やAIモードのための特別な対策も要りません
  2. 生成AIを使ったこと自体は減点されません。問題は、価値を足さずに本数だけ増やす作り方です
  3. 記事づくり7段階のうち、書く意味・事実の判断・実体験・署名と作成方法の4つは人に残し、下書きと照合の候補出しと数字の集計をAIに渡します。見直しは90日で1周させます

E-E-A-TとAI検索の関係は、Googleの公式説明でどこまで言えるのか

言えるのは、AI検索のための別の物差しは無い、というところまでです。AI検索で必ず引用される書き方を、Googleは示していません。

E-E-A-Tとは、Googleが役に立つ記事を見分けるための4つの観点

E-E-A-Tとは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の4つで、Googleの自動システムが役に立つコンテンツを見分けるときの観点として説明しているものです。最も重いのは信頼性で、4つすべてで優れている必要はありません。

この観点で検索結果を評価する検索品質評価者のデータも、そのままランキングに使われるわけではありません。評価者向けのガイドライン(英語で182ページ)は、記事を1本ずつ点検する物差しとして読むのが実用的です。

よくある受け止め方と、Googleの説明の違い

よくある受け止め方 Googleの説明 自社で変えること
E-E-A-Tには点数があり、上げれば順位が上がる E-E-A-T自体はランキングに直接影響する要因ではない 点数を追わず、記事1本ごとに誰が書き、何を確かめたかを残す
AI検索には専用のファイルやマークアップが要る 追加の要件は無い。AI向けのテキストファイルや特別なschema.orgも要らない 既存の記事がインデックスに登録され、スニペットを表示できる状態かを先に確かめる
AIで書いた記事は評価が下がる 生成AIツールを使ったことだけで、ページ品質の評価は決まらない AIを使ったかどうかではなく、人が価値を足した段階が記事に残っているかを見る

3つ目には条件が付きます。生成AIなどを使い、読者への価値を足さずに大量のページを作ると、大量生成されたコンテンツの不正使用というスパムポリシーに当たる可能性があります。問われているのは道具ではなく、作り方と目的です。

AI検索のために、別の対策を足す必要はあるのか

足す必要はありません。AI機能にリンクとして表示される条件は、インデックスに登録され、スニペットを表示できる状態にあることで、通常の検索と同じです。

AI機能に表示された分の数字も、Search Consoleでは検索タイプ「ウェブ」のパフォーマンスレポートに含まれます。効果はウェブ検索の数字の中で見ます。

PerplexityやChatGPTの検索機能は別の会社の仕組みです。そちらでの見え方はPerplexityやSearchGPTに自社サイトが出ないときの見方の記事で扱っています。

Experience(経験)──AIの下書きに足せない実体験を、誰が書き足すか

経験の段落は、AIの下書きの後に、実際にその仕事をした社員が書き足します。社員が測った数字や試して起きた例外は、AIに渡さない限り下書きに入りません。

Googleが経験として見ているもの

Googleの自己評価の質問には、実体験や深い知識を明確に示しているか、という問いがあります。実際に商品やサービスを使った経験から得た知識が、その例です。

反対に、検索のアクセスを見込んで、実際の経験が無いのにニッチなテーマを扱うことは、見直しを促す質問の側に入っています。

生成AIで記事を作る7段階と、経験が入る場所

生成AIで記事を作る仕事を、テーマ決めから公開後の見直しまで7段階に分けると、次のようになります。AIを入れる前の、担当が1人で書いている状態です。

段階 担当 入力 出力 判断
1 テーマと書く意味を決める 編集責任者 顧客からの質問・問い合わせの記録・Search Consoleの検索語 企画1行(誰の何に答えるか) 書く価値があるか
2 材料と原典を集める 広報の担当 公的機関や製品提供元の資料・社内の記録 出典の一覧 原典かどうか
3 下書きを作る 広報の担当 企画・出典の一覧 見出しと本文の下書き 構成が企画とずれていないか
4 事実を確かめる 広報の担当 下書き・出典の一覧 直した下書き 誤りかどうか
5 実体験を書き足す その仕事をした社員 下書き・社内の記録 経験の段落 社外に出してよい範囲か
6 著者と作成方法を示す 編集責任者 原稿 署名と監修者の表示 誰が責任を持つか
7 公開後に見直す 編集責任者 Search Consoleの数字 更新するかどうかの判断 直すか、そのまま置くか

この表で抜けやすいのは段階5です。担当が1人で書いていると、段階3の下書きがそのまま段階4へ進み、段階5の欄が空のまま公開されます。文が整っている原稿ほど、この抜けは見えにくくなります。段階5の担当は、記事1本に1人を名前で決めておきます。

経験の段落に書けるもの、書かないもの

書けるのは、社内に記録が残っているものです。実際に測った所要時間や件数、使った画面の名前、試して起きた例外、顧客から受けた質問(社名と個人が分からない形にしたもの)の4つが代表です。

書かないのは、記録の無い伝聞と、関わっていない分野の経験です。社外に出してよいかは、契約と社内の情報の扱いに照らして編集責任者が確かめます。社内の記録を生成AIに渡してよいかの線は会社の情報を生成AIに入れてよいかを判断するルールの記事にまとめています。

自社のデータを材料に変える考え方は独自データと一次情報で記事を分ける記事で扱っています。

Expertise(専門性)──資格より、事実確認と監修を工程のどこに置くか

専門性は、書いた人の肩書きより先に、記事に明らかな事実の誤りが無いことで問われます。AIに下書きを任せたら、段階4の事実確認と段階6の監修を誰が持つかを先に決めます。

専門性として問われるのは、明らかな事実の誤りが無いこと

Googleの自己評価の質問では、専門性について、情報源が明確か、専門知識の証左や著者の背景が示されているか、トピックを熟知した人が書いてレビューしているか、明らかな事実誤認が無いか、が並んでいます。問いの中心は、書いたものが正しいかどうかです。

AIの下書きは文が整っているぶん、誤りが目立ちません。とくに数字、制度や製品の名前、日付の3つは、古い版の資料や別の資料の数字が混ざりやすい箇所です。段階4では、この3つを出典の一覧と1つずつ突き合わせます。数字が20か所ある記事なら、照合も20回です。

AIに下書きを渡した後の7段階(同じ段階番号)

段階番号は1〜7のままです。段階3の下書きがAIに移り、段階2・4・7は、AIが候補や集計を出して人が決める形に変わります。段階1・5・6は人に残ります。

段階 担当 AIが受け取るもの AIが返すもの 人が確かめること
1 テーマと書く意味を決める 編集責任者 なし なし 誰の何に答える記事か
2 材料と原典を集める 広報の担当 企画と調べる問い 原典の候補の一覧 原典を開き、該当の記述を読んだか
3 下書きを作る AI 企画・出典の一覧 見出しと本文の下書き 構成が企画とずれていないか
4 事実を確かめる 広報の担当と編集責任者 下書き・出典の一覧 数字・名前・日付の照合候補 誤りかどうかの判断
5 実体験を書き足す その仕事をした社員 なし なし 社外に出してよい範囲か
6 著者と作成方法を示す 編集責任者 なし なし 署名・監修・AIの使い方の説明
7 公開後に見直す 編集責任者 Search Consoleの数字 記事別の集計 直すか、そのまま置くか
生成AIで記事を作る7段階のうち、書く意味を決める・事実を確かめる・実体験を書き足す・著者と作成方法を示すの4段階を人に残し、下書きをAIに渡し、原典集めと公開後の見直しを分担することを示した図
AIに丸ごと渡すのは段階3だけです。間違えたときに会社が説明の責任を負う4つの段階は、人の手元に置きます

AIに渡す段階と人に残す段階を分ける線

分かれ目は、その段階に責任を負う人が要るかどうかです。下書き、照合の候補出し、数字の集計は、間違えても次の段階で人が気づけます。書く意味を決める段階1、誤りかどうかを決める段階4の判断、実体験の段階5、署名の段階6は、間違えたときに会社としての説明の責任になるので人に残します。

決めきれない点が1つあります。段階2の原典探しを、どこまでAIに任せるかです。候補を挙げさせると早い反面、存在しない資料名や別の年の版が混ざります。本文に使うのは担当が原典を開いたものだけ、という線がいまは無難だと考えています。

著者情報の構造化データは、ページの表示と一致させる

著者や監修者を構造化データで記述する場合、Googleが挙げている条件は、構造化データをページに表示されるテキストと一致させることです。表示していない肩書きをマークアップにだけ書くのは、この条件に反します。実装の細かい点はAI検索に向けた構造化データの実装の記事で扱っています。

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Authoritativeness × Trustworthiness──信頼性を最も重く見る説明と、会社として示すこと

4つのうち最も重いのは信頼性です。評価者向けのガイドラインでは、信頼できないページは他の3つが高く見えてもE-E-A-Tが低いとされます。

評価者が見る3つの材料:自分で言うこと、他者が言うこと、ページに見えること

評価者向けのガイドラインが挙げる材料は3つです。書き手が自分について言うこと(会社概要やプロフィール)、他者が言うこと(第三者の評判)、ページに見えている本文です。

会社のブログで手が届くのは1つ目と3つ目です。2つ目は寄稿や登壇で少しずつ増えるもので、記事の側から急いでは作れません。

もう1点、明らかな利害関係がある書き手は、信頼できる情報源にならない場合があるとも書かれています。自社のサービスに触れる記事では、自社の説明であることを隠さないことです。

会社として表示すること:誰が、どのように、なぜ

Googleは、コンテンツを「誰が、どのように、なぜ」作ったかの観点で見直すことを勧めています。会社のブログに置き換えると、次の表になります。

観点 Googleの問い 会社のブログで示すもの 担当する段階
誰が 著者は明確か。署名から背景に辿れるか 署名、監修者の名前と役職、会社概要へのリンク 段階6
どのように AIの使用を開示し、どう使ったかを説明しているか AIをどの段階に使い、人が何を確かめたかの説明 段階6
なぜ 主に人の役に立つために作ったか 誰のどの質問に答える記事かが、冒頭で分かること 段階1

会社概要へのリンクは、署名から1回で辿れる位置に置きます。AIの使用を開示するかは、読者が「これはどう作られたのか」と思いそうな記事かで決めます。Googleも、そうした記事では開示が有益だとしています。末尾に2〜3行あれば十分です。

日付だけを新しくしない、扱う分野を広げすぎない

中身を実質的に変えずに日付だけ変えることは、Googleの質問で見直しを促す側に入っています。段階7で直すと決めた記事だけ更新日を変え、何を直したかを担当が記録に残します。

Googleは、サイトに主要なテーマがあるかも問うています。自社が実際に関わった分野に記事を寄せる方が、権威性は積み上がります。地域に根ざした事業の考え方はAI検索時代のローカルSEOの記事で、テーマのまとめ方はトピッククラスターとピラーページの記事で扱っています。

E-E-A-T強化の90日実行プランと、社内だけで回す限界

90日は30日ずつ3つに分けます。はじめの30日で公開済みの記事を棚卸しし、次の30日で工程に確認欄を入れ、残りの30日で数字を見て直す記事を選びます。AI向けのファイルやマークアップの作成は、この90日の計画に入れません。

期間 やること 担当 残すもの
1〜10日目 問い合わせにつながってほしい記事を10本選ぶ 編集責任者 10本の一覧
11〜30日目 1本ずつ4点を付け、URL検査で登録の状態を確かめる 広報の担当 10本の点検表
31〜45日目 段階4・5・6に確認欄を入れる 編集責任者 3つの欄が入った工程表
46〜60日目 抜けの多い記事から段階4〜6をやり直す 広報の担当とその仕事をした社員 直した記事と、削った数字の記録
61〜90日目 28日分の数字を記事別に並べ、直す記事を選ぶ 広報の担当 棚卸し前の90日と直した後の比較

1〜30日目:公開済みの記事を10本選び、4点を付ける

問い合わせにつながってほしい記事を10本選び、1本ごとに4点を付けます。署名と監修者の表示があるか、出典が原典か、実体験の段落があるか、AIをどう使ったかの説明があるか、です。付けるのは1人で、本文を読んで付けます。

同じ30日のうちに、10本の登録の状態をSearch ConsoleのURL検査で確かめます。

31〜60日目:7段階の工程に確認欄を入れる

棚卸しで抜けが目立った点を、工程の確認欄にします。段階4には「数字・名前・日付を出典の一覧と照合した」、段階5には「実体験の段落を書いた社員の名前」、段階6には「署名・監修・AIの使い方の説明を入れた」の欄を置きます。新しく書く記事は、この3つの欄が埋まるまで公開しません。1本でも欄が空いていれば、その記事は次の週に回します。

既存の10本は、抜けの多い記事から1本ずつ段階4〜6をやり直します。数字の出どころが分からない箇所は原典を探し、見つからなければ数字ごと削ります。削った数字は記録に残し、次に使わないようにします。

61〜90日目:Search Consoleで測り、直す記事を選ぶ

見るのは、10本それぞれのウェブ検索での表示回数、クリック数、平均掲載順位、検索語です。期間は28日と3か月の2つで見ます。記事ごとに、棚卸しの前の90日と、直してからの90日の数字を並べて比べます。流入の細かい見方はAI検索からの流入を測る記事で扱っています。

見る数字 単位 見る間隔 測る人
4点がそろった記事の本数 10本のうち何本か 30日に1回 編集責任者
段階4で見つかった誤りの件数 1本あたりの件数 記事1本ごと 広報の担当
ウェブ検索での表示回数とクリック数 記事別の合計 28日に1回 広報の担当
平均掲載順位 記事別の平均 28日に1回 広報の担当
問い合わせにつながった件数 記事別の件数 28日に1回 編集責任者

数字が動かなかった記事は、段階1に戻り、誰のどの質問に答える記事なのかを見直します。見出しや日付を変えるだけで済ませないことです。直した記事は、直した日から28日たってから数字を見ます。

社内だけで90日を回すときの限界

かかる時間を、前提を置いて見積もります。下の表の1本あたりの分数は仮に置いた数で、実測ではありません。

人が持つ作業 1本あたり(前提) 10本で
4点を付ける 20分 200分
段階4の照合と判断 30分 300分
段階5の書き足し 30分 300分
合計 80分 800分(13時間20分)

この13時間20分は削れる時間ではなく、90日のうちに誰かが持たなければならない時間です。自社の数字は、2本ほど実際にやってみて置き換えてください。

90日の計画で詰まりやすいのは、段階5と段階6です。書ける社員は本来の仕事で手が埋まり、監修者の確認の時間も取れず、署名だけの記事が増えます。

段階4を担当1人が抱えると、下書きの本数に確認が追いつきません。増やすべきは下書きの本数ではなく、確認欄が埋まった本数です。

段階5と段階6の担当を社内で決められるなら、外の手は要りません。決めきれないときや線を社内で引けないときは、線引きと確認欄の設計だけを外部と決める方が早く進みます。GEO・AIO・LLMOを含めた全体の地図はAI検索時代のSEOの全体像の記事で整理しています。

ビフォーアフター:AIで記事を作る工程にE-E-A-Tの確認を組み込むと、編集責任者の仕事はこう変わる

組み込む前:整った下書きが、そのまま公開に近づく

  • AIの下書きを担当が読み、文が整っていれば公開の手続きに進む
  • 10本のうち何本の数字に原典があるかを、誰も数えていない
  • 実体験の段落は、書ける社員に声をかけた記事にだけ入る
  • 更新日は、見出しを直しただけのときにも新しくなる

組み込んだ後:人に残す4段階が、確認欄として残る

  • 段階4の照合、段階5の書き足し、段階6の署名とAIの使い方の説明の欄が埋まってから公開する
  • 編集責任者は28日ごとに10本の数字を見て、段階1に戻す記事を選ぶ

使う生成AIも、書く担当も同じです。違うのは、人に残す4つの段階が工程に欄として残るかと、更新日を変える条件が決まっているかの2点です。事実の判断と署名は、責任者の手元に残ります。

この記事のまとめ

  • 今週やるのは、公開済みの記事を10本選び、署名・原典・実体験の段落・AIの使い方の説明の4点を付けることです。AI向けのファイルやマークアップは、その後で考えても遅くありません
  • 生成AIには下書き・照合の候補出し・数字の集計を渡し、書く意味・事実の判断・実体験・署名は人に残します
  • 段階5の書き足しと段階6の監修を持つ人を、編集責任者のほかに1人ずつ決め、28日に1回、10本の数字をその人たちと見ます

監修者|生成AIの導入から定着まで伴走する専門家が確認しています

吉元大輝(よしもとひろき)

株式会社BoostX 代表取締役社長

中小企業の生成AI導入を支援する「生成AI伴走顧問」サービスを提供。業務可視化から定着支援まで、一気通貫で企業のAI活用を推進している。

2026年9月

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